エンケ彗星 その5

 「百武彗星 その1」で出したζ(3)と、「ゼータ関数のいくつかの点について」で導出したζ(3)の収束性を比較した。
ゼータのフラクタル構造を指摘し、その観点からζ(2)、ζ(4)、ζ(6)、ζ(8)をζ(0)で表現した。
フラクタル構造を利用して、ζ(s)=・・の右辺を様々に変えた一般式を出した。


2006/9/24            < ζ(3)の収束性の比較 

 「百武彗星 その1」で出したζ(3)は収束がきわめて速いものであった。
 テイラーシステムCos[ s=s, π/2代入, πテイラー]の条件で導いたものである。

ところで、3年前にまったく別の方法で(ゼータ関数のいくつかの点について その7」)導いたζ(3)も非常に速い
収束性をもっていたが、テイラーシステムでのζ(3)とどの程度の差があるものなのか気になったので、ここで少し
比較しておきたい。

 まず 「百武彗星 その1」でテイラーシステムを用いて導いたζ(3)は次のものである。

(1-1/2^3)・(1-1/2^2)・ζ(3)
  π^2・[log2・/8 - (1-1/2^2)・ζ(2)/{(4・3・2)・2^3}
         - (1-1/2^4)・ζ(4)/{(6・5・4)・2^5} - (1-1/2^6)・ζ(6)/{(8・7・6)・2^7}
           - (1-1/2^8)・ζ(8)/{(10・9・8)・2^9} - (1-1/2^10)・ζ(10)/{(12・11・10)・2^11} + ・・・・] ----@

 @の形で、右辺をΣの記号で書くと、次となる。

(1-1/2^3)・(1-1/2^2)・ζ(3)
      π^2・[log2/8 - Σ(1-1/2^(2n))・ζ(2n)/{2n(2n+1)・(2n+2)・2^(2n+1)}    ------A
                  (n=1〜∞)

 さて「ゼータ関数のいくつかの点について その7」で出した4つのζ(3)を記す。
上から収束の速い順番に並べておきます。
ζ(3)の4種類の表記

 ζ(3)=(π^2/6)[-logπ + 11/6 + 12Σζ(2n)/{2n・(2n+1)・(2n+2)・(2n+3)・2^(2n)}] ----B
                       (n=1〜∞)


 ζ(3)=(2π^2/7)[-logπ + 3/2 + 4Σζ(2n)/{2n・(2n+1)・(2n+2)・2^(2n)}] -----C
                     (n=1〜∞)


 ζ(3)=(2π^2/7)[log π - 1/2 - Σζ(2n)/{n・(n + 1)・2^(2n)}] -----D
                     (n=1〜∞)


 ζ(3)=(2π^2/7)[log2 + Σζ(2n)/{(n+1)・2^(2n)}] -----E
                (n=0〜∞)


 ながめるとわかるが、Aはこの4つものではCに本質的に収束速度が等しいとわかる。
 Cなどは、その収束のよさに当時びっくりしていた記憶があるが、テイラーシステムCos[ s=s, π/2代入, πテイラー]
で求まったA(=@)は、収束がきわめて速いCと同等の収束性をもつとわかったのである。
 なお、「エンケ彗星 その2」でテイラーシステムCos[ s=s, π代入, π/2テイラー]で導いたζ(3)は交代級数でも
あり、Aのζ(3)より収束性は劣っているはずである。




2006/9/27            < ゼータのフラクタル構造 >

 「百武彗星 その3」でテイラーシステムによって出したζ(s)の一般式は、次のものだが、よく見ると非常に面白い
性質をもっていることに気づく。

テイラーシステムによって得られたζ(s)の表式  Cos[ s=s, π/2代入,πテイラー]

 (1-1/2^s)・(1-1/2^(s-1))・ζ(s) 
  = (1-1/2^(s-3))・ζ(s-2)π^2 /(2!・2^2)
    - (1-1/2^(s-5))・ζ(s-4)π^4 /(4!・2^4)
     + (1-1/2^(s-7))・ζ(s-6)π^6 /(6!・2^6)
      - (1-1/2^(s-9))・ζ(s-8)π^8 /(8!・2^8)
       + (1-1/2^(s-11))・ζ(s-10)π^10 /(10!・2^10)   --------@
         ・・・・・・・・・・・・・・・・



