小生の勤めている会社はへそ曲がりなのか、
お盆の時期から少々ずれた 8月14日から 22日までの一週間が夏休みとなっている。従って、交通渋滞が避けられ、
山に行くのには大変ありがたい設定なのだが、あいにくこの期間中の天気予報は 晴れマークが続く状態になく (実際はそうでもなかったが)、
従って、山中に 1、2泊することが少々躊躇われる状況であった。
仕方なく単発 日帰り登山を組むことにしたのだが、さてどこへ行こうかと考えた時、
真っ先に頭に浮かんだ山が南アルプス 白峰南嶺 (北岳から南に延びる白峰山脈のうち、
広河内岳以南を指す。先日登った笊ヶ岳、
そしてお馴染みの山伏も含まれる) の黒河内岳 (笹山) である。
この山は、山梨百名山にも選ばれているのだが、小生としては全く登ることを意識していなかった山である。
しかし、先日の白根三山縦走において、
農鳥小屋で一緒になったご夫婦の方 (というより、ご主人の方) に、
しきりに白峰南嶺の縦走を勧められ、地図を見ている内に意識しだしたという次第である。
かといって、この黒河内岳がある白峰南嶺第三区 (広河内岳−伝付峠間を言う。
第二区は 伝付峠−所ノ沢越であり、第一区は 所ノ沢越−山伏。) を縦走するには、山中テント泊が必須である。
一方で、小生のテントもかなり古くなってきており、加えて年のせいか、重い荷物を担ぐのが億劫に感じられて、
どうも山中テント泊には二の足を踏んでしまう。
そんな中、ネットを調べていたら、奈良田から黒河内岳への直登ルートがあることが分かったのである。
無論、白峰南嶺の縦走を勧めてくれた先のご主人は、黒河内岳を登るがために縦走を勧めてくれたのではないのであり、
また 広河内岳から見た白峰南嶺の山々は大変魅力的だったのも確かであるが、小生の頭の中にはもはや黒河内岳の存在が大きくなってきていて、
直登ルートと聞いて飛びついたという訳である。
問題は、登山口となる奈良田へのメイン道路である県道南アルプス公園線が、
途中の蓬莱橋と新青崖トンネルの間で崩落があって通行止めになっており、スムーズに奈良田に入れないことである。
富士川町平林と奈良田を結ぶ丸山林道の通行が許可されているのだが、
この林道の通行時間は朝 6時から夜の 7時半 (土日は 朝7時〜夕方5時半) と決められており、
しかもかなり狭いと聞いているので、どうしようかと迷っていたのであった。
念のため、再度 山梨県の道路規制情報を調べたところ、何と 8月13日から県道南アルプス公園線が片側通行にて通れるようになったと出ているではないか。
全く素晴らしいタイミングである。
これは行くしかないということで、16日の月曜日、
朝 3時半前に横浜の家を出発したのだった。
七面山や昨年の
白根三山、
今年の笊ヶ岳と、通り慣れた早川町への道を進む。
途中、小之島トンネル (だったと思う) 手前で車を止めさせられる。
奈良田への通行時間は 6時から (夜 7時半まで通行可) なので、
その時間が来るまで待機という次第である。既にトンネル前には 5〜6台の車が通行可となる時間を待っている。
5時50分に通行可となり、待機していた車が列をなして進む。崩壊場所は、H型鋼 ? で作った仮設トンネルが設置されており、
車 1台がギリギリ通れる幅の中を進むようになっている。当然、大型車は通れず、また片側通行、時間規制ということで未だ状況は厳しいが、
この県道南アルプス公園線が開通したことで、ようやく 奈良田も活気を取り戻すことであろう。
6時過ぎに奈良田湖に到着。吊り橋のソバにある駐車スペースに車を駐める。既に 2台の車が駐まっており、
1台の車の方では、登山の身支度をした方がまさに出発しようとしていた。
小生も身支度を調え、吊り橋を渡る。時刻は 6時12分。
最低、車の数だけ登山者がいるとすると、2人以上が先行していることになる。地図がない登山路なので、
先行者がいるのは心強い。さらに、小生が吊り橋を渡っている時、もう 1台車がやってきた。