エンケ彗星 その1

 テイラーシステムでCos[ s=s, π代入, π/2テイラー]の場合を調べる。(百武彗星では、Cos[ s=s, π/2代入, πテイラー]を中心に
調べたので。)  ζ(1/2)、ζ(5/2)を導出する。一般のζ(s)を出した。


2006/8/9             < ζ(1/2)値の導出  > Cos[ s=1/2, π代入, π/2テイラー]

「百武彗星」では、Cos[ s=s, π/2代入, πテイラー]を中心に研究し、面白い結果を得た。

 さて、この「エンケ彗星」シリーズでは、また別の条件Cos[ s=s, π代入, π/2テイラー]で、ゼータ特殊値を調べて
いきたい。
ところで、「百武彗星 その1」の<ζ(1/2)の導出>では、既にCos[ s=1/2, π代入, π/2テイラー]の場合を行い、
ζ(1/2)を出していた。一つだけだが。
このCos[ s=s, π代入, π/2テイラー]の条件を本シリーズを新たにはじめるにあたり、<ζ(1/2)の導出>をきれいに
整理整頓した形で以下再掲しておく。

[ζ(1/2)の導出] Cos[ s=1/2, π代入, π/2テイラー]
 まず
 f(x)=(cosx)/1^0.5 + (cos2x)/2^0.5 + (cos3x)/3^0.5 + (cos4x)/4^0.5 + ・・・ -------@

という母関数を考える。
 そして、まず上でx=πを代入すると
 f(π) = (√2-1)・ζ(1/2)   -------A

となる。ζ(1/2)の姿が現れた。

 次に、@の右辺をx=π/2の周りテイラー展開すると、次のようになる。

 f(x)= - 2^(-0.5)・(1-2^0.5)・ζ(1/2) - L(-1/2)・(x-π/2)^1 /1!
     + 2^1.5・(1-2^2.5)・ζ(-3/2)・(x-π/2)^2 /2! + L(-5/2)・(x-π/2)^3 /3!
     - 2^3.5・(1-2^4.5)・ζ(-7/2)・(x-π/2)^4 /4! - L(-9/2)・(x-π/2)^5 /5!  
     + 2^5.5・(1-2^6.5)・ζ(-11/2)・(x-π/2)^6 /6! + L(-13/2)・(x-π/2)^7 /7!    -------B
       ・・・・・・・・・・・

  無限個の半整数ゼータ値が出てきた。こちらにもζ(1/2)が見える

 L(s)は
  L(s)= 1 - 1/3^s + 1/5^s - 1/7^s + ・・・
である。
 L(s)は、巨大な古典的ゼータであるディリクレのL関数L(χ,s)というゼータ関数の一種で、L(1)=π/4であることは
よく知られている。ちなみに、リーマン・ゼータζ(s)もL(χ,s)の一種である。
L(χ,s)は無限に多くのゼータを包含している。

 さて、Bにx=πを代入して次を得る。

 f(π)=-2^(-0.5)・(1/2^0-√2)・ζ(1/2) - L(-1/2)・π/(2・1!)
    + 2^1.5・(1/2^2-√2)・ζ(-3/2)・π^2/2! + L(-5/2)・π^3/(2^3・3!)
    - 2^3.5・(1/2^4-√2)・ζ(-7/2)・π^4/4! - L(-9/2)・π^5/(2^5・5!)  
    + 2^5.5・(1/2^6-√2)・ζ(-11/2)・π^6/6! + L(-13/2)・π^7/(2^7・7!)    -------C
         ・・・・・・・・・・・

 AとCは等しいので、
 (√2-1)・ζ(1/2)
   = -2^(-0.5)・(1/2^0-√2)・ζ(1/2) - L(-1/2)・π/(2^1・1!)
    + 2^1.5・(1/2^2-√2)・ζ(-3/2)・π^2/2! + L(-5/2)・π^3/(2^3・3!)
    - 2^3.5・(1/2^4-√2)・ζ(-7/2)・π^4/4! - L(-9/2)・π^5/(2^5・5!)  
    + 2^5.5・(1/2^6-√2)・ζ(-11/2)・π^6/6! + L(-13/2)・π^7/(2^7・7!)    -------D
         ・・・・・・・・・・・

