北横岳 ( 北横岳:2,480m ) 2014.12.24 登山



【PHOTO & 記録 北横岳 5】

 

やがて、またもやゲレンデの縁を進むことになる。
今まで明瞭だった道も、ここからはかなり乱れ始め、溝状の道は無くなり、いくつもの足跡が上方へと向かい始める。
今までは、皆が踏み固めていたため、足が沈むことは無かったのだが、ここからはどの足跡を辿っても、 時々沈み込むようになる。スノーシューの跡を踏んだ時が一番ひどく、雪は踏み固められていないので、股下まで沈んでしまうこともあって、 抜け出すのに苦労する。

また、わずか、50センチほどの雪の壁を乗り越える際にも、力を入れた軸足自体が沈んでしまって、 乗り越えるのに結構 労力を要するなど、ここまで快調だった歩みが途端に鈍くなり始め、かなりペースがユックリになる。

ようやく、左手前方、樹林越しに山頂駅が見え始め、 最後はゲレンデの縁を進んで、11時11分、山頂駅に到着したのだった。
最後の 150m程は、かなりのペースダウンで、ほぼ地図通りの時間を要してしまった。
しかし、雪景色、そして雪上歩行を大いに楽しめたので満足である。

駅前のベンチで暫し休憩する。 駅前はロープウェイにてやって来た人たちで混雑しており、そのほとんどがここから滑り降りるスキーヤーやボーダーであるが、 登山者も何人か見受けられる。
また、周囲は完全に雪の世界であり、加えて、その背景に青空が広がり始めていて、テンションが上がる。 上方を見れば、うっすらと掛かっていた雲は少しずつ取れ始め、青空が見え始めている。
そして、周囲にも日の光が当たり始め、雪がキラキラと輝いて眩しい。

11時20分、山麓駅を出発し、 坪庭・北横岳へと向かう。

ここからは再びしっかりと踏まれた道が続く。
周囲の木々はスノーモンスター化しており、全く木の本体が見えない状態である。これ程の樹氷群は初めてであり、 この時期に来られたことに感謝するとともに、非常に気分が高揚する。

第一休憩所まで登り着くと、途端に強い横風を受けるようになる。 時折、小さな地吹雪も起こり、寒さを感じるが、結構楽しい。
第二休憩所を過ぎた後、標識に従って左へと進み (右は第三休憩所を経て縞枯山方面)北横岳方面へと向かう。
地吹雪状態で、舞い上がった雪が頬に当たり、少々痛い。

ポールに沿って進んで広い坪庭の雪原を横断し、北横岳の胸元に入る。
途端に、風が止み、暖かい日差しが身体を温める。
山は、このように状況の変化が極端なので面白い。

この北横岳の胸元からは、 斜面をジグザグに登っていくことになる。
足下は良く踏まれており、先の坪庭そしてこの斜面とも、アイゼンあるいはノーアイゼンで十分で、ワカン、スノーシューは不要である。
本日、背中のスノーシューの出番は無いのかも知れない。

樹林の中の登りが続くが、やがて右手の樹林が切れ、 坪庭、そして縞枯山方面を見通せる場所を通過する。
下方には坪庭の雪原が広がり、その後方には、山肌の樹林がまるで起毛している様な状態の縞枯山が見えている。

そして、縞枯山の右手には 阿弥陀岳が顔を覗かせており、 阿弥陀岳の右には 権現岳、編笠山西岳が続いている。
さらに進むと、阿弥陀岳の左に 赤岳も見えてくる (写真)

また、南八ヶ岳の右側には南アルプスの山並みが広がっている。
この北横岳上空には青空が広がり始めているのに対し、 南八ヶ岳、南アルプス方面の上空はうっすらと雲に覆われたままである。



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