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しかし、ありがたいことに、登っていくうちに周囲に陽が差し始め、根子岳を覆っていた雲が少しずつ上方へと上がっていくようになり、
さらには、根子岳のササ原の斜面に日の光も当たり始めたのであった。
やがて中四阿の一角に登り着く。ここからは少しの間、尾根歩きが続く。
四阿山の方は相変わらず頂上が雲の中であるが、
根子岳の方は雲が取れ、頂上が徐々に姿を現し始める。 |
さらには、一時見えなくなっていた北アルプスの姿も、
再び見ることができるようになる。
写真は五竜岳、
白馬三山方面。
写真 左端の山が五竜岳。その右に唐松岳が続き、
さらに不帰ノ嶮、天狗ノ頭を経て白馬槍ヶ岳、杓子岳と続いている。 | |
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天候が回復傾向にある中、もしかしたら
四阿山もその姿を見せてくれるのではないかとの期待が高まる。
そして、暫くすると、四阿山の方も徐々に雲が取れ始め、ついにその姿を見せてくれたのであった。
まだ、完全にクリアな状態ではないものの、今朝ほどの状況に比べれば、格段の進歩である。一気に気分が高揚する。
中四阿の岩峰直下にある 『 四阿山 1.7km 』 を示す標識に下を 9時22分に通過。
目の前には雲の取れた四阿山が姿を見せてくれており、その斜面の崩壊が痛々しい。
こちらも根子岳のように火口だったのだろうか。 |
道はササ原の下りに入り、
崩壊地の上を進んだ後、再び登りとなる。
周囲はササ原、そしてダケカンバ、シラビソなどが現れる。
少し高度を稼いで振り返れば、中四阿の後方に北アルプスがズラッと並んでいる。
根子岳もスッキリと見えるようになっており、その女性的な山容、美しいササ原の斜面に目が行く一方で、真ん中辺の爆裂火口跡が痛々しく映る。 | |
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天候の方はスッカリ回復し、青空が広がり始めている。
気分を良くして斜面を登る。高度を上げるにつれて北アルプスの広がりが一望できるようになり、立ち止まって写真を撮りまくる。
写真は西南西の方角、少し分かりにくいが
穂高連峰方面である。
前穂高岳、奥穂高岳、涸沢岳、北穂高岳、大キレット、南岳、中岳、大喰岳、
槍ヶ岳といった山々が並び、
先にも述べたように、その手前側に常念岳から
大天井岳までの稜線がシルエット状に並んでいる。
涸沢岳、北穂高岳の手前に見えるピラミッド型の山が常念岳で、大天井岳はその右側、
槍ヶ岳の右下に見えている。 |
こちらの写真は上記写真のさらに右側。
大天井岳 (写真 左端) の右には ほぼ同じ高さの山が続いている。真っ白になっている山はないが、
どうやら その中で一番高い高みは燕岳のようである。
燕岳を中心とした稜線の後方に白い山々が見えているが、その一番左の山は
鷲羽岳 (写真 中央)。
鷲羽岳の右にはワリモ岳、
水晶岳 (黒岳) が続くが、
水晶岳は野口五郎の大きな山容の一部のようになって見えている。
野口五郎岳の右には、三ツ岳が続き、その右の白い山は赤牛岳かも知れない。 | |