[1/(1^4・2)+1/(2^4・3)+・・]型のCos級数から2種類のζ(4)式を導出(冒頭と下方)。同Sin級数からζ(4)式を導出。
[1/(1^5・2)+1/(2^5・3)+・・]型のCos級数からζ(5)の式を導出。
[1/(1^6・2)+1/(2^6・3)+・・]型のCos級数から2種類のζ(6)式を導出。
フーリエシステムを用いて[1/(1^4・2)+1/(2^4・3)+・・]型のCos級数からζ(4)関連の式を求める。
[ζ(4)の導出]
1/(1^4・2) + 1/(2^4・3) + 1/(3^4・4) + 1/(4^4・5) + ・・・ =ζ(4) - ζ(3) + ζ(2) - 1 -----@
という式を利用する。
なぜ@が成り立つかを示す。
1/(1^4・2) + 1/(2^4・3) + 1/(3^4・4) + ・・・
=(1/1^3)・(1/(1・2)) + (1/2^3)・(1/(2・3)) + (1/3^3)・(1/(3・4)) + ・・・
=(1/1^3)・(1/1-1/2) + (1/2^3)・(1/2-1/3) + (1/3^3)・(1/3-1/4) + ・・・
={1/1^4 + 1/2^4 + 1/3^4 + ・・・} - {(1/1^3・2) + (1/2^3・3) + (1/3^3・4) + ・・・}
=ζ(4) - (ζ(3) - ζ(2) + 1)
=ζ(4) - ζ(3) + ζ(2) - 1
「その3」で示した (1/1^3・2) + (1/2^3・3) + (1/3^3・4) + ・・・=ζ(3) - ζ(2) + 1 を用いた。
さて、@の形に着目して関数(フーリエ級数)
f(x)=cosx/(1^4・2) + cos2x/(2^4・3) + cos3x/(3^4・4) + cos4x/(4^4・5) + ・・・ ------A
を考える。
コサイン級数の直交性を用いて、
1/(1^4・2)=(2/π)∫(0〜π) f(x)・cosx dx
1/(2^4・3)=(2/π)∫(0〜π) f(x)・cos2x dx
1/(3^4・4)=(2/π)∫(0〜π) f(x)・cos3x dx
・
・
となる。さらに、右辺を部分積分する。f(x)はAであるから、簡単な計算により次となる。
1/(1^4・2)=(2/π)∫(0〜π) (sinx/(1^3・2) + sin2x/(2^3・3) + sin3x/(3^3・4) + ・・)・(sinx/1) dx
1/(2^4・3)=(2/π)∫(0〜π) (sinx/(1^3・2) + sin2x/(2^3・3) + sin3x/(3^3・4) + ・・)・(sin2x/2) dx
1/(3^4・4)=(2/π)∫(0〜π) (sinx/(1^3・2) + sin2x/(2^3・3) + sin3x/(3^3・4) + ・・)・(sin3x/3) dx
・
・
これらを縦に足し合わせて(左辺は@より)
ζ(4) - ζ(3) + ζ(2) - 1
=(2/π)∫(0〜π) (sinx/(1^3・2) + sin2x/(2^3・3) + sin3x/(3^3・4) + ・・)・(sinx/1 + sin2x/2 + sin3x/3 + ・・) dx
右辺をさらに2回部分積分して、
ζ(4) - ζ(3) + ζ(2) - 1
=(2/π)∫(0〜π) (sinx/1^3 + sin2x/2^3 + sin3x/3^3 + ・・)・(sinx/(1・2) + sin2x/(2・3) + sin3x/(3・4) + ・・) dx ---B
右辺にフーリエ級数の公式
sinx/1^3 + sin2x/2^3 + sin3x/3^3 + ・・={π^3 - π^2・x + (x-π)^3}/12 (0 <=x<= 2π)
sinx/(1・2) + sin2x/(2・3) + sin3x/(3・4) + ・・=(π-x)・(sin(x/2))^2 - sinx・log(2sin(x/2)) (0 <=x<= 2π)
を用いると、Bは次のようになる。
ζ(4) - ζ(3) + ζ(2) - 1
=(2/π)∫(0〜π) [{π^3 - π^2・x + (x-π)^3}/12]・{(π-x)・(sin(x/2))^2 - sinx・log(2sin(x/2))} dx
形を整えて、
ζ(4) - ζ(3) + ζ(2) - 1
=(1/(6π))∫(0〜π) {π^3 - π^2・x + (x-π)^3}{(π-x)・(sin(x/2))^2 - sinx・log(2sin(x/2))} dx ------C
