TEAM.TOKIWAの ゲキレツマンガ道場
>>この連載は月1回更新します。バックナンバーは下にあります。 >>TOPPAGE
第11回 ああ、そはかの人か……! 2006.2.27 今回のお題は「苦労して探し求めたマンガ」です。マンガ好きならいつでも、1冊や2冊や数10冊のタイトルを胸に秘めているもの。かくいう私(アオウ)は、もちろん胸に秘めるくらいでは行き届かないので「欠け巻リスト」を手帳に書いて持ち歩いています。 |
渡辺水央●ライター
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真下弘孝●イラストレーター・デザイナー
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粟生こずえ●編集者・ライター
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『夢の島で逢いましょう』(山野一/青林堂/85年) この1冊どころか、探し求めてるマンガや探し続けてる作品は数限りなくあったりするものでして。この1冊は常に数冊あるものだと。まぁね、いろんなパターンがありますよね。巻数があるものでこの巻とこの巻が抜けてるとか、この作家の作品でこの単行本(1冊ものや短編集とか)が手に入らないとか。あとは雑誌で読んで面白かったけれど、どの単行本に収録されてるのか、そもそも単行本になっているのかわからないとか。 巻数抜けパターンで言えば、いまも昔も苦しめられてるのが柳沢きみお。そもそも小学生時代にマイ・ファースト・ベチ先生(柳沢氏の愛称)として『月とスッポン』(秋田書店)を集め始めたときからして、1巻から順繰りに買うんじゃなくて、たまたま手持ちであったものや人からもらった巻以外のものを埋めてく形で集めてたから(これ、古本屋で結構コンプリートさせた気がする)、いやぁ、苦労した! 苦労したんだれど、金欠になったときにそれをそっくり古本屋に売ってしまい(中学生時分)、そして大人になってまた全巻買い集めたっていう。しかもそのときには『月とスッポン』自体、絶版になってるわけだから、古本屋で買い集めるしかないっていう。で、ないしね、『月とスッポン』全巻セット売りなんて。だから、コツコツ、シコシコと……。 実は全巻セット、一回、神楽坂の古本屋で見たんだけれど、そのときにはもうたいがい集まってたから、ぐっとこらえて、こまい巻数をそれでも探し続けという……えーと、いばらの道? けものみち? 蛇の道は蛇? 違うな、まんが道!? そう、文字通りのまんが道を歩いた次第で(再コンプリートを終えたときには充実感、あったよなぁ)。 バラ買いで全巻集めをしていて、もう一歩というところに来たところで、皮肉にも全巻セットにめぐり会ってしまう。ここでそれを買ってしまえば話は早いんだけれど、巻がダブるのはもったいないし、なによりこれまでの苦労や情熱が否定してしまうようで、悔しい。きっとこれ、古本買いしてる人はよく経験してることだと思うんですが、これで折れてしまったパターンもいくつかあって、ブロンズ社の『真崎守選集』全20巻や、キド・タモツ『ゴリポン君』(小学館)全3巻は、悩みに悩みながらも買いましたよ、全巻セット。ズババババーンと! この両作品、バラじゃほとんど出てこないんだもん。『真崎守選集』もダブってるものもあるとは言え、不足分を集めるにはまだ遠い道だったし、『ゴリポン君』はずーっと1、2巻だけあって、完結巻の3巻とはなかなか縁がなかったので、こちらは屈した次第。 いまこのパターンで言えば、Moo.念平『あまいぞ!男吾』(小学館)も課題なんだよね。こちらもコツコツ買い集めていたら、判型違いの再編集版が発売されて、今度はそれが出たことで旧版の全巻ぞろいが値崩れした形でよく出回るようにもなったと。