錫ヶ岳 ( 錫ヶ岳:2,388.0m ※ 縦走中の最高峰は 白根隠山 2,410m ) 2010.6.12 登山



【PHOTO & 記録 錫ヶ岳 7】

11時41分、山頂を後にする。
下山の直前、2人の登山者がやってきた。聞けば、菅沼登山口を 6時半に出発してやってきたとのこと。やはり長い行程だったとの感想であった。
快調に下る。不動岳の時もそうだったが、 下山時の方がルート探しに苦労しないで済む。
樹林帯を抜け、再び ササ原の斜面に立ち、これから進む行程を眺める。障害物のように並ぶピークを見るとやはり少々気が滅入る。 そうは言ってもルートは他に無い訳で、覚悟を決めて下り始める。ササ原の斜面を駆け下り、小さなピークに向かって雪の斜面を登る。

少々ササや木々が煩い道に苦労しながら小ピークを越え、 再び下りに入る。北の方には谷が見え、谷が下った先の後方には四郎岳、 燧ヶ岳、 燕巣山が見える。逆 へ の字の様な形をした四郎岳の左後方にも白い山が見える。 方角的には平ヶ岳の様な気がするがどうであろう。
なお、丸沼高原スキー場の方から、この谷を詰めて登ってくることもできるようである。 辿り着くのは例の水場とのこと。
その水場への下り口を 12時26分に通過。
テープなどの目印を忠実に辿り、樹林の中を登っていく。
やがて、残雪の樹林帯。ここも順調に通過すると、ほぼ平らな尾根に変わる。 この頃になると、かなり周辺に雲が湧き出してきた。

白桧岳には 13時39分に到着。あの素晴らしかったササ原の斜面も疲れた体には大変厳しく、 かなりバテながらの頂上到着であった。従って、頂上で 10分程休憩し、エネルギー補給を行う。
白桧岳を後にし、岩稜帯は少々道を無視しながら通過。そして 白根隠山への登りにかかる。ここは先に述べたように崩れやすいガラ場の道。 岩屑を落とさないように、慎重に登る。そして、白根隠山には 14時13分に到着。
目の前の奥白根山は雲の影がかかり、 少々暗く見える。
また、この頃になると、東側からガスが上がり始め、 男体山方面は全くガスで見えなくなってしまった。

白根隠山で 8分程休憩し、 下山ルートを確認する。
当初から、体力さえ持てば、前白根山、五色山を経て、国境平に下り、そこから湯ノ湖へと戻るルートをとるつもりでいたのだが、 今のコンディションを考えると、大丈夫そうである。
何故、そんな遠回りをするかについては、先般 このホームページの What's New に書いたが、 その拙文を新・山の雑記帳の方に保存してあるので、 興味ある方はご覧戴きたい。
白錫尾根を進む。右からはガスが湧きだし、アルペンムードを醸し出している。
順調に往路を戻り、前白根山には 15時丁度に到着。途中の 避難小屋との分岐からは、急に人が増え始めた。

15時6分、五色山を目指して出発。 ここは左に奥白根山と五色沼が見えて、 なかなか気分の良いルートである。
五色山頂上には 15時29分に到着。頂上には 5人ほどが憩っていた。 中には昼寝をしている人もいたが、もう太陽も雲に隠れており、下手をすると風邪をひいてしまうだろうに・・・。
写真は 五色山から見た奥白根山と五色沼。この時間では、逆光気味である。
15時35分に五色山を出発。まずは国境平を目指す。
下り斜面に入ると、残雪の量が凄い。こちらを登りに使ったら、かなり苦労するに違いない。 下りなので、ストックを使用してのグリセードを楽しむ。

この頃になると、 ガスが周囲を覆いだし、少々 雰囲気が悪い。しかし、雪の上には足跡、 雪の無い所では踏み跡ならびにテープ等の目印が明確なので迷う心配はない。
黙々と下り、国境平には 15時54分に到着。金精峠は左、湯ノ湖に下るには右に曲がり、雪渓を横断することになる。
この辺からササが煩くなる。最初のうちは良いが、途中からは大きく抉れた溝状の道となり、 そこをササが覆っているからササのトンネルのようである。また、胸元までに伸びたササ原を通過する場合もあり、 山慣れない人にはちょっと厳しいかもしれない。
それでも順調に下り、16時51分に林道に飛び出た。そして、駐車場に着いたのは 17時1分であった。

途中、以前 道迷いをした場所も確かめることができてこのルートへの借りをようやく返した気分である。

さて、楽しみにしていた錫ヶ岳であったが、素晴らしいの一言。 頂上自体は展望もほとんどなく、あまりパッとしない状況だが、兎に角、そこに至るまでの景色、そして手つかずの自然が素晴らしい。 特にこの時期、まだ締まった残雪がアクセントを付けてくれ、疲れたけれど本当に楽しい山行であった。 途中で出会った人が言っておられたように、キツイけれどそれだけに充実感を得られる山である。
難点を言えば、中禅寺湖や男体山を始めとする東側の山々が霞み気味でハッキリ見えなかったこと。 空気が澄んだ晩秋の方が良いかもしれない。



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