意図的な嘘・SS

第一章・基本・SSより引用
●SSを遅くすると青い自然光の量が増えます。青の量が増え、明るくなっていくのです。『青明るく』なるのです。
●SSを速くすると青い自然光の量が減ります。青の量が減り、暗くなっていきます。『青無し暗く』なるのです。


第一章・SSのこの文章は、意図的な嘘です。

第一章・SS(2)では、前景〜後景におけるSSの影響についても書きました。しかし、理論的に、きちんと書かれている訳ではありません。わざと曖昧にして運用だけに重点を置いています。最重要項目なので、理解をシンプルに確実にするための細かい理論を排除した意図的な嘘です。第三章を読み進めるに従って、気づいた人も多いかと思います。

しかし、今から第四章・第五章の応用に進むには、この基礎知識を、基礎理論を、明確にしておかなければいけません。こんな所が曖昧ではいけないのです。という訳で確認クイズ〜〜〜

是非、答えをすぐ読まずに自分で考えて下さい〜〜自分でブレイン・ストーミングです。じっくり時間をかけて考えて、答えを詳細に文字にして書いて下さい。整理が出来て今後の役に立ちます。
答え見て、へぇぇぇ〜〜そう思ってたわ。分かってたし〜〜では、折角の機会がもったいないです。

答えを見て理解するのはとても簡単です。理論を理解するのもとても簡単です。

難しいのは、その答え以外のものがすべて間違いであると自分でわかる事。
難しいのは、自分で理論形成する事、ノットイコール(理論的に正しくない事)を、すべて証明する事です。

そのチャンスは最初の一回目にしかありません。答えを見た瞬間終わりです。
そしてそれが出来てこそ、人の真似ではなく、自分の写真を作り上げる事が出来るのです。

前半の卒業試験です〜〜〜


●水中マクロ写真において、SSを変化させた時、写真にはどのような影響が出るでしょうか?前景・中景・後景に分けて考えて下さい。

前提条件

水中ライトの影響は、無視して考えます。

解説は、第一章の話なのでISO感度固定・SS運用でしています。ISO感度での説明は省略、もう自分でわかるでしょ?

後景

一番簡単な後景からです。

水中写真の2つの光・七色のフラッシュ光と青い自然光のうち、後景には七色のフラッシュ光は関係がなく、青い自然光だけで写真が作られます。

カメラが四角20個分の光が必要だと考えたとしましょう。そして青い自然光量が4個分だとしましょう。
                                       

SSを、2倍遅くすると、青い自然光の量が2倍の8個に増えます。 光の総量も2倍に増えます。
                                       

SSを、2倍速くすると、青い自然光の量が1/2の2個に減ります。 光の総量も1/2に減ります。
                                       

後景は

●SSを遅くすると青い自然光の量が増えます。青の量が増え、明るくなっていくのです。『青明るく』なるのです。
●SSを速くすると青い自然光の量が減ります。青の量が減り、暗くなっていきます。『青無し暗く』なるのです。

後景については、第一章・SSの記述通りですね。ここには意図的な嘘はありません。

前景

水中写真の2つの光・七色のフラッシュ光と青い自然光のうち、前景は、七色のフラッシュ光と青い自然光両方の影響を受けます。

カメラが四角20個分の光が必要だと考えたとしましょう。そして青い自然光量が4個分だとしましょう。
                                       
フラッシュが足りない16個分光ります。 青い自然光が20%、七色のフラッシュ光が80%。
                                     


SSを、2倍遅くすると、青い自然光の量が2倍の8個に増えます。
                                       
フラッシュが足りない12個分光ります。光の総量は、変わりません。 青い自然光が40%、七色のフラッシュ光が60%。
                                       


SSを、2倍速くすると、青い自然光の量が1/2の2個に減ります。
                                       
フラッシュが足りない18個分光ります。光の総量は、変わりません。 青い自然光が10%、七色のフラッシュ光が90%。
                                       


前景は
●SSを遅くすると青い自然光の量が増えます。その分七色のフラッシュ光は減ります。光の総量は変わらないため、明るくも暗くもなりません。青い自然光比率が増え、七色のフラッシュ光比率が減ります。青被り度合いが増します。色の出方が、より青っぽくなります。
●SSを速くすると青い自然光の量が減ります。その分七色のフラッシュ光は増えます。光の総量は変わらないため、明るくも暗くもなりません。青い自然光比率が減り、七色のフラッシュ光比率が増えます。青被り度合いが減ります。色の出方が、より本来の色に近くなります。

そうです。意図的な嘘はここです。前景は、青明るくも青無し暗くもなりません。
明るさは変化しません。青被りするのです。
七色のフラッシュ光と青い自然光の比率(定常光比率)が変わる
のです。

(第一章・青被りと第二章色の出方も参照して下さい。)