 これは、ζ(s)を、ζ(s-2)、ζ(s-4)、ζ(s-4)、・・・・で表現した式ですが、よく考えると、このζ(s-2)やζ(s-4)や
ζ(s-6)・・・自身に、同じように@式が成り立っていることに気づくのである。

ζ(s-2)では@でsをs-2に置き換えた式が成り立ち、またζ(s-4)ではsをs-4に置き換えた式が成り立ち、そして
またζ(s-6)ではsをs-6に置き換えた式が成り立ち・・・・とすべてのζ(s-2n)で@が成り立っている。
すなわち、@右辺の各々のζ(s-2n)でまた@が成り立っているという不思議な構造になっているのです。
そして、そうやって、できた孫式?の右辺でもまた同様のことが成り立つ・・・・というように延々と自己相似形が
無限につづいていくのである!
 それは、まるで地下へ暗闇に下っていく無限階段のようだ。
 同じ形がどこまでも内包されている、それはまさにマンデルブロー集合図のようなフラクタル構造を連想させる

 @は、いろいろと面白い性質がある。次に示す。




2006/9/27            < フラクタル構造の応用 >

 フラクタル構造の性質で、私が思い付いた面白い応用を示したい。

テイラーシステムによって得られたζ(s)の表式  Cos[ s=s, π/2代入,πテイラー]

 (1-1/2^s)・(1-1/2^(s-1))・ζ(s) 
  = (1-1/2^(s-3))・ζ(s-2)π^2 /(2!・2^2)
    - (1-1/2^(s-5))・ζ(s-4)π^4 /(4!・2^4)
     + (1-1/2^(s-7))・ζ(s-6)π^6 /(6!・2^6)
      - (1-1/2^(s-9))・ζ(s-8)π^8 /(8!・2^8)
       + (1-1/2^(s-11))・ζ(s-10)π^10 /(10!・2^10)   --------@
         ・・・・・・・・・・・・・・・・


 @は、ζ(s)をζ(s-2)、ζ(s-4)、ζ(s-6)、ζ(s-8)、・・・というもので表現したものだが、ζ(s-2)を消して
ζ(s)をζ(s-4)、ζ(s-6)、ζ(s-8)、・・・で表現できると気づく。
つまり、@でsをs-2で置き換え、ζ(s-2)=・・の式をもとめ、それを@に代入すれば、ζ(s-2)が消えてくれる。
つまり、
 ζ(s)=A1・ζ(s-4) + B1・ζ(s-6) + C1・ζ(s-8) + D1・ζ(s-10) + ・・・・   -------A

というような式になる。

 さて、ζ(s-2)が消えたわけだが、今度はζ(s-4)をも消してみたい。その方法はすぐにわかるであろう。
つまり、@でsをs-4で置き換え、ζ(s-4)=・・の式をもとめ、それをAに代入すれば、次のようになる。

 ζ(s)=A2・ζ(s-6) + B2・ζ(s-8) + C2・ζ(s-10) + D2・ζ(s-12) + ・・・・

めでたくζ(s-4)も消えた。

 この方法を繰り返していくと、いくらでも違った式をアレンジすることができるのであるが、これを奇数ゼータζ(2n+1)や
偶数ゼータζ(2n)に応用していきたい。次で見たい。




2006/9/27          < フラクタル構造、偶数ゼータζ(2n)への応用 >

 まず偶数ゼータの場合をみよう。
 @式だが、一つ上で指摘したことを利用して、偶数ゼータζ(2)、ζ(4)、ζ(6)・・・に応用する。

テイラーシステムによって得られたζ(s)の表式  Cos[ s=s, π/2代入,πテイラー]

 (1-1/2^s)・(1-1/2^(s-1))・ζ(s) 
  = (1-1/2^(s-3))・ζ(s-2)π^2 /(2!・2^2)
    - (1-1/2^(s-5))・ζ(s-4)π^4 /(4!・2^4)
     + (1-1/2^(s-7))・ζ(s-6)π^6 /(6!・2^6)
      - (1-1/2^(s-9))・ζ(s-8)π^8 /(8!・2^8)
       + (1-1/2^(s-11))・ζ(s-10)π^10 /(10!・2^10)   --------@
         ・・・・・・・・・・・・・・・・



 @に関して「百武彗星 その2」で導出した偶数ゼータの結果を再び示すと、次のようになる。

テイラーシステムによって得られた ζ(2) ,ζ(4),ζ(6) ,ζ(8) の表式 Cos[ s=2,4,6,8, π/2代入,πテイラー]

 (1-1/2^2)・(1-1/2^1)・ζ(2)= (1-2^1)・ζ(0)(π/2)^2 /2!