でもバラがないんだ、なかなかこれも! しかも持ってない巻に限ってにゃい!! でも逆を言えば、再編集版が出てるってことは、読むことに関して言えば通しでいつでも読めるってことで、そこにおいての焦りやジレンマはないわけで。まぁね、ライフワークってことでいきますよ。『あまいぞ!男吾』を集め続けるという一生仕事。それ、あり? そうだ、そうだ、ジョージ秋山『アシュラ』もこの類いだ。もともとぱる出版版の上・下巻で持っていたんですが、下巻を人に貸していたところ、手違いでそのまま戻ってこなくなり……。で、粟生こずえさんのブックレビューにもあるとおり、幻冬舎版で文庫が出たわけですが、それで自分の中の『アシュラ』熱を冷ますというのもなんだか寂しいと揺れていて。そもそも『アシュラ』、ずっと絶版になっていて、90年代に入ったところでぱる出版が復刻したんですが(で、それももはや絶版と)、いま文庫が出たことでさらなる旧版もそこそこの値段で市場には出てたりもする(確か旧サンデー版の全3巻セットで6千円くらい)。でも一冊とは言え、せっかくぱる出版版を持ってるんだから、そこでもう一度態勢を立て直したい気もしていて。ちなみにぱる出版版の下、アマゾンで調査してみたところ、6千円くらいで出回ってはいる。でもなぁ、なぜかこの場合は6千円って高いと思えるし、面倒臭い(と個人的には思える)個人間のネット売買っていうのもヤだしで。これならいっそのこと、ぱる出版版自体を持ってないほうがよかったぎゃ!(←アシュラ風)。 さて、最後に収録本不明だった短編の話。これ、そもそも作者も誰かわからないでいた作品だったんですが、たぶん中学のときだったのかなぁ。例によって例のごとく近所の古本屋で『ガロ』(青林堂)を読んでいたところ、なんとも言えないマンガに出会ったんですよ。衝撃的と言うよりはヤな感覚(でも決して嫌悪感はない)がじとーっと広がってくる感じの短編。都会のしゃれた高慢ちきなカップルが田舎の湖にやってきて、ボートに乗る。そこでキレイ事言いながらやることやちまおうぜとしていると、フリークスの水死体がたくさん浮かび上がってきてボートから落ち、ある船に救出される。その船というのは白痴魚と称されるかまぼこの材料(つまりはフリークスの水死体のこと)を吊り上げる漁船で、カップルも白痴魚と勘違いされてしまい、男はそのまま殺されて、女は輪姦されて、チャンチャンみたいな話。感想としては、ただただ、「うへぇ」。 いまはその作者が誰かわかっていて、単行本も持ってるし、内容も熟知してるからストーリーもよくわかってるんだけど、なんかねぇ、好きとか嫌いとかじゃなく、それがずっと妙に頭に残ってて。絵とか内容もインパクトはあったんだけど、そんな絵でそんなインパクトなのに話は淡々と進んでて、妙に突き放した視点なのも変に悟ってる感じで。 その印象が逆に強すぎたせいか、作者名は全然覚えてなくて(と言うか、見てもなかったのかな)、でも折りにつけて「そう言えばあったよなぁ、こういった作品」と思い出してたりしてたんですね。話のタッチとか絵がからしたら、ひさうちみちおだった気も? いや、いっそのこと丸尾末広? でもどっちのタッチとも違ったよなぁ……なんて思っていて、出会いましたさ、大学時代。作品は『白鳥の湖』。収録されていたのは『夢の島で逢いましょう』(青林堂)で、作者は山野一。そりゃあ、「うへぇ」だ。、再会の懐かしさと衝撃もありつつ、大学時代に読んでみてどうだったかと言えば、いやぁ、相変わらず清々しいまでのヤな話でしたよ。でもヤだと思った以上に笑けたりもして。 ちなみに山野一がそうしたヤな作品の舞台として描いてた貧困と無教養の街は、彼の住んでた東京郊外のM市やその隣の神奈川県のS市が舞台で、ちなみにこちとらS市が地元なわけで。