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下り斜面から全体を見通す。
こう見ると、一旦大きく下って、宝剣岳の見える稜線まで登り返すことになり、そのアルバイトの大変さにため息が出る。
数値的に見れば、200m下って 200m登り返すということなので、それ程のアルバイトではないはずである。しかし、
途中、小さなアップダウンがあり、足下は雪となると、やはり見た目通り厳しいことになるだろう。 |
急斜面を一気に下った後 振り返る。
やはり、結構な角度を持った斜面である。雪がカチカチに固かったら、登ることは大変厳しかったであろう。
適度に柔らかくなっていたので助かった。
順調に下る。
とは言え、アップダウンはやはりキツイ。
左手の御嶽、
乗鞍岳、
右手の南アルプス、そして正面の木曽駒ヶ岳、
宝剣岳といった素晴らしい眺めが、元気を与えてくれる。 | |
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やはり思った通り、斜面の登り返しは疲れる。それでも足を進め続け、漸く終わりが近づいてきた。
この後、一度ハイマツ帯を通り抜け、斜面を登り切れば、稜線である。
ということで、少し気楽になったため、踏み跡に頼らず、好き勝手に登る。
ただ、あまり勝手に歩き回ると、踏み抜いてしまうことがある。踏み固められた所を通るのが、効率的なようだ。 |
斜面を登りながら左手を見れば、
御嶽が見える。
この場所からは、御嶽の左斜面後方に見えていた白山
は見えない。
それにしても、しつこいようだが御嶽は素晴らしい山容をしている。 | |
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斜面の先に、宝剣岳が大きく見えるようになってきた。
この分なら、前回 伊那前岳経由で登った時のように、ガスに囲まれた中を登るということもなく、頂上からの展望も十分に得られそうである。
ふと気がつくと、話し声が聞こえる。
周囲を見渡すと、三ノ沢分岐から西へと進んだ岩の上で、男女の登山者が休んでおられた。これから三ノ沢岳に登られるのだろうか。
12時43分、三ノ沢分岐に戻り着く。アイゼンを外し、少し休憩。
ここまでの登り返しには疲れたものの、まだ余力はある。宝剣岳には是非とも登らねばならない。 |
12時52分、三ノ沢分岐を出発。
ここからは全く雪のない登山道となる。
また、日当たり十分なのであろう、岩場にも全く雪は無く、夏山と同じ状態で登っていくことができる。
また、風の方もこの時点ではほぼ止み、何の問題も無く登っていける。
考えたら、宝剣岳には過去 2回登っているが、いずれも宝剣山荘側からで、
こちら側から登るのは初めてである。少し新鮮に感じる。
岩に付けられたペンキ印が、キチンとルートを導いてくれる。
また、難所には鎖が設置されており、その鎖が 銀色に輝いている。まだ新しいものなのであろう。安心して登っていくことができる。 | |
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鎖場をよじ登り、ペンキ印に導かれながら進む。
一旦、大きな岩を鎖に頼りながら下り、再び鎖場を登り返す。
その鎖場は、2つの岩峰の間に付けられており、その岩峰の間に登り着くと、さらに左側の岩峰に登ることになる。
高度はドンドン上がってきており、周囲を見渡せば、
御嶽や三ノ沢岳がよく見えるようになる。 |