LB(s)値をL(s)で表した。LB(2)、LB(4)、LB(6)、LB(8)を求めた。
LB(1)、LB(3)、LB(5)、LB(7)を求めた。ディリクレの類数公式との比較。
< ディリクレの類数公式との比較 >
< 全てをまとめる >
2007/11/25 < LB(s) をL(s)で表現する > Sin-L(s)型[ s=2, 4, 6, 2π/3代入,πテイラー] この「ロニオス彗星」でテイラーシステム変形例をはじめて考察し、「その1」と「その2」で興味深い結果を得た。 「その1」では、 f(x)=(sinx)/1^s - (sin3x)/3^s + (sin5x)/5^s - (sin7x)/7^s +・・・ -----A という母関数を調べ、「その2」では、 f(x)=(cosx)/1^s - (cos3x)/3^s + (cos5x)/5^s - (cos7x)/7^s +・・・ -----B を調べた。 「その1」ではA式でπ/2代入を行ってζ(s)をL(s)で表現し、「その2」ではB式でπ/2代入を行ってL(s)をL(s)で表現し
たのであった。どちらも右辺をL(s)で表現できたという面白い結果が得られたのであった。そこではπ/2代入を行った
わけであるが、
では、2π/3を代入したらどうなるのだろうか? と思った。 今回A式でそれを行ったところ、非常に面白い結果が得られた。 なんと、LB(s)ゼータが出現したのである! LB(s)は、 LB(s)=(1 -1/5^s - 1/7^s + 1/11^s) + (1/13^s -1/17^s - 1/19^s + 1/23^s) + ・・・
で定義されるゼータ関数である。これはディリクレのL関数L(χ,s)
L(χ,s)=χ(1)/1^s + χ(2)/2^s +χ(3)/3^s + χ(4)/4^s + ・・・ の一種であり、厳密に表現すれば、LB(s)は mod 12に対応したディリクレ指標χ(a)をもち、 「a≡1 or 11 mod 12-->χ(a)=1、 a≡5 or 7 mod 12 -->χ(a)=-1、 それ以外のaではχ(a)=0」という χ(a)に対応したL(χ,s)となる。(LBという呼称は、私が勝手につけたものなので注意いただきたい。) LB(s)は実2次体Q(√3)に対応するゼータでもある。 なお、LB(s)は以前「火星 その6」の<π/6代入>や、「土星 その2」の<π/6代入>でも出たものであり、それら
の結果から類推すると、
f(x)=(cosx)/1^s + (cos2x)/2^s + (cos3x)/3^s + (cos4x)/4^s +・・・
というコサインの母関数(通常のテイラーシステム)に kπ/6を代入した場合にLB(s)が出現するはずであるが、今回、 f(x)=(sinx)/1^s - (sin3x)/3^s + (sin5x)/5^s - (sin7x)/7^s +・・・ という形のサインのL(s)型母関数(テイラーシステム変形例)に2π/3を代入してLB(s)が現れたのが、非常に面白い点
なのである。裏側に深い構造が潜んでいることが予見される。また別の洞窟が見つかったといえようか。
テイラーシステムは本筋方向だけでもまだまだいくらでも調べることがあるのであるが、変形例の方向にも広大な領域
が広がっているのである。ではさっそく。
2007/11/25 < LB(2n) をL(s)で表現する > Sin-L(s)型[ s=2, 4, 6, 2π/3代入,πテイラー] 今回はサインのA式のほうを調べた。A式の形がL(s)の形と似ているので(ディリクレ指標χ(a)は一緒!)、条件は Sin-L(s)型[ s=2, 2π/3代入,πテイラー] などと書くことにする。 LB(2)、LB(4)、LB(6)を求めていく。 [LB(2)導出] Sin-L(s)型[ s=2, 2π/3代入,πテイラー] f(x)=(sinx)/1^2 - (sin3x)/3^2 + (sin5x)/5^2 - (sin7x)/7^2 +・・・ ------@
という母関数を考える。@でx=2π/3を代入すると
f(2π/3)=(√3/2)/1^2 - (√3/2)/5^2 - (√3/2)/7^2 + (√3/2)/11^2 +・・・ =(√3/2){(1/1^2 - 1/5^2 - 1/7^2 + 1/11^2) + (1/13^2 - 1/17^2 - 1/19^2 + 1/23^2) +・・・} =(√3/2)LB(2) -------A となりLB(2)が現れた。 次に、@の右辺をx=πの周りでテイラー展開すると、次のようになる。 f(x)=-L(1)・(x-π)^1 /1!+ L(-1)・(x-π)^3 /3! - L(-3)・(x-π)^5 /5!+ L(-5)・(x-π)^7 /7! - L(-7)・(x-π)^9 /9!+ L(-9)・(x-π)^11 /11! ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ -------B ここでL(-1),L(-3),L(-5),L(-7),L(-9),・・はすべて0 なので、Bは次となる。 f(x)=-L(1)・(x-π)^1 /1!
