エンケ彗星 その4

 二つの一般式をある観点から考察した。
Cos[ s=s, π代入, π/2テイラー]とCos[ s=s, π/2代入, πテイラー]の一般式より、ζ(3)、ζ(5)、ζ(7)の式を
出し、「有限個の現代数学で不明な値」=「無限個の自明な値」の形にまとめた。


2006/9/22            < 最大変数逆転の二種類の一般式を味わう 

 「エンケ彗星 その3」で「L(2N)とζ(2N-1)の有限和=ζ(2n)とL(2n+1)の無限和」の式を出していたが、
じつは「エンケ彗星 その2」でも同種の式を出していた。ζ(3)にのみ目をうばわれて、その種の形が出ているのを
うっかりしていた。
 じつは「その2」での式は、「その3」の式とはまた少し違ったものとなっていて面白いのである。

 まず「その2」で示した一般の式を書いておく。私のテイラーシステムによって導かれたものである。

テイラーシステムによって得られたζ(s)の表式  条件Cos[ s=s, π代入,π/2テイラー]

 -(1-1/2^s)・(1-1/2^(s-1))・ζ(s) 
   = - L(s-1)・(π/2)^1 /1!
     + 2^(2-s)・(1-2^(3-s))・ζ(s-2)・(π/2)^2 /2! + L(s-3)・(π/2)^3 /3!
     - 2^(4-s)・(1-2^(5-s))・ζ(s-4)・(π/2)^4 /4! - L(s-5)・(π/2)^5 /5!  
     + 2^(6-s)・(1-2^(7-s))・ζ(s-6)・(π/2)^6 /6! + L(s-7)・(π/2)^7 /7!   --------A
            ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 -(1-1/2^s)・(1-1/2^(s-1))・ζ(s) 
   = (π/2)^s・[- L(2-s)/{Γ(s-1)・sin((s-1)π/2)・1!} + (2^(s-3)-1)・ζ(3-s)/{Γ(s-2)・cos((s-2)π/2)・2!}
            + L(4-s)/{Γ(s-3)・sin((s-3)π/2)・3!} - (2^(s-5)-1)・ζ(5-s)/{Γ(s-4)・cos((s-4)π/2)・4!}
            - L(6-s)/{Γ(s-5)・sin((s-5)π/2)・5!} + (2^(s-7)-1)・ζ(7-s)/{Γ(s-6)・cos((s-6)π/2)・6!}
            + L(8-s)/{Γ(s-7)・sin((s-7)π/2)・7!} - (2^(s-9)-1)・ζ(9-s)/{Γ(s-8)・cos((s-8)π/2)・8!}
                        ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・]  ---B



 「その2」では、Aでs=3として次を導いたのであった。

  -(1-1/2^3)・(1-1/2^2)・ζ(3) 
     = - L(2)・(π/2)^1 /1! + 2^(-1)・log2 ・(π/2)^2 /2!
       + L(0)・(π/2)^3 /3! - 2^1・(1-2^2)・ζ(-1)・(π/2)^4 /4!
       - L(-2)・(π/2)^5 /5! + 2^3・(1-2^4)・ζ(-3)・(π/2)^6 /6!
       + L(-4)・(π/2)^7 /7! - 2^5・(1-2^6)・ζ(-5)・(π/2)^8 /8!    ------@
        ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 そして、またBから次も出した。(あるいは、@から関数等式を用いて置換してももちろん次式は出る)

  (1-1/2^3)・(1-1/2^2)・ζ(3) 
     = L(2)・(π/2)^1 /1! - log2 ・π^2 /(2^3・2!) - L(0)・(π/2)^3 /3!
        + (π/2)^2・[(1-1/2^2)・ζ(2)・1!/4! - L(3)・2!/5!
                + (1-1/2^4)・ζ(4)・3!/6! - L(5)・4!/7!
                + (1-1/2^6)・ζ(8)・7!/10! - L(7)・8!/11!     ------A
                  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・]

 「エンケ彗星 その3」でやった観点から改めて上式を眺めると、@で(Aも同じだが)ζ(3)とL(2)を左辺にもって
くることで、
  現代数学で不明な値の有限和(左辺)=自明な値の無限和(右辺)
とできると気づく。
その形にしよう。@でL(2)を左辺にもってくると、次のようになる。