ζ(s)の関数等式
  ζ(1-s)=cos(πs/2)・Γ(s)・2^(1-s)・π^(-s)・ζ(s)
と、次のL(s)の関数等式
  L(1-s)=π^(-s)・2^s・Γ(s)・sin(sπ/2)・L(s)

を利用してL(-1/2),ζ(-3/2),・・・をすべて現実的なL(3/2) ,ζ(5/2),・・・に直すと、Dは次のようになる。

 (√2-1)・ζ(1/2)
      =(1-1/2^0.5)・0!/{2^0・(0!)^2}・ζ(1/2) - 2!/{2^2・(1!)^2)}・L(3/2)
         + (1-1/2^2.5)・4!/{2^4・(2!)^2}・ζ(5/2) - 6!/{2^6・(3!)^2)}・L(7/2)
           + (1-1/2^4.5)・8!/{2^8・(4!)^2}・ζ(9/2) - 10!/{2^10・(5!)^2)}・L(11/2)
             + (1-1/2^6.5)・12!/{2^12・(6!)^2}・ζ(13/2) - 14!/{2^14・(7!)^2)}・L(15/2)
                       ・・・・・・・・・・・・                               -----E

ζ(1/2)を左辺にまとめると、次となる。

 (1-1/√2)・(√2-1)・ζ(1/2)
       = - 2!/{2^2・(1!)^2)}・L(3/2)
         + (1-1/2^2.5)・4!/{2^4・(2!)^2}・ζ(5/2) - 6!/{2^6・(3!)^2)}・L(7/2)
           + (1-1/2^4.5)・8!/{2^8・(4!)^2}・ζ(9/2) - 10!/{2^10・(5!)^2)}・L(11/2)
             + (1-1/2^6.5)・12!/{2^12・(6!)^2}・ζ(13/2) - 14!/{2^14・(7!)^2)}・L(15/2)
                       ・・・・・・・・・・・・                                -----F

 EまたはDが最も美しい。秩序だっている。

 Fにおいて右辺のL(3/2),ζ(5/2),L(7/2),ζ(9/2),・・・は、現実世界で確固とした値として計算できる(現実的に
収束する)ので、右辺の無限級数を計算すれば収束し、ζ(1/2)=-1.46035・・とわかる。
 Fは+と-が交互に現れる交代級数の形になっている。交代級数であり且つ徐々に項の大きさが小さくなっていく
から、確実に収束する(*)。


(*) ただし収束がたいへん遅く、ExcelのVBAでプログラムを組み計算したが、9億9999万9999項目で-1.460428・・と なり、10億項目で-1.460280・・
 となった。Pentium CPUで13分かかった。(交互に振動しながら、中心線-1.460354・・をまたぎながら それに徐々にちかづいていく) これ以上の
計算はオーバーフローとなり無理であったが、十分であろう。
 なお、ζ(34.5)、L(33.5)より大きいゼータ値はすべて1として計算している。

 math worldにさらに詳しい値がある。次の通りである。
 ζ(1/2)=-1.46035450880・・・

 さて、F式は数値計算でζ(1/2)が出たので正しい式と考えられるが、念のため、テイラーシステムの成立条件も
確めておこう。<テイラーシステム成立の条件>でみたが、このCos[ s=s, π代入, π/2テイラー]はテイラーシステム
の条件を満足しているだろうか。
 成立条件とはCos[s=s, p代入,qテイラー]のとき、
 | p - q | < R  ----G
を満たすことであった。いま上で調べたのはCos[ s=1/2, π代入, π/2テイラー]であったから、p=π,q=π/2である。
また、Bのベキ級数の収束半径Rを計算すると、R=π/2と出た。
よって、| π - π/2 |=π/2であり、Gは満たさないがしかし| p - q | は収束半径Rと等しくなった。
さて<テイラーシステム成立の条件>であるとおり、このような場合は実際の数値計算で確める必要があるが
上でExcel計算で確めたように、収束は非常に遅いがζ(1/2)は-1.46035・・に徐々に収束していく。
ここはきわどい地点であり、よって別途具体的にFの収束を確めたのだが上のように無事収束する。
よって、F式は正しいとわかる。

 | p - q | が収束半径 R に等しくなる今回のような場合は、収束するかしないかのぎりぎりのところであり、
よって、上のように収束が極端に遅いことになるのであろう。