ζ(4)の積分表示(ζ(4) - ζ(3) + ζ(2) - 1の式)が求まった。
[終わり]
Cのような形の式ははじめてである。
これまでテイラーシステムでは、ζ(4)=Aζ(2)+Bζ(0)という形か(「百武彗星 その2」)、
もしくは
ζ(4)=Aζ(6) + Bζ(8) + Cζ(10) + Dζ(12) + ・・・のような形(「タットル彗星 その3」)かどちらかであった。
奇数ゼータの混じるC式の形は、非常に新鮮である。
Cはフリーの計算ソフトBearGraphで数値計算的にも検証済み。
次に[1/(1^4・2)+1/(2^4・3)+・・]型のSin級数を用いてζ(4)関連の式を求める。
[ζ(4)の導出]
1/(1^4・2) + 1/(2^4・3) + 1/(3^4・4) + 1/(4^4・5) + ・・・ =ζ(4) - ζ(3) + ζ(2) - 1 -----@
という式を利用する。
(なぜこの式が成り立つかは一つ上を参照)
さて、@の形に着目して関数(フーリエ級数)
f(x)=sinx/(1^4・2) + sin2x/(2^4・3) + sin3x/(3^4・4) + sin4x/(4^4・5) + ・・・ ------A
を考える。
サイン級数の直交性を用いて、
1/(1^4・2)=(2/π)∫(0〜π) f(x)・sinx dx
1/(2^4・3)=(2/π)∫(0〜π) f(x)・sin2x dx
1/(3^4・4)=(2/π)∫(0〜π) f(x)・sin3x dx
・
・
となる。さらに、右辺を部分積分する。f(x)はAであるから、簡単な計算により次となる。
1/(1^4・2)=(2/π)∫(0〜π) (cosx/(1^3・2) + cos2x/(2^3・3) + cos3x/(3^3・4) + ・・)・(cosx/1) dx
1/(2^4・3)=(2/π)∫(0〜π) (cosx/(1^3・2) + cos2x/(2^3・3) + cos3x/(3^3・4) + ・・)・(cos2x/2) dx
1/(3^4・4)=(2/π)∫(0〜π) (cosx/(1^3・2) + cos2x/(2^3・3) + cos3x/(3^3・4) + ・・)・(cos3x/3) dx
・
・
これらを縦に足し合わせて(左辺は@より)
ζ(4) - ζ(3) + ζ(2) - 1
=(2/π)∫(0〜π) (cosx/(1^3・2) + cos2x/(2^3・3) + cos3x/(3^3・4) + ・・)・(cosx/1 + cos2x/2 + cos3x/3 +・・) dx
右辺をさらに1回部分積分して、
ζ(4) - ζ(3) + ζ(2) - 1
=(2/π)∫(0〜π) (sinx/1^2 + sin2x/2^2 + sin3x/3^2 + ・・)・(sinx/(1^2・2) + sin2x/(2^2・3) + sin3x/(3^2・4) +・・)dx ---B
右辺にフーリエ級数の公式Cと変形版D
sinx/1^2 + sin2x/2^2 + sin3x/3^2 + ・・=-xlog2 - ∫(0〜x) log(sin(t/2))dt (0 <=x< 2π) ------C
sinx/(1^2・2) + sin2x/(2^2・3) + sin3x/(3^2・4) + ・・
=-xlog2 - ∫(0〜x) log(sin(t/2))dt - (π-x)・(sin(x/2))^2 + sinx・log(2sin(x/2)) (0 <=x< 2π) ------D
を用いると、Bは次のようになる。
ζ(4) - ζ(3) + ζ(2) - 1
=(2/π)∫(0〜π) {xlog2+∫(0〜x) log(sin(t/2))dt }{xlog2+∫(0〜x) log(sin(t/2))dt+(π-x)(sin(x/2))^2-sinx・log(2sin(x/2))}dx
------E
ζ(4)の積分表示(ζ(4) - ζ(3) + ζ(2) - 1の式)が導出されたが、積分の中に積分が入るという美しくない形である。
「その3」の<ζ(4)を求める・・>の場合と同様のきたない式となった。じつは、ζ(s)とSin級数というのは相性がよくない
のである。それはζ(s)は実2次体に対応するゼータであり、実2次体はCos級数から生み出されるという「ゼータ惑星」で
発見した法則がおそらく根底で効いているからに違いないと考えられる。
Dがどうして成り立つかを示しておく。
sinx/(1^2・2) + sin2x/(2^2・3) + sin3x/(3^2・4) + ・・