   - (1-1/2^3)・(1-1/2^2)・ζ(3) + L(2)・(π/2)^1 /1!
     = 2^(-1)・log2 ・(π/2)^2 /2!
       + L(0)・(π/2)^3 /3! - 2^1・(1-2^2)・ζ(-1)・(π/2)^4 /4!
        - L(-2)・(π/2)^5 /5! + 2^3・(1-2^4)・ζ(-3)・(π/2)^6 /6!
         + L(-4)・(π/2)^7 /7! - 2^5・(1-2^6)・ζ(-5)・(π/2)^8 /8!    -------B
            ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 念のため、Aでも同様にしておこう(符号はBのように揃えた)。

   - (1-1/2^3)・(1-1/2^2)・ζ(3) + L(2)・(π/2)^1 /1!
     = log2 ・π^2 /(2^3・2!) + L(0)・(π/2)^3 /3!
        - (π/2)^2・[(1-1/2^2)・ζ(2)・1!/4! - L(3)・2!/5!
                 + (1-1/2^4)・ζ(4)・3!/6! - L(5)・4!/7!
                  + (1-1/2^6)・ζ(8)・7!/10! - L(7)・8!/11!     -------C
                     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・]

 さて、B(とC)が出たわけであるが、ここでこれを「エンケ彗星 その3」での式と比べたい。

******************* 「その3」で導出した式 *************************

 L(2)・(π/2)^1 /1!
  = L(0)・(π/2)^3 /3! + (1+2^(-1))・log2π^2 /(2!・2^2)
    - L(-2)・(π/2)^5 /5!- (1+2^1)・(1-2^2)・ζ(-1)π^4 /(4!・2^4)
      + L(-4)・(π/2)^7 /7!+ (1+2^3)・(1-2^4)・ζ(-3)π^6 /(6!・2^6)
       - L(-6)・(π/2)^9 /9!- (1+2^5)・1-2^6)・ζ(-5)π^8 /(8!・2^8)  -----D
            ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 -L(4)・(π/2)^1 /1!+ (1+2^(-3))・(1-2^(-2))・ζ(3)π^2 /(2!・2^2) + L(2)・(π/2)^3 /3!

  = (1+2^(-1))・log2π^4 /(4!・2^4) + L(0)・(π/2)^5 /5!
     - (1+2^1)・(1-2^2)・ζ(-1)π^6 /(6!・2^6) - L(-2)・(π/2)^7 /7!
       + (1+2^3)・1-2^4)・ζ(-3)π^8 /(8!・2^8) + L(-4)・(π/2)^9 /9!
         - (1+2^5)・1-2^6)・ζ(-5)π^10 /(10!・2^10) - L(-6)・(π/2)^11 /11!  -----E
            ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

**************************************************************

 これらを比較して何か気づかないだろうか?

 すぐわかることだが、じつはBは
ζ(n)、L(n-1)、ζ(n-2)、L(n-3)、・・・という形でゼータが出ている。
ゼータ(s)の最大の変数sは、ζ(s)の方がL(s)より大きくなっている。

 一方、「D、E」を観察すると、
L(n)、ζ(n-1)、L(n-2)、ζ(n-3)、・・・という形でゼータが出ている。
つまり、最大変数sは、L(s)の方がζ(s)より大きくなっている。

すなわち、「D、E」とBを比べると、最も大きな変数をもつゼータの種類が違っていることに気づく。

 さらに、これを一般式で比べて見てみよう。
冒頭の式の再掲となるが、テイラーシステムを用い条件Cos[ s=s, π代入, π/2テイラー]で求めた式が次であった。

テイラーシステムによって得られたζ(s)の表式  条件Cos[ s=s, π代入,π/2テイラー]

 -(1-1/2^s)・(1-1/2^(s-1))・ζ(s) 
   = - L(s-1)・(π/2)^1 /1!
     + 2^(2-s)・(1-2^(3-s))・ζ(s-2)・(π/2)^2 /2! + L(s-3)・(π/2)^3 /3!
     - 2^(4-s)・(1-2^(5-s))・ζ(s-4)・(π/2)^4 /4! - L(s-5)・(π/2)^5 /5!  
     + 2^(6-s)・(1-2^(7-s))・ζ(s-6)・(π/2)^6 /6! + L(s-7)・(π/2)^7 /7!   --------A
            ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 次に、「その3」で出した次式を再掲する。
 これは、テイラーシステムのCos[ s=s, π/2代入, πテイラー]とCos[ s=s, π代入, π/2テイラー]での一般式二つを
組み合わせて導出した式である。

