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縞枯山荘の前を通り過ぎ、暫く経って振り返ると、山間に見える空に浮かぶ雲がなかなか面白い。
これはレンズ雲というのか、つるし雲というのか、雲を刷毛でなぞったようなその姿に暫し見とれる。
山頂駅への道はほぼ平ら。左右を山に囲まれており、風はほとんど無い。
変化のない雪道歩きなのであまり面白くなく、黙々と歩くのみである。雪は締まっているので、軽アイゼンが良く効きロスがないのが嬉しい。 |
北横岳が大きく見えて来れば、もう山頂駅は近い。
前回は前述のようにかなりの距離を歩いてヘトヘトになったので、ロープウェイでの下山を考えていたところ、
山頂駅前の観光客の姿を見て考えが変わり、疲れた身体にむち打って歩いて下山したのだった。
本日はロープウェイも止まっているので、観光客はおろか、登山者も見当たらない。当然 歩いて下山するしかないのだが、気分良く下山できる。
山頂駅を 12時32分に通過。 |  |
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山頂駅の左手から下山開始。
朝は道を間違えてしまったのだったが、下山は正規の道を進む。当然 雪の上に足跡が沢山ある。
斜面を下りながら左方を見れば、縞枯れた木々、そして雪原の向こうに縞枯山が見える。なかなか美しい光景である。
と思ったら、その斜面の中を進む人が見えた。向こう側にも道があるのか、
スキー場を登っているのか、いずれにしても雪のある時期は余程の悪さをしない限り、どこを歩いても構わない。
これがまた楽しいのである。 |
登りの時は締まっていた雪も、
この時間になるとかなりグズグズ状態。何回も足を深く潜らせてしまう。
スキー場らしき場所 (前述したようにここがスキー場ならかなり上級者向き) から下を見下ろせば、
縞枯山で擦れ違ったと思われる 2人組が見える。
まあ、現在 スキー場は使われていないようなので、あの 2人のようにスキー場を歩くというか、尻セードする手もあるのだろうが、
今日の服装では難しい。
樹林帯を抜け、雪原に近づく。
振り返れば、北横岳が大きく見える。 |  |
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本日は 風が強かったものの、天候に恵まれ、かなり楽しむことができた。
この時期、北八ヶ岳は、天候さえ良ければ危険なところはほとんど無いので、残雪の山を大いに楽しむことができる。
まさに 初心者向けの雪山コースといったところか・・・。無論、ロープウェイは使わない方が面白いと思う。
北横岳の左方には
蓼科山も見える。
本日 蓼科山の登山を楽しんだ人も多いことであろう。
蓼科山の方は、この時期、この北横岳よりも登山レベルが高い。
装備もしっかりする必要がある。 |
反対側には
天狗岳、
そして南八ヶ岳の山々。こちらの方はまだまだ冬山状態。
蓼科山よりもさらに高度な登山技術が必要だ。
右側のスキー場では滑りを楽しむ人が見える。
それ程混んでいないというかガラガラ状態。この時期、スキー場はこんなものなのだろうか。それとも 震災による自粛ムードなのか。
それで思い出した。震災への募金である。登った山の高さ分だけ募金するつもりだが、
本日の 北横岳だけではやや少ない気がする。
この北横岳の高さに、本年に登った 社山、
塔ノ岳、
雲取山の高さを加えて募金することにしよう。
それにしても山に登って良かった。沈みがちな心に少し元気をもらえた気がする。 |  |