錫ヶ岳 ( 錫ヶ岳:2,388.0m ※ 縦走中の最高峰は 白根隠山 2,410m ) 2010.6.12 登山



【PHOTO & 記録 錫ヶ岳 1】

6月5日の南アルプス深南部 不動岳に続いて、 この 12日、日光の錫ヶ岳に登ってきた。
この山は、昨年の秋に皇海山を登った際に日光方面の山々を眺めたところ、 奥白根山のポコッと盛り上がった山容の左側に、 きれいな三角錐をした山容が見えたことから興味を惹かれ、意識し始めた山である。その際に地図で調べて、錫ヶ岳の名を確認したのだったが、 この錫ヶ岳 (スズガタケ) という名前がなかなか良い。ネットで調べると、 山名の由来は清水の湧き出るところがあった ( だからどうして スズガタケなのかはよく分からないのだが・・・) という説の他に、 スズタケが生い茂っていることによるという説もあるとのことだが、錫という字は 「シャク」 とも読め、 錫杖の略でもあるらしい。この錫ヶ岳の隣には宿堂坊山もあり、これらはかつて修験者の歩く山だったと聞くので、 由来としては錫杖からきているとなお一層 ロマンを感じるのだが・・・。

閑話休題。
ということで、山の形とともに名前にも惹かれ、年が明けたら是非登りたい山の 1つに数えていたのであった。そして、 2010年に入ってから登山チャンスを窺っていたのだが、来週から間違いなく梅雨入りしそうな状況となったこの 12日、 駆け込みで登ってきたという次第である。
実は、不動岳の登山記録に書いたように、黒法師岳の後、 極力 不動岳に登るのは避けたいと思い (理由は不動岳登山記録を参照)、5日はこの錫ヶ岳に登ることを狙っていたのだが、 残念ながら天候がそれを許さず、結局、登りたい山と天気予報の組み合わせから、晴れが期待される浜松市天竜地区に行くことにしたのだった (つまり不動岳に登った)
それだけに、この 12日、日光地方は日中 晴れの予報が出ていることに喜び、張り切って出かけたのであった。

横浜の自宅を 3時過ぎに出発。横浜ICから東名高速道に入り、 引き続き首都高に入る。ナビならびに頭の中では、いつも通りこの首都高3号線から、 首都高都心環状線、そして首都高5号池袋線と進み、途中から首都高中央環状線に入って首都高速川口線へと進み、 そのまま東北自動車道に入るつもりでいたのだった。
しかし、首都高速3号線を進んで池尻を通過した際、大橋JCT、東北自動車道の文字が目に入ったので、 急遽 大橋JCTから中央環状線に入ってみる。当然、ナビにはこの新しく出来たばかりの高速道は記録されておらず、 一般道を走っている感覚で案内が流れる。従ってナビに頼らず、久々に標識に注意しながら自分の判断で道を進む。
初めての道路に少々緊張したが、早朝のため、交通量が極端に少なかったことから余裕をもって運転でき、熊野町JCT、板橋JCT、 江北JCTと進み、無事に 川口JCTから東北自動車道に入ることができたのだった。
後は勝手知ったる道であり、順調に宇都宮ICまで進み、宇都宮ICからはそのまま日光宇都宮道路に入って、清滝ICで高速道を下りる。 日本ロマンチック街道という名前が付けられた国道120号線に入れば、後は湯ノ湖まで一本道である。
日光宇都宮道路を走行中に見えた女峰山を始めとする日光の山々が、 やや霞み気味だったのは気にかかるが、天気予報通り本日の天候は良いようである。ただ、その天候も、 夕方には崩れるとのことなので、それまでに登り終えたいところである。しかし、今日は長丁場、どうなることやら・・・。
いろは坂も順調に登り切り、二荒橋前のT字路を左折。中禅寺湖沿いを進む。路肩には中禅寺湖で釣りをする人達の車がかなり駐まっている。
早朝にも拘わらずカメラを持った人達が多く見られた戦場ヶ原を抜け、やがて湯ノ湖が左に見えてきた。すぐに、 そのまま金精峠へと続く 120号線と分かれ、左に折れて湯ノ湖および湯元スキー場を目指す。
この湯ノ湖周辺に駐車場はいくつかあるが、日光湯元ビジターセンターの向かい側にある駐車場に車を駐める。時刻は 5時51分。
黒法師岳、不動岳と、このところ車を駐めた場所を出発した時間が 7時や 8時という状況だったので、久々に早く出発できるのが嬉しい。 しかし、もう既に登り始めている登山者も多いようで、身支度をしている間にも 1人の登山者がスキー場の方に進んでいった。