ζ(s)の無限和=L(s)の無限和

   (1+2^(2-s))・(1-2^(3-s))・ζ(s-2)π^2 /(2!・2^2)
     - (1+2^(4-s))・(1-2^(5-s))・ζ(s-4)π^4 /(4!・2^4)
       + (1+2^(6-s))・(1-2^(7-s))・ζ(s-6)π^6 /(6!・2^6)
        - (1+2^(8-s))・1-2^(9-s))・ζ(s-8)π^8 /(8!・2^8)
              ・・・・・・・・・・・
        =L(s-1)・(π/2)^1 /1!
          - L(s-3)・(π/2)^3 /3!
           + L(s-5)・(π/2)^5 /5!
             - L(s-7)・(π/2)^7 /7!   --------
                  ・・・・・・・・


 AとCを比べてみれば、
Aでは、ζ(s)、L(s-1)、・・・という形でゼータが出現している。
一方、Cでは、L(s-1)、ζ(s-2)、・・・という形で出ている。

つまり、最大変数をもつゼータの種類が違ったもの(逆に)になっているのである。
 AとCの一般式で逆になっているのだから、具体例で逆になったのは当たり前というわけである。

 では、AとCでなぜ最大変数のゼータの種類が逆になったのだろうか?
それはCの導出の仕方に秘密がある。「その3」でCを導いたとき、二つの一般式からζ(s)を消去したのだが、
それで最大変数をもつζ(s)がなくなり、L(s)の変数sがそれを上回ったためである。
「その3」の< [ ζ(s)の無限和=L(s)の無限和 ]の式の導出 >で導出過程をもう一度味わっていただきたい。

 は同じように見えて違っている。じつに味わい深い意味があるのである。





2006/9/23      < 「エンケ彗星 その2」の一般式からζ(5)、ζ(7)の場合を出す 

 上からの続きである。
をさらに具体的に比較するため、エンケ彗星 その2」の一般式から、ζ(5)、ζ(7)も出しておこう。
 「その2」で示した一般式は、一つ上でも見た次である。

テイラーシステムによって得られたζ(s)の表式  条件Cos[ s=s, π代入,π/2テイラー]

 -(1-1/2^s)・(1-1/2^(s-1))・ζ(s) 
   = - L(s-1)・(π/2)^1 /1!
     + 2^(2-s)・(1-2^(3-s))・ζ(s-2)・(π/2)^2 /2! + L(s-3)・(π/2)^3 /3!
     - 2^(4-s)・(1-2^(5-s))・ζ(s-4)・(π/2)^4 /4! - L(s-5)・(π/2)^5 /5!  
     + 2^(6-s)・(1-2^(7-s))・ζ(s-6)・(π/2)^6 /6! + L(s-7)・(π/2)^7 /7!   --------A
            ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 ζ(3)は、「その2」や一つ上で出したが、念のため記すと、次のようになる。

   - (1-1/2^3)・(1-1/2^2)・ζ(3) + L(2)・(π/2)^1 /1!
     = 2^(-1)・log2 ・(π/2)^2 /2!
       + L(0)・(π/2)^3 /3! - 2^1・(1-2^2)・ζ(-1)・(π/2)^4 /4!
        - L(-2)・(π/2)^5 /5! + 2^3・(1-2^4)・ζ(-3)・(π/2)^6 /6!
         + L(-4)・(π/2)^7 /7! - 2^5・(1-2^6)・ζ(-5)・(π/2)^8 /8!    -------@
               ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 さてζ(5)を出してみよう。
Aでs=5とすると、

 -(1-1/2^5)・(1-1/2^4)・ζ(5) 
   = - L(4)・(π/2)^1 /1!
      + 2^(-3)・(1-2^(-2))・ζ(3)・(π/2)^2 /2! + L(2)・(π/2)^3 /3!
       - 2^(-1)・(1-2^0)・ζ(1)・(π/2)^4 /4! - L(0)・(π/2)^5 /5!  
        + 2^1・(1-2^2)・ζ(-1)・(π/2)^6 /6! + L(-2)・(π/2)^7 /7!
         - 2^3・(1-2^4)・ζ(-3)・(π/2)^8 /8! - L(-4)・(π/2)^9 /9!  
               ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ζ(5)、ζ(3)、L(4)、L(2)を左辺に移項すると、次となる。

