空木岳 再登山( 空木岳:2,863.7m ) 2010.10.2 登山



【PHOTO & 記録 空木岳 再登山 7】

一方、塩見岳より右側の山々はまだ よく見ることができる (しかし、 それもすぐにガスに飲み込まれてしまったが・・・)。写真の山は左から 塩見岳の斜面、 小河内岳、荒川東岳 (悪沢岳)、 荒川中岳、前岳、そして赤石岳と続いている。
南駒ヶ岳への往復を断念したことにより、時間的にかなり余裕ができたので、暫し腰を据えることにする。 ガスが部分的に退いてその間から垣間見える景色を楽しみ、また 山頂に後からやってきた人達との会話が弾み、結局 山頂には 1時間以上滞在することになった。 せっかちな小生としては珍しいことである。
11時34分、下山開始。
当初、下山は空木平へ下るつもりだったのだが、ガスがかなり湧いているので、往路と同じく尾根を下ることにする。

写真は駒峰ヒュッテ。
登山道はヒュッテの左側に見えるウッドデッキを通ることになる。こぢんまりとした なかなか素敵な小屋である。
先程空木岳頂上で漏れ聞いたところによると、 本日は 予約で一杯とのことであった。 ここで一泊するとなると、木曽駒ヶ岳方面からここまで縦走してきた場合か、 この空木岳に加えて南駒ヶ岳をピストンした場合かのどちらかであろう。
それにしても、この駒峰ヒュッテと言い、檜尾避難小屋と言い、稜線上に立っていて風をモロに受けそうな気がするがどうなのであろう。

快調に下り、先程のキノコ岩付近から空木岳を振り返る。
この時はまだハッキリ山頂が見えているが、この後 11時55分に駒石を通過した時には、ガスでかなり見えにくくなっていた。
この尾根を下っている途中で面白いことがあった。
小生の勤める会社のかつてのロゴマークが付いた帽子を被った登山者が下から登って来たのである。思わず声を掛けると、 その人はやはり同じ会社の方で、北陸にある工場の方に勤めているとのことであった (無論、初対面)。 その方は百名山登頂を目指しており、この空木岳で 88座目とか。 町中ならともかく、お互いにかなり遠い所となるこんな場所で出会うとは・・・。その確率たるや相当 低いはずである。
イヤ、空木岳が百名山であること、登山道はここがメインであることを考慮すれば、 確率がグッと上がるのかもしれない。

12時8分に尾根道経由ルートと空木平経由ルートとの分岐を通過。 後は 樹林帯をひたすら下るのみである。
ガスは周囲を覆っており、往路では樹林越に見えた宝剣岳方面も今は全く見ることができない。
往路の時に述べたように、この辺は意外と平らな道が続く。

やがて、写真のような階段や桟 (かけはし)が見えて来ると、 その次に現れるのは小地獄、大地獄となる。
しかし、崩壊した道は新しく作り直され、しっかりとロープ、鎖、梯子などが取り付けられているので、神経質になる必要はない。

やがて、長い鎖場を下る。今朝ほどは気づかなかったが、周囲の土の掘り返しの状況、むき出しになったばかりのような木の根、 まだ銀色に輝く鎖などの状況から見て、この道は恐らく新しく作り直された道なのだろう。
一方で、写真の鎖場は以前からの道であろう。岩に横に付けられた鎖は、バランスを崩した時に谷に落ちないようにと念のために掴んでおく程度のもので、 鎖に命を預けるという訳ではない。
ガスでほとんど視界が利かない中を黙々と下る。

やがて、マセナギを巻いて、遊歩道と登山道の分岐に到着。
時刻は 13時22分。どちらの道も 『 池山まで 1.7km 』 となっている。 ここは興味本位で遊歩道を進んでみる。

成る程、こちらの道は遊歩道と呼ぶに相応しい ??
傾斜は緩やか。斜面を下る時でもジグザグ状になった道の振幅を大きくとっており、従って、傾斜はさほどきつくない。
また、道はダケカンバ、シラカンバの林中を進むようになっており、足下はササや羊歯類が生え、周囲の状況も気持ちが良い。
疲れてきた身体には大変具合の良い下山道であった。

遊歩道は、やがて竹で作った吐水口のある水場の所 (十字路) で登山道と合流。
時刻は 13時38分であった。水が美味い。
ここからも緩やかな傾斜の道がほとんどで大変楽である。

途中、写真の様に駒ヶ根市街を見ることができる場所があった。往路では全く気づずに通り過ぎてしまったようだ。
恐らく 市街地の後方の山は南アルプスなのであろうが、最早 稜線部分は雲の中、全く 山の名前は分からない。
林道終点には 14時19分に到着。駐車スペースを過ぎ、林道を少し進んですぐにまた山道に入る。
三本木地蔵を14時26分に通過し、14時30分に登山口に到着。そこから少し傾斜のある林道を登り、駐車場に帰り着いたのは 14時36分であった。
空木岳の尾根道を登って、 長年の宿題を終わらせることができた上に、今まであまり認識していなかった この山の魅力を十分に味わうことができて、 素晴らしい山行であった。



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