ロニオス彗星 その5

ベルヌーイ数Bnとオイラー数Enの関係式を求めた。
ベルヌーイ数Bn をオイラー数En で表す式
オイラー数En を ベルヌーイ数Bn で表す式
両者をまとめる



2007/12/13           < ベルヌーイ数Bn をオイラー数En で表す式 >

 その4の最後で、オイラー数Enを調べましたが、その1の次の結果から、ベルヌーイ数Bnとオイラー数Enの関係式を
見出したので報告します。

[ζ(2),ζ(4),ζ(6),ζ(8)導出] Sin-L(s)型[ s=2, 4, 6, 8, π/2代入,πテイラー]

 (1 - 1/2^2)ζ(2)L(1)(π/2)^1 /1!     -----@

 (1 - 1/2^4)ζ(4)L(3)(π/2)^1 /1!- L(1)(π/2)^3 /3!      -----A

 (1 - 1/2^6)ζ(6)L(5)(π/2)^1 /1!- L(3)(π/2)^3 /3! + L(1)(π/2)^5 /5!     -----B

 (1 - 1/2^8)ζ(8)L(7)(π/2)^1 /1!- L(5)(π/2)^3 /3! + L(3)(π/2)^5 /5!- L(1)(π/2)^7 /7! --C


 テイラーシステムを用いてその1でこの美しい式群を導出したのでした。
ζ(s)とL(s)の強い兄弟の結びつきを見せています。

 やや2次的なことになるかと思いますが、これからベルヌーイ数Bnとオイラー数Enの間の関係式を導くことができます。
一寸興味がわいたので出してみました。

 L(s)とオイラー数Enには次の関係があります。 
 L(2n-1)=(-1)^(n+1)・E(2n-2)・π^(2n-1)/{2^(2n)・(2n-2)!}     -----A

 ζ(s)とベルヌーイ数Bnの間には次の関係がある。
 ζ(2n)=(-1)^(n+1)・2^(2n-1)・B2n・π^(2n) /(2n)!     -----B
nは1以上の整数。

これらは現代数学でよく知られています。このA、Bを上の@、A、B、Cの式に代入して整理整頓すると次を得ます。

2^2・(2^2-1)・B2/2!=E0 /(0!・1!)

2^4・(2^4-1)・B4/4!=E2 /(2!・1!) + E0 /(0!・3!)

2^6・(2^6-1)・B6/6!=E4 /(4!・1!) + E2 /(2!・3!) + E0 /(0!・5!)

2^8・(2^8-1)・B8/8!=E6 /(6!・1!) + E4 /(4!・3!) + E2 /(2!・5!) + E0 /(0!・7!)


よく味わってください!
見事としかいいようのない秩序が現れています。
 Bn の右辺分母の(p!・q!)ではp+q がどれもp+q=n-1になっているのです。各項の分母(p!・q!)のpは2づつ
減少し、qは2づつ増加しています。右辺の項数はn/2個となっている。
 このきれいな規則性のおかげでこの先いくらでもB10、B12、・・を機械的に出していけるのです。
例えば、B10は次のようになることは容易にわかります。

2^10・(2^10-1)・B10/10!
      =E8 /(8!・1!) + E6 /(6!・3!) + E4 /(4!・5!) + E2 /(2!・7!) + E0 /(0!・9!)

参考までにベルヌーイ数Bnとオイラー数Enの値を書くと次のようになります。
 B0=1、B2=1/6、B4=-1/30、B6=1/42、B8=-1/30、B10=5/66、・・
 E0=1、E2=-1、E4=5、E6=-61、E8=1385、E10=-50521、・・

まとめておきます。
 ベルヌーイ数Bnとオイラー数Enの関係

2^2・(2^2-1)・B2/2!=E0 /(0!・1!)

2^4・(2^4-1)・B4/4!=E2 /(2!・1!) + E0 /(0!・3!)

2^6・(2^6-1)・B6/6!=E4 /(4!・1!) + E2 /(2!・3!) + E0 /(0!・5!)

2^8・(2^8-1)・B8/8!=E6 /(6!・1!) + E4 /(4!・3!) + E2 /(2!・5!) + E0 /(0!・7!)

2^10・(2^10-1)・B10/10!=E8 /(8!・1!) + E6 /(6!・3!)
                      + E4 /(4!・5!) + E2 /(2!・7!) + E0 /(0!・9!)

 (以下、この規則で式が続く)





2007/12/14         < オイラー数En を ベルヌーイ数Bn で表す式 >

 次に、オイラー数Enをベルヌーイ数Bnで表してみましょう。上と類似の式が出ました。
「タットル彗星」のその1で出した次式を元に導出します。

自明な特殊値 テイラーシステムL(s)式から導出  Sin[ s=s, π/2代入,πテイラー]

 L(1)=(1-1/2^(-1))・ζ(0)(π/2)^1 /1!


