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14時37分、山頂を後にする。
下り始めで、写真のように木曽前岳、麦草岳、
そしてその後方に御嶽という構図が目の前に現れた。
昨年、お馴染みの光景である。
また、前方には三ノ沢岳が相変わらず美しいピラミッド型を見せている。
下山は夏道を下り、駒ヶ岳頂上山荘前には 14時46分に下り着く。
ここから、先程下ってきた中岳経由道を行くか、巻き道を行くかで少々悩む。冬場、巻き道は通行禁止のようであるが、この時期 もう問題なかろうと、
巻き道を進む。この道は初めて通ることになる。
ロープに囲まれた道を暫く進んだところで、通行止めロープが現れた。かなり進んできてしまっているので、
後戻りも面倒と そのまま進んでしまう。 |
道は荒れてもおらず、至ってノーマル。
中岳経由のように、大きく登り下りしないで済むのがありがたい。
前方 右手には、本日 登った三ノ沢岳が美しい姿を見せている。
三ノ沢岳に登ったルートは、ほぼ尾根上だったため、どこを登ったかが ここからよく分かるのが嬉しい。 | |
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巻き道は写真のような斜面を横切っていく。
結局、登山道上に雪は全くなく、問題なく通ることができたのだったが、写真のように崖下を進む感じなので、雪が多い時は雪崩、
あるいは右手の谷へ滑落、そして残雪期は落石の危険があるのだろうと思われる。
岩の形が面白く、楽しく歩くことができた。
15時1分に宝剣山荘前に戻り着く。
そのまま小屋の横を通り、乗越浄土へと向かう。
乗越浄土には 15時6分に到着。ここから千畳敷カールへと下る。 |
少し下って、雪が現れた所で アイゼンを装着し、再びピッケルを手にする。ここから見るカールの下りはかなり急に見えるし、足下の雪も少々ザラメ状で、
アイゼンとピッケルが必要に思われたからである。慎重を期すことに越したことはない。
前方かなり下の方を、先程 宝剣岳からの下りで擦れ違ったと思われる老夫婦が下っておられたが、
この斜度はかなりきつかろう。
小生もピッケルを斜面に突き刺し、慎重に足場を確保しながら下る。
とても途中 立ち止まって写真を撮る余裕など無いし、また思い切ってグリセードする勇気も無い。
シリセードという手もあろうが、用具がないので、恐らくズボンが破けてしまうであろう。 | |
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ようやく傾斜が緩くなり始めたところで、スキーのシュプールを追うようにして下る。
傾斜が緩くなれば後は楽。雪の斜面をガシガシという感じで下る。
かなり下ってきたところで見上げれば、先程の老夫婦はまだ上の方で苦労しているようである。夫が妻を庇うようにして下っている姿が微笑ましい。
途中、こちらは調子に乗って下りすぎてしまい、カールの底の方に来すぎてしまった。
少し登り返して、ロープを潜り、スキー場のようになっているところを横断して、千畳敷駅へと進む。 |
15時42分、信州駒ヶ岳神社の祠の前に戻り着く。
千畳敷駅の建物の前には かなり人が居たが、ほとんどが観光客。考えたら、
木曽駒ヶ岳往復だけであれば、
ほとんどの人は既に下山していて良い時間帯である。
16時発のロープウェイがあるはずなので、着替えはせずに、ピッケル、
アイゼンの片付けだけで乗り込む。
ロープウェイは小生以外観光客ばかりで、8人程。人数が少ないので、汗臭さを嫌がられずに済んだ (と思う)。
しらび平到着後、16時20分のバスで菅の台BCへと向かう。菅の台BCからの往復料金は 3,800円であった。 | |
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今回 初めてロープウェイを使い、少々後ろめたさを覚えながらのスタートであったが、残雪の山は素晴らしく、また平日のため人も少なく、
快晴であったこともあって、山を大いに楽しむことが出来たのだった。
ロープウェイを使用して楽をした分、スタミナ十分、足は快調。目的の三ノ沢岳の他、快晴の下、宝剣岳、中岳、
木曽駒ヶ岳に登ることができたのは儲けモノであった。
こう考えると、1,000m程の高度を自らの足で稼ぐということが、
どれだけ体力的に厳しいかが良く分かる。恐らく、無雪期でも しらび平から自らの足で三ノ沢岳に登っていたら、
帰りにロープウェイを使うにしても、三ノ沢岳往復だけで終わってしまったことであろう。
積雪期限定にて、ロープウェイ使用を自分に許可してもよい と思った次第である。本当に身体は楽、楽しい一日であった。 |