大滝山 ( 大滝山:2,616m、 三角点は 2,614.5m。なお、縦走中の最高峰は蝶ヶ岳 2,677m ) 2014.7.15 登山


【PHOTO & 記録 大滝山 1】

梅雨時であり、しかも台風もあったりしたため、 なかなか山に行く機会に恵まれずにジリジリとしていたのだが、7月15日(火)は比較的天候が良さそうだったため、 待ってましたとばかりに山に行くことにした。
行き先は北アルプスの大滝山。蝶ヶ岳のお隣の山である。 この山を選んだのは、近頃の山行が再 (再々) 登山ばかりで、 初めての山がめっきり少なくなっていることから (今年は 4月の日留賀岳のみ)、 どこか良い山はないかと探していたところ、ヤマレコでこの山を知ったからである。
槍ヶ岳穂高連峰の展望台であり、 標高は 2,600mを越えている上、紹介されていたルートが登る人が少ない冷沢からのものとなれば、 これはかなり興味を覚えるではないか。
しかも、頂上まで 6時間ほどを要するというロングコースであるため、15日の天気予報が午前 9時以降晴れとなっている状況にはもってこいの山である。

横浜の自宅を 3時前に出発する。
従来であれば、国道16号線を進み、高尾山ICから圏央道に入って中央高速道へと進んでいたのだが、 6月28日から圏央道 相模原愛川IC−高尾山IC間が開通したことによって東名高速道と中央高速道が繋がったため、 早速そのルートを利用すべく横浜ICから東名高速道に乗る。
順調に東名高速道を下り、海老名JCTから圏央道に入る。まだ暗いため、どこを走っているのか分からない状態であったが、 後で地図を見ると相模川沿いを走っていたようである。初めて通る相模原愛川IC−高尾山IC間を通過し、 八王子JCTからは中央高速道に合流する。大変スムーズ、そしてかなりの時間短縮となりありがたい。
また、圏央道をそのまま鶴ヶ島JCTまで進めば、関越道にも連絡できるので、環八の渋滞に悩まされずに済むようになり、 今後の山行にとって大変ありがたいことである。
ただ、中央高速道を戻ってくる場合には、渋滞することが多い小仏トンネルを抜けねば八王子JCTに到達できないので、 少し工夫がいるかもしれない。

中央高速道を岡谷JCTまで進み、そこから長野自動車道に入る。
天候はどちらかというと曇り空。天気予報通りと分かってはいるものの、いつも見える常念岳などの北アルプスの山々が見えないとガッカリする。
順調に車を進め、松本ICで高速を下りた後は、国道158号線 (野麦街道) に入って上高地方面へと向かう。 途中、新村の交差点にて右折して県道48号線を北上、その後、上長尾で左折して県道319号線に入る。
道は集落を抜けると徐々に山に入っていく。途中から県道495号線へと道路標示が変わるが、基本的に道なりである。
なお、この道は 『三郷スカイライン』 と呼ばれ、終点には安曇野を一望できる展望台があるのだが、舗装道ではあるものの、 山道でカーブが多く (40以上のカーブ)、さらには道が狭いので、スカイラインという名にはちょっと首を傾げてしまう。
早朝であり、対向車が下ってくることはまずなかろうと思いつつも、ライトを点けたまま慎重に車を進めていく。
やがて、簡易トイレのある展望台下に到着。その少し先で舗装道は終わりとなり、そこから未舗装の鍋冠林道が続く。

林道入口には路肩崩壊云々の注意書きがあったものの、 先のヤマレコの人もこの林道を進んでいたので、小生も進んでみる。
しかし、林道に入った途端に後悔する。路肩にはガードレールもなく、右下は谷底という細いダート道が続き緊張を強いられる。
駆動を四駆に変えて慎重に進む。Uターンできる場所など無いので、先日の台風により途中で通行不可能になっていたら (ヤマレコの報告記録は、 台風以前の山行)、バックで戻らねばならないな などと考えながら恐る恐る進む。
道の左右 (時には上方) から伸びている草木に車体をこすりながら 5分程進むと、やがて林道ゲートに到着。ホッとする。 車はここまでである。
ゲート前は少し広くなっているので、車を Uターンさせ、路肩に駐車する。時刻は 6時8分。


作業車のように、ゲートを越えて先に進む車もあるやもしれず、車を駐める場所に気を遣って、少々時間を食う。
ゲート前が広くなっているとはいえ、左手の崖から落ちてきた石などが堆積していて意外と道幅を狭くしているので、 あまりゲート近くには駐められず、かといって、ゲートからあまり離れてしまうと、折角のスペースを占領することになって、 後続車が Uターンする際に邪魔になるからである。

漸く理想的な位置に車を駐め、身支度をして 6時13分に出発する (結果的には、 この日、ゲートより先に進む車も、ゲート前に駐車した車もなかったようであるが・・・)。ゲート脇を通り、林道をさらに先へと進む。
この先にある冷沢用水の管理や草刈りなどをする車なのであろうか、道路上に新しい轍があるのを見て何故か少し安心する。