『夢の島で逢いましょう』にしても、たぶんなんとはなしに手にした一冊で、そのときまでは山野一のことを意識したこともなかったし、そもそも山野一好きでもなんでもなかったんだけれど、なんだろう、言ってみれば、この場合は出会うべくして出会った一冊とも? 縁があれば出会えるものには出会える。と言うか、引き寄せられると言うのか。人生において縁あった一冊が山野一で、ライフワークが『あまいぞ!男吾』収集って、なんかそれこそ山野一的カオスな気もすんなぁ……。 【マンガ読みの余談】これじゃ済まない、「この一冊」もの。ベチ先生ものや立原あゆみものでもまだまただあるし、いまひとまず意識的に集めてる絶版系っていうことで言えば、『玄海遊侠伝 三郎丸』(畑中純/実業之日本社)に『まるごし刑事』(北柴健・渡辺みちお/実業之日本社)。『三郎丸』は古本屋でもネットでもまず見かけなくってさ。えー、見かけた方、ご連絡ください。2、8、10、11巻と12巻以降がカケです! で、『まるごし刑事』は大判の愛蔵版で集めていて、こちらはつい最近まで普通な刊行されてたんですが、文庫とペーパーバックの廉価版全盛にあって、刊行中中断なうえに絶版に。11巻以降、見かけた方は(以下、省略)。そうだ! あと黒田みのるの実録心霊ものシリーズで、昔読んで引っ掛かってた作品が一個あったんだ! 判型も出版社も不明で、ともかく一時期よく出てた劇画タッチのシリーズの一遍。おそらくそれと思われるシリーズを集めたりもしたんだけど、入ってなくて。すごいんだ、その話が。とある郊外の新居に引っ越した若妻が、突然淫乱となって狂い出す。で、そこには因果があって、かつてその地で男にレイプされて殺された少年の霊に憑かれていた……っていう(笑)。いや、カッコワラって笑いごとじゃないんだけど、なぜ若妻? なぜ少年? って言うかなぜそれで淫乱になって、しかもそんな話を劇画タッチの実録ものでやろうと!? えーと、こちらは見かけた方がいてもご一報くださらなくて結構です。心のアルバムにしまっておく次第です(笑)。 |
『ゴールデンコミックス007シリーズ』(さいとう・たかを/小学館/66〜67年) 007コレクターにとって、さいとう・たかをの劇画によるゴールデンコミックス の007シリーズは探しがいのあるものです(ちなみにゴールデンコミックスという レーベルは『カムイ伝』でお馴染みですね)。勿論、さいとうファンにとっても同様です。そう簡単に売っているものではないですから。 それを発見したのは96年頃。新宿3丁目にある某古書店の本棚に『女王陛下の007号』(67年)という漫画が置いてあったのです。おそらく3000円くらいで購入したと思います。尚、この発見は偶然です。だいたいその時、漫画で007があるとは知りませんでしたから。その時の感想は「こんなものがあったのか」という感じだったと思います。 さて、その後は漫画コーナーも要チェックするようになりますが、ある時、神田神保町の某漫画専門店にて、あの007漫画が“全シリーズ揃え”で25000円で売られているのを見つけます。このおかげで不鮮明だった007漫画の冊数が判明します。 すなわち『死ぬのは奴らだ』(66年)『サンダーボール作戦』(66年)『女王陛下の007号』『黄金の銃を持つ男』(67年)の4冊です。それはともかく、もしも新宿3丁目で『女王陛下〜』を入手していなかったら迷わずここで25000円を出していた ことでしょう。そしてこの文章もここで終わりになります。“お金で”苦労した漫画 として。きっとそれは読み応えのない内容でしょう。しかし既に1冊は持っていましたからそうなりません。この1冊がためにこの揃えを購入しなかったのですが、おかげでここからが長くなってしまいます。それは残り僅か3冊でも、上述したように、 そう簡単に売っているものではないからです。 それから古書店の漫画コーナーと、漫画古書店のレア本コーナーとのにらめっこが 続きます。