錫ヶ岳 ( 錫ヶ岳:2,388.0m ※ 縦走中の最高峰は 白根隠山 2,410m ) 2010.6.12 登山



【PHOTO & 記録 錫ヶ岳 3】

ガレ場を下ると、ここにも残雪の原が待っていた。それにしても、今年は雪が少ない と思っていたのだが、実際はそうでもないようである。 話は飛ぶが、南アルプスでは 6月に入ってからも降雪があり、山小屋関係者からの情報では 「現在の残雪状況は 5月初旬並み。 例年より 1カ月以上遅れている」 (6月下旬の情報) とのこと。 今年は良いコンディションでの白根三山を求めて、 早い時期に登ってしまいたいのに、心配である。
閑話休題。
雪の原に立って振り返れば、前白根山が黒々としている。山肌には木々が 1本もなく、 火口の一部という感じである。もしかしたら、今 立っている場所は噴火口だったのかもしれない。

残雪の原は徐々に登りとなり、 やがて残雪部を抜けて尾根筋へと進むようになる。 尾根 (もうここは白錫尾根の一部らしい) に登り着いて暫く進めば、 やがて右に下る避難小屋への道となる。奥白根山に登るのもこの道を下り、 避難小屋前、奥白根平を通ることになる。
しかし、本日は錫ヶ岳を目指すので、右には下らず尾根筋をそのまま突っ切って行く。 避難小屋への道を誤らせないためであろう、この分岐には、避難小屋の方向を示す標識の他に、尾根筋を進む道の上には倒木が積まれている。 倒木の向こうにも明瞭な道が続いているので、奥白根山を目指す人も、 標識が無ければそのまま進みたくなるところである。

明瞭な踏み跡を辿って尾根を進む。斜面には樹木がまばらに生えているが、木々もまだ芽吹いておらず、 雰囲気的には冬の梅園の中を登っているという感じである。
やがて、傾斜が緩んで台地状になった所に、トタン葺きの掘っ立て小屋が現れる。すでに小屋は少々傾いており、 これ以上傾かないようにと周囲には何本もの補助柱が立てられている。 しかし、このような 2,350m地点の、しかも吹きさらしの場所に、このような小屋が立ち続けていることが不思議である。
ネットで調べると、この小屋は雨量観測小屋と書かれていることが多い。

しかし、 湯元雨量観測所は 1,500m地点にあるようなので、この小屋ではないと思われる。本当にこの小屋は何の役目をしているのであろう。
小屋のある場所は、上述したように標高 2,350m。樹木も生えておらず、従って展望はすこぶる良い。
南東方面を見れば、残念なことに男体山方面は逆光でハッキリ見えないものの、 それでも中禅寺湖、男体山大真名子山などの山々を見ることができる。 中禅寺湖の手前に小さく盛り上がっているのは高山。その後方、中禅寺湖を挟んだ後ろに見える台形状の山は半月山、 そして半月山の右に見える鈍角な三角錐は社山 (しゃざん) であろう。

北西には奥白根山が見える。 前白根山から見た時よりも45度くらい南側に回り込んでいるので、今までとは雰囲気が違って見える。無論、 この角度から見る奥白根山は初めてである。 前白根山から見た時よりも少々細く見えるし、こちら側からだと頂上への登山道がよく見える。頂上直下のジグザグ道は良いとしても、 頂上から 1/3程の所から下はほぼ直登のようであり、かなりきつそうである。やはり、錫ヶ岳登山後に登る余力は無さそうである。
ところで、先程、前白根山山頂にいたにわか 2人組、そして先に休憩していた 1人は、皆 奥白根山に登ったようである。 こちらは 小生 1人らしい。嬉しいやら、不安やら・・・。

観測小屋を後にして先に進む。 道は観測小屋から少し登り、また少し下った後、2,385mのピークを目指すことになる。
道は全くの裸尾根。真夏だと少々辛いかもしれない。
2,385mピークへの登りにて振り返れば、前白根山、五色山、五色沼がよく見える。五色山の右後方には温泉ヶ岳も見える。 この白錫尾根を辿る道がこんなにも気持ちの良いルートであるとは全く知らなかった。錫ヶ岳までは無理という人も、 白根隠山や白桧岳までなら山上のプロムナードを楽しめる。是非ともお薦めしたい。
但し、先に述べたように、裸尾根なので真夏はキツイかもしれない。山が紅葉に染まる秋が一番良いのではないかと思う。



錫ヶ岳 1、    錫ヶ岳 2、     錫ヶ岳 3、    錫ヶ岳 4、     錫ヶ岳 5、    錫ヶ岳 6、     錫ヶ岳 7 もご覧下さい。

百名山以外の山に戻る   ホームページに戻る