|
ササ原を気持ち良く進み、9時33分に白桧岳頂上に到着。頂上はササ原で、まだ雪が残っている。
周囲に樹木は見られるが、まばらな状態である。と思ったら、頂上に白桧岳の標識が見当たらない。まさか標識が雪の下というということはあるまい。
ここは白桧岳ではないのかと思い始めた時、ようやく標識を見つけることができたのだった。
何と、頂上にある立ち枯れのかなり高い所に、木炭を真っ二つに割ったような黒い板が括り付けられており、
そこに白い文字で 白檜岳 と書かれている。
他にもないかと探したが、見つかったのはこの標識だけであった。
振り返れば、樹林越しに奥白根山の上半身だけが見える。 |
ここで、頂上の雪の上に、
もう 1つ足跡があることに気がついた。どうやら、先行者がいるらしい。あまり人が入らない山域だけに、先行者がいるというのはありがたい。
白桧岳頂上はそのまま通過し、下り斜面に入る。
目の前にはササ原の斜面が広がり、所々に 立ち枯れも見える。
まさに先週 不動岳で見た南アルプス深南部の光景そのものが目の前に広がっている。
日光にこのような場所があるとは・・・暫し絶句。
右の方に曲がっていく尾根の向こうにはこれから目指す錫ヶ岳が見える。こうしてみると、なかなか堂々として風格を感じさせる姿をしている。
錫ヶ岳の左方には、うっすらとではあるが、
皇海山のシルエットが見える。 | |
|
意外と滑りやすいササの斜面を下る。所々 ササが煩い所があるが、このような明るい日差しの元では迷う心配はない。
時々現れる残雪の量は多く、雪上歩行を楽しみながら進む。
と 思ったら、滑ってしまい尻餅をつく。その際、左手もついてしまったので、かつて痛めたところをまた痛めてしまった。
左手、左足とも捻挫気味である。
ササ原の鞍部から再び登りにかかる。周辺には立ち枯れが目立ち始め、
先日の不動岳と全く同じような光景が広がる。
まさにデジャブである。 |
暫く登ると、長い残雪が現れた。
相当雪の量はあるようで、全くと言って良いほど腐っておらず、安心して登ることができる。
少し高度を上げて振り返れば、白桧岳と奥白根山が並んで見える。
優しそうな感じの白桧岳には 『 岳 』 の文字がついており、
厳しそうな感じの奥白根山には 『 山 』 の文字がついているのが面白い。
それにしても気持ちの良い光景である。
残雪の上をドンドン登る。目の前には錫ヶ岳が大きく見えるようになってきた。 | |
|
錫ヶ岳への登山ルートは恐らく左の方に見える尾根を辿ると思われる。一方で、
今いる尾根は一旦右に伸びていていくつかのピークを越えていくようだ。
しかも、錫ヶ岳の尾根とは上の方で繋がっていないようなので、一旦 大きく下って登り返すことになる。
まだまだ相当なアルバイトが残っているようだ。
残雪の上を順調に進む。が、しかし、残雪が無くなったところで行き詰まってしまった。目の前は背の高いササ原。
どうやら調子に乗って正規の道をはずしてしまったようである。
周囲を見渡すと、右側の尾根に赤いテープが見えた。残雪の途中から、右側の尾根を進むのが正しかったようである。
ササ原を突っ切って強行突破。正規のルートに戻る。 |
一旦下って登り返せば、
暫くは尾根上の歩きやすい道が続く。周囲の樹林もまばらで、明るい尾根歩きが楽しめる。
やがて、尾根は小さなアップダウンを繰り返した後、シラビソ (と思う) の密度の濃い樹林帯に入る。
足下は残雪。この残雪の量はかなりのものである。ここでもありがたいことに、
雪は腐っていないので足を取られてエネルギーをロスすることはほとんどない。
先行者の足跡が雪の上にあるものの、必ずしも鮮明ではなく、木に付けられたテープ、ペンキ印、金属製の目印を探しながら進む。
さほど長い時間雪の中を歩いていた訳ではないのに、どういう訳か、この樹林帯の時間が一番長く感じられた。 | |
|
残雪地帯を抜けると、道は思った通りドンドン下るようになる。ということは錫ヶ岳への登りがそれだけきつくなるということで、少々萎える。
この下り斜面にも残雪があり、慎重に下る。
この辺の道は良く踏まれており、全く問題なく歩ける。
一旦下って暫くは平らな道が続く。そしてまたその先で少し下る。さすがに疲れが出始めてきているものの、
道が良いので足は結構進む。
途中、下り着いた所に、テントが張れるような整備された平坦な場所が現れた。この時は気づかなかったのだが、右に下ると水場もあるようである。
木に水場と書かれた青色の標識も付けられている。この標識は帰りに気づいた次第。 |