そして古本祭りがあれば、なるべく初日に行って漫画コーナーを凝視します。とにかくこまめにチェックをしたかいもあり、結果的に全てを見つけるのですが、だいたいそれが年1冊のペースでしたね。つまり4年間かかったわけです。まず 96年が上述の『女王陛下〜』、そして97年に『黄金の銃を持つ男』を3000円で購入しています。翌98年になると『サンダーボール作戦』を2000円で入手します。これで王手ですね。そして99年に『死ぬのは奴らだ』を6300円で発見します。ちなみに最後の この本は値段がそれなりにするだけあって、一番の美品で、しかも帯付きという嬉しいものでした。 とりあえずいつか見た揃い売りの価格より安く入手しています。しかしかかった時間や費用(電車代ですが)を考慮すると、「大勝利!」とは言えません。が、とにかく4年間、足と目をさんざん使ったわけですからその本に対する愛情は深いものがあ ります。とにかく4年といえばスポーツ選手が、オリンピックに出場するために訓練する期間と同じです。苦労はみな同じなのです。…何を言っているんでしょうか。 しかし全てが終わったかに見える007漫画探索も、実は次のステップが待っていたのです。そしてそれは、人間は満足を知らぬ生き物だということをあらためて知るものだったのですが…。つまりそれは最後に買った『死ぬのは〜』によるのです。これは帯付美品と書きました。そう、これなのです。これでなければいけません。 実は97年に購入した『黄金の銃〜』はダメージ本でした。綺麗な『死ぬのは〜』と並べるには醜すぎたのです。本棚のバランスが悪いのです。何か納得がいきません。 要は状態の良いものが欲しいのです。だから再び出航してしまうのです、007漫画 の「完品を求める」旅に。 それから古書店の漫画コーナーと、漫画古書店のレア本コーナーとのにらめっこが 続きます。そして古本祭りがあれば、なるべく初日に行って漫画コーナーを凝視します(嗚呼、繰り返し)。そしてついに見つけました。帯付美品の『黄金の銃〜』(写真)。値段は『死ぬのは〜』と同じです。……しかしこうなると全部に帯が欲しくなってきます。そうです、状態に問題なくとも『女王陛下〜』と『サンダーボール〜』 には帯が付いていないのです。このまま4冊完品を求めていくと、あの時の25000円 という値段を軽く越えてしまう可能性があります。思えばあのセット売りの本には帯が付いていたのでしょうか? 残念ながら記憶にありませんけれど。 【マンガ読みの余談】 今年の1〜2月は『輝夜姫』(清水玲子/白泉社/94〜05年)を読みました。全27巻。しかしちょっと大風呂敷を広げ過ぎてしまったのではないでしょうか。何とも まとまりに欠ける内容。 あと『スケバン刑事』(和田慎二/白泉社/76〜83年)も読みました。これはもう何回読んだのかわからないくらい繰り返し読んでいるのですが、今回も唐突に読み始めました。全22巻。巻を増すごとに風呂敷は広がっていきますが、それを見事にまとめています。しかも硬派な内容。これは主人公が硬派なだけでなく、それ以上に作者の心根が硬派だと感じられます。おそらくこれは時代がなせる技なのだと思いますけれど。この作家も90年代以降の作品は正直、作風が微妙ですからね。例えば『怪盗アマリリス』(白泉社/91〜95年)とか。あの硬派なところはもはや皆無ですし。それもまた時代なのでしょうか。 思えば『スケバン刑事』と同時期に人気のあった『ガラスの仮面』(美内すずえ/ 白泉社/76年〜)も近年は微妙ですね。特に登場人物の魅力が完全に色褪せてしまっていますし(例えば真澄と桜小路)。“長くやっているから”根強いファンを持った漫画とは思いますけれど、“長くやっているから”精彩を欠いてしまった部分があることは否めません。 そういう意味で『スケバン刑事』はダラダラすることなくビシッとシメています。 ああいう秀逸な終わり方をした漫画を、最近あまり見なくなったな、と。…良い漫画 を読むといろいろなことを思ってしまいますね。 |
