星野はどっちでもいいけど田淵はかんべんしてくれ。この希代のホームランバッターが、せっかく杉浦さんが形にしたチームを2年でぶっこわしやがったのはいまだに忘れられないのです。畠山がダイエー馘にされたのはこのときでした。
ついに次号でラストの「ハネムーン サラダ」 。スタートからずっと楽しみなまんがのまま、ここまで来ました。あとは最終回を待つばかりです。
最終回:「パブロフの犬」(集中連載)(後藤羽矢子)
確かに半分以上エロまんが雑誌だなこれ。なぜこの雑誌に限ってさんりようこはエロ抜きだったんだろう。
「えすえふ」 はコメディタッチのエロ。「ナマイキなあまあし」 は足フェチまんが兼好きな子にいじわるしたくなる話、かな。あまあしは「雨脚」じゃなくて女の足だった。
読む。おかしい。笑う。
なんもかわらん。偉大なるマンネリ。
初出を見たら隔月に近い掲載ペースで連載してるのね。どうぞのんびりやってください。
「キャラメラ」 は主人公帰還。今回でひとくぎりで次から新しいおはなし。よかったけっこう心配してたんです。よかった。
予想以上にシビアな展開だった「国境なき医師団 イコマ」 は3号連続で次でラストとのこと。読切分合わせても単行本にはちょっと足りないか。
「(被)警察24時」 は今回初めて続きものの後編。気がつくと犬があたりまえのように口をききコートを着てカウンターに座る、とんでもないまんがにしていつもの感じのまんがになってるではないですか。素晴らしい。
目次にはほんとかうそか「大好評!」というあおりが。なんで好評なんだかよくわからんけどとにかくめでたいことではあります。しばらく安心していいのかな。
連載2回目「キリエ」 は硝煙まみれ血まみれの展開。これをどういうふうに大きな話につなげていくのでしょう。見もの。「ナックルボンバー学園」 は下ねただらけになってきた。「牛には/チンポがたくさんあります」ってあんた…
最終回:「刀真」(石渡洋二)
「ただいまつばくろ六丁目」 がおもしろい。引っ越し先に着いてみればなぜかそこはどこかの星で、同居人は変な宇宙人だらけというまんが。だからといって何がどうなるわけでもなく、女の子はたくさん出てくるが主人公が顔を赤らめるでもなく、どこかすっとぼけた感じが印象的でした。初めて読む人かと思ったら1年くらい前に電撃大王に描いてたみたいです。
「魔法少女4号ちゃん」が落っこちて代わりに載ってる「エンゼルリンク」 。落っこちてラッキーとかいったら怒られるけど、これ初掲載時(エース本誌の1999年5月号)には未読だったし、読めてよかった。「成恵の世界」からSF要素を取り除いておとなしくしたような純粋ラブコメで、上手いわけではないけどとてもいい。かみさまのみみと成恵の世界を結ぶミッシング・リンクを見つけたような心持ちです。つながってるじゃん。
本誌から侵食してきた「Dr.リアンが診てあげる」 はこの雑誌でも躊躇なく下ねた全開。ここまで来るとたいしたもんだ。「猫天使初期微動」 が16ページ載ってるのは個人的にうれしい。「総理大臣のえる+」 はライトノベルのまんが化らしくて、メガフリークの表紙で見慣れた絵だけどまんがは初めて。わりとオーソドックスでした。
「SSM。」 は…だんだんこれがないとこの雑誌がしまらないような気がしてきた。洗脳?