xに2π/3を代入して
f(2π/3)=L(1)・(π/3)^1 /1! -----C
念のための注意だが、右辺に出たL(s)はもちろん
L(s)=1 - 1/3^s + 2/5^s - 1/7^s + ・・・
のL(s)である。
AとCは等しいので、次が成り立つ。 (√3/2)LB(2)=L(1)・(π/3)^1 /1! ----D ここで、L(1)はL(s)=1-1/3^s+1/5^s-1/7^s+ ・・・のL(s)のs=1のものである。 LB(2)がL(1)で表現できた。L(1)=π/4であるからDより、 LB(2)=π^2/(6√3) ------E となる。 E(D)を検証しておこう。LB(s)ゼータの特殊値はζ(s)やL(s)のように有名ではないので、LB(s)の値をまずExcelVBA プログラムで直接数値的に計算した。数千項も計算すれば十分であるが、 LB(2)=(1/1^2 - 1/5^2 - 1/7^2 + 1/11^2) + (1/13^2 - 1/17^2 - 1/19^2 + 1/23^2) +・・・ の4万項分の結果を記す。 LB(2)=0.9497703126・・・ ------F となった。 E右辺を電卓で計算すると、Fと一致するのでOKである。E(D)は正しい式であることがわかった。 次にLB(4)を求める。 [LB(4)導出] Sin-L(s)型[ s=4 , 2π/3代入,πテイラー] f(x)=(sinx)/1^4 - (sin3x)/3^4 + (sin5x)/5^4 - (sin7x)/7^4 +・・・ ------@
という母関数を考える。@でx=2π/3を代入すると
f(2π/3)=(√3/2)/1^4 - (√3/2)/5^4 - (√3/2)/7^4 + (√3/2)/11^4 +・・・ =(√3/2){(1/1^4 - 1/5^4 - 1/7^4 + 1/11^4) + (1/13^4 - 1/17^4 - 1/19^4 + 1/23^4) +・・・} =(√3/2)LB(4) -------A
となりLB(4)が現れた。
次に、@の右辺をx=πの周りでテイラー展開すると、次のようになる。
f(x)=-L(3)・(x-π)^1 /1!+ L(1)・(x-π)^3 /3!