『しまっていこうぜ!』(吉森みき男/秋田書店) お二人も書いているように、「セット買い」「バラ買い」問題は、マンガ好きにとって永遠の課題ですな。今までで、一番達成感があったのは『しまっていこうぜ!』かな。全26巻。ここまで長く続くくらいだから当時はけっこう人気があったはずなのだが……後年、古本市場に出回りやすいマンガとそうでないマンガってあるんですよね。これは完全に後者。差がついてしまうのは、絶版になるまでのスピード。そして、なぜか古本屋に売られるのでなく、「ゴミに出す」という処分法を選ばれてしまう……何か作品にそれを促す雰囲気(つまりは普遍的でないと思わせる)があるのじゃないかと思ったりしている。26巻くらいの長さの作品だと、17〜18巻以降あたりが壁になりますね。当時の読者もそのあたりで買わなくなってるパターンが多いので、世に出てる数もますます少ないわけさ。この作品だと、19巻以降からかなり足踏み、そして残る1冊、25巻を求めてリーチ状態になってから2年ほどかかっちまいました。その間、大阪の古本屋で一度だけ全巻セットを目撃。たしか5000円くらいでした。安いな〜! その時はもう20冊以上揃ってたから「なにくそ〜」と思ったけどね。コレは古書価値の低いマンガなので、最高でも1冊200円くらいで買ってました。そういえば、半分近くは大阪の古書店で集めたような。野球マンガ探すなら大阪? 『男ドアホウ甲子園』(水島新司)全巻セットの値が、東京より大阪のほうが安いことからも、お国事情が証明されたりして。 その、最後の25巻が揃った日のことは忘れられません。吉祥寺の、よく行く古本屋「よみたや」の50円均一コーナーで、そいつは私を待っていたのです! 自分の目玉が飛び出してその背表紙にピタッとくっついたかのような、あの感覚! 脳内ではチューリップが咲き乱れ、玉出っぱなし状態。流れ出すドーパミン、みなぎるエナジー……しかし、同じ作者の「つっ走り元太郎」は、まだ9、11巻が揃わずじまいで数年ほど経過しております。ふう……。 近年、セットで手に入ってうれしかったのは『金メダルマン』全4巻(勝木一嘉)。「コロコロコミック」初期に連載されてた漫画です。元メダリストの体操選手が、先生やったり刑事やったりするギャグマンガで、何かというとあのムチムチレオタード姿で「勝利のY字バランス」ポーズでキメ!……てな、幼稚な漫画です、ハイ。こういう低年齢向きの漫画はホントに古書店に出にくい! 小学生男子がおやつ食いながら読んだり友達同士で回し読みしたりしてボロッボロになって捨てられるタイプだからです。この手の漫画は美品を探すのは難しいよ。揃いで買ったジャンプコミックスの『東大一直線』もけっこう汚いしな。『トイレット博士』(とりいかずよし)も同じく。ちなみに『トイレット博士』は復刻された後、旧版は多少値崩れしたけど、それでもバラもそうは安くなってない。それは『トイレット〜』とかは、「復刻される」という価値を見出されてる作品だからなのである。コロコロ仲間でいえば『ゲームセンターあらし』や『轟け一番』『あまいぞ!男吾』は復刻される=「文化度」を認められてる作品だが、『金メダルマン』や『ゴリポン君』はそうはいかないんであーる。 さて、この『金メダルマン』を手に入れてくれたのは、何を隠そう渡辺氏であります。それはちょうどUFOクラブでライブの日。見に来てくれることになっていた渡辺氏から、リハの終わった頃に1本の電話。「今まんだらけにいて『金メダルマン』が揃いで8000円であるんだけど買っとく?」「頼む〜!!」と、こういう美談があったのよね。そういや去年は私も渡辺氏に『にゃんころりん』全4巻セット(ところはつえ)を2000円でゲットしてあげましたけど(笑)。