錫ヶ岳 ( 錫ヶ岳:2,388.0m ※ 縦走中の最高峰は 白根隠山 2,410m ) 2010.6.12 登山



【PHOTO & 記録 錫ヶ岳 4】

広々とした 2,385mピークの頂上には全く木々が生えておらず、ほとんどが草で覆われていて、 まるで牧草地のようである。但し、草はまだ緑色になっておらず、藁色のまま。道の方は砂礫。一応、 緑色の葉をした高山植物が所々に固まって生えているが、少々 荒涼感を抱かせる光景である。
2.835mピークから一旦下って、今度は 白根隠山 (2,410m) へと登り返す。 鋭角に持ち上がった白根隠山の姿は一見手強そうだが、距離も短く、見た目ほど傾斜もきつくない。
こちらは、斜面が東南に面しているためか、斜面は既に緑色になっており、なかなか美しい。

そして、9時2分に白根隠山の頂上に到着。 当然ながら、頂上には誰もいない。
ここから見る奥白根山の姿も素晴らしい。 前白根山ではほぼ真東から奥白根山を見ていたことになるが、 この白根隠山からはほぼ真南から眺めることになる。90度近く角度を変えて奥白根山を眺めていることになり、 山の雰囲気が少々変わってきている。今まで見えていた山腹を縦に大きく抉っていた部分が見えなくなったことが大きいのかもしれない。
強い風を避け、頂上から少し南西に下りて大休止。霞み気味であるのが残念な男体山、 中禅寺湖を見ながら、握り飯を頬張る。目の前には、奥白根山頂上と同じような小さな 凹地がある。 奥白根山と同様、噴火口跡なのかもしれない。

9時12分、白根隠山を出発。急斜面を下る。
こちらの下り斜面は前白根山からの下りと同じように完全なガラ場。訪れる人が少ないだけに、 前白根山からの下り斜面よりも道が崩れやすく注意が必要である。
前を向けば、錫ヶ岳らしき山が見える。そこまでのあまりに遠き距離に、少々怯む。
鞍部から登り返し、小さなピークを越える。ここからは岩場の通過。右下には避難小屋のある奥白根平から続く回廊が見える。 ここの岩は、ひざつき製菓の煎餅武平作や、金時米菓の堅焼きあられ (げんこつ、大関) のように罅が入って特徴的である。

しかし、 岩場を越えると、今までの火山を感じさせる、どちらかと言えば荒涼とした風景とはガラッと変わり、 先日 黒法師岳不動岳 と 2回連続して登った南アルプス深南部のような風景が目の前に広がるようになって少々驚かされる。
ササ原、そして立ち枯れの木がその特徴であるが、この後、白桧岳を越えた所からはさらにその様相が強くなる。

振り返れば、先程までその頂上にいた白根隠山がなかなか美しい三角錐を見せているが、 その山肌は岩のみで、草木はほとんど見ることができない。前方の景色とは好対照である。

白桧岳に向かって高度を上げる。
右下後方を見れば、先程述べたように、避難小屋のある奥白根平から続く回廊がこちらまで続いている。
菅沼の方から錫ヶ岳を目指す場合、弥陀ヶ池、五色沼と進み、その後 避難小屋を通って尾根には登らず、 この回廊を進んでくるというルートもあるようだ。
この白桧岳手前で尾根上に登ってくるらしいが、やはり 展望を考えたら、避難小屋の所から尾根に登り、そこを辿ってくるのが正解であろう。

前を向けば、2,394mの高さを持つ白桧岳が見える。
そこまで続くササの斜面が素晴らしい。まだ南アルプス深南部にいるのではないかとの錯覚まで覚えてしまう。
また、白桧岳の左後方には、これから目指す錫ヶ岳の姿が見える。やはり、かなり距離がありそうである。
しかし、コースがこれだけ変化に富んでいると、錫ヶ岳までの間にどんな風景が待ち受けているか非常に楽しみになる。



錫ヶ岳 1、    錫ヶ岳 2、     錫ヶ岳 3、    錫ヶ岳 4、     錫ヶ岳 5、    錫ヶ岳 6、     錫ヶ岳 7 もご覧下さい。

百名山以外の山に戻る   ホームページに戻る