以上。


 EとDを代表として書いておく。

 (√2-1)・ζ(1/2)
      =(1-1/2^0.5)・0!/{2^0・(0!)^2}・ζ(1/2) - 2!/{2^2・(1!)^2)}・L(3/2)
         + (1-1/2^2.5)・4!/{2^4・(2!)^2}・ζ(5/2) - 6!/{2^6・(3!)^2)}・L(7/2)
           + (1-1/2^4.5)・8!/{2^8・(4!)^2}・ζ(9/2) - 10!/{2^10・(5!)^2)}・L(11/2)
             + (1-1/2^6.5)・12!/{2^12・(6!)^2}・ζ(13/2) - 14!/{2^14・(7!)^2)}・L(15/2)
                 ・・・・・・・・・・・・・・・・・


 (√2-1)・ζ(1/2)
       = -2^(-0.5)・(1/2^0-√2)・ζ(1/2) - L(-1/2)・π/(2^1・1!)
          + 2^1.5・(1/2^2-√2)・ζ(-3/2)・π^2/2! + L(-5/2)・π^3/(2^3・3!)
            - 2^3.5・(1/2^4-√2)・ζ(-7/2)・π^4/4! - L(-9/2)・π^5/(2^5・5!)  
              + 2^5.5・(1/2^6-√2)・ζ(-11/2)・π^6/6! + L(-13/2)・π^7/(2^7・7!)
                  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 上ではCos[ s=s, π代入, π/2テイラー]でのs=1/2の場合を見たわけであるが、以下sを変えて他の特殊値も出
していくことにする。
例えば、条件Cos[ s=1/2, π代入, π/2テイラー]とは、
 f(x)=(cosx)/1^0.5 + (cos2x)/2^0.5 + (cos3x)/3^0.5 + (cos4x)/4^0.5 + ・・・
という母関数をx=π/2周りでテイラー展開したのちπ代入を経由する形でテイラーシステムを行うという意味である。




2006/8/14            < ζ(5/2)値の導出  > Cos[ s=5/2, π代入, π/2テイラー]

 ζ(5/2)を条件Cos[ s=s, π代入, π/2テイラー]で求めてみる。

条件Cos[ s=5/2, π代入, π/2テイラー]とは、
 f(x)=(cosx)/1^2.5 + (cos2x)/2^2.5 + (cos3x)/3^2.5 + (cos4x)/4^2.5 + ・・・
という母関数をx=π/2周りでテイラー展開したのちπ代入を経由する形でテイラーシステムを行うという意味である。


[ζ(5/2)の導出] Cos[ s=5/2, π代入, π/2テイラー]
 まず
 f(x)=(cosx)/1^2.5 + (cos2x)/2^2.5 + (cos3x)/3^2.5 + (cos4x)/4^2.5 + ・・・ -------@

という母関数を考える。
 そして、まず上でx=πを代入すると
 f(π) = -(1-1/2^1.5)・ζ(5/2)   -------A

となる。ζ(5/2)の姿が現れた。

 次に、@の右辺をx=π/2の周りテイラー展開すると、次のようになる。

 f(x)= - 2^(-2.5)・(1-1/2^1.5)・ζ(5/2) - L(3/2)・(x-π/2)^1 /1!
     + 2^(-0.5)・(1-2^0.5)・ζ(1/2)・(x-π/2)^2 /2! + L(-1/2)・(x-π/2)^3 /3!
     - 2^1.5・(1-2^2.5)・ζ(-3/2)・(x-π/2)^4 /4! - L(-5/2)・(x-π/2)^5 /5!  
     + 2^3.5・(1-2^4.5)・ζ(-7/2)・(x-π/2)^6 /6! + L(-9/2)・(x-π/2)^7 /7!    -------B
       ・・・・・・・・・・・

