空木岳 再登山( 空木岳:2,863.7m ) 2010.10.2 登山



【PHOTO & 記録 空木岳 再登山 1】

9月の末からぐずつき気味な天候が続く中、10月2日は久々に良い天気になるとのことだったので、 早速 山に行くことにした。
近頃は予め登る山の候補をリストアップしているので、山選びに迷うことはなく、直ぐさま中央アルプスの空木岳に決めたのだった。
理由は単純で、このところ 南アルプス、北アルプスの山々を堪能したので、今度は中央アルプスに行こう と思っただけなのであるが、 何故 2回目の登山となる空木岳なのかということについては、それなりの思いがあってのことである。
空木岳には 20年前に登っており、その時は桂小場から胸突ノ頭、聖職の碑、 馬の背を経由して木曽駒ヶ岳に登り、 宝剣岳手前の宝剣山荘に一泊。翌日は宝剣岳、檜尾岳、熊沢岳、東川岳と縦走して木曽殿越から空木岳に至り、 そこから池山尾根を下って麓にある駒ヶ池まで歩いたのだった。
台風一過の晴天の中、素晴らしい稜線歩きを大いに楽しんだのであるが、空木岳については少々心残りがあるのである。
というのは、空木岳からの下山時、尾根コースを通らずに空木平のカールの中の道をとってしまい、 駒石など遙か下方から見上げるだけとなり、山の特徴を知る上で尾根道をはずしてしまったのは失敗だったと ずっと思っていたということでなのである。
一方で、下山時、小地獄、大地獄は特に危険とは感じなかったものの、とにかく池山尾根が長く苦しかった印象が強く、 池山尾根を使って空木岳を日帰り登山するのは無理と考え、 空木岳にもう一度登るには木曽駒ヶ岳からの縦走を試みない限り難しいと長いこと思い込んでおり、 その実現はなかなか難しいと思っていたのだった。
しかし、近頃 ネットを見て、池山尾根も林道を使ってかなりの高さまで車で行くことができ、日帰りも容易になっていることを知って、 この空木岳も最近 日帰り登山のリストに加え、タイミングを待っていた次第である。

ということで、朝の 2時半過ぎに横浜の自宅を出発。
またまた 国道16号線を通って中央高速道八王子ICに向かい、高速道に入る。順調に車を飛ばし、駒ヶ根ICで高速道を下りてからはナビの指示に従って右折し、 県道75号線を西に進む。
ナビには 駒ヶ根高原スキー場を目的地として入れており、車は駒ヶ岳ロープウェイ方面へと進む道を途中で左折し、 山の中に入っていく。小生の前後にいた車は、皆 直進。早朝であることを考えると、ロープウェイに乗るべく菅ノ台バスセンターに向かう登山者の車なのであろう。
スキー場を過ぎると後はほぼ一本道。途中で 2箇所ほど分岐があるものの、明確な方向指示板が出ているので迷うことはない。 林道は古城公園を過ぎた辺りから砂利道へと変わり、そこからの距離が意外にある。
あまりにも山奥に入っていくので、徐々に不安を感じるようになってきたのだったが、所々で林道を横切る登山道と標識が確認でき、 また 先行の車に追いついたので一安心であった (登山、山菜採り以外の目的でワゴン車がこんな山道を進む訳がない)
そして、5時40分に駐車場に到着。既にかなりの数の車が駐車しており、 明確に空いているスペースは無い状態。何とか東屋の横にスペースを見つけて駐車する。
なお、林道はさらに先へと続いており、本来であればその終点に立派な駐車スペースがあるらしいのだが、 現在林道修復工事中とやらで、今はここで通行止めとなっている。


駐車場に設置してあるトイレで小用を済ませ、身支度をして 5時48分に出発。
登山道は、登ってきた林道を 500mほど戻った所にある。
林道を下る前、東の空を見上げれば、丁度 日の出の時刻らしく、空が赤く染まっている。 そして、その赤く染まった空をバックに南アルプスの山々がシルエットになって見える。
写真では左の仙丈ヶ岳、 大仙丈ヶ岳から始まって、北岳の意外と鈍角な三角錐へと続き、 その右に中白根山で小さく盛り上がった後、間ノ岳農鳥岳と続いている。 仙丈ヶ岳の左には本来なら甲斐駒ヶ岳が見えるはずだが、 雲が邪魔をしてしまっている。
それでも気分良くスタートが切れて嬉しい。

5分程林道を下ると、登山道入口が現れる。
空木岳に登るには、 左側の登山道へと入るのだが、この登山道は車道を横切って さらに下へも続いており、最終的には 駒ヶ池近くまで続いているはずである。
20年前、木曽駒ヶ岳から空木岳へと縦走した後、 この池山尾根を下った際には、駒ヶ池まで歩いたのだった。
当時もこの道を通ったのかもしれないが、さすがに特徴もない道のため、覚えていない。時刻は 5時53分。

