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道は少し下って、シラビソの樹林帯に入り、山腹を巻く感じで進む。
再び登りにかかり、樹林帯を抜けると、ハイマツと岩からなる登りの道に変わり、展望が グッと開けるようになる。
先程 見えた蝙蝠岳、塩見岳に加え、
蝙蝠岳の左側には荒川東岳 (悪沢岳) とその右後方に荒川中岳が見える。
ただ、こちらも霞み気味で、あまりハッキリしない。先日 登った早朝の
農鳥岳、広河内岳からの展望がハッキリ・クッキリしていただけに少々残念。
笊ヶ岳では同じような時間でも、もう少しよく見えたのだが、本日は無理である。
気温が高いこともあるのかもしれない。 |
やがて、足下は砂礫の斜面へと変わり、
その先に 近頃 お馴染みとなった東海パルプ株式会社 (現 特殊東海製紙株式会社) の標柱が見えてきた。
そして、砂礫の道をジグザグに登り、11時26分、北峰に到着。
先行者がいるかと思ったら、頂上には誰もいなかった (南峰に戻るまでの 27分間、頂上独占状態)。
こちらは南峰と違って、周囲に何もないことから、天候さえ良ければ、360度の展望が得られることであろう。
黒河内岳の三角点は南峰の方にあり、南峰が頂上とされているようだが、展望、高さ (こちらは 2,733mと南峰より 15mほど高い) から言って、
こちらの方を頂上とすべきであったと思う。 | |
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先にも述べたように、全体的に 薄い膜がかかったように展望は今ひとつクリアではないが、それでもある程度 周囲の山々の姿を楽しむことができる。
まず、北に目を向ければ、目の前に 白河内岳が大きく、白峰南嶺の尾根が右に延びている。
その尾根の後方には、西農鳥岳 (左) と 農鳥岳が見える。
そして、その 2つの山を結ぶ稜線の後方には、うっすらとではあるがズングリとした大きな山が見える。
間ノ岳であろう。
残念ながら農鳥岳の右に見えるはずの北岳は相変わらず雲の中である。 |
南を見れば、木々に囲まれた南峰が見える。
南峰から右に延びる尾根の後方には別当代山が見え、
そのさらに後方には七面山も見える (もっとも、七面山は帰宅後 写真を見て確認)。
七面山の右方には笊ヶ岳もうっすらと見えるが、
もうほとんど雲の中という状態である。 | |
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目を西に戻せば、塩見岳がかなり高く見える。
300m強の高低差は、ここでは圧倒的な差に見える。
塩見岳の山頂にかかる雲はなかなか取れず、
スッキリとしたその姿を見ることができない。結局、北峰に居た 27分間、1回もスッキリとした姿を見せてくれることはなかった。 |
そして、
塩見岳の右にある北俣岳から南東に派生する尾根を辿れば、
蝙蝠岳に至る。
先程も述べたようになかなか堂々とした姿である。
蝙蝠岳からさらに左に尾根を辿れば、徳右衛門岳へと繋がり、徳右衛門岳から下った尾根の先には二軒小屋があるはずである。
先程蝙蝠岳に登りたくなったと述べたが、地図を見てみるとなかなかハードのようである。
塩見小屋を起点にピストンするのが手っ取り早いかもしれないが、その時、帰りに塩見岳を登り返す気力があるかどうか・・・。 | |