  無限個の半整数ゼータ値が出てきた。こちらにもζ(5/2)が見える

 L(s)は
  L(s)= 1 - 1/3^s + 1/5^s - 1/7^s + 1/9^s - 1/11^s + 1/13^s - 1/15^s + ・・・
で、古典的ゼータであるディリクレのL関数L(χ,s)というゼータ関数の一種である。

 さて、Bにx=πを代入して次を得る。

 f(π)= - 2^(-2.5)・(1-1/2^1.5)・ζ(5/2) - L(3/2)・(π/2)^1 /1!
     + 2^(-0.5)・(1-2^0.5)・ζ(1/2)・(π/2)^2 /2! + L(-1/2)・(π/2)^3 /3!
     - 2^1.5・(1-2^2.5)・ζ(-3/2)・(π/2)^4 /4! - L(-5/2)・(π/2)^5 /5!  
     + 2^3.5・(1-2^4.5)・ζ(-7/2)・(π/2)^6 /6! + L(-9/2)・(π/2)^7 /7!    -------C
         ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 AとCは等しいので、

-(1-1/2^1.5)・ζ(5/2) 
   = - 2^(-2.5)・(1-1/2^1.5)・ζ(5/2) ・(π/2)^0 /0!- L(3/2)・(π/2)^1 /1!
     + 2^(-0.5)・(1-2^0.5)・ζ(1/2)・(π/2)^2 /2! + L(-1/2)・(π/2)^3 /3!
     - 2^1.5・(1-2^2.5)・ζ(-3/2)・(π/2)^4 /4! - L(-5/2)・(π/2)^5 /5!  
     + 2^3.5・(1-2^4.5)・ζ(-7/2)・(π/2)^6 /6! + L(-9/2)・(π/2)^7 /7!    -------D
         ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ζ(s)の関数等式
  ζ(1-s)=cos(πs/2)・Γ(s)・2^(1-s)・π^(-s)・ζ(s)
と、次のL(s)の関数等式
  L(1-s)=π^(-s)・2^s・Γ(s)・sin(sπ/2)・L(s)

を利用してL(-1/2),ζ(-3/2),・・・をすべて現実的なL(3/2) ,ζ(5/2),・・・に直すと、Dは次のEになる。

-(1-1/2^1.5)・ζ(5/2) 
  = - 2^(-2.5)・(1-1/2^1.5)・ζ(5/2) - L(3/2)・(π/2)
    + π^2・[2^(-0.5)・(1-2^0.5)・ζ(1/2)・0!/(2^2・2!・0!) + L(3/2)・2!/(2^4・3!・1!)
         + 2^1.5・(1-2^2.5)・ζ(5/2)4!/(2^10・4!・2!) + L(7/2)6!/(2^8・5!・3!)
         + 2^3.5・(1-2^4.5)・ζ(9/2)8!/(2^18・6!・4!) + L(11/2)・10/(2^12・7!・5!)  ----E
            ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・    ]

ζ(5/2)を左辺にまとめると、次となる。

-(1-1/2^2.5)・(1-1/2^1.5)・ζ(5/2) 
  = - L(3/2)・(π/2)
    + π^2・[-(1-1/2^0.5)・ζ(1/2)・0!/(2^2・2!・0!) + L(3/2)・2!/(2^4・3!・1!)
         -(1-1/2^2.5)・ζ(5/2)4!/(2^6・4!・2!) + L(7/2)6!/(2^8・5!・3!)
         -(1-1/2^4.5)・ζ(9/2)8!/(2^10・6!・4!) + L(11/2)・10/(2^12・7!・5!)  ----F
            ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・    ]

 美しい姿である

 ζ(5/2)は、ζ(5/2)=1.3414872571・・  ----G
である。
 さてFのL(3/2),ζ(5/2),L(7/2),ζ(9/2),・・・は現実世界で確固とした値と、ζ(1/2)の値(解析接続された値)
を用いて計算すれば右辺は収束する。ζ(5/2)=1.3414872・・とGの正しい値に収束することを確認した。
Fは交代級数であり且つ徐々に項の大きさが小さくなっていくから、確実に収束する(*)。