- L(-1)・(x-π)^5 /5!+ L(-3)・(x-π)^7 /7! - L(-5)・(x-π)^9 /9!+ L(-7)・(x-π)^11 /11! ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ------B ここでL(-1),L(-3),L(-5),L(-7),・・はすべて0 なので、Bは次となる。 f(x)=-L(3)・(x-π)^1 /1!+ L(1)・(x-π)^3 /3! xに2π/3を代入して f(2π/3)=L(3)・(π/3)^1 /1!- L(1)・(π/3)^3 /3! ------C
AとCは等しいので、次が成り立つ。
(√3/2)LB(4)=L(3)・(π/3)^1 /1!- L(1)・(π/3)^3 /3! ------D LB(4)がL(3)、L(1)で表現できた。L(3)=π^3/32、L(1)=π/4であるからDより、 LB(4)=23π^4/(1296√3) ------E となる。 E(D)を検証しておこう。まずExcelVBAプログラムで直接数値的にLB(4)を計算した。 LB(4)=(1/1^4 - 1/5^4 - 1/7^4 + 1/11^4) + (1/13^4 - 1/17^4 - 1/19^4 + 1/23^4) +・・・ の4千項分(それで十分)の結果を記す。 LB(4)=0.998071599・・・ ------F となった。 E右辺を電卓で計算するとFと一致するのでOKである。E(D)は正しい式であることがわかる。 次にLB(6)を求める。 [LB(6)導出] Sin-L(s)型[ s=6 , 2π/3代入,πテイラー] f(x)=(sinx)/1^6 - (sin3x)/3^6 + (sin5x)/5^6 - (sin7x)/7^6 +・・・ ------@
という母関数を考える。@でx=2π/3を代入すると
f(2π/3)=(√3/2)/1^6 - (√3/2)/5^6 - (√3/2)/7^6 + (√3/2)/11^6 +・・・ =(√3/2){(1/1^6 - 1/5^6 - 1/7^6 + 1/11^6) + (1/13^6 - 1/17^6 - 1/19^6 + 1/23^6) +・・・} =(√3/2)LB(6) -------A
となりLB(6)が現れた。
次に、@の右辺をx=πの周りでテイラー展開すると、次のようになる。
f(x)=-L(5)・(x-π)^1 /1!+ L(3)・(x-π)^3 /3! - L(1)・(x-π)^5 /5!+ L(-1)・(x-π)^7 /7! - L(-3)・(x-π)^9 /9!+ L(-5)・(x-π)^11 /11! ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ------B
ここでL(-1),L(-3),L(-5),L(-7),・・はすべて0 なので、Bは次となる。
f(x)=-L(5)・(x-π)^1 /1!+ L(3)・(x-π)^3 /3!- L(1)・(x-π)^5 /5! xに2π/3を代入して f(2π/3)=L(5)・(π/3)^1 /1!- L(3)・(π/3)^3 /3!+ L(1)・(π/3)^5 /5! ------C AとCは等しいので次が成り立つ。
(√3/2)LB(6)=L(5)・(π/3)^1 /1!- L(3)・(π/3)^3 /3!+ L(1)・(π/3)^5 /5! ------D
LB(6)がL(5)、L(3)、L(1)で表現できた。L(5)=5π^5/1536、L(3)=π^3/32、L(1)=π/4である Dを検証しておこう。まずExcelVBAプログラムで直接数値的にLB(6)を計算した。 LB(6)=(1/1^6 - 1/5^6 - 1/7^6 + 1/11^6) + (1/13^6 - 1/17^6 - 1/19^6 + 1/23^6) +・・・ の4千項分(それで十分)の結果を記す。 LB(6)=0.9999282178・・・ ------E となった。 DからL(5)、L(3)、L(1)値を利用してLB(6)を電卓で計算するとEと一致するのでOKである。D式は正しいとわかる。 以上。
以上のLB(2)、LB(4)、LB(6)の結果から、きれいな規則で式が成り立っていることがわかる。
以降のLB(8)、LB(10)、・・も同様の形で導出されていく。LB(8)だけ記すと、次のようになる。
(√3/2)LB(8)=L(7)・(π/3)^1 /1!- L(5)・(π/3)^3 /3!+ L(3)・(π/3)^5 /5! - L(1)・(π/3)^7 /7!
ここで、L(7)=61π^7/184320、L(5)=5π^5/1536、L(3)=π^3/32、L(1)=π/4である
LB(8)も含めてまとめておく。
次にLB(1)、LB(3)、LB(5)を求めていくことにする。
では、現代数学で不明とされるLB(7)、LB(5)、LB(3)、LB(1)をこの順に求めていく。
次にLB(7)を求める。
[LB(7)導出] Sin-L(s)型[ s=7 , 2π/3代入,πテイラー] f(x)=(sinx)/1^7 - (sin3x)/3^7 + (sin5x)/5^7 - (sin7x)/7^7 +・・・ ------@
という母関数を考える。@でx=2π/3を代入すると
f(2π/3)=(√3/2)/1^7 - (√3/2)/5^7 - (√3/2)/7^7 + (√3/2)/11^7 +・・・ =(√3/2){(1/1^7 - 1/5^7 - 1/7^7 + 1/11^7) + (1/13^7 - 1/17^7 - 1/19^7 + 1/23^7) +・・・} =(√3/2)LB(7) -------A
となりLB(7)が現れた。
次に、@の右辺をx=πの周りでテイラー展開すると、簡単な計算により次となる。
f(x)=-L(6)・(x-π)^1 /1!+ L(4)・(x-π)^3 /3! - L(2)・(x-π)^5 /5!+ L(0)・(x-π)^7 /7! - L(-2)・(x-π)^9 /9!+ L(-4)・(x-π)^11 /11!