「樹葬」 が連載スタート。前回作とはうってかわってフルカラーの冥いまんがです。作者のもうひとつの顔。
「地球美紗樹」 はこれまで伏せられていた過去が一気に明かされる。そして登場人物たちが集合。ここからラストまでは一気かも。
いきなり「オレ流忍犬タテガミ」 が始まっていて大変びっくりする。こりゃまたしかし変なまんがだけど変なまんが上等。とりあえずどういう話になるのかまだよくわからんが、ともかくまず載ってればいいのです。しあわせ。
とんがった内容で押していた「ゴーダ哲学堂」 は今回がラストでした。内容はノンフィクション、かな。
新連載:「オレ流忍犬タテガミ」(たくまる圭)
最終回:「ゴーダ哲学堂」(業田良家)
読切:「Veloce」(西風)、「ご指名です ちひろさん」(千葉きよかず)
町田に寄り道しての帰り道。これまで何度も定期で改札出てイオカード腐らせてるので、気をつけろ気をつけろと降りたときから念じ続けて財布をちゃんと取り出して安心して、バスカードを手にしていることに改札1m前で気がつきました。バス乗るときにイオカード突っ込むのはすでに経験済みです。
プリペイドカードがすべて同じ材質サイズなのはとても便利なのだけど、同時に致命的なのでした。あたまにガタの来た人間にとっては。
「少年少女」 が急遽連載化。2回目の舞台はうってかわって第2次大戦直後のドイツで、少年少女はどちらもドイツ人。なんでまたドイツと思って読み始めたがこれがおもしろいのなんの。なんでこんなにおもしろいのかうまく説明できないのは1話目と同じ、でもほんとうにおもしろい。「G」や「DAY DREAM BELIEVER」とはぜんぜん雰囲気の違うまんがなのだけは確かです。いやおもしろい。
始まりました新連載「エマ」 はメイドまんが、ただし本格派。本格派つってもメイドが10人も20人も出てくるわけではないので念のため。間の取り方とか構図とかとてもうまい人で、これはこの先すごく楽しみにしています。
「よみきり▽もの」 、今回のサブタイトルは「あっちのやね こっちのやね」。しばらく前に載った話のこんどは向こう側のおはなしかと思って読み始めて、あれどこかで見たような登場人物と思って途中で気づく。アップルパラダイスじゃんこれ。コミックマスター連載作、変な学園舞台の変なまんが、ホビージャパンからの全3巻はたぶん絶版。ノワールから復刊されたのは今でも手に入るのかな。にしてもほんとに好きなふうに描いてるなあこの連載。
読切「ももこの禁止生活」 の作者は2001年10月号で「くそがき」を描いてた人だけど、絵がまるで違うので調べるまで気づかなかった。内容といいまるっきりかわいくない主人公の描き方といい、かなりあくの強いまんがです。さてはこっちの方が地か。「午後のチャンティック」 は3ヶ月ぶり登場のおなじみのバリ島もの。ドラッグまんが「ウルトラヘヴン」 は読んでるこっちまでおかしくなるようなところまで来ています。すごい。
新連載:「エマ」(森薫)
連載化:「少年少女」(福島聡)
最終回:「橋無医院」(第一部完)(林光黙)
シリーズ読切:「午後のチャンティック」(深谷陽)
読切:「ももこの禁止生活」(安永知澄)
来月予告に新展開とあった「清村くんと杉小路くんと」 は…いやいいややめとこ。感想は来月まわしにします。
読切がたくさん。「ながされて☆藍蘭島」 は変な原作(けなしてるのではない)付きではないので、三宅坂みたく豪快な展開を見せるわけではもちろんありません。基本線はラブコメで、ただしやたら踏んづけられたり下敷きになったりするシーンが多いあたりに個性がほの見える。漂流して流れ着いた島が女性ばっかりというのは古典的なような、でも最近の時流でもあるような。
これも読切「SUPER TERRORIZER」 は時代劇っぽい舞台設定になぜかロン毛で野球帽の主人公が出てくる無茶なまんが。タイトルや登場人物のネーミングやラストの下げ方からみると確かにゴツボ×リュウジかなと思うけど、線がずいぶん違うのがややひっかかってます。それだけまだまんがが固まってないということなのかな、でも実は双子の兄弟とかいう可能性も留保しておきたい気もしてます。たぶん気にしすぎなんだろうけど。さらに読切「コン太とサトキチ」 は4コマ。昔の投稿作かなんかみたいです。
