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左右が切れ落ちた気持ちの良い岩稜帯を登っていく。従って、展望はすこぶる良い。
その中でも穂高連峰には何度も目を向けてしまう。先程とほとんど構図が変わっていないにも拘わらず、
何度も写真に収めてしまう。それだけ惹き付ける力を持っているということなのであろう。
また、高度を上げ、そして常念岳へと進むに連れ、
御嶽と
乗鞍岳がグッとその存在感を高めてきた。
蝶槍は最早 左、そして下方に移動してしまっており、御嶽と乗鞍岳が重なるように並んでいる。
いずれの山々にも雲一つかかっておらず、皆 山頂で至福の時を味わっていることであろう。 |
そして、
常念岳の右に見える高みを登っていくと、
今度は槍ヶ岳が目に飛び込んできた。
迫力は穂高連峰のそれにやや劣るものの、その存在感はなかなかのものがある。こちらも素晴らしい。
目を凝らせば、槍ヶ岳の下方に見える稜線上にヒュッテ西岳の赤い屋根が見える。
ということは、その右に見える高みは西岳ということになろう。確か、ヒュッテ西岳から縦走路は直角に曲がり、水俣乗越へと急下降したはずである。
また、機会があれば表銀座を縦走したいものである。
また、槍を見やれば、槍の左後方の基部に槍ヶ岳山荘も見えるではないか。先の穂高連峰と言い、
この槍ヶ岳と言い、こんなに簡単に主役級の山々が見えることに却って戸惑いを覚える。
これは北アルプスに慣れていない所為であろう。 | |
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槍ヶ岳をほぼ正面に見つつ進む。
やがて、常念乗越からの道と合流。時刻は 9時20分。
後は道を左にとって最後の斜面を登るだけである。そして 9時27分、常念岳の頂上に到着。
20年ぶりに頂上を踏んだことになる。頂上には 20年前と同じく祠が置かれていたが、当時の写真と比べてみると、
さすがに祠も代替わりしているようである。
頂上周辺には10人ほどの登山者しかいなかったが、その後 蝶ヶ岳方面、常念乗越 + 三股方面から登山者が続々とやってきて頂上はなかなかの賑わいになった。
それも当然であろう。頂上は 360度の大展望。しかも晴天とくれば、すぐに立ち去る人がいるはずがない。
出よりも入りの方が多くなって当たり前である。 |
小生も 頂上近くの岩に腰掛け、
食事をしながら展望を大いに楽しむ。結局、30分ほど頂上に居たことになった。
登り来たりし尾根の方を見れば、その先、雲海の向こうに
八ヶ岳のシルエットが見える。
八ヶ岳の右 手前にハッキリ見えるズングリした山は鍋冠山であろうか。
また、写真左上にうっすらと浮かんで見える島 (?) は恐らく
浅間山であろう。 | |
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目を少し右にずらせば、富士山の姿を先程よりハッキリと見ることができる。
そして、富士山の右には南アルプスの山々がシルエットとなって見えている。
まず最初に目立つ突起が甲斐駒ヶ岳であろう。
その次の突起は北岳。
そして、写真ではちょん切れてしまっているが、間ノ岳、
農鳥岳、
塩見岳、
荒川三山と続いている。
手前のズングリした山はやはり鍋冠山ではないかと思われる。 |
さらに右、南の方向には、
これから進む蝶ヶ岳までの尾根道が見える。以前は蝶槍の少し先、三角点のある場所を蝶ヶ岳としていたようであるが、
今は 蝶ヶ岳ヒュッテの南側 2,677mの最高点を蝶ヶ岳としているようである。
蝶ヶ岳のさらに後方 左には大滝山が見える。蝶ヶ岳と大滝山とを結ぶ稜線の後方には針盛山 (右) と小鉢盛山が並んでいる。
そしてその鉢盛山の後方に見える山群は中央アルプスであろう。一番高い所が
木曽駒ヶ岳のようである。
中央アルプスの左後方に続く山群は南アルプスで、右から聖岳、
赤石岳、荒川岳、
荒川東岳 (悪沢岳)、
そして塩見岳と並んでいるようだ (この写真では分かりにくいが)。 | |