(*) 収束は冒頭のζ(1/2)よりはかなり速く、ExcelのVBAでプログラムを組み計算したが、999項目で1.341487298・・と なり、1千項目で
1.341487216・・ となった。(交互に振動しながら、中心線Gをまたぎながら それに徐々に近づいていく)  ζ(34.5)、L(33.5)より大きいゼータ
値はすべて1として計算している。

 収束半径を調べてみよう。Bベキ級数の収束半径Rはlim(An/An+1)(n->∞)で出すと、R=π/2と出た。
条件の[π代入, π/2テイラー]は冒頭のζ(1/2)と同じである。
| p - q | =| π - π/2 |=π/2なので、<テイラーシステム成立の条件>での| p - q |は 収束半径Rと等しい場合
に相当していることがわかる。ここはきわどい地点のはずであり、よって別途具体的にFの収束を確めたのだが上で
見たように、F右辺は正しく収束する。

以上。


 EとDを代表として書いておく。

-(1-1/2^1.5)・ζ(5/2) 
  = - 2^(-2.5)・(1-1/2^1.5)・ζ(5/2) - L(3/2)・(π/2)
    + π^2・[2^(-0.5)・(1-2^0.5)・ζ(1/2)・0!/(2^2・2!・0!) + L(3/2)・2!/(2^4・3!・1!)
         + 2^1.5・(1-2^2.5)・ζ(5/2)4!/(2^10・4!・2!) + L(7/2)6!/(2^8・5!・3!)
         + 2^3.5・(1-2^4.5)・ζ(9/2)8!/(2^18・6!・4!) + L(11/2)・10/(2^12・7!・5!) 
            ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・    ]


-(1-1/2^1.5)・ζ(5/2) 
   = - 2^(-2.5)・(1-1/2^1.5)・ζ(5/2)・(π/2)^0 /0! - L(3/2)・(π/2)^1 /1!
     + 2^(-0.5)・(1-2^0.5)・ζ(1/2)・(π/2)^2 /2! + L(-1/2)・(π/2)^3 /3!
     - 2^1.5・(1-2^2.5)・ζ(-3/2)・(π/2)^4 /4! - L(-5/2)・(π/2)^5 /5!  
     + 2^3.5・(1-2^4.5)・ζ(-7/2)・(π/2)^6 /6! + L(-9/2)・(π/2)^7 /7!
            ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・    





2006/8/17          < ζ(s)の導出 > Cos[s=s,π代入,π/2テイラー]

 上ではζ(1/2)やζ(5/2)の具体的な特殊値を出した。ここでは一般的なζ(s)の形で出しておきたい。
条件はCos[ s=s, π代入,π/2テイラー]である。
「百武彗星 その3」の<ζ(s)の導出>で出したζ(s)と比較すると面白い。

 やり方は、このページの上二つと同様にする。

[ζ(s)を導出する] Cos[s=s, π代入、π/2テイラー]
 まず
 f(x)=(cosx)/1^s + (cos2x)/2^s + (cos3x)/3^s + (cos4x)/4^s + ・・・ -------@

という母関数を考えます。
 まず@x=πを代入します。すると
 f(π) = -(1-1/2^(s-1))・ζ(s)   -------A

となり、ζ(s)が現れる。

 次に@の右辺をx=π/2の周りテイラー展開すると、次のようになる。

 f(x)= - 1/2^s・(1-1/2^(s-1))・ζ(s)・(x-π/2)^0 /0! - L(s-1)・(x-π/2)^1 /1!
     + 1/2^(s-2)・(1-1/2^(s-3))・ζ(s-2)・(x-π/2)^2 /2! + L(s-3)・(x-π/2)^3 /3!
     - 1/2^(s-4)・(1-1/2^(s-5))・ζ(s-4)・(x-π/2)^4 /4! - L(s-5)・(x-π/2)^5 /5!  
     + 1/2^(s-6)・(1-1/2^(s-7))・ζ(s-6)・(x-π/2)^6 /6! + L(s-7)・(x-π/2)^7 /7!    -------B
       ・・・・・・・・・・・

