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周囲を見渡せば、南アルプスの山々が勢揃いして見える。
まずは 編笠山 (南アルプス) の綺麗な三角錐に始まり、
鋸岳のギザギザした尾根が右に続く。
そして、甲斐駒ヶ岳がどっしりと構え、
さらに右にはアサヨ峰、仙丈ヶ岳、
大仙丈ヶ岳と続いている。
さらに右に目をやれば、意外と鈍角な頂点を持つ北岳の姿があり、
北岳から一旦下がった稜線は中白根山へと盛り上がっていき、
さらに間ノ岳の高みへと続く。
間ノ岳の右には農鳥岳の高みが見え、
さらに広河内岳が少し稜線を盛り上げている。
さらに北荒川岳付近までほぼ平らな稜線が続き、再び 塩見岳で盛り上がる。
その後、本谷山、小河内岳を経て
荒川東岳 (悪沢岳) から始まる荒川三山へと続く。
その後は 残念ながらガスが邪魔をしているが、兎に角 素晴らしいの一言である。 |
そして、目の先には
空木岳。
こちら側は雲のない青空であるが、すでに宝剣岳方面にガスが湧きつつあるのを見ると、先を急ぎたくなる。
しかし、先に述べたように、本日 まだ十分な休憩をとっておらず 3時間半ほど歩き通しである。
さすがに疲れてきており、このまま目の前の 駒石のある高みに登った後、一旦下って空木岳に登るのは体力的にキツイ。
この辺で休憩したいところである。
休憩に適した場所を探しながら進む。 | |
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周囲を見回しながら進めば、塩見岳の左側斜面後方に、
何やら影のようなものが見える。
イヤイヤ、影とは失礼であった。富士山の一部が見えているのであった。
富士山の左側斜面と塩見岳の左側斜面の一部が平行した形になっていたため、
影のように見えたのである。ほとんどが塩見岳に隠れてしまっているが、富士山を見ることができたのは大変嬉しい。
また、写真の様に、南アルプスの左側、北東方面に
八ヶ岳も見ることができる。
右側の編笠山 (こちらは八ヶ岳) から始まり、
権現岳、
赤岳、横岳、硫黄岳とその姿がハッキリ分かる。
硫黄岳のさらに左には天狗岳も見ることができる。 |
写真のような台地状の場所に到着し、
休憩することにした。時刻は 9時36分。
傍らの岩に腰掛け、握り飯を頬張る。何と言っても周囲の景色が素晴らしいので、大変気持ちが良い。
宝剣岳方面のガスはかなり上がり始めており、千畳敷カールの中、そして檜尾尾根のこちら側にもガスが上がり始めている。
少し 急がねばならないかもしれない。
檜尾避難小屋は先程は白い壁が印象的だったが、ここからは赤い屋根がよく目立つ。
また、南アルプスもまだよく見える。今度は先程見えなかった
荒川三山より右の山々を見ることができた。
赤石岳、
聖岳も見え、
さらに右には池口岳の双耳峰まで見える。
12分程休憩して、9時48分に出発する。 | |
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宝剣岳からの稜線上では、熊沢岳方面がなかなか素晴らしい。
と言いつつも、実は左の写真の中で、熊沢岳がどの山だと断定する自信がなくそう述べているのである。
小生の記憶では、熊沢岳頂上には大岩がいくつかあったはずなので、頂上に白い岩が見える写真真ん中右の高みがそうだと思われる。
なお、1995年のアルペンガイドによれば、熊沢岳から東川岳までの間に小さなピークがいくつかあり、それぞれ 本谷山、伊那川岳、殿ヶ岳、鞍ヶ岳の名前が付いているとのことである。
確かにここからも多くの高みがあることが見て取れる。 |
さて、注意を目の前の駒石に集中して進まねばならない。
目の前に広がる光景は、このような小さな写真では表しきれない程素晴らしいのである。
晴天の元、紅葉のこの時期に登った幸せを噛みしめながら斜面を登る。
少し高度を上げて振り返れば、先程 休憩をした台地状の場所までハイマツの絨毯が繋がっている。
その向こうは雲海で、先の方には八ヶ岳が島のように浮かんでいる。
こんな素晴らしい山であるのに、周囲に登山者が少ないのがありがたい。
皆、中央アルプスと言えば、千畳敷から木曽駒ヶ岳というパターンが多いようで、
その傍にこのような素晴らしい山があることを知らないかのようである。
尤も、百名山なので、日の長い 夏は団体などが入って、混雑するのかもしれないが・・・。 | |