道は いきなりの急登となる。まだ完全に目覚めていない身体には少々きつい。 まだ少々暗い中を登る。

登り始めて 6分程で、地蔵尊の前に到着。地蔵尊の奥には遭難者の慰霊碑らしきものも見える。傍らの標柱には三本木地蔵 と書かれている。 ただ、地蔵尊の後ろに立つヒノキは 2本。1本は枯れてしまったか、伐採されてしまったのだろう。
帰宅後、15年前のアルペンガイドを見ると、この場所について 『 眼下には菅ノ台の別荘、蛇行する大田切川が見える 』 と書かれていた。 場所が変わったとは思えないが、今は全く状況が違う。

道は ほぼ一直線という感じで延びている。足下には丸太の土留。 例のごとく、歩幅が合わずに歩きにくい。
やがて、木々の間から日が差して、周囲が明るくなり始めた。恐らく、太陽が南アルプスを越えたのであろう。

三本木地蔵からさらに 8分程登り続けると、 不意に林道に飛び出した。時刻は 6時7分。
そのまま林道を右に進むと、林道は左に大きくカーブを描き、すぐに 東屋とトイレのある広場に到着した。ここが本来の林道終点である。

左を向けば、朝焼けの空の中にうっすらと山並みが見える。良く目を凝らすと、 左に見える先が尖った山は塩見岳らしい。
そうなると、その右に見えるのが本谷山で、さらに小河内岳、荒川東岳 (悪沢岳)、 荒川中岳、前岳と続き、赤石岳へと続くということになるようだ。 駐車場で見えた南アルプス北部の山に加え、南部の山も見えるとは誠にラッキーである。

林道終点からは再び登山道になる。その入口には、登山届ポストとともに、標高 1,365mと書かれた標識も立てられていた。
こんなに高い所まで車で来ることができるのなら、最早 空木岳は遠い山ではなく、 お手軽な山になってしまう。
ここからの登山道はほぼ平坦な道が続く。道の傍らにはハイキングコースの表示も見える。登山とハイキングを明確に分類することが本当にできるとしたら、 この道はまさにハイキング向きの道である。所々急登はあっても、総じて緩やかな登りが続く。
やがて、鷹打場に到着 (写真)。ここで道は池山に直登するルートと空木岳への登山道に分かれる。 当然、空木岳を目指す (写真 に見える道)。時刻は 6時29分。 なお、手前は野生動物観察棟への道。

ササの中の道を進む。 鷹打場から 15分程で、水場への分岐に到着。標識には旧池山小屋の文字も見える。
どうやら 20年前とは道が変わったらしい。前回、この尾根を下ってきた際、池山小屋の前にあった水量豊富に流れる水が本当に美味しかったのは今でも覚えている。 昔を懐かしく思い、少々 寄り道したいとも思ったが、やはり 山頂を目指すことが優先。水場には寄らずそのまま進む。
さらに緩やかな道を登っていくと、やがて、十字路に到着。ここにも水場があり、竹で作られた吐水口から下に置かれた飼い葉桶のような水受けに細いながらも水が流れ落ちている。
ここで道は 3つに分かれ、一番左が遊歩道、真ん中が登山道、そして右が (新) 池山小屋への道となる。 当然 登山道を選び、山間 (ヤマアイ) のためにやや薄暗い道を進む。 時刻は 7時丁度。



空木岳 再登山データ

上記登山のデータ登山日:2010.10.2 天候:快晴のちガス単独行日帰り
登山路:池山林道登山口−林道終点−池山小屋分岐−(登山道)−マセナギ−大地獄−小地獄− 尾根分岐−駒石−駒峰ヒュッテ−空木岳−駒峰ヒュッテ−駒石−尾根分岐−小地獄−大地獄−マセナギ−(遊歩道)−池山小屋分岐−林道終点−池山林道登山口
交通往路:瀬谷−(国道16号線)−八王子IC−(中央高速道)−駒ヶ根IC−(県道75号線)− 駒ヶ根高原スキー場−池山林道登山口 (車にて)
交通復路:池山林道登山口−駒ヶ根高原スキー場−(県道75号線)−駒ヶ根IC−(中央高速道)− 上野原IC−(国道20号線)−相模湖駅前−(国道412号線)−三ヶ木−半原日向−(県道54号線)−角田−中津−厚湘バイパス下−下当麻−(県道52号線)− 相模原公園入口−(県道507号線)−相武台団地入口−(県道50号線)−中央林間−鶴間二丁目−下鶴間−(かまくらみち)−瀬谷 (車にて)

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