  無限個のゼータζ(s)、L(s)が出てきた。

 さて、Bにx=πを代入して次を得る。

 f(π)= - 1/2^s・(1-1/2^(s-1))・ζ(s)・(π/2)^0 /0! - L(s-1)・(π/2)^1 /1!
     + 1/2^(s-2)・(1-1/2^(s-3))・ζ(s-2)・(π/2)^2 /2! + L(s-3)・(π/2)^3 /3!
     - 1/2^(s-4)・(1-1/2^(s-5))・ζ(s-4)・(π/2)^4 /4! - L(s-5)・(π/2)^5 /5!  
     + 1/2^(s-6)・(1-1/2^(s-7))・ζ(s-6)・(π/2)^6 /6! + L(s-7)・(π/2)^7 /7!    ------C
       ・・・・・・・・・・・

 AとCは等しいので、

 -(1-1/2^(s-1))・ζ(s) 
   = - 2^(-s)・(1-2^(1-s))・ζ(s)・(π/2)^0 /0! - L(s-1)・(π/2)^1 /1!
     + 2^(2-s)・(1-2^(3-s))・ζ(s-2)・(π/2)^2 /2! + L(s-3)・(π/2)^3 /3!
     - 2^(4-s)・(1-2^(5-s))・ζ(s-4)・(π/2)^4 /4! - L(s-5)・(π/2)^5 /5!  
     + 2^(6-s)・(1-2^(7-s))・ζ(s-6)・(π/2)^6 /6! + L(s-7)・(π/2)^7 /7!    ------D
       ・・・・・・・・・・・

 CからDへの変形では例えば1/2^(s-3) を 2^(3-s) などと書き換えている。優雅な式である。

 ζ(s)を左辺にまとめて、次を得る。

 -(1-1/2^s)・(1-1/2^(s-1))・ζ(s) 
    = - L(s-1)・(π/2)^1 /1!+ 2^(2-s)・(1-2^(3-s))・ζ(s-2)・(π/2)^2 /2!
      + L(s-3)・(π/2)^3 /3!- 2^(4-s)・(1-2^(5-s))・ζ(s-4)・(π/2)^4 /4!
      - L(s-5)・(π/2)^5 /5!+ 2^(6-s)・(1-2^(7-s))・ζ(s-6)・(π/2)^6 /6!
      + L(s-7)・(π/2)^7 /7!- 2^(8-s)・(1-2^(9-s))・ζ(s-8)・(π/2)^8 /8!    ------E
                  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

さて、ζ(s)の関数等式
  ζ(1-s)=cos(πs/2)・Γ(s)・2^(1-s)・π^(-s)・ζ(s)      ------F
と、次のL(s)の関数等式
  L(1-s)=π^(-s)・2^s・Γ(s)・sin(sπ/2)・L(s)
を用いて、Eをガンマ関数Γ(x)が出る形に書き直すと、

 -(1-1/2^s)・(1-1/2^(s-1))・ζ(s) 
= (π/2)^s・[- L(2-s)/{Γ(s-1)・sin((s-1)π/2)・1!} + (2^(s-3)-1)・ζ(3-s)/{Γ(s-2)・cos((s-2)π/2)・2!}
         + L(4-s)/{Γ(s-3)・sin((s-3)π/2)・3!} - (2^(s-5)-1)・ζ(5-s)/{Γ(s-4)・cos((s-4)π/2)・4!}
         - L(6-s)/{Γ(s-5)・sin((s-5)π/2)・5!} + (2^(s-7)-1)・ζ(7-s)/{Γ(s-6)・cos((s-6)π/2)・6!}
         + L(8-s)/{Γ(s-7)・sin((s-7)π/2)・7!} - (2^(s-9)-1)・ζ(9-s)/{Γ(s-8)・cos((s-8)π/2)・8!}
                     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・]   -----G