 -(1-1/2^5)・(1-1/2^4)・ζ(5) + L(4)・(π/2)^1 /1!
   - 2^(-3)・(1-2^(-2))・ζ(3)・(π/2)^2 /2! - L(2)・(π/2)^3 /3!
   = - 2^(-1)・(1-2^0)・ζ(1)・(π/2)^4 /4! - L(0)・(π/2)^5 /5!  
      + 2^1・(1-2^2)・ζ(-1)・(π/2)^6 /6! + L(-2)・(π/2)^7 /7!
       - 2^3・(1-2^4)・ζ(-3)・(π/2)^8 /8! - L(-4)・(π/2)^9 /9!  
               ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

   (1-2^0)・ζ(1)=log2より、それに置き換えると、次のようになる。

 -(1-1/2^5)・(1-1/2^4)・ζ(5) + L(4)・(π/2)^1 /1!
   - 2^(-3)・(1-2^(-2))・ζ(3)・(π/2)^2 /2! - L(2)・(π/2)^3 /3!
   = - 2^(-1)・log2・(π/2)^4 /4! - L(0)・(π/2)^5 /5!  
      + 2^1・(1-2^2)・ζ(-1)・(π/2)^6 /6! + L(-2)・(π/2)^7 /7!
       - 2^3・(1-2^4)・ζ(-3)・(π/2)^8 /8! - L(-4)・(π/2)^9 /9!
        + 2^5・(1-2^6)・ζ(-5)・(π/2)^10 /10! + L(-6)・(π/2)^11 /11!   -------A
               ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ζ(5)、ζ(3)、L(4)、L(2)は現代数学で不明とされる値であるから、Aで
 「有限個の現代数学で不明な値」=「無限個の自明な値」
の形にできた。

 ζ(7)を出してみよう。
Aでs=7とすると、

 -(1-1/2^7)・(1-1/2^6))・ζ(7) 
   = - L(6)・(π/2)^1 /1!
     + 2^(-5)・(1-2^(-4))・ζ(5)・(π/2)^2 /2! + L(4)・(π/2)^3 /3!
     - 2^(-3)・(1-2^(-2))・ζ(3)・(π/2)^4 /4! - L(2)・(π/2)^5 /5!
     + 2^(-1)・(1-2^0)・ζ(1)・(π/2)^6 /6! + L(0)・(π/2)^7 /7!
     - 2^1・(1-2^2)・ζ(-1)・(π/2)^8 /8! - L(-2)・(π/2)^9 /9!
     + 2^3・(1-2^4)・ζ(-3)・(π/2)^10 /10! + L(-4)・(π/2)^11 /11!
            ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ζ(7)、ζ(5)、ζ(3)、L(6)、L(4)、L(2)を左辺に移項すると、次となる。

   -(1-1/2^7)・(1-1/2^6))・ζ(7) + L(6)・(π/2)^1 /1!
     - 2^(-5)・(1-2^(-4))・ζ(5)・(π/2)^2 /2! - L(4)・(π/2)^3 /3!
       + 2^(-3)・(1-2^(-2))・ζ(3)・(π/2)^4 /4! + L(2)・(π/2)^5 /5!
     = 2^(-1)・(1-2^0)・ζ(1)・(π/2)^6 /6! + L(0)・(π/2)^7 /7!
         - 2^1・(1-2^2)・ζ(-1)・(π/2)^8 /8! - L(-2)・(π/2)^9 /9!
           + 2^3・(1-2^4)・ζ(-3)・(π/2)^10 /10! + L(-4)・(π/2)^11 /11!
                ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 (1-2^0)・ζ(1)=log2より、それで置き換えると、

    -(1-1/2^7)・(1-1/2^6)・ζ(7) + L(6)・(π/2)^1 /1!
      - 2^(-5)・(1-2^(-4))・ζ(5)・(π/2)^2 /2! - L(4)・(π/2)^3 /3!
        + 2^(-3)・(1-2^(-2))・ζ(3)・(π/2)^4 /4! + L(2)・(π/2)^5 /5!
     = 2^(-1)・log2・(π/2)^6 /6! + L(0)・(π/2)^7 /7!
        - 2^1・(1-2^2)・ζ(-1)・(π/2)^8 /8! - L(-2)・(π/2)^9 /9!
          + 2^3・(1-2^4)・ζ(-3)・(π/2)^10 /10! + L(-4)・(π/2)^11 /11!
           - 2^5・(1-2^6)・ζ(-5)・(π/2)^12 /12! - L(-6)・(π/2)^13 /13!   -------B
                ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ζ(7)、ζ(5)、ζ(3)、L(6)、L(4)、L(2)は現代数学で不明とされる値であるから、Aで
 「有限個の現代数学で不明な値」=「無限個の自明な値」
の形にできた。