=sinx/(1(1・2)) + sin2x/(2・(2・3)) + sin3x/(3・(3・4)) + ・・
=(sinx/1)・{1/1-1/2} + (sin2x/2)・{1/2-1/3} + (sin3x/3)・{1/3-1/4} + ・・
=(sinx/1^2 + sin2x/2^2 + sin3x/3^2 + ・・) - {sinx/(1・2)) + sin2x/(2・3) + sin3x/(3・4) + ・・}
=-xlog2 - ∫(0〜x) log(sin(t/2))dt - {(π-x)・(sin(x/2))^2 - sinx・log(2sin(x/2))}
=-xlog2 - ∫(0〜x) log(sin(t/2))dt - (π-x)・(sin(x/2))^2 + sinx・log(2sin(x/2))
よってDが成り立つ。
途中で、フーリエ級数の公式Cと
sinx/(1・2)) + sin2x/(2・3) + sin3x/(3・4) + ・・=(π-x)・(sin(x/2))^2 - sinx・log(2sin(x/2)) (0 <=x<= 2π)
を用いた。
[終わり]
一つ上のCos級数の場合とともにまとめる。Cos級数式はGoodだが、Sin級数式は醜い。
[1/(1^5・2)+1/(2^5・3)+・・]型のCos級数を用いてζ(5)関連の式を求める。
[ζ(5)の導出]
1/(1^5・2) + 1/(2^5・3) + 1/(3^5・4) + 1/(4^5・5) + ・・・ =ζ(5) - ζ(4) + ζ(3) - ζ(2) + 1 -----@
という式を利用する。
なぜ@が成り立つかを示す。
1/(1^5・2) + 1/(2^5・3) + 1/(3^5・4) + ・・・
=(1/1^4)・(1/(1・2)) + (1/2^4)・(1/(2・3)) + (1/3^4)・(1/(3・4)) + ・・・
=(1/1^4)・(1/1-1/2) + (1/2^4)・(1/2-1/3) + (1/3^4)・(1/3-1/4) + ・・・
={1/1^5 + 1/2^5 + 1/3^5 + ・・・} - {(1/1^4・2) + (1/2^4・3) + (1/3^4・4) + ・・・}
=ζ(5) - (ζ(4) - ζ(3) + ζ(2) - 1)
=ζ(5) - ζ(4) + ζ(3) - ζ(2) + 1
途中、冒頭のζ(4)で示した (1/1^4・2) + (1/2^4・3) + (1/3^4・4) + ・・・=ζ(4) - ζ(3) + ζ(2) - 1 を用いた。
さて、@の形に着目して関数(フーリエ級数)
f(x)=cosx/(1^5・2) + cos2x/(2^5・3) + cos3x/(3^5・4) + cos4x/(4^5・5) + ・・・ ------A
を考える。
コサイン級数の直交性を用いて、
1/(1^5・2)=(2/π)∫(0〜π) f(x)・cosx dx
1/(2^5・3)=(2/π)∫(0〜π) f(x)・cos2x dx
1/(3^5・4)=(2/π)∫(0〜π) f(x)・cos3x dx
・
・
となる。さらに、右辺を部分積分する。f(x)はAであるから、簡単な計算により次となる。
1/(1^5・2)=(2/π)∫(0〜π) (sinx/(1^4・2) + sin2x/(2^4・3) + sin3x/(3^4・4) + ・・)・(sinx/1) dx
1/(2^5・3)=(2/π)∫(0〜π) (sinx/(1^4・2) + sin2x/(2^4・3) + sin3x/(3^4・4) + ・・)・(sin2x/2) dx
1/(3^5・4)=(2/π)∫(0〜π) (sinx/(1^4・2) + sin2x/(2^4・3) + sin3x/(3^4・4) + ・・)・(sin3x/3) dx
・
・
これらを縦に足し合わせて(左辺は@より)
ζ(5) - ζ(4) + ζ(3) - ζ(2) + 1
=(2/π)∫(0〜π) (sinx/(1^4・2) + sin2x/(2^4・3) + sin3x/(3^4・4) + ・・)・(sinx/1 + sin2x/2 + sin3x/3 + ・・) dx
右辺をさらに3回部分積分して、
ζ(5) - ζ(4) + ζ(3) - ζ(2) + 1
=(2/π)∫(0〜π) (cosx/1^4 + cos2x/2^4 + cos3x/3^4 + ・・)・(cosx/(1・2) + cos2x/(2・3) + cos3x/(3・4) + ・・) dx ---B
右辺にフーリエ級数の公式
