ロニオス彗星 その7

 Cos-L(s)型母関数テイラーシステムで、3π/4代入を行うことで、L2(7)、L2(5)、L2(3)、L2(1)を導出した。
類数公式を考察。
L2(s)をL(s)で表現する
L1(1)、L1(3)、L1(5)、L1(7)を導出
L2(1)と類数公式



2008/1/12          < L2(s)をL(s)で表現する > Cos-L(s)型[ s=7, 5, 3, 1, 3π/4代入,πテイラー]

その3では、
 f(x)=(sinx)/1^s - (sin3x)/3^s + (sin5x)/5^s - (sin7x)/7^s +・・・     -----@
のSin-L(s)母関数を考え、2π/3代入を行ってLB(s)ゼータが出た。
その4」では、
 f(x)=(cosx)/1^s - (cos3x)/3^s + (cos5x)/5^s - (cos7x)/7^s +・・・     -----A
のCos-L(s)母関数を考え、2π/3代入を行ってL(s)ゼータが出た。

 「その6」では@のSin-L(s)母関数に3π/4代入を行って、L1(s)ゼータが出た。
その流れでここではAのCos-L(s)母関数に3π/4代入を行った場合を調べる。結論を述べるとL2(s)ゼータが出た。
L2(s)ゼータがL(s)ゼータで表現されることになる。

 L2(s)ゼータは、次で定義される。
  L2(s)=(1 + 1/3^s - 1/5^s - 1/7^s ) + (1/9^s + 1/11^s - 1/13^s - 1/15^s ) + ・・・

L2(s)ゼータも、ディリクレのL関数L(χ,s)の特別な場合である。
ディリクレのL関数L(χ,s)は
  L(χ,s)=χ(1)/1^s + χ(2)/2^s + χ(3)/3^s + χ(4)/4^s + χ(5)/5^s + χ(6)/6^s + ・・・・
で定義される一般的なゼータである。L2(s)は
「a≡1 or 3 mod 8-->χ(a)=1、 a≡5 or 7 mod 8 -->χ(a)=-1、それ以外のaではχ(a)=0」というχ(a)をもつ。
L2(s)は虚2次体Q(√-2)に対応する。

またL(s)は
 L(s)=1 - 1/3^s + 1/5^s - 1/7^s + ・・・
というゼータ関数であり、虚2次体Q(√-1)に対応する。




2008/1/12         < L1(1)、L1(3)、L1(5)、L1(7)を導出> Cos-L(s)型[ s=1, 3, 5, 7, 3π/4代入,πテイラー]

 早速、L2(1)、L2(3)、L2(5)、・・を求めたい。まずL1(5)から。

[L1(5)導出] Cos-L(s)型[ s=5, 3π/4代入,πテイラー]
 f(x)=(cosx)/1^5 - (cos3x)/3^5 + (cos5x)/5^5 - (cos7x)/7^5 +・・・     ------@
という母関数を考える。
@でx=3π/4を代入すると
f(3π/4)=(-1/√2){(1/1^5 + 2/3^5 - 1/5^5 - 1/7^5) + (1/9^5 + 1/11^5 - 1/13^5 - 1/15^5)
                 + (1/17^5 + 1/19^5 - 1/21^5 - 1/23^5) + ・・・}
     =-L2(5)/√2                 -------A
となりL2(5)が出現した。

 次に、@の右辺をx=πの周りテイラー展開すると、簡単な計算により次となる。
   f(x)=-L(5) + L(3)(x-π)^2 /2!
         - L(1)(x-π)^4 /4!+ L(-1)(x-π)^6 /6!
           - L(-3)(x-π)^8 /8!+ L(-5)(x-π)^10 /10!
             - L(-7)(x-π)^12 /12!+ L(-9)(x-π)^14 /14!      -------B
                ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

さて、ここでL(-1)、L(-3)、L(-5)、・・は全て0であるから、結局Bは次となる。
 f(x)=-L(5) + L(3)(x-π)^2 /2!- L(1)(x-π)^4 /4!

 xに3π/4を代入して、次を得る。
 f(3π/4x)
  =-L(5) + L(3)(π/4)^2 /2! - L(1)(π/4)^4 /4!   ------C