 (1-1/2^4)・(1-1/2^3)・ζ(4)
      =(1-2^(-1))・ζ(2)(π/2)^2 /2!- (1-2^1)・ζ(0)(π/2)^4 /4!


 (1-1/2^6)・(1-1/2^5)・ζ(6)
     =(1-2^(-3))・ζ(4)(π/2)^2 /2!
         - (1-2^(-1))・ζ(2)(π/2)^4 /4! + (1-2^1)・ζ(0)(π/2)^6 /6!


 (1-1/2^8)・(1-1/2^7)・ζ(8)
     = (1-2^(-5))・ζ(6)(π/2)^2 /2!- (1-2^(-3))・ζ(4)(π/2)^4 /4!
         + (1-2^(-1))・ζ(2)(π/2)^6 /6!- (1-2^1)・ζ(0)(π/2)^8 /8!


 偶数ゼータが「有限個の偶数ゼータの和」で表現できるという面白い結果であった。

 さて、一つ上で指摘したことを応用してみる。つまり、@式を用いて、右辺の変数をコントロールして面白い結果
を出したいのである。
結論を先に言っておくと、

 ζ(2)=A・ζ(0)
 ζ(4)=B・ζ(0)
 ζ(6)=C・ζ(0)
 ζ(8)=D・ζ(0)
  ・
  ・
というような形にしたいのである。ζ(2n)をζ(0)だけで表現したい!ということである。
早速、その目標に向かって進もう。

 @でまずs=2としてみよう。

 (1-1/2^2)・(1-1/2^1)・ζ(2) 
  = (1-1/2^(-1))・ζ(0)π^2 /(2!・2^2)
    - (1-1/2^(-3))・ζ(-2)π^4 /(4!・2^4)
     + (1-1/2^(-5))・ζ(-4)π^6 /(6!・2^6)
      - (1-1/2^(-7))・ζ(-6)π^8 /(8!・2^8)
         ・・・・・・・・・・・・・・・・

 ここで、ζ(-2)、ζ(-4)、ζ(-6)・・は当然 0 であるから、上は次のようになる。

 (1-1/2^2)・(1-1/2^1)・ζ(2) 
  = (1-1/2^(-1))・ζ(0)π^2 /(2!・2^2)  --------A

 当然ながら、Aは簡単に出た。
ここからは、複雑になるので、記号を作っておきたい。

   (1-1/2^n)=[n]
   π^n /(n!・2^n)=<n>

とすることにする。例えば、π^6 /(6!・2^6)は<6>であり、(1-1/2^2)は[2]である。
 これでAを書き直せば、次のようになる。

 [2][1]ζ(2)=[-1]<2>ζ(0)    --------B

 なんと簡単になったことか!
次に進む。
@でs=4とすると、
 (1-1/2^4)・(1-1/2^3)・ζ(4) 
  = (1-1/2^1)・ζ(2)π^2 /(2!・2^2)
    - (1-1/2^(-1))・ζ(0)π^4 /(4!・2^4)
     + (1-1/2^(-3))・ζ(-2)π^6 /(6!・2^6)
      - (1-1/2^(-5))・ζ(-4)π^8 /(8!・2^8)
       + (1-1/2^(-7))・ζ(-6)π^10 /(10!・2^10)
         ・・・・・・・・・・・・・・・・

となるが、もちろん、ζ(-2)、ζ(-4)、ζ(-6)・・は 0 であるから、上は次のようになる。

 (1-1/2^4)・(1-1/2^3)・ζ(4) 
  = (1-1/2^1)・ζ(2)π^2 /(2!・2^2)
    - (1-1/2^(-1))・ζ(0)π^4 /(4!・2^4)