しかしねえ、『金メダルマン』4冊で8000円って、なんだか微妙な値段ですね。「とびつく人はどう考えても少なそうだけどなんとなく珍しいから、このくらいはつけとくか」って感じの高さですね。強気なんだか弱気なんだか? 『60億のシラミ』5巻セット(飯森広一)を4500円で買った時にも感じた不思議な価格設定です。 今、リーチかかってんのは、ツルコミックス版のピーナッツ。ピーナッツは角川とか集英社からも出てるけど、子どもの頃おねーちゃんと揃えてたツルコミックス版は、カバーなしのペーパーバックタイプで、文句なしに装丁がカッコいいのら! たまに古書店で見かけるが、これも1冊500〜1000円つけてるところが多い模様。今年、古書店に大量に出てるのを見かけたので、あわてておねーちゃんに欠け巻教えてもらって買い集めた。1冊300円くらいで買えました。店の人に聞いたところ、タイトルに「チャーリー・ブラウン」と入ってるのが高騰するとか、「スヌーピー」と入ってるのが高騰するとか、時期によって変動があったりするらしい。??? ずっと気になってた漫画があった。80年代中盤に週刊少年チャンピオンで連載されてた、聖日出夫の作品。当時、週チャンを基本は毎週買ってたのだけど、ときどき買い忘れたりで……連載第1回を読んでないので設定がよくわからず、最終回も読みのがしてしまってた。学園漫画風なのだが、主人公はなにやら「眠れない」病気を抱えている、ということしかよくわからないまま、毎回不透明な気持ちで読んでたんだけどね。タイトルも忘れちゃって、長年気になってた。思い出そうとしても、「そもそも週チャンで聖日出夫ってヘンじゃん?」と、自分の記憶すら疑わしくなってくる始末。たまたま数年前、仕事で週チャンの連載作品全リストを入手することができ、それらしいものを探したら……これだあ、『浪漫くん』! 単行本にもなってなかったみたいね。まあタイトルがわかればこっちのもんです。いつか現代マンガ図書館で全コピーして私家版を作ろ〜っと! 【マンガ読みの余談】 先日、柳沢きみおの『100%』のバラ本が100円均一コーナーに数冊出てたので、「揃えるチャーンス!」と思ったのだが、欠け巻控えてなかった。まあ、こんなんだれも買わんだろと思ったのが甘かった。2日後に行ってみたら、それらはキレイになくなっていたのです。ナメてた……しかし、悲しい反面ちょっとうれしくもあったりするのがファン心理。柳沢きみおは作品数も多いので、探してるバラ本多いのだが、たった全5巻の『朱に赤』(講談社)の1と4がいつまでも見つからないのが気になりまくり〜! ベチ先生には珍しいくら〜い話なので早く読みたし。 先日、まだ2冊しか持ってない『ぼくの動物園日記』(飯森広一)のセットものを見たら、なんと10巻以上ある! 逆にひいた。うーん、別に全部は読みたくないなあ……なんて、こういうこともあるね(笑)。
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第1回 燃えよ、プロ野球! 2004.11.29
第2回 燃えよ、ケンカ魂! 2004.12.27
第3回 もてはやされよ、ショートコミック! 2005.1.31
第4回 そろそろ読んでみようと思っている漫画! 2005.4.30
第5回 へいお待ち、料理漫画一丁あがり! 2005.5.31
第6回 漫画でムラムラできますか? 2005.6.30
第7回 スペシャル座談会 TEAM TOKIWA「音楽漫画」を語る 2005.9.5
第8回 子どもの日々を垣間見る 2005.10.3
第9回 少ない小づかい、おまえに賭けたぜ! 2005.11.17
第10回 スペシャル座談会 TEAM TOKIWAが語る「男に読ませたい少女漫画」 2005.12.31