- L(-6)・(x-π)^13 /13!+ L(-8)・(x-π)^15 /15!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ------B
さて、ここでL(s)の関数等式
L(1-s)=π^(-s)・2^s・Γ(s)・sin(πs/2)・L(s)
を利用するとL(-2),L(-4),L(-6),・・は、
L(-2)=-2!・(π/2)^3・L(3)
L(-4)=4!・(π/2)^5・L(5)
L(-6)=-6!・(π/2)^7・L(7)
L(-8)=8!・(π/2)^9・L(9)
L(-10)=-10!・(π/2)^11・L(11)
・
・
となるから、Bは次のように書き換えられる。
f(x)=-L(6)・(x-π)^1 /1!+ L(4)・(x-π)^3 /3!
- L(2)・(x-π)^5 /5!+ L(0)・(x-π)^7 /7! + {2!・(π/2)^3・L(3)}・(x-π)^9 /9!+ {4!・(π/2)^5・L(5)}・(x-π)^11 /11!
+ {6!・(π/2)^7・L(7)}・(x-π)^13 /13!+ {8!・(π/2)^9・L(9)}・(x-π)^15 /15!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
xに2π/3を代入して、整理すれば次を得る。
f(2π/3)=L(6)・(π/3)^1 /1!- L(4)・(π/3)^3 /3!+ L(2)・(π/3)^5 /5!- L(0)・(π/3)^7 /7!
- (π/2)^6{(2!/9!)(2/3)^9・L(3) + (4!/11!)(2/3)^11・L(5) + (6!/13!)(2/3)^13・L(7) +・・・} ----C
AとCは等しいので次が成り立つ。
(√3/2)LB(7)
=L(6)・(π/3)^1 /1!- L(4)・(π/3)^3 /3!+ L(2)・(π/3)^5 /5!- L(0)・(π/3)^7 /7!
- (π/2)^6{(2!/9!)(2/3)^9・L(3) + (4!/11!)(2/3)^11・L(5)
+ (6!/13!)(2/3)^13・L(7) + (8!/15!)(2/3)^15・L(9)
+ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ } ------D
LB(6)がL(6)、L(4)、L(2)、L(0)と[L(2n+1)の無限和]で表現できた。 Dを検証しておこう。まずExcelVBAプログラムでまず直接数値的にLB(7)を計算した。 LB(7)=(1/1^7 - 1/5^7 - 1/7^7 + 1/11^7) + (1/13^7 - 1/17^7 - 1/19^7 + 1/23^7) +・・・ の4百項分(それで十分)の結果を記す。 LB(7)=0.99998605・・・ となった。 よって、Dの左辺=0.866013322・・ ------E
これが目標である。
さて、右辺を見ると、
D右辺の1項まで=1.045820719・・・
D右辺の3項まで=0.866152529・・・
D右辺の5項まで=0.866013436・・・
このように急激にEに収束していく。
次にLB(5)を求める。
[LB(5)導出] Sin-L(s)型[ s=5 , 2π/3代入,πテイラー] f(x)=(sinx)/1^5 - (sin3x)/3^5 + (sin5x)/5^5 - (sin7x)/7^5 +・・・ ------@
という母関数を考える。@でx=2π/3を代入すると
f(2π/3)=(√3/2)/1^5 - (√3/2)/5^5 - (√3/2)/7^5 + (√3/2)/11^5 +・・・ =(√3/2){(1/1^5 - 1/5^5 - 1/7^5 + 1/11^5) + (1/13^5 - 1/17^5 - 1/19^5 + 1/23^5) +・・・} =(√3/2)LB(5) -------A
となりLB(5)が現れた。
次に、@の右辺をx=πの周りでテイラー展開すると、簡単な計算により次となる。
f(x)=-L(4)・(x-π)^1 /1!+ L(2)・(x-π)^3 /3! - L(0)・(x-π)^5 /5!+ L(-2)・(x-π)^7 /7! - L(-4)・(x-π)^9 /9!+ L(-6)・(x-π)^11 /11!
