水晶山・古礼山 ( 水晶山:2,158m 古礼山:2,112.3m) 2017.3.8 登山



【PHOTO & 記録 水晶山・古礼山 6】

雪の上には明確な足跡が 1つあるので、 ありがたくその足跡を辿る。
暫く小さなアップダウンを繰り返しながら立ち枯れ状態の木々が目立つ尾根上を進む。

振り返れば、 雁坂嶺がドッシリとした姿を見せており、 その左後方には東破風山、そしてそのさらに左後方に木賊山が見えている。
また、東破風山と雁坂嶺の間には三宝山らしき高みも少し見えている。

写真 右から雁坂嶺、三宝山、東破風山、木賊山。

道の方は緩やかな登りが続くようになる。
周囲にはササが見えているのだが、意外と足下の雪は深い。

スノーシューを装着すべきか迷いながら進んでいくと、 今まで頼りにしていた足跡が突然終了となる。
どうやら雪が深いということで引き返したらしい。
2階に昇ったら梯子をはずされた感じではあるが、ここまで来たのであるから最低でも 水晶山までは行きたいところである。
意を決して足跡のない雪の中に足を踏み入れる。

これは苦労するかもしれないと思いつつ膝下まで雪に潜りながら暫く進む。
すると、嬉しいことに左下方に足跡があることに気がついた。
こちらの足跡は 水晶山方面から下ってきたもののようであるが、 とにかく先への標 (しるべ) が見つかったのは嬉しい。
これで樹林帯に入った時にルートを探す苦労から解放されるからである。

その踏み跡を忠実に辿っていくと、やがて標識が現れる。
雁坂小屋への分岐で (雁坂峠からも小屋へは行くことができる)、さらにその標識には 『 この場所のほぼ真下に国道140号雁坂トンネルがあります。2,070m 』 と書かれたテープが貼ってある。 時刻は 11時41分。

その標識から少し進むと、道は樹林帯に入る。
足下の雪は多い所で膝上までとなり、2、3歩進むとズボッと足が大きく沈むような状況である。

ここでスノーシューを装着しても良かったのだが、 周囲は一面 雪であり、ザックからスノーシューを取り外して装着するのに適した場所が見つからなかった上に、何よりも面倒臭さが先に立ってしまう。
踏み跡をしっかり辿れば何とか潜る度合いも少ないはず と自分に言い聞かせてそのまま進むことにする。

とは言え、やはり突然に足を踏抜くことになるのは体力的に辛い。
まあ、ラッセルすることを思えば文句を言えないところではあるが・・・。

それにしても、雪の上に足跡が残っているのは本当にありがたい。
踏み抜き回避のこともあるが、それ以上にありがたいのはルートファインディングしないで済むことである。
この足跡を残してくれた人は、展望の利かない樹林の中をよくもまあクネクネとルートを選びながら進むことができたものだと感心する。

シラビソ、コメツガの林の中、足跡を辿りながら進む。
時折 雪に足を取られて身体に応えるものの、樹林越しに日が差し、周囲が明るいのがありがたい。

辛い斜面の登りが続く。
相変わらず、3、4歩進むたびにに 1回は雪に沈む。
面倒くさがらずにスノーシューを履けば良かったと、自分の怠慢を悔いながら登り続ける。

何よりも、先が見えない状態なのが一番辛いが、終わりのない登りは無い訳で、 嬉しいことに徐々に傾斜は緩み始め、さらには樹林の向こうに空が見え始める。
水晶山頂上は近いに違いないとの期待が湧く。
早くこの地獄から解放されたいところである。



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