cosx/1^4 + cos2x/2^4 + cos3x/3^4 + ・・={2π^2(x-π)^2 - (x-π)^4 - 7π^4/15}/48 (0 <=x<= 2π)
cosx/(1・2) + cos2x/(2・3) + cos3x/(3・4) + ・・=1 - ((π-x)・sinx)/2 - 2(sin(x/2))^2・log(2sin(x/2)) (0 <=x<= 2π)
を用いると、Bは次のようになる。
ζ(5) - ζ(4) + ζ(3) - ζ(2) + 1
=(2/π)∫(0〜π) {(2π^2(x-π)^2 - (x-π)^4 - 7π^4/15)/48}{1-((π-x)sinx)/2-2(sin(x/2))^2・log(2sin(x/2))} dx
形を整えて、
ζ(5) - ζ(4) + ζ(3) - ζ(2) + 1
=(1/(48π))∫(0〜π) {2π^2(x-π)^2-(x-π)^4-7π^4/15}{2-(π-x)sinx-(2sin(x/2))^2・log(2sin(x/2))} dx ----C
ζ(5) - ζ(4) + ζ(3) - ζ(2) + 1 の積分表示が求まった。
[終わり]
Cはフリーの計算ソフトBearGraphで数値計算的にも検証済み。
[1/(1^6・2)+1/(2^6・3)+・・]型のCos級数を用いてζ(6)関連の式を求める。
[ζ(5)の導出]
1/(1^6・2) + 1/(2^6・3) + 1/(3^6・4) + 1/(4^6・5) + ・・・ =ζ(6) - ζ(5) + ζ(4) - ζ(3) + ζ(2) - 1 ----@
という式を利用する。
なぜ@が成り立つかを示す。
1/(1^6・2) + 1/(2^6・3) + 1/(3^6・4) + ・・・
=(1/1^5)・(1/(1・2)) + (1/2^5)・(1/(2・3)) + (1/3^5)・(1/(3・4)) + ・・・
=(1/1^5)・(1/1-1/2) + (1/2^5)・(1/2-1/3) + (1/3^5)・(1/3-1/4) + ・・・
={1/1^6 + 1/2^6 + 1/3^6 + ・・・} - {(1/1^5・2) + (1/2^5・3) + (1/3^5・4) + ・・・}
=ζ(6) - (ζ(5) - ζ(4) + ζ(3) - ζ(2) + 1)
=ζ(6) - ζ(5) + ζ(4) - ζ(3) + ζ(2) - 1
途中、一つ上のζ(5)で示した (1/1^5・2) + (1/2^5・3) + (1/3^5・4) + ・・・=ζ(5) - ζ(4) + ζ(3) - ζ(2) + 1 を用いた。
さて、@の形に着目して関数(フーリエ級数)
f(x)=cosx/(1^6・2) + cos2x/(2^6・3) + cos3x/(3^6・4) + cos4x/(4^6・5) + ・・・ ------A
を考える。
コサイン級数の直交性を用いて、
1/(1^6・2)=(2/π)∫(0〜π) f(x)・cosx dx
1/(2^6・3)=(2/π)∫(0〜π) f(x)・cos2x dx
1/(3^6・4)=(2/π)∫(0〜π) f(x)・cos3x dx
・
・
となる。さらに、右辺を部分積分する。f(x)はAであるから、簡単な計算により次となる。
1/(1^6・2)=(2/π)∫(0〜π) (sinx/(1^5・2) + sin2x/(2^5・3) + sin3x/(3^5・4) + ・・)・(sinx/1) dx
1/(2^6・3)=(2/π)∫(0〜π) (sinx/(1^5・2) + sin2x/(2^5・3) + sin3x/(3^5・4) + ・・)・(sin2x/2) dx
1/(3^6・4)=(2/π)∫(0〜π) (sinx/(1^5・2) + sin2x/(2^5・3) + sin3x/(3^5・4) + ・・)・(sin3x/3) dx
・
・
これらを縦に足し合わせて(左辺は@より)
ζ(6) - ζ(5) + ζ(4) - ζ(3) + ζ(2) - 1
=(2/π)∫(0〜π) (sinx/(1^5・2) + sin2x/(2^5・3) + sin3x/(3^5・4) + ・・)・(sinx/1 + sin2x/2 + sin3x/3 + ・・) dx
右辺をさらに4回部分積分して、
ζ(6) - ζ(5) + ζ(4) - ζ(3) + ζ(2) - 1
=(2/π)∫(0〜π) (sinx/1^5 + sin2x/2^5 + sin3x/3^5 + ・・)・(sinx/(1・2) + sin2x/(2・3) + sin3x/(3・4) + ・・) dx ---B