 L(3)=(1-1/2^1)・ζ(2)(π/2)^1 /1! - (1-1/2^(-1))・ζ(0)(π/2)^3 /3!


 L(5)=(1-1/2^3)・ζ(4)(π/2)^1 /1! - (1-1/2^1)・ζ(2)(π/2)^3 /3!
        + (1-1/2^(-1))・ζ(0)(π/2)^5 /5!


 一つ上と同様にして導出でき、最後の結論を書くと次のようになる。L(7)の分も加えた。

-E0 /0!=(1-2^1)・B0・2^0/(0!・1!)

-E2 /2!=(1-1/2^1)・B2・2^4/(2!・1!) + (1-2^1)・B0・2^0/(0!・3!)

-E4 /4!=(1-1/2^3)・B4・2^8/(4!・1!) + (1-1/2^1)・B2・2^4/(2!・3!)+ (1-2^1)・B0・2^0/(0!・5!)

-E6 /6!=(1-1/2^5)・B6・2^12/(6!・1!) + (1-1/2^3)・B4・2^8/(4!・3!)
              + (1-1/2^1)・B2・2^4/(2!・5!) + (1-2^1)・B0・2^0/(0!・7!)


 一つ上で見たのと同種の美しい規則性が現れています。
 En の右辺分母の(p!・q!)ではp+q がどれもp+q=n+1になっている。各項の分母(p!・q!)のpは2づつ減少し、
qは2づつ増加している。そして右辺の項数は(n+2)/2個となっている。
 この規則性のおかげでこの先いくらでもE8、E10、・・を機械的に出していくことができます。
参考までに
 B0=1、B2=1/6、B4=-1/30、B6=1/42、B8=-1/30、B10=5/66、・・
 E0=1、E2=-1、E4=5、E6=-61、E8=1385、E10=-50521、・・

まとめておきます。
オイラー数Enをベルヌーイ数Bnで表す

 -E0 /0!=(1-2^1)・B0・2^0/(0!・1!)

 -E2 /2!=(1-1/2^1)・B2・2^4/(2!・1!) + (1-2^1)・B0・2^0/(0!・3!)

 -E4 /4!=(1-1/2^3)・B4・2^8/(4!・1!) + (1-1/2^1)・B2・2^4/(2!・3!)+ (1-2^1)・B0・2^0/(0!・5!)

 -E6 /6!=(1-1/2^5)・B6・2^12/(6!・1!) + (1-1/2^3)・B4・2^8/(4!・3!)
              + (1-1/2^1)・B2・2^4/(2!・5!) + (1-2^1)・B0・2^0/(0!・7!)

 (以下、この規則で式が続く)





2007/12/16              < 両者をまとめる >

 上記二つの結果を並べておきます。
どちらも全く同様の規則性で成り立っていることがわかります。美しい関係です。

ベルヌーイ数Bnとオイラー数Enの関係

2^2・(2^2-1)・B2/2!=E0 /(0!・1!)

2^4・(2^4-1)・B4/4!=E2 /(2!・1!) + E0 /(0!・3!)

2^6・(2^6-1)・B6/6!=E4 /(4!・1!) + E2 /(2!・3!) + E0 /(0!・5!)

2^8・(2^8-1)・B8/8!=E6 /(6!・1!) + E4 /(4!・3!) + E2 /(2!・5!) + E0 /(0!・7!)

2^10・(2^10-1)・B10/10!=E8 /(8!・1!) + E6 /(6!・3!)
                         + E4 /(4!・5!) + E2 /(2!・7!) + E0 /(0!・9!)

 (これ以降もこの規則で式が続く)


オイラー数Enをベルヌーイ数Bnで表す

 -E0 /0!=(1-2^1)・B0・2^0/(0!・1!)

 -E2 /2!=(1-1/2^1)・B2・2^4/(2!・1!) + (1-2^1)・B0・2^0/(0!・3!)

 -E4 /4!=(1-1/2^3)・B4・2^8/(4!・1!) + (1-1/2^1)・B2・2^4/(2!・3!)+ (1-2^1)・B0・2^0/(0!・5!)

 -E6 /6!=(1-1/2^5)・B6・2^12/(6!・1!) + (1-1/2^3)・B4・2^8/(4!・3!)
                        + (1-1/2^1)・B2・2^4/(2!・5!) + (1-2^1)・B0・2^0/(0!・7!)

 (これ以降もこの規則で式が続く)






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