- L(-8)・(x-π)^13 /13!+ L(-10)・(x-π)^15 /15!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ------B
さて、ここでL(s)の関数等式
L(1-s)=π^(-s)・2^s・Γ(s)・sin(πs/2)・L(s)
を利用するとL(-2),L(-4),L(-6),・・は、
L(-2)=-2!・(π/2)^3・L(3)
L(-4)=4!・(π/2)^5・L(5)
L(-6)=-6!・(π/2)^7・L(7)
L(-8)=8!・(π/2)^9・L(9)
L(-10)=-10!・(π/2)^11・L(11)
・
・
となるから、Bは次のように書き換えられる。
f(x)=-L(4)・(x-π)^1 /1!+ L(2)・(x-π)^3 /3!
- L(0)・(x-π)^5 /5!+ {-2!・(π/2)^3・L(3)}・(x-π)^7 /7! - {4!・(π/2)^5・L(5)}・(x-π)^9 /9!+ {-6!・(π/2)^7・L(7)}・(x-π)^11 /11!
- {8!・(π/2)^9・L(9)}・(x-π)^13 /13!+ {-10!・(π/2)^11・L(11)}・(x-π)^15 /15!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
xに2π/3を代入して、整理すれば次を得る。
f(2π/3)=L(4)・(π/3)^1 /1!- L(2)・(π/3)^3 /3!+ L(0)・(π/3)^5 /5!
+ (π/2)^4{(2!/7!)(2/3)^7・L(3) + (4!/9!)(2/3)^9・L(5) + (6!/11!)(2/3)^11・L(7) +・・・} ----C
AとCは等しいので次が成り立つ。
(√3/2)LB(5)
=L(4)・(π/3)^1 /1!- L(2)・(π/3)^3 /3!+ L(0)・(π/3)^5 /5!
+ (π/2)^4{(2!/7!)(2/3)^7・L(3) + (4!/9!)(2/3)^9・L(5)
+ (6!/11!)(2/3)^11・L(7) + (8!/13!)(2/3)^13・L(9)
+ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ } -----D
LB(5)がL(4)、L(2)、L(0)と[L(2n+1)の無限和]で表現できた。 Dを検証しておこう。まずExcelVBAプログラムでまず直接数値的にLB(5)を計算した。 LB(5)=(1/1^5 - 1/5^5 - 1/7^5 + 1/11^5) + (1/13^5 - 1/17^5 - 1/19^5 + 1/23^5) +・・・ の4百項分(それで十分)の結果を記す。 LB(5)=0.999628493・・・ となった。 よって、Dの左辺=0.865703669・・ ------E
これが目標である。
さて、Dの右辺を見ると、
D右辺の1項まで=1.035620312・・・
D右辺の3項まで=0.865554707・・・
D右辺の5項まで=0.865702147・・・
このように急速にEに収束していく。
以上。
さらに、全く同様にして、LB(3)とLB(1)を出すと、次のようになる。
(√3/2)LB(3)
=L(2)・(π/3)^1 /1!- L(0)・(π/3)^3 /3!
- (π/2)^2{(2!/5!)(2/3)^5・L(3) + (4!/7!)(2/3)^7・L(5)
+ (6!/9!)(2/3)^9・L(7) + (8!/11!)(2/3)^11・L(9)
+ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ }
(√3/2)LB(1)
= L(0)・(π/3)^1 /1!