 ここでζ(2)を消すために、A(B)のζ(2)=・・をこれに代入して整理して、記号で書くと、次のようになる。

 [4][3][2]ζ(4)=[-1] (<2><2> - [2]<4>)ζ(0)    ------C

 ζ(4)の場合の式も出た。もちろん、ζ(0)=-1/2 である。

 同様にして、ζ(6)、ζ(8)の式も出すと次のようになる。

 [6][5][4][2]ζ(6)
  =[-1] (<2><2><2> - [4]<4><2> - [2]<2><4> + [4][2]<6>)ζ(0)   ------D


 [8][7][6][4][2]ζ(8)
  =[-1] (<2><2><2><2> - [6]<4><2><2> - [4]<2><4><2> - [2]<2><2><4>
          + [6][4]<6><2> + [6][2]<4><4>+ [4][2]<2><6> - [6][4][2]<8> )ζ(0)   ------E


 まとめておこう。
ζ(2)、ζ(4)、ζ(6)、ζ(8)をζ(0)で表した式


 [2][1]ζ(2)=[-1]<2>ζ(0)   ------B


 [4][3][2]ζ(4)=[-1] (<2><2> - [2]<4>)ζ(0)   ------C


 [6][5][4][2]ζ(6)
  =[-1] (<2><2><2> - [4]<4><2> - [2]<2><4> + [4][2]<6>)ζ(0)    ------D


 [8][7][6][4][2]ζ(8)
  =[-1] (<2><2><2><2> - [6]<4><2><2> - [4]<2><4><2> - [2]<2><2><4>
          + [6][4]<6><2> + [6][2]<4><4>+ [4][2]<2><6> - [6][4][2]<8> )ζ(0)   ------E


 ただし、(1-1/2^n)=[n]、π^n /(n!・2^n)=<n>とした。
例えば、(1-1/2^2)は[2]であり、π^6 /(6!・2^6)は<6>である。



 この右辺()内は、機械的に作れる秩序がひそんでいるはずだが、まだ発見できていない。
すなわち、右辺の()内を機械的に作っていければ、とても素敵なのである。なぜ素敵なのかといえば、
そこにζ(2n)の構造が見出せるからである。それは、ベルヌイ数の構造とも密接に関係することになる。

リーマン・ゼータζ(s)をベルヌイ数で表現した式(よく知られた式)を示しておく。

 ζ(m)=(-1)^(m/2+1)・2^(m-1)・Bm・π^m/m!  ------F
                               m=2,4,6,8,・・・


C〜EとFを見ると、いかにベルヌイ数が、C〜E右辺の構造と関わっているかがわかるであろう。




2006/9/28        < フラクタル構造を利用し、さまざまな一般式を出す >

 奇数ゼータζ(2n+1)への応用を見る前に、フラクタル構造の性質を利用して、ζ(s)=・・の右辺の変数を
いろいろに変えた場合を示しておく。
一つ上の偶数ゼータζ(2n)では、直接やったことを、まず抽象的に表現しておきたい。
すなわち、

 ζ(s)=A0・ζ(s-2) + B0・ζ(s-4) + C0・ζ(s-6) + D0・ζ(s-8) + ・・・・・・  -----A
 ζ(s)=A1・ζ(s-4) + B1・ζ(s-6) + C1・ζ(s-8) + D1・ζ(s-10) + ・・・・・  -----B
 ζ(s)=A2・ζ(s-6) + B2・ζ(s-8) + C2・ζ(s-10) + D2・ζ(s-12) + ・・・・  -----C
 ζ(s)=A3・ζ(s-8) + B3・ζ(s-10) + C3・ζ(s-12) + D4・ζ(s-14) + ・・・・  ----D

というような右辺の変数sをコントロールした式を出したいのである。
 もちろん、出発点は次式である。
テイラーシステムによって得られたζ(s)の表式  Cos[ s=s, π/2代入,πテイラー]

 (1-1/2^s)・(1-1/2^(s-1))・ζ(s) 
  = (1-1/2^(s-3))・ζ(s-2)π^2 /(2!・2^2)
    - (1-1/2^(s-5))・ζ(s-4)π^4 /(4!・2^4)
     + (1-1/2^(s-7))・ζ(s-6)π^6 /(6!・2^6)
      - (1-1/2^(s-9))・ζ(s-8)π^8 /(8!・2^8)
       + (1-1/2^(s-11))・ζ(s-10)π^10 /(10!・2^10)   --------@
         ・・・・・・・・・・・・・・・・


