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少し下って蝶槍を振り返る。
こう見ると、山上の突起に過ぎないが、周囲から見ると結構目立つ。先にも述べたように
安達太良山の乳首形の頂上と同じようにどこから見てもそれと認識できる形である。
蝶槍の左 後方に見える常念岳は、
最早 完全にガスに絡まれている。しかし、さらに後方の大天井岳方面は健在。
槍ヶ岳、
穂高連峰も健在で、本日は誠に良いコンディションである。本当に嬉しい。 |
先程見えた禿げた頂上のある高みを通過する。
道を左に外れて、三角点の所まで行ってみる。標識など何もないが、傍らの大岩に、朱色の字で 『 頂上 』 と書かれていた。
確かに、昔の地図ではこの三角点のある所が蝶ヶ岳の頂上と記されている。しかし、今は当時の地図で 『 長塀ノ頭 』 と記されている場所が頂上とされているようで、
事実 2008年の昭文社の地図でも蝶ヶ岳ヒュッテの南側、最高点のある場所を頂上としている。
縦走路に戻って穂高連峰を眺める。
さすがに この時間になると、ちょっと靄って来てはいるが、これだけの展望を得られれば文句は言えまい。 | |
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この辺から二重山稜となった地形が続く。眺めていて大変気持ちの良い、雰囲気の良い尾根である。
ガイドブックには 『 北アルプスでも珍しい二重山稜 』 との記述が見られたが、
ネットで調べると、北アルプスに二重山稜は結構見られるようである (例えば、樅沢岳付近、爺ヶ岳、北薬師岳付近 等々)。
道はその二重山稜の右側を進む。一旦下って、蝶ヶ岳ヒュッテに向かって緩やかに登っていく。 |
南西方面を見れば、
霞沢岳が先程に比べてかなり大きく見えるようになってきた。
霞沢岳の後方に見える乗鞍岳は、
その頂上を完全に雲が覆っている。
霞沢岳の手前には梓川の白い河原が見える。大正池は明神岳の斜面に邪魔をされて見ることはできない。 | |
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そして、槍ヶ岳方面は未だ健在。
今居る場所からは北西の方向にあるので、光の具合も大変良い状態である。
やがて、右に横尾への道を分ける。地図を見ると、2時間ほど下れば、
梓川に出られるようである。何とも魅力的であるが、車で来ているので、ルート変更は許されない。時刻は 12時41分。 |
前を向けば、蝶ヶ岳が伸びやかな姿を見せている。
斜面には雲の影が映り、中々良い雰囲気である。
先程の常念岳のような厳しい岩稜帯も良いが、
こういうノンビリムード漂う尾根道もまた魅力的である。何となく 癒される感じがする。
三股方面からのガス攻勢はますます酷くなり、蝶ヶ岳の左半分は全く見えない状態である。
ということは、蝶ヶ岳からの下りは完全にガスの中ということになる。途中、蝶ヶ岳や常念岳を見ることが出来なくなるのは大変残念である。 | |
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まずは瞑想ノ丘と呼ばれる方向指示盤のある高みを目指す。
高度を徐々に上げ、南へと進んでいくと、右に 今まで見えなかった焼岳の姿が見えるようになってきた。
写真の真ん中が焼岳。その右に見える斜面は明神岳のもので、先程も述べたように途中のピークに名前が付いている。
一番左のピラミダルな高みが V 峰、その次の丸い高みが IV 峰、そして次の台形が III 峰で、写真には写っていないが、
その次に明神岳頂上が来る。
登った山、知っている山が次から次へと出てくるので大変楽しい。 |