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やがて、道が左に回り込んでいくと、南アルプスの山々が樹林越しに見えてきた。
しかも、一遍に展望が広がるのではなく、樹林越しに断片的に見えるのがなかなか洒落ている。
まず見えたのが、これからの縦走路上にある本谷山。そしてその右後方には西農鳥岳らしき山が僅かに見える。
次に目に飛び込んできたのが仙丈ヶ岳。
さらには、仙丈ヶ岳の右に甲斐駒ヶ岳、
アサヨ峰も見え始める。
そして、そこから樹林帯の中を一登りすると、樹林が切れ、
一気に展望が広がったのだった。
やはり、黒兜のような形をした塩見岳にまず目が行く。 |
そして、
北には仙丈ヶ岳、
甲斐駒ヶ岳、
アサヨ峰が、今度は間に遮るもの無しに良く見える。
特に、大仙丈沢カールを山頂直下に、そして右に小仙丈ヶ岳、左に大仙丈ヶ岳を従えている仙丈ヶ岳の堂々とした姿には驚かされる。
さらには、南に下る仙塩尾根が、この仙丈ヶ岳に力強さを加えている。
右後方に見えている甲斐駒ヶ岳の方は、
距離の差があるとは言え、仙丈ヶ岳と比べてやや貧弱に思えてしまう程で、
甲斐駒ヶ岳が大好きな小生にとっては少々悔しい。
また、本谷山の右後方には間ノ岳、
西農鳥岳が僅かに見える。 | |
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この展望の良い場所から一登りすれば、三伏峠であった。時刻は 8時51分。
峠には三伏峠小屋があり、その2階から顔を出したご主人 ? と少し話をする。
聞けば、やはり毎日夕立が 14時くらいからあるものの、昨日は夕立がなく、今日もないかもしれないとのことであった。
小屋前で本日初めての休憩を取り、9時丁度に出発する。
前を見れば、先の方に塩見岳が見え、
テンションが上がる。
テン場の横を通り、少し進むと小河内岳との分岐。塩見岳は左の道である。 |
分岐から暫く進むと、
樹林帯を抜けて周囲はハイマツ帯へと変わり、足下が岩場の登りになる。
目の前にはズングリと丸い高みが見え、その右には塩見岳も見える。
少し高度を上げて振り返れば、先程の分岐から分かれた道が見え、その左奥には美しい形をした小河内岳も見える。
そして、小河内岳の左斜面の奥には荒川東岳 (悪沢岳)と覚しき高みが見え、
小河内岳の右斜面奥には荒川前岳の一部と思われる高み、そしてその右後方には赤石岳の姿も見える。
赤石岳の右に見えるの間違いなく聖岳であろう。
素晴らしい展望に思わず声が出る。 | |
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そして、ズングリとした高みに登り着くと、そこには三伏山と書かれた標柱が立っていた。時刻は、9時8分。
ここからの展望は素晴らしいの一言である。
北側、つまり縦走路の先には、ズングリした本谷山が見える。
そして、本谷山の左には仙丈ヶ岳が見え、
右には北岳、
間ノ岳が見える。
甲斐駒ヶ岳は残念ながら本谷山に隠れてしまっている。 |
写真はその北岳、
間ノ岳をアップしたもの。
ここから見る北岳はいつもこの山に抱いているイメージとはかなり異なっていて、少々戸惑う。
間ノ岳の方も、こんなにどっしりとした山だったのかと惚れ直すといった感じである。
また、間ノ岳の左下、北岳との中間に見える三峰岳 (みぶたけ) もなかなかのアクセントになっている。
間ノ岳の右の山は西農鳥岳である。一昨年、昨年と 2年連続で行った白根三山縦走を思い出す。 | |