第一章のF値、第二章のボケに引き続き第四章でもまたボケです。
ボケには、前ボケ・後ボケ・スケスケ前ボケの3種類あります。その説明と運用。
玉ボケ・EXTRA BOKEHについても。
ボケ=被写界深度+距離の差
被写界深度=F値+撮影距離
| 作例集 |
被写体より後の背景部分をボカします。「ボケ」というと一般的に後ボケを指す場合が多いです。
ついついF値をすぐに開けてしまいますが、それでは被写界深度が浅くなり被写体自身の表現が無くなります。被写界深度が浅い事が絵コンテであればいいです。(例えば目の水晶体ピンで顔はぼかすなど)
しかし、ボケだけが欲しい場合は、被写体の後側は距離の差が作りやすいので、距離の差を大いに利用しましょう。
| 作例集 |
被写体より前の部分をボカします。被写体自身の前部分でもいいですし、前にある障害物でもかまいません。前にある何かをボカします。後ボケに比べて距離の差が大きくなくてもボケやすいです。
撮影している時、被写体との間に『なんか邪魔なものがあるなぁ〜被写体が撮りにくいなぁ〜』という時がありますよね?その邪魔なものを利用して前ボケを作るのです。
特に地面にいる被写体の場合、被写体以外にも近くの地面には必ずピントが合ってしまいます。ピントは点ではなく面でありますからどこかに必ずあります。前ボケはそんな被写体の周りの地面を隠してしまうのに有効です。
被写体以外のピントが合った煩雑な部分を、前ボケで隠して写真の中の情報を整理するのです。
F22であろうと前ボケは出ます。端はスケスケになります。深い被写界深度とボケは両立します。あなたが作ればいいのです。作って撮るのです。撮れちゃったのではなく、写真は撮るのです!!!
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で、、、撮れちゃった奴(^O^)〜まぁどう撮っても前ボケは出来ますな。撮れちゃうわけですな。でもどうせ撮れちゃうなら綺麗に仕上げましょう。前ボケを白飛びさせてぶっ飛ばしました。普通に撮ってもこういう前ボケはある程度白飛びします。それをさらにぶっ飛ばすには???そうです。逆に被写体に光を回さなくすれば明暗差が大きくなります。カメラが露出アンダーと判断してTTLにフラッシュ発光量の増加を命令します。被写体がローキーになる場合は、カメラマン命令で調光補正でローキーを解消すれば、そりゃもうぶっ飛びます。
被写体に光を回さない方法???簡単です。まずもう皆さんは光を回すベストなフラッシュ位置が理解出来てますね?そこから数cmずらせばいいだけです。まぁ外にずらしますか?光が回せる人には、回さない事は簡単。
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| 作例集 |
前ボケの中で後の風景を透過するものがあります。それをスケスケ前ボケと呼びます。ふわっと良い感じです。
前ボケのうちの一つ、被写体とレンズの間に障害物がある場合、に出来る前ボケ。間にある障害物で出来た前ボケには、少しだけスケスケ前ボケ部分が必ずあるのです。ボケの端の部分は必ずスケスケ前ボケになっています。しかし量が少ないため目立ちません。そのスケスケ前ボケの量を多くして目立つようになったものをスケスケ前ボケと呼びます。
スケスケ前ボケ量が増える条件
(1)前ボケを作る障害物がレンズと被写体の間にある事
(2)被写体から障害物が離れている事
(3)レンズから障害物が近い事
これで前ボケの端がスケスケ前ボケになります。
また
(4)その障害物が、シロガヤ・イソバナ・ヤギなど細いものであれば『端だらけ』なのでスケスケ前ボケ量が特に多くなる。
右の赤丸が被写体・左の赤丸がカメラの中の像・茶色ブロックが障害物・青矢印が写る時光が進む道
この絵では赤丸から出る光はすべて茶色の障害物に遮られます。完全に影にあるものは写りません。当たり前です。

障害物の後でなければ、当然写ります、、、あっこの絵要らないか(^O^)

端っこ部分では、上側の矢印では被写体がカメラに写ります。下側の矢印では、障害物が写ります。その二つは同じ場所で像を結びます。左のカメラの中の赤丸には茶色の障害物と赤丸の被写体の両方が写ります。手前の障害物の後に透けて赤丸がある事になります。これがスケスケ前ボケの秘密〜

障害物が、レンズに近い場合、青い矢印の赤丸は当然スケスケ。赤い矢印の一番最初の絵では写らなかった位置でもスケスケ前ボケになります。スケスケ前ボケ量が増えます。障害物が細いもの(ガヤ・イソバナ)であれば全面スケスケ前ボケになったりします。

スケスケ前ボケは、カメラのアングルが少し変わるだけでも、前ボケ感が一気に変動します。カメラをわずかに動かしながら試撮りをして良い位置を見つけて下さい。
この3枚の写真は、同じF値・ISO・SS、同じ場所で51秒間に撮られています。ほんの少しアングルが変わっているだけです。一気に前ボケ感が変わりますよね?しかしこれは、前ボケ量は変わっていません。F値も撮影距離も距離の差も同じです。ボケ量は同じです。
この3枚で違うのはスケスケ前ボケの面積です。
スケスケ前ボケが沢山写っているか?ちょっとしか写っていないか?の差です。
スケスケ前ボケのコントロールには、F値・撮影距離・距離の差でボケ量のコントロールをしますが、それに加えて、アングルを変えてスケスケ前ボケ面積を変えてコントロールする必要があります。
スケスケ前ボケではこれが重要です。
| スケスケ前ボケ51秒の3枚 |
玉ボケは、点光源が、ボケると出来ます。木漏れ日、水面のきらめき、イルミネーションなどが代表です。陸上では結構普通に出来ます。
水中マクロで玉ボケを作る場合陸上より少し難しくなります。それが近接マクロでは、玉ボケが出る良い距離というものが限られているからです。ボケてないと出ないしボケすぎても玉にならない〜また、イルミネーションのように自ら光る点光源などありません。光を点で反射するキラキラしたものを探さなければいけません。水中には多くありません。被写体限定です。
光を反射する人工物を置いて玉ボケを作るという、俗にキラメル系と呼ばれていた写真も2015年頃流行りました。
玉ボケについては別ページがありますので、そちらで見て下さいな。
| 玉ボケ&キラメルlab |
| 作例集 |
クローズアップレンズを付けると被写界深度が浅くなります。それを利用して、ボケ量を増やします。超ボケボケの写真が出来ます。ピントが来てるかどうかも分かんない位です。
| EXTRA BOKEH 図解 |
あっ簡単ではないです、だってピントあわないもん。まぁ興味がある方はどうぞ〜前ボケを有効に使って下さいね。
クローズアップレンズで近寄っての撮影ですのでAFが効きません。MFです。

さてボケの作例集です。
| 前ボケ&後ボケの・作例集 |
| 前ボケ・スケスケ前ボケ・後ボケの作例集 |
さてボケも色々。
後ボケは皆さんもう使いこなしているはずです。
いかがですか?前ボケ・スケスケ前ボケ。邪魔なものがあって被写体が撮りにくい時、邪魔なものがない場所をロケハンして綺麗に撮るのもいい考えです。しかし邪魔なものを構図に取り込んでしまえばもう邪魔ではなくなります。絵コンテ変更してしまえばいいのです。
あるでしょ?なんだよ邪魔だなぁ〜〜と思う時。それは光輝く一瞬なのかもしれません。
ただただ邪魔な場合もあるけど・・・(^O^)
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