連載陣はひいきにしてるのがどれも好調。「ままうまうままうまうままううま」の「魔法陣グルグル」 とか「4ページもつかって豪華な嘘」ついてる「ジャングルはいつもハレのちグゥ」 とかこんどは肉体的に主人公を追いつめてる「鋼の錬金術師」 とか。厚ぼったい絵がいい「パンツァークライン」 もがんばってます。このふたり同一号デビューだったんだよな確か。
読切:「バラバラマンガ」(坂本太郎)、「コン太とサトキチ」(土塚理弘)、「ながされて☆藍蘭島」(藤代健)、「ハルマゲどん」(渡辺志保梨)、「SUPER TERRORIZER」(ゴツボ☆マサル)、「眠れる魔王の物語」(坂本あきら)
死ぬほどセーブとコンティニューを繰り返してザナックを全面クリア。初プレイ以来約15年ぶりというのはいいとして、クリアしたあと1面からやってみたらなんだか10面や11面まで1クレジットで行くようになってしまってました。ひょっとして自分の人生の中でシューティングスキルは今が一番上なんじゃないかという気もします。STG年齢限界説は撤回しようかなあ。
すごく久しぶりの購入。前買ったのはたぶん「いごこちのいい場所」最終回の号。今度も買った理由は「サユリ1号」 の新連載。おれはこのひとのまんが−正確には村上かつら作・画のまんがが載ってる雑誌は買うのです。無条件で。
ああでもうれしい。むちゃくちゃうれしい。今度こそ、作者の納得行くまで続けてほしい。単行本になったそれを振り回して「お前らみんな買え!」とわめけるそんな日が来てほしい。初回の最終コマ、見透かしたような児玉知子の目がとても印象に残ってます。
友達の彼氏ねたの「エブリデイズ」 、今回はえらくストレートな展開だなと思ったら途中からぐいっと曲がってきたようなそんな内容。終わってみればよくある話なのだけど組み立てがうまいのでしょう、けっこう意表を突かれました。「ラブミーてんだい!」 はあと1回とのこと。これ、なんで単行本になってないんだろう。
ヤングコミックで3年近く続いてきた山川直人の「ナルミさん愛してる」が、来月発売号でとうとう最終回。でもって驚いたことにどうやら単行本になるそうです。商業出版社からの単行本は「あかい他人」以来およそ11年ぶりになるのか。これだけ間隔があくのはかなり珍しいことなんじゃないかしら。
新人賞佳作という読切「飛行機」 はタイトルそのまま、飛行機を作り飛ばしてしまう少女と少年のおはなし。うまいという感じではないけどラストがさわやかで素直なまんがだなあとか思ってたら、なんと作者は16歳だそうです。16歳!こうやって人間は自分の老いを自覚していくのかもしれません(やだなあ)。
「雲のグラデュアーレ」 と「女神の鉄槌」 がひとくぎり。後者はまるで最終回みたいな締めくくり方でどきりとしたけれど、大丈夫続いています。話が佳境に入ってきた「そして船は行く」 はでも脱線くせはあいかわらず。306〜309ページなんて、このなかで展開上必要なのは控え目に見て5コマでしょう。いや今回いちばんおもしろかったのはこの4ページなんだけど。
連載終了:「ブルーレスキュー」(高山裕樹+菊地秀行)(作者病気のため)
読切:「飛行機」(小松菜子)
おお「だめんつうぉ〜か〜」)。結婚したのは知ってたけど出産して離婚したのは知らなんだ。てんぱい娘が始まったころに比べるとすっかりメジャーになったけど作風はあいかわらずなような…
が描いとる(読切新連載:「麻雀無限会社39ZANK」(本そういち)
シリーズ読切:「わっぱ金五郎」(沖田龍児)
読切:「だめんつうぉ〜か〜」(倉田真由美)、「葬儀屋雀忌 三途」(飯山カズオ)
まんがが5つくらい載っていて、短いこともあって内容がどうという感じではないのだけど、相変わらず雰囲気のいい絵です。というかこれ、どれをどちらの人が描いたのかなかなか区別がつかないのはおれがあほなのかなあ。よく似てると思います。
これも短いまんがが4つ。こちらはそれぞれ絵に個性があって、でもってどれも好きな絵です。いちばん気になるのは「世