 この式もまた美しい。

以上。

 E.Gより、ζ(s)が無限個のζ(s)、L(s)で表現できたわけである。

 Gはガンマ関数Γ(x)が現れている点が興味深い。しかし、GはEの関数等式の性質をひきずっており、それは
とりもなおさずFではζ(3),ζ(5),・・がわからないというFの欠点をひきずっていることを意味する。
例えば、Gでs=3,5,・・を代入していただきたい。だめですね。

 ところがEではそんなs=3,5,・・でもOKなのであるから、きわめて一般的な式であるといえる。
(注意:ζ(1)が出ると思われるかもしれないが、それに関しては「百武彗星 その3」< ζ(s)式を具体的に見る >で示した通り、
(1-1/2^0)・ζ(1)=log2 であり、実際の計算ではζ(1)など出ず、log2が出てうまくいく。)

E、Gを再度書いておく。

テイラーシステムによって得られたζ(s)の表式  条件Cos[ s=s, π代入,π/2テイラー]

 -(1-1/2^s)・(1-1/2^(s-1))・ζ(s) 
   = - L(s-1)・(π/2)^1 /1!
     + 2^(2-s)・(1-2^(3-s))・ζ(s-2)・(π/2)^2 /2! + L(s-3)・(π/2)^3 /3!
     - 2^(4-s)・(1-2^(5-s))・ζ(s-4)・(π/2)^4 /4! - L(s-5)・(π/2)^5 /5!  
     + 2^(6-s)・(1-2^(7-s))・ζ(s-6)・(π/2)^6 /6! + L(s-7)・(π/2)^7 /7!
            ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 -(1-1/2^s)・(1-1/2^(s-1))・ζ(s) 
   = (π/2)^s・[- L(2-s)/{Γ(s-1)・sin((s-1)π/2)・1!} + (2^(s-3)-1)・ζ(3-s)/{Γ(s-2)・cos((s-2)π/2)・2!}
            + L(4-s)/{Γ(s-3)・sin((s-3)π/2)・3!} - (2^(s-5)-1)・ζ(5-s)/{Γ(s-4)・cos((s-4)π/2)・4!}
            - L(6-s)/{Γ(s-5)・sin((s-5)π/2)・5!} + (2^(s-7)-1)・ζ(7-s)/{Γ(s-6)・cos((s-6)π/2)・6!}
            + L(8-s)/{Γ(s-7)・sin((s-7)π/2)・7!} - (2^(s-9)-1)・ζ(9-s)/{Γ(s-8)・cos((s-8)π/2)・8!}
                        ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・] 




 整理整頓の意味で、「百武彗星 その3」の<ζ(s)の導出>でCos[ s=s, π/2代入, πテイラー]で出したζ(s)も
下に示しておく。上と条件が違うことに注意。比較しつつ、味わっていただきたい。

テイラーシステムによって得られたζ(s)の表式  条件Cos[ s=s, π/2代入,πテイラー]

 (1-1/2^s)・(1-1/2^(s-1))・ζ(s) 
  = (1-1/2^(s-3))・ζ(s-2)π^2 /(2!・2^2)
    - (1-1/2^(s-5))・ζ(s-4)π^4 /(4!・2^4)
     + (1-1/2^(s-7))・ζ(s-6)π^6 /(6!・2^6)
      - (1-1/2^(s-9))・ζ(s-8)π^8 /(8!・2^8)
       + (1-1/2^(s-11))・ζ(s-10)π^10 /(10!・2^10)
             ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 


 (1-1/2^s)・(1-1/2^(s-1))・ζ(s) 
  = {π^s/cos(πs/2)}・[(1-2^(s-3))・{ζ(3-s)/Γ(s-2)/(2!・2^2)
                  + (1-2^(s-5))・{ζ(5-s)/Γ(s-4)}/(4!・2^4)
                   + (1-2^(s-7))・{ζ(7-s)/Γ(s-6)}/(6!・2^6)
                    + (1-2^(s-9))・{ζ(9-s)/Γ(s-8)/(8!・2^8)
                     + (1-2^(s-11))・{ζ(11-s)/Γ(s-10)/(10!・2^10)
                           ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・   ]







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