まとめておく。
テイラーシステム Cos[ s=s, π代入,π/2テイラー]一般式から得られた式


   - (1-2^(-3))・(1-2^(-2))・ζ(3) + L(2)・(π/2)^1 /1!
     = 2^(-1)・log2 ・(π/2)^2 /2!
       + L(0)・(π/2)^3 /3! - 2^1・(1-2^2)・ζ(-1)・(π/2)^4 /4!
        - L(-2)・(π/2)^5 /5! + 2^3・(1-2^4)・ζ(-3)・(π/2)^6 /6!
         + L(-4)・(π/2)^7 /7! - 2^5・(1-2^6)・ζ(-5)・(π/2)^8 /8!
               ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



  -(1-2^(-5))・(1-2^(-4))・ζ(5) + L(4)・(π/2)^1 /1!
    - 2^(-3)・(1-2^(-2))・ζ(3)・(π/2)^2 /2! - L(2)・(π/2)^3 /3!
   = - 2^(-1)・log2・(π/2)^4 /4! - L(0)・(π/2)^5 /5!  
      + 2^1・(1-2^2)・ζ(-1)・(π/2)^6 /6! + L(-2)・(π/2)^7 /7!
       - 2^3・(1-2^4)・ζ(-3)・(π/2)^8 /8! - L(-4)・(π/2)^9 /9!
        + 2^5・(1-2^6)・ζ(-5)・(π/2)^10 /10! + L(-6)・(π/2)^11 /11!
               ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



  -(1-2^(-7))・(1-2^(-6))・ζ(7) + L(6)・(π/2)^1 /1!
    - 2^(-5)・(1-2^(-4))・ζ(5)・(π/2)^2 /2! - L(4)・(π/2)^3 /3!
      + 2^(-3)・(1-2^(-2))・ζ(3)・(π/2)^4 /4! + L(2)・(π/2)^5 /5!
    = 2^(-1)・log2・(π/2)^6 /6! + L(0)・(π/2)^7 /7!
       - 2^1・(1-2^2)・ζ(-1)・(π/2)^8 /8! - L(-2)・(π/2)^9 /9!
         + 2^3・(1-2^4)・ζ(-3)・(π/2)^10 /10! + L(-4)・(π/2)^11 /11!
          - 2^5・(1-2^6)・ζ(-5)・(π/2)^12 /12! - L(-6)・(π/2)^13 /13!
               ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 Aから導かれたこれらの式では、最大の変数sはζ(s)の方がとっている。
一方、「エンケ彗星 その3」の式では、最大変数はL(s)がとっていた。この違いを味わいたい。

なお、
ζ(-1)=-1/12、 ζ(-3)=1/120、 ζ(-5)=-1/252、ζ(-7)=1/240、・・・
であり、
L(0)=1/2、 L(-2)=-1/2、 L(-4)=5/2、 L(-6)=-61/2、・・・ -----C
である。
ついでに、L(1)=π/4、 L(3)=π^3/32、 L(5)=5π^5/1536、 L(7)=61π^7/184320、・・
であるが、これは関数等式と介してCと通じている。
 これらは現代数学でよくわかっているものである。

 また、現代数学で不明とされる次の特殊値でも、数値的には当然わかっていて次となる。
ζ(3)=1.2020569032・・・
ζ(5)=1.0369277551・・・
ζ(7)=1.0083492774・・・
ζ(9)=1.0020083928・・・
 であり、
L(2)=0.9159655941・・・
L(4)=0.9889445517・・・
L(6)=0.9986852222・・・
L(8)=0.9999831640・・・
 である。これらζ(s)値はmath worldにある。L(s)の方は以前 佐藤郁郎氏にご教示いただいた。