少々迷ったのだが、まだ 錫ヶ岳の方は残雪が多かろうと思い、スパッツを着け、 手にはストックを 1本持ち、5時59分に駐車場を出発する。
駐車場から右へと進み、すぐに交番が立つ十字路を左折する。奥日光小西ホテル、奥日光高原ホテルを右に見て進む。 道の正面にはまだ上の方に雪が残る山が見える。また、小西ホテルの赤い建物の後方には 金精山の荒々しい岩肌が見える。
6時4分にスキー場に到着。
ゲレンデの中を進む。ここからも金精山が見える。青空が広がっているが、ガスが出ていることが少々気にかかる。

ゲレンデを黙々と進み、 6時24分にようやく山への取り付き口に到着。 白根山、前白根山 と書かれた標示板が治山工事現場の横に立てられている。
暫くはササの中の道を進む。右側には白根沢。沢にはまだ雪がかなり残っている。
以前 このコースから奥白根山に登った時には、道を誤り、沢筋を進んでしまったのだった。 途中で道が分からなくなり、迷ったかなと思った時、左手の尾根筋を進む人が見えたので、正規のルートに戻ることができた。 これが最初の道迷い。その日は最後にもパニックに近い道迷いをしたのであった。

ところで、手元の地図 (昭文社 『 日光 白根山・男体山 2009年版 』 を見ると、 この白根沢を詰めて、天狗平手前の白根沢分岐に至る道が書かれている (登山ルートではない小道)。 ということは、沢を詰めても登れるようで、当時はその踏み跡を辿ってしまったのかもしれない。
道は、『 白根登山道 』 と書かれた立派な金属プレートと、雪崩で遭難した登山者を悼む歌碑が付けられた門柱のようなものが立っている所を過ぎると、 沢を離れて急登が始まる。
コメツガなどの林の中、足下の土が雨で流されてかなり抉れ、木の根が剥き出しになった急坂を登る。

登りはきつく、息が切れるとともに、 汗がドッと流れ出す。
また、先般、不動岳への登りで明らかになった左足の痛みは、 まだ完全には直りきっていない状況で、あまり無理は利かず、少々ペースを落として登る。
そんな中、途中にシャクナゲの群落があり、ピンクの花が苦しい登りを慰めてくれた。シャクナゲの花は淡いピンクだが、 蕾は濃いピンク色をしており、花よりも蕾の方に惹かれてしまう。
沢筋を離れてから 30分ほど登り続け、さぞや高度を稼いだろうと振り返ると、 樹林の間から昨年に登った 温泉ヶ岳 (ユゼンガタケ) のドーム状の頂上が見えた。

樹林の中をジグザグに登っていた道は、やがて雨で抉れ、溝状になった道へと変わる。 溝の中は湿っていて滑りやすく、さらに岩屑などがばらまかれていて歩きにくい。
おまけに所々に残雪が現れ始めるようになる。残雪はまだ完全に腐ってしまっていないので助かったが、雪融け水が登山道に染み込んで、 土の部分を柔らかくして滑りやすくしている。
そして、断続的に現れていた残雪は、徐々にその距離が長くなり、さらに量も増え始める。 この先ずっと残雪が続くのかと思ったていたら、ありがたいことに徐々に傾斜が緩むに連れて雪の量も減りだしてきたのだった。

そして長く苦しかった登りもようやく終わりとなり、 7時32分、稜線に飛び出した。ここは外山 (2,204m) の西鞍部とのことで、 ここからは傾斜も緩やかな歩きやすい道が続くようになる。稜線を右に進む。
コメツガやシャクナゲの混ざった樹林の中の道は、良く踏まれており、日差しも明るく気持ちが良い。この辺は全く雪も見られず、 順調に足が進む。
道は所々で、大きく向きを変えるが、そうした要所要所には標示板が立てられており、 明瞭に踏まれている道と合わせ、迷うことはない。



錫ヶ岳登山データ

上記登山のデータ登山日:2010.6.12 天候:晴れ後曇り単独行日帰り
登山路:湯ノ湖駐車場−日光湯元スキー場−天狗平−前白根山−観測小屋−白根隠山−白桧岳− 水場分岐−錫ヶ岳−水場分岐−白桧岳−白根隠岳−観測小屋−前白根山−五色山−国境平−浄水場−湯ノ湖駐車場
交通往路:瀬谷−横浜IC−(東名高速道路)−東京IC−(首都高速3号渋谷線−大橋JCT−中央環状新宿線−首都高速5号池袋線−首都高速川口線)− 川口JCT−(東北自動車道)−宇都宮IC−(日光宇都宮道路)−清滝IC−(国道120号線 いろは坂−二荒橋前)−湯ノ湖駐車場 (車にて)
交通復路:往路を戻る (車にて)

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