右辺にフーリエ級数の公式
sinx/1^5 + sin2x/2^5 + sin3x/3^5 + ・・=x(8π^4-20π^2・x^2+15π・x^3-3x^4)/720 (0 <=x<= 2π)
sinx/(1・2) + sin2x/(2・3) + sin3x/(3・4) + ・・=(π-x)・(sin(x/2))^2 - sinx・log(2sin(x/2)) (0 <=x<= 2π)
を用いると、Bは次のようになる。
ζ(6) - ζ(5) + ζ(4) - ζ(3) + ζ(2) - 1
=(2/π)∫(0〜π) {x(8π^4-20π^2・x^2+15π・x^3-3x^4)/720}{(π-x)・(sin(x/2))^2 - sinx・log(2sin(x/2))} dx
形を整えて、
ζ(6) - ζ(5) + ζ(4) - ζ(3) + ζ(2) - 1
=(1/π)∫(0〜π) {x(8π^4-20π^2・x^2+15π・x^3-3x^4)/360}{(π-x)・(sin(x/2))^2 - sinx・log(2sin(x/2))} dx ----C
ζ(6) - ζ(5) + ζ(4) - ζ(3) + ζ(2) - 1 の積分表示が求まった。
[終わり]
Cはフリーの計算ソフトBearGraphで数値計算的にも検証済み。
一つ上のζ(6)の導出で、さらに別の式(積分表示)を出すことができることに後から気づいたので、ここではそれを示す。
上では、何度も部分積分をしてB式に到達した。それにフーリエ級数の公式を適用して、積分表示を求めたが、じつは
Bにいたる途中の式からも、別の積分表示を導出できることがわかった。
その”途中の式”というのは、次のものである。
ζ(6) - ζ(5) + ζ(4) - ζ(3) + ζ(2) - 1
=(2/π)∫(0〜π) (cosx/1^4 + cos2x/2^4 + ・・)(cosx/(1^2・2) + cos2x/(2^2・3) + ・・) dx -------[1]
右側の関数に関して
cosx/(1^2・2) + cos2x/(2^2・3) + cos3x/(3^2・4) + ・・
=(cosx/1)(1/1・2) + (cos2x/2)(1/2・3) + (cos3/3)(1/3・4) + ・・
=(cosx/1)(1/1-1/2) + (cos2x/2)(1/2-1/3) + (cos3/3)(1/3-1/4) + ・・
=(cosx/1^2 + cos2x/2^2 + cos3x/3^2 + ・・) - {cosx/(1・2) + cos2x/(2・3) + cos3x/(3・4) + ・・} ------[2]
と変形する。
ここでフーリエ級数の公式
cosx/1^2 + cos2x/2^2 + cos3x/3^2 + ・・=(x-π)^2/4 - π^2/12 (0 <=x<= 2π)
cosx/1^4 + cos2x/2^4 + cos3x/3^4 + ・・={2π^2(x-π)^2 - (x-π)^4 - 7π^4/15}/48 (0 <=x<= 2π)
cosx/(1・2) + cos2x/(2・3) + cos3x/(3・4) + ・・=1 - ((π-x)・sinx)/2 - 2(sin(x/2))^2・log(2sin(x/2)) (0 <=x<= 2π)
を利用する。
この公式と、[1]、[2]から、結局[1]は次のようになる。
ζ(6) - ζ(5) + ζ(4) - ζ(3) + ζ(2) - 1=(1/π)∫(0〜π) A(x)・B(x) dx ------[3]
ここで、
A(x)={2π^2(x-π)^2 - (x-π)^4-7π^4/15}/48
B(x)=(x-π)^2/2-π^2/6-2 + (π-x)sinx + (2sin(x/2))^2・log(2sin(x/2))
である。
このようにして別の積分表示が求められたわけである。
[3]の正しさは、フリーの計算ソフトBearGraphで数値計算的にも検証済みである。
このように(1/(1^6・2)+1/(2^6・3)+・・)型Cos級数から、また別の積分表示が見出せた。
一つ上の結果と合わせて、まとめておこう。
(1/(1^6・2)+1/(2^6・3)+・・)型Cos級数から、2種類の積分表示で見出せたわけであるが、本当にこれだけなので
あろうか?ζ(6)では部分積分を全部で5回も行っているので、途中式は多数あり、それらを用いてフーリエ級数公式と
式変形を組み合わせれば、別のきれいな積分表示を出すことができるのではないだろうか?