これらの値を使って、電卓を叩いて収束を確かめられるが、右辺10項もしないうちに収束がはっきりと
確認できる。




2006/9/23        < 「百武彗星 その3」 ζ(3)、ζ(5)の式を再整理 

 上方からの流れから、百武彗星 その1」の結果も、

  「有限個の現代数学で不明な値」=「無限個の自明な値」   ------@
の形に整理しなおしておきたい。

さて、「百武彗星 その3」は、ζ(3)、ζ(5)を出したが、@の形に直しておく。
できるだけ、秩序だった形にしておきたいということである。

 まず百武彗星 その3で導出したCos[ s=s, π/2代入, πテイラー]で求めた一般式を書いておく。
テイラーシステムによって得られたζ(s)の表式  Cos[ s=s, π/2代入,πテイラー]


 (1-1/2^s)・(1-1/2^(s-1))・ζ(s) 
  = (1-1/2^(s-3))・ζ(s-2)π^2 /(2!・2^2)
    - (1-1/2^(s-5))・ζ(s-4)π^4 /(4!・2^4)
     + (1-1/2^(s-7))・ζ(s-6)π^6 /(6!・2^6)
      - (1-1/2^(s-9))・ζ(s-8)π^8 /(8!・2^8)
       + (1-1/2^(s-11))・ζ(s-10)π^10 /(10!・2^10)
         ・・・・・・・・・・・・・・・・


 「百武彗星 その3」の<ζ(s)式を具体的に見る> で上式にs=3、s=5として次のζ(3)、ζ(5)式を出した。

 (1-1/2^3)・(1-1/2^2)・ζ(3) 
  = log2π^2 /(2!・2^2)
    - (1-1/2^(-2))・ζ(-1)π^4 /(4!・2^4) + (1-1/2^(-4))・ζ(-3)π^6 /(6!・2^6)
      - (1-1/2^(-6))・ζ(-5)π^8 /(8!・2^8) + (1-1/2^(-8))・ζ(-7)π^10 /(10!・2^10)   ------A
         ・・・・・・・・・・・・・・・・

 (1-1/2^5)・(1-1/2^4)・ζ(5) 
  = (1-1/2^2)・ζ(3)π^2 /(2!・2^2) - log2・π^4 /(4!・2^4)
    + (1-1/2^(-2))・ζ(-1)π^6 /(6!・2^6) - (1-1/2^(-4))・ζ(-3)π^8 /(8!・2^8)
      + (1-1/2^(-6))・ζ(-5)π^10 /(10!・2^10) - (1-1/2^(-8))・ζ(-7)π^12 /(12!・2^12)   -----B
         ・・・・・・・・・・・・・・・

 さて、@の形にしよう。
Aはもちろんそのままでよいが、Bで右辺のζ(3)を左辺に移項して、

 (1-1/2^5)・(1-1/2^4)・ζ(5) - (1-1/2^2)・ζ(3)π^2 /(2!・2^2)
  = - log2・π^4 /(4!・2^4)
    + (1-1/2^(-2))・ζ(-1)π^6 /(6!・2^6) - (1-1/2^(-4))・ζ(-3)π^8 /(8!・2^8)
      + (1-1/2^(-6))・ζ(-5)π^10 /(10!・2^10) - (1-1/2^(-8))・ζ(-7)π^12 /(12!・2^12)   -----C
         ・・・・・・・・・・・・・・・

となる。A、Cをさらにきれいに整えると、次のようになる。

 (1-2^(-3))・(1-2^(-2))・ζ(3) 
  = log2π^2 /(2!・2^2)
    - (1-2^2)・ζ(-1)π^4 /(4!・2^4)
      + (1-2^4)・ζ(-3)π^6 /(6!・2^6)
        - (1-2^6)・ζ(-5)π^8 /(8!・2^8)
          + (1-2^8)・ζ(-7)π^10 /(10!・2^10)   ------A
            ・・・・・・・・・・・・・・・・

 (1-2^(-5))・(1-2^(-4))・ζ(5) - (1-2^(-2))・ζ(3)π^2 /(2!・2^2)
  = - log2・π^4 /(4!・2^4)
    + (1-2^2)・ζ(-1)π^6 /(6!・2^6)
     - (1-2^4)・ζ(-3)π^8 /(8!・2^8)
       + (1-2^6)・ζ(-5)π^10 /(10!・2^10)
         - (1-2^8)・ζ(-7)π^12 /(12!・2^12)   -----C
             ・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ああ、なんと美しいことか!
もちろん、左辺=右辺は
 「有限個の現代数学で不明な値」=「無限個の自明な値」
という形になっている。
 ついでに、s=7として、ζ(7)の場合も求めておこう。一般式から、次が出る。