前景 と後景の差

●前景は、明るさが変わらず、後景は明るさが変わる事
●前景は、七色のフラッシュ光と青い自然光の比率変化が起こり、後景は比率変化が起きない事。

この2つが説明出来ていれば、前半の卒業試験合格です(^O^)

あっ、中景

中景は前景と後景の真ん中です。従って影響も真ん中です。
●明るさも少し青明るく・少し青無し暗くなります。
●七色のフラッシュ光と青い自然光の比率変化もマイルドに起きます。

●近い中景は、ほぼ前景と同じです。
●真ん中の中景は、、、すべての変化も真ん中。
●遠い中景は、ほぼ後景と同じです。

という理解で十分です。



しかし、ちゃんと説明せんかい!!!というあなたに、書きますが、この先までは、理解する必要は無いです。閑話休題レベルになります。

閑話休題的中景

水中写真の2つの光・七色のフラッシュ光と青い自然光のうち、中景は、七色のフラッシュ光と青い自然光両方の影響を受けます。しかし七色のフラッシュ光の影響は、少なくなります。

カメラが四角20個分の光が必要だと考えたとしましょう。そして青い自然光量が4個分だとしましょう。
                                       
まず前景では、フラッシュが足りない16個分光ります。 青い自然光が20%、七色のフラッシュ光が80%。
                                     
中景では、フラッシュ光が弱く当たるため、前景の半分、フラッシュが8個分としましょう。
青い自然光が33%、七色のフラッシュ光が66%。 光の総量、12個分。
                                     


SSを、2倍遅くすると、青い自然光の量が2倍の8個に増えます。
                                       
まず前景では、フラッシュが足りない12個分光ります。光の総量は、変わりません。
青い自然光が40%、七色のフラッシュ光が60%。
                                       
中景では、フラッシュ光が弱く当たるため、前景の半分、フラッシュが6個分としましょう。
青い自然光が57%、七色のフラッシュ光が43%。 光の総量、14個分。
                                       


SSを、2倍速くすると、青い自然光の量が1/2の2個に減ります。
                                       
まず前景では、フラッシュが足りない18個分光ります。光の総量は、変わりません。
青い自然光が10%、七色のフラッシュ光が90%。
                                       
中景では、フラッシュ光が弱く当たるため、前景の半分、フラッシュが9個分としましょう。
青い自然光が18%、七色のフラッシュ光が82%。 光の総量、11個分。
                                       


中景は
●SSを遅くすると青い自然光の量が増えます。その分七色のフラッシュ光は減ります。光の総量は、少し増えます。少し青明るくなります。しかし、光の総量の変化は後景に比べればマイルドです。
青い自然光比率が増え、七色のフラッシュ光比率が減ります。青被り度合いが増します。色の出方が、より青っぽくなります。しかし、その変化は前景に比べればマイルドです。
●SSを速くすると青い自然光の量が減ります。その分七色のフラッシュ光は増えます。光の総量は、少し減ります。少し青無し暗くなります。しかし、光の総量の変化は後景に比べればマイルドです。
青い自然光比率が減り、七色のフラッシュ光比率が増えます。青被り度合いが減ります。色の出方が、より本来の色に近くなります。しかし、その変化は前景に比べればマイルドです。

光の総量
  SS1/2 SS SS2倍  
後景 2個 4個 8個 青明るく
青無し暗く
前景 20個 20個 20個 明るさ変化なし
中景 11個 12個 14個 少し青明るく
少し青無し暗く

青い自然光の比率
 SS1/2  SS  SS2倍  
後景 100%  100% 100% 比率変化なし
前景 10% 20% 40%  比率変化有り
中景 18%   33% 57%  少し比率変化有り

閑話休題的中景(2)

上記は中景にあたる七色のフラッシュ光が、1/2まで減衰する前提で検証しました。近い中景と遠い中景でも検証してみましょう。


●近い中景で、減衰が4/5の場合は、より前景に近くなります。
●遠い中景で、減衰が1/5の場合は、より後景に近くなります。

光の総量
  SS1/2 SS SS2倍  
後景 2個  4個 8個 青明るく
青無し暗く
前景 20個 20個 20個 明るさ変化なし
近い中景 16.4個 16.8個 17.6個 少し青明るく
少し青無し暗く
変化・小
中景 11個 12個 14個 少し青明るく
少し青無し暗く
遠い中景 5.6個 7.2個 10.4個 少し青明るく
少し青無し暗く
変化・大

青い自然光の比率
SS1/2 SS SS2倍  
後景 100% 100% 100% 比率変化なし
前景 10% 20% 40% 比率変化有り
近い中景 12.2% 23.8% 45.5% 少し比率変化有り
変化・大
中景 18%   33% 57%  少し比率変化有り
遠い中景 35.7% 55.5% 76.9% 少し比率変化有り
変化・小

Designed by CSS.Design Sample