 Aは@そのものであり、つまり次式となる。

 (1-1/2^s)・(1-1/2^(s-1))・ζ(s) 
  = (1-1/2^(s-3))・ζ(s-2)π^2 /(2!・2^2)
    - (1-1/2^(s-5))・ζ(s-4)π^4 /(4!・2^4)
     + (1-1/2^(s-7))・ζ(s-6)π^6 /(6!・2^6)
      - (1-1/2^(s-9))・ζ(s-8)π^8 /(8!・2^8)
       + (1-1/2^(s-11))・ζ(s-10)π^10 /(10!・2^10)   --------A
         ・・・・・・・・・・・・・・・・

 このあと、やや複雑化していくので、一つ上で導入した記号でAを表現しておきたい。
   (1-1/2^n)=[n]
   π^n /(n!・2^n)=<n>
という記号である。例えば、π^6 /(6!・2^6)は<6>であり、(1-1/2^2)は[2]である。
これを用いて、Aを表現すると、次のようになる。

 [s][s-1]ζ(s)=[s-3] ζ(s-2)<2>
            - [s-5] ζ(s-4)<4>
             + [s-7] ζ(s-6)<6>
              - [s-9] ζ(s-8)<8>
               + [s-11] ζ(s-10)<10>
                - [s-13] ζ(s-12)<12>   ------A-2
                   ・・・・・・・・・・・・・・

 なんとも、すっきりするものである。 もちろんAの形の式である。
 次に進もう。Aでs=s-2として出したζ(s-2)=・・の式を、A-2に代入すると、ζ(s-2)が消せる。
すると、次式が出る。

 [s][s-1][s-2]ζ(s)
   =[s-5] ζ(s-4)(<2><2> - [s-2]<4>)
     - [s-7] ζ(s-6)(<2><4> - [s-2]<6>)
      + [s-9] ζ(s-8)(<2><6> - [s-2]<8>)
       - [s-11] ζ(s-10)(<2><8> - [s-2]<10>)
        + [s-13] ζ(s-12)(<2><10> - [s-2]<12>)
         - [s-15] ζ(s-14)(<2><12> - [s-2]<14>)   ------B-2
               ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 Bの形の式が出た。きれいなものである。()内の規則性を味わって頂きたい。
 さらにAでs=s-4として出したζ(s-4)=・・の式を、B-2に代入すると、ζ(s-4)が消せる。
すると、次式が出る。

 [s][s-1][s-2][s-4]ζ(s)
 =[s-7] ζ(s-6)(<2><2><2> - [s-2]<4><2>- [s-4]<2><4> + [s-2][s-4]<6>)
   - [s-9] ζ(s-8)(<2><2><4> - [s-2]<4><4>- [s-4]<2><6> + [s-2][s-4]<8>)
    + [s-11] ζ(s-10)(<2><2><6> - [s-2]<4><6>- [s-4]<2><8> + [s-2][s-4]<10>)
     - [s-13] ζ(s-12)(<2><2><8> - [s-2]<4><8>- [s-4]<2><10> + [s-2][s-4]<12>)   ----C-2
      + [s-15] ζ(s-14)(<2><2><10> - [s-2]<4><10>- [s-4]<2><12> + [s-2][s-4]<14>)
          ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 Cの形の式が出た。
 さらにAでs=s-6として出したζ(s-6)=・・の式を、C-2に代入すると、ζ(s-6)が消せる。
すると、次式が出る。

 [s][s-1][s-2][s-4][s-6]ζ(s)

=[s-9] ζ(s-8)(<2><2><2><2> - [s-2]<4><2><2>- [s-4]<2><4><2> - [s-6]<2><2><4>
    + [s-2][s-4]<6><2> + [s-2][s-6]<4><4> + [s-4][s-6]<2><6> - [s-2][s-4][s-6]<8>)

 - [s-11] ζ(s-10)(<2><2><2><4> - [s-2]<4><2><4>- [s-4]<2><4><4> - [s-6]<2><2><6>
    + [s-2][s-4]<6><4> + [s-2][s-6]<4><6> + [s-4][s-6]<2><8> - [s-2][s-4][s-6]<10>)

 + [s-13] ζ(s-12)(<2><2><2><6> - [s-2]<4><2><6>- [s-4]<2><4><6> - [s-6]<2><2><8>
    + [s-2][s-4]<6><6> + [s-2][s-6]<4><8> + [s-4][s-6]<2><10> - [s-2][s-4][s-6]<12>)