 (1-1/2^7)・(1-1/2^6)・ζ(7)
  = (1-1/2^4)・ζ(5)π^2 /(2!・2^2)
    - (1-1/2^2)・ζ(3)π^4 /(4!・2^4)
     + (1-1/2^0)・ζ(1)π^6 /(6!・2^6)
      - (1-1/2^(-2))・ζ(-1)π^8 /(8!・2^8)
       + (1-1/2^(-4))・ζ(-3)π^10 /(10!・2^10)
         ・・・・・・・・・・・・・・・・

ζ(5)、ζ(3)項を左辺に移項し、また(1-2^0)・ζ(1)=log2よりそれに置き換えて、さらに整理整頓すると、
次のようになる。

  (1-2^(-7))・(1-2^(-6))・ζ(7) - (1-2^(-4))・ζ(5)π^2 /(2!・2^2)
       + (1-2^(-2))・ζ(3)π^4 /(4!・2^4)
   = log2・π^6 /(6!・2^6)
      - (1-2^2)・ζ(-1)π^8 /(8!・2^8)
       + (1-2^4)・ζ(-3)π^10 /(10!・2^10)
        - (1-2^6)・ζ(-5)π^12 /(12!・2^12)
         + (1-2^8)・ζ(-7)π^14 /(14!・2^14)
         ・・・・・・・・・・・・・・・・


テイラーシステム Cos[ s=s, π/2代入,πテイラー]一般式から得られた式


 (1-2^(-3))・(1-2^(-2))・ζ(3) 
  = log2π^2 /(2!・2^2)
    - (1-2^2)・ζ(-1)π^4 /(4!・2^4)
      + (1-2^4)・ζ(-3)π^6 /(6!・2^6)
        - (1-2^6)・ζ(-5)π^8 /(8!・2^8)
          + (1-2^8)・ζ(-7)π^10 /(10!・2^10)
            ・・・・・・・・・・・・・・・・



 (1-2^(-5))・(1-2^(-4))・ζ(5) - (1-2^(-2))・ζ(3)π^2 /(2!・2^2)
  = - log2・π^4 /(4!・2^4)
    + (1-2^2)・ζ(-1)π^6 /(6!・2^6)
     - (1-2^4)・ζ(-3)π^8 /(8!・2^8)
       + (1-2^6)・ζ(-5)π^10 /(10!・2^10)
         - (1-2^8)・ζ(-7)π^12 /(12!・2^12)
             ・・・・・・・・・・・・・・・・・



  (1-2^(-7))・(1-2^(-6))・ζ(7) - (1-2^(-4))・ζ(5)π^2 /(2!・2^2)
       + (1-2^(-2))・ζ(3)π^4 /(4!・2^4)
   = log2・π^6 /(6!・2^6)
      - (1-2^2)・ζ(-1)π^8 /(8!・2^8)
       + (1-2^4)・ζ(-3)π^10 /(10!・2^10)
        - (1-2^6)・ζ(-5)π^12 /(12!・2^12)
         + (1-2^8)・ζ(-7)π^14 /(14!・2^14)
         ・・・・・・・・・・・・・・・・


 これらの式は、「百武彗星 その1」で出したζ(3)、ζ(5)、ζ(7)の式ともちろん同値である。
ここでは、「有限個の現代数学で不明な値」=「無限個の自明な値」の形にまとめたのである。


 上の式の収束の速さは尋常ではなく、たちまちに収束していく(百武彗星 その1」でも確認したとおりであるが)
たとえば、最後のζ(7)の式など、
左辺は=0.014228372・・
となるが、
右辺はたったの3項を計算しただけで、
[3項までの和]=0.014228497・・
異常な速さで収束していくのである。


 読者も、興味あれば次の値を使って確認してください。
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ζ(-1)=-1/12、 ζ(-3)=1/120、 ζ(-5)=-1/252、ζ(-7)=1/240、・・・
ζ(3)=1.2020569032・・・
ζ(5)=1.0369277551・・・
ζ(7)=1.0083492774・・・
ζ(9)=1.0020083928・・・
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数学の研究