+ {(2!/3!)(2/3)^3・L(3) + (4!/5!)(2/3)^5・L(5)
+ (6!/7!)(2/3)^7・L(7) + (8!/9!)(2/3)^9・L(9)
+ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ }
これらも確実に収束する。
以上。
以上きれいな規則で式が成り立っていることがわかる。まとめておく。
美しい規則性が出ていることがわかる。
求めた結果と、ディリクレの類数公式との比較をしましょう。
ディリクレのL関数L(χ,s)でのs=1の値L(χ,1)を求める公式が、ディリクレの類数公式というものです。
「海王星 その1」や「「ウェスト彗星 その1」でも、その公式を見ましたが、再度見ておきましょう。「ウェスト彗星」の
ものを書きます。
***************************
実2次体と虚2次体にはそれぞれ「ディリクレの類数公式」というものがあり、2次体Q(√m)とL(χ,s)の関係において
重要である。Kを2次体とすると、次が成り立つ。
Kが実2次体なら、---> L(χ,1)=h・logε・2/√N ------A
Kが虚2次体なら、---> L(χ,1)=h・2π/(w√N) ------B
これらをディリクレの類数公式という。
ここで h はKの類数、L(χ,1)はKに対応したL(χ,s)のs=1での特殊値。ε は実2次体Kの基本単数であり、w はKに
含まれる1のべき根の個数。N は Kの導手でありこれは「ゼータ惑星」でもよく出てきた。
類数や単数の意味については、雑誌「数学のたのしみ No.17」で加藤和也さんの解説や数学書を参考にされたい。
****************************
ゼータ関数は、不思議なことに環や体の理論とも関係していて、解析的なL(χ,s)の値が、体や環の値と関係して
いることをA式やB式は示しています。
A式は、実2次体の類数hと基本単数εと導出Nがわかれば、L(χ,s)のs=1での値L(χ,1)が分かってしまうことを
意味しています。
B式は、虚2次体の類数hと、体に含まれる1のべき根の個数wと、導出Nがわかれば、L(χ,1)が分かることを意味
します。
「s=1の値しかわからないなんてつまんない!」と思われるかもしれませんが、ゼータの値を求めることは、昔から
非常な難問であり、s=1だけでも一般的なL(χ,s)ゼータで求まるのですから、たいへんなことなのです。
さて、今回のLB(s)は、
LB(s)=(1 -1/5^s - 1/7^s + 1/11^s) + (1/13^s -1/17^s - 1/19^s + 1/23^s) + ・・・
というL(χ,s)の一種のゼータですが、これは実2次体Q(√3)に対応するゼータですから、A式を使ってそのLB(1)を求める
ことができます。
実2次体Q(√3)の類数hと基本単数εと導出Nは、h=1、ε=2+√3、N=12であることが知られています。
A式より、
LB(1)=h・logε・2/√N={1・log(2+√3)・2}/(√12)=log(2+√3)/√3
となります。
LB(1)=log(2+√3)/√3 ------@
とわかりました。
さて、上では、テイラーシステムによってもLB(1)を求めたことを思い出してください。次です。
(√3/2)LB(1)
= L(0)・(π/3)^1 /1!
+ (π/2)^0{(2!/3!)(2/3)^3・L(3) + (4!/5!)(2/3)^5・L(5)
+ (6!/7!)(2/3)^7・L(7) + (8!/9!)(2/3)^9・L(9)
+ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ } ------A
@とAは、同じLB(1)を違った表現で表しています。Aから出すLB(1)値と@のLB(1)値は、もちろんどんぴしゃ一致します。
テイラーシステムからは、@のような形にはならず、Aのような形になったということです。
@、Aより、次を得ます。
log(2+√3) /2
= L(0)・(π/3)^1 /1!
+ (π/2)^0{(2!/3!)(2/3)^3・L(3) + (4!/5!)(2/3)^5・L(5)
+ (6!/7!)(2/3)^7・L(7) + (8!/9!)(2/3)^9・L(9)
+ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ }
本頁で求めたLB(2n)とLB(2n+1)を一緒に書いておきます。
よーく眺めてください。面白い秩序が出ています。
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