 - [s-15] ζ(s-14)(<2><2><2><8> - [s-2]<4><2><8>- [s-4]<2><4><8> - [s-6]<2><2><10>
    + [s-2][s-4]<6><8> + [s-2][s-6]<4><10> + [s-4][s-6]<2><12> - [s-2][s-4][s-6]<14>) ----D-2
          ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

見やすくするため、空白行をつけた。 Dの形の式が出た。
このD-2でも上から下へと眺めると、()内に明確な規則性が現れているのであるが、お気づきであろうか。

 これで目標のA〜Dの形の式が出せた。まとめておこう。

 右辺を様々に変えた形のζ(s)一般式
 [s][s-1]ζ(s)=[s-3] ζ(s-2)<2>
            - [s-5] ζ(s-4)<4>
             + [s-7] ζ(s-6)<6>
              - [s-9] ζ(s-8)<8>
               + [s-11] ζ(s-10)<10>
                - [s-13] ζ(s-12)<12>   ------A-2
                   ・・・・・・・・・・・・・・



 [s][s-1][s-2]ζ(s)
   =[s-5] ζ(s-4)(<2><2> - [s-2]<4>)
     - [s-7] ζ(s-6)(<2><4> - [s-2]<6>)
      + [s-9] ζ(s-8)(<2><6> - [s-2]<8>)
       - [s-11] ζ(s-10)(<2><8> - [s-2]<10>)
        + [s-13] ζ(s-12)(<2><10> - [s-2]<12>)
         - [s-15] ζ(s-14)(<2><12> - [s-2]<14>)   ------B-2
               ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 [s][s-1][s-2][s-4]ζ(s)
 =[s-7] ζ(s-6)(<2><2><2> - [s-2]<4><2>- [s-4]<2><4> + [s-2][s-4]<6>)
   - [s-9] ζ(s-8)(<2><2><4> - [s-2]<4><4>- [s-4]<2><6> + [s-2][s-4]<8>)
    + [s-11] ζ(s-10)(<2><2><6> - [s-2]<4><6>- [s-4]<2><8> + [s-2][s-4]<10>)
     - [s-13] ζ(s-12)(<2><2><8> - [s-2]<4><8>- [s-4]<2><10> + [s-2][s-4]<12>)
      + [s-15] ζ(s-14)(<2><2><10> - [s-2]<4><10>- [s-4]<2><12> + [s-2][s-4]<14>) ---C-2
          ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 [s][s-1][s-2][s-4][s-6]ζ(s)

=[s-9] ζ(s-8)(<2><2><2><2> - [s-2]<4><2><2>- [s-4]<2><4><2> - [s-6]<2><2><4>
    + [s-2][s-4]<6><2> + [s-2][s-6]<4><4> + [s-4][s-6]<2><6> - [s-2][s-4][s-6]<8>)

 - [s-11] ζ(s-10)(<2><2><2><4> - [s-2]<4><2><4>- [s-4]<2><4><4> - [s-6]<2><2><6>
    + [s-2][s-4]<6><4> + [s-2][s-6]<4><6> + [s-4][s-6]<2><8> - [s-2][s-4][s-6]<10>)

 + [s-13] ζ(s-12)(<2><2><2><6> - [s-2]<4><2><6>- [s-4]<2><4><6> - [s-6]<2><2><8>
    + [s-2][s-4]<6><6> + [s-2][s-6]<4><8> + [s-4][s-6]<2><10> - [s-2][s-4][s-6]<12>)

 - [s-15] ζ(s-14)(<2><2><2><8> - [s-2]<4><2><8>- [s-4]<2><4><8> - [s-6]<2><2><10>
    + [s-2][s-4]<6><8> + [s-2][s-6]<4><10> + [s-4][s-6]<2><12> - [s-2][s-4][s-6]<14>) ----D-2
          ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ただし、(1-1/2^n)=[n]、π^n /(n!・2^n)=<n>とした。
例えば、(1-1/2^2)は[2]であり、π^6 /(6!・2^6)は<6>である。



 これをζ(s)の奇数ゼータに応用してみたい。頁を変えて「その6」で行う。






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その2
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その4
その6へ


ゼータ系の彗星群

数学の研究