じつは、それはできないとわかった。
(1/(1^6・2)+1/(2^6・3)+・・)型Cos級数においてきれいな形の積分表示は上の2種類だけである。
その理由を簡潔に述べる。
他の部分積分のところでは、
sinx/1^2 + sin2x/2^2 + sin3x/3^2 +・・=-xlog2 - ∫(0〜x) log(sin(t/2)dt (0 <=x<= 2π)
かまたは
cosx/1^2 + cos2x/2^2 + cos3x/3^2 +・・=ζ(3) + (x^2・log2)/2 - ∫(0〜x) (x-t)log(sin(t/2)dt (0 <=x<= 2π)
という美しくない表示を使わざるを得ない状況に必ずなるからである。
本頁冒頭のζ(4)関連でもまったく同様のことになっていた。つまり、もう一つ別式(別の積分表示)が隠れていたので、
それを求めよう。
冒頭のζ(4)では、何度も部分積分をして次式に到達した。
ζ(4) - ζ(3) + ζ(2) - 1
=(2/π)∫(0〜π) (sinx/1^3 + sin2x/2^3 + sin3x/3^3 + ・・)(sinx/(1・2) + sin2x/(2・3) + sin3x/(3・4) + ・・) dx
これにフーリエ級数の公式を適用して積分表示を求めたが、じつはこれにいたる途中式からも、別の積分表示を導出
できるのである。その”途中の式”というのは、次のものである。
ζ(4) - ζ(3) + ζ(2) - 1
=(2/π)∫(0〜π) (cosx/1^2 + cos2x/2^2 + ・・)(cosx/(1^2・2) + cos2x/(2^2・3) + ・・) dx ------[1]
右側の関数に関しては、一つ上で見たとおり
cosx/(1^2・2) + cos2x/(2^2・3) + cos3x/(3^2・4) + ・・
=(cosx/1^2 + cos2x/2^2 + cos3x/3^2 + ・・) - {cosx/(1・2) + cos2x/(2・3) + cos3x/(3・4) + ・・} ------[2]
とできる。
ここで、
cosx/1^2 + cos2x/2^2 + cos3x/3^2 + ・・=(x-π)^2/4 - π^2/12 (0 <=x<= 2π)
cosx/(1・2) + cos2x/(2・3) + cos3x/(3・4) + ・・=1 - ((π-x)・sinx)/2 - 2(sin(x/2))^2・log(2sin(x/2)) (0 <=x<= 2π)
というフーリエ級数の公式と、[1]、[2]から、結局[1]は次のようにできる。
ζ(4) - ζ(3) + ζ(2) - 1=(1/π)∫(0〜π) A(x)・B(x) dx ------[3]
ここで、
A(x)=(x-π)^2/4 - π^2/12
B(x)=(x-π)^2/2 - π^2/6 - 2 + (π-x)sinx + (2sin(x/2))^2・log(2sin(x/2))
である。
[3]の正しさはフリーの計算ソフトBearGraphで数値計算的にも検証済み。
(1/(1^6・2)+1/(2^6・3)+・・)型Cos級数から、冒頭ζ(4)とは異なる表示式が見出せたわけである。
冒頭の結果と合わせて、まとめておく。
いま@右辺の(1/(6π))の1/6を∫の中に入れて次のように書き換えておく(すなわちAの形に合わせた)。
ζ(4) - ζ(3) + ζ(2) - 1
=(1/π)∫(0〜π) {(π^3-π^2・x +(x-π)^3)/6}・{(π-x)(sin(x/2))^2-sinx・log(2sin(x/2))} dx ------@-2
さて、@-2とAを比べよう。
この2種類の積分表示は、∫(関数)の形となっている。@-2とAのそれぞれの∫中の関数が完全に同じならば当然
それらの積分値も同じものとなるが、上記二つの関数は本質的に異なっている。それはBearGraphでグラフを描いても
よくわかる。つまり、上の二つの表示式は、関数は異なっているがそれらを積分をすると同じ値になるというものとなって
いるのである。
一つ上で見たζ(6)の場合も同様である。
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