緩やかな傾斜の道を黙々と登っていく。しかし、この林道はかなり長い。
そして、歩き始めてから 40分弱、漸く前方に登山道入口の標識が見えてきたのだった。冷沢である。時刻は6時48分。
もう 1つの標識には 『大滝山 4時間30分』 との案内もある。

標識に従って林道を離れて少し下ると、冷沢の流れ、そしてその手前に取水栓の設備があった。
また、左手には祠、そして冷沢用水の由来を記した案内板もある。
それによると、この用水は江戸時代初期、水田の灌漑用水に苦労していた倉田村の住民が、 用水確保をこの沢にて行うことを思いつき、6年の歳月をかけて安曇野に水を引いたとのこと。用水は現在も使用されている。

取水栓の横から本格的な登山道が始まる。

シラビソの樹林帯を登って行く。
足下はササ原となっており、所々そのササが煩いところがあるものの、総じて道は良く整備されていて明瞭である。
また、道の方は少し急登が続いたかと思うと、その後、緩やかな道が続くといったパターンが繰り返される。

先にも述べたように、安曇野市・松本市の天気予報は 9時以降晴れとのことであったが、 嬉しいことに 7時の時点で上空には青空が広がっている。但し、尾根の右側にはガスが湧き出しており、一方、 尾根の左側や上空は青空という状態となっている。
時にはガスが林の中を漂うこともあって、先行きに少々不安を抱かせるが、林の中のガスはすぐに消えてくれたのだった。

道は明瞭ではあるが、 泥濘んでいる箇所がかなりある。
最初は、昨日 大雨が降ったのかと思ったが、泥濘んだ場所には足場確保のために木が置かれていたりしたので、 年中 泥濘んでいるようである。
その所為か、足下には ギンリョウソウが見られる。

先にも述べたように、道は少し急登が続いたかと思うと、 その後、緩やかな道が続くといったパターンが繰り返される。
展望は全くといって良いほど得られない。ひたすら登り続けることになる。
これで道標も何も無い状態だと苛つくことになるのだが、鍋冠山までの距離や大滝山への距離を示した道標が所々に設置されているので、 大変励みになる。
『鍋冠山まであと 2km』 の標識を 7時18分に通過する。

さらに 『鍋冠山まであと 1km』 の標識を 7時44分に通過。
もっと早く 残り 1kmの標識が現れると思っていたので、少々ガッカリする。山の 1kmというのは、傾斜を無視した直線距離のことであろうか。

展望がほとんど得られない林の中の歩きが続くが、 少し傾斜がキツくなってくると、やがて東側が開けた場所に飛び出した。
うっすらと山並みが見えているが、どうやら美ヶ原 (写真 左から 1/4 程にあるピークが 王ヶ頭のようである) と茶臼山らしく、 その右奥後方には蓼科山が見えている。

急登が続く。
喘ぎつつも急斜面を登り切り、漸く鍋冠山頂上かと思うと裏切られる といった状態が 2回ほど続く。

3度目の正直で漸く鍋冠山に到着。時刻は 8時17分。
この鍋冠山は、東西に 2,180m台の標高が長く続いており、その中で頂上部分が 2,194.2mあるという状況のため、 頂上が突出している訳ではなく、しかも樹林に囲まれているため、展望は全く得られない (写真は 復路に撮ったもの)

10分程休憩した後出発する。
鍋冠山頂上からは緩やかな下りが始まる。
鍋冠山の標高が 2,194.2m、大滝山が 2,616mであるから、その差 422m程であるが、実際はこの鍋冠山から 120m程下るので、 鞍部からは 540m程を登り返すことになる。
ただ、実感としては 120mどころではなく、ドンドン下っていくように思えたのだが、 これは自分の体調と関係していたのかも知れない。



大滝山登山データ

上記登山のデータ登山日:2014.7.15 天候:快晴単独行日帰り
登山路:鍋冠林道ゲート前−冷沢−鍋冠山−八丁ダルミ−大滝山・蝶ヶ岳分岐点− 大滝山北峰−大滝山荘−大滝山南峰−大滝山荘−大滝山北峰−大滝山・蝶ヶ岳分岐点−地塘−大滝山・三股分岐−蝶ヶ岳頂上−大滝山・三股分岐− 地塘−大滝山・蝶ヶ岳分岐点−八丁ダルミ−鍋冠山−冷沢−鍋冠林道ゲート前
交通往路:瀬谷−横浜IC−(東名高速道)−海老名JCT−(圏央道)− 八王子JCT−(中央高速道)−岡谷JCT−(長野動車道)−松本IC−(国道158号線 野麦街道)−新村−(県道48号線)−上長尾− (県道319号線・県道495号線 三郷スカイライン)−展望台−(鍋冠林道)−鍋冠林道ゲート (車にて)
交通復路:鍋冠」林道ゲート−(鍋冠林道)−展望台−(県道495号線・県道319号線 三郷スカイライン)− 北小倉公民館ソバ−(県道25号線)−田多井−(県道57号線)−安曇野IC−(長野自動車道)−岡谷JCT−(中央高速道)−八王子IC−(圏央道)− 海老名JCT−(東名高速道)−横浜IC−瀬谷 (車にて)

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