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May

新・おくの細道

元禄2年弥生(1689. 5/16)に松尾芭蕉翁は弟子の曾良を伴い、江戸・深川から奥の細道の旅に出立しました

平成21年(2009)同日に東京を出発、季節を翁たちに合わせて延べ30日の取材、秋を迎える結びの地の岐阜県大垣市までの、全50景の7回シリーズです
   2010年第14回個展にて特集展示した作品です

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第五回 出雲崎 〜 金沢

 

33 出雲崎

34 春日山

35 親不知

36 朝日町


37 入善町

38 雨晴海岸

39 金沢・浅野川 40 金沢・武家屋敷

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Grieg 作曲
      Sommerfugl 
             
ちょうちょう

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月日は百代の過客にして、行きかふ年も又旅人也。

で、松尾芭蕉の「奥の細道」は始まる。全編を流し読めば一時間もあれば結びの地の大垣まで読み進むことが出来るだろう。

翁は弟子の曾良と共に松島、象潟(きさがた)などの景勝の地や、古歌に詠われた歌枕の地、そして何よりも好きな義経を偲ぶ古跡に足を運ぶ。

道中に点在する同人や弟子の世話を受けつヽ約150日、2400qの旅行記には50句の俳句のほか和歌などを織り交ぜての紀行文である。

出発は 元禄2年弥生27日、陽暦で1689年5月16日に江戸を出発する
この日に合せて2009年深川・芭蕉庵跡をスタートする、時代は移り旧道も定かではなかろうけれど、「奥の細道」本を片手に足跡を辿って周った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

33 (出雲崎)荒海や佐渡によこたふ天河


★ 町屋を見下ろす岡に建つ良寛記念館の
庭先から、佐渡への渡しの湊

いまは海岸に沿って国道が走り、
江戸時代の石積みの堤は無い
しかし、日本海の沖合には変わることなく佐渡島が見える

荒海は年に一度の逢瀬が待ち遠しい
天の川のようでもあってのか

 

 

 

 

 

 

 

 

34 (春日山薬欄にいずれの花をくさ枕



春日山城址は険しく、難攻不落の山城を偲ばせる
上杉謙信の居城だったが、翁が訪ねた時代には
既に廃城になっていた

道中芭蕉翁は城址を訪ねただろうか?

★ 直江津

文月や六日も常の夜には似ず

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  35 (親不知)北国一の難所を越て、
 

道などない、新国道は山腹をトンネルで貫き
旧国道から急坂、梯子段を海岸まで下る

砂子の海岸に小さな波が押し寄せて音を上げる
小さな浜も急峻な崖が前後を塞いでいた

★ 新潟県・富山県境 親不知海岸

 

 

 

 

 

 

 

36 (ひすい海岸) 白浪のよする汀に身をはふらかし

 

 難所の親不知海岸を抜け市振を過ぎると越中、
次第に平地が続くようになる

白い海岸の小石の間に貴石ヒスイを拾えるとか

★富山県朝日町

一つ家に遊女もねたり萩と月


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  37 (入善町) 風車の影に夏の果

黒部川の扇状地だが海岸べりに住居遺跡があり
この辺りを芭蕉翁達は西に向かって
道を急いだのだろうか

★ 富山県入善町・じょうべのま遺跡

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

38 (雨晴海岸) わせの香や分入右は有磯海
 

平泉に向かう義経一行が右の岩屋に雨宿りした
と伝えられる、判官びいきの芭蕉翁が
訪れたことだろう

★ 富山県氷見市

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  39 (浅野川) 金沢は七月中の五日也。
 

源平合戦の古戦場の倶利伽羅峠を越えて
金沢に到着する

道中では浅野川を渡り城下町に入る

 

★ 金沢市橋場町

 

 

 

 

 

 

 

40 (武家屋敷) あかあかと日は難面秋の風

 金沢に着いたらまず訪ねようと思っていた
友人、小杉一笑の前年末の死去を知って
芭蕉翁の驚きと悲しみは深かったと思われる


★ 金沢市長町

つかもうごけ我泣声は秋の風

 

 

 

 

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