|
西農鳥岳の右には本日の目的の山、塩見岳。
やはりこの山のイメージは写真のような黒い鉄兜である。
昨年登った黒河内岳から見た塩見岳や
空木岳から見た塩見岳の姿は、
やはり馴染めない。
というのも、この塩見岳の姿をしっかりと見たのは北岳、
間ノ岳、
塩見岳と縦走した時で、その時の印象が強く残っているからである。
その時は、こちらとは反対側から塩見岳を見たことになるのだが、ほぼ形は同じである。
今見ている方向を正面とすると、塩見岳を右側や左側から見た場合は、硬貨を横から見るのと同じように幅は薄くなり、
尖った山に見える訳だが、やはり馴染めない。 |
グルッと身体を南に向けると、
先程も見えた小河内岳が大きく、その右斜面の奥には赤石岳が見える。
赤石岳の左に尖っている高みは恐らく小赤石岳であろう。
赤石岳から右に下った斜面は、途中から土手のように平らな尾根に変わる。
もしかしたら百間平かもしれない。
その百間平と覚しき尾根の奥には聖岳が見える。
左縁の高みが奥聖岳、そしてその右に見える一番高いところが前聖岳であろう。 | |
|
聖岳のさらに右側、
百間平と覚しき尾根が下り始めた場所の後方には、兎岳、そして中盛丸山が続き、大沢岳の双耳峰へと続いている。
ここから見る大沢岳はなかなか魅力的で、登ってみたくなる。
しかし、赤石岳と
聖岳の中間にあり、そう簡単には行けない場所である。 |
さらに南西の方を見れば、
今朝程 鳥倉林道を歩いている時に見えた奥茶臼山、前茶臼山が見える。
そしてそのさらに右には、先程 休憩したばかりの三伏峠小屋が見え、
さらにその右に見える雲の海の向こうには先日登った恵那山が浮かんでいる。
恵那山の右、つまり西から北にかけては先程も見えた中央アルプスが見えるが、
北アルプスの方は最早 ほぼ雲の中であった。
あまりの展望の良さに、この三伏山頂上に 5分程滞在してしまった。
まだこの後の行程は長いので、長居し過ぎである。 | |
|
道は一旦下る。
下り斜面、そして本谷山に向かっての登り斜面に入っても、
塩見岳はよく見える。
しかし、進むに連れて、その形が少しずつ変化していくのが面白い。先程述べたように、正面から見ていた硬貨を徐々に横から見るようになり、
ズングリしていた山の形も微妙にその幅が薄くなっていく。
本谷山への登りもさほど厳しいものではないが、結構 距離がある。
ただ、周囲の景色が良いのであまり気にならない。 |
そして、9時50分に本谷山の頂上に到着。
ここは樹林に囲まれており、塩見岳以外はあまりよく見えない。
そのまま頂上を素通りして下り斜面に向かう。
本谷山から少し下った所の方が展望が良く、ここからは、先程 小河内岳に隠れて余りよく見えなかった荒川三山が見える。
写真 左が 荒川東岳 (悪沢岳)、
右に一旦下った稜線が再び盛り上がった所が荒川中岳、そしてその右、カールのようになった斜面の真上にあるのが荒川前岳である。
なお、荒川三山の手前に見える山は、恐らく 左が前小河内岳、その右が烏帽子岳、そして烏帽子岳の右奥に見えるのが小河内岳であろう。 | |