AとCは等しいから、
 -L2(5)/√2 =-L(5) + L(3)(π/4)^2 /2! - L(1)(π/4)^4 /4!
すなわち、
 L2(5)/√2 L(5) - L(3)(π/4)^2 /2! + L(1)(π/4)^4 /4!    ------D

 L2(5)が、L(5)、L(3)、L(1)で表現できた。
L(s)はもちろん
 L(s)=1 - 1/3^s + 1/5^s - 1/7^s + ・・・
というゼータである。

念のため、検証しておこう。Excelでの直接的な数値計算よりL2(5)=0.709762452・・より(4百項、これで十分)、
となった。
さて、L(5)=5π^5/1536、L(3)=π^3/32、L(1)=π/4であるから、Dにこれらを代入すると、Eと完全に一致する。
OKである。
以上。

 同様にして簡単にL2(7)、L2(3)、L2(1)を求めることができる。次が導出された。Dを含めて書く。

L2(7)/√2=L(7) - L(5)(π/4)^2 /2!+ L(3)(π/4)^4 /4!- L(1)(π/4)^6 /6!

L2(5)/√2=L(5) - L(3)(π/4)^2 /2! + L(1)(π/4)^4 /4!

L2(3)/√2=L(3) - L(1)(π/4)^2 /2!

L2(1)/√2=L(1)

以上をまとめておく。

 ここでL(1)=π/4であるから、例えば、一番下の式より、
 L2(1)=√2π/4

とわかる。すなわち、

 (1 + 1/3 - 1/5 - 1/7 ) + (1/9 + 1/11 - 1/13 - 1/15 ) + ・・・=√2π/4

とわかる。

[L2(7)、L2(5)、L2(3)、L2(1)導出] Cos-L(s)型[ s=1, 3, 5, 7, 3π/4代入,πテイラー]

L2(7)/√2=L(7) - L(5)(π/4)^2 /2!+ L(3)(π/4)^4 /4!- L(1)(π/4)^6 /6!

L2(5)/√2=L(5) - L(3)(π/4)^2 /2! + L(1)(π/4)^4 /4!

L2(3)/√2=L(3) - L(1)(π/4)^2 /2!

L2(1)/√2=L(1)


 この規則性で、いくらでも上のL2(9)、L2(11)、・・・を機械的に導いていくことができる。




2008/1/18           < L2(1)と類数公式>

 一つ上でL2(1)を出したが、ディリクレの類数公式からも出すことができるので一応それでも出しておこう。
類数公式を再度示す。
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 実2次体と虚2次体にはそれぞれ「ディリクレの類数公式」というものがあり、2次体Q(√m)とL(χ,s)の関係において
重要である。Kを2次体とすると、次が成り立つ。

Kが実2次体なら、--->    L(χ,1)=h・logε・2/√N  ------A

Kが虚2次体なら、--->    L(χ,1)=h・2π/(w√N)  ------B

 これらをディリクレの類数公式という。
 ここで h はKの類数、L(χ,1)はKに対応したL(χ,s)のs=1での特殊値。ε は実2次体Kの基本単数であり、w はKに
含まれる1のべき根の個数。N は Kの導手でありこれは「ゼータ惑星」でもよく出てきた。
類数や単数の意味については、数学書や雑誌「数学のたのしみ No.17」で加藤和也さんの解説を参考にされたい。
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 さて、冒頭でも述べたが、L2(s)ゼータは2次体Q(√-2)に対応するゼータ関数である。
2次体Q(√-2)の類数hは1であり、導手Nは8であり、Kに含まれる1のべき根の個数wは2であることが現代数学で
わかっている。(虚2次体ではQ(√-3)のwが6、Q(√-1)のwが4、それ以外の虚2次体ではw=2である。

つまり、h=1、N=8、w=2であるので、Bより
 L2(1)=1・2π/(2√8)=π/(2√2)=√2π/4
となる。

 L2(1)=√2π/4
となり、テイラーシステムで導いた結果と当然ながら、一致する。テイラーシステムのほうがより簡単であると思われ
るがいかがだろうか。

(参考文献) 「解決!フェルマーの最終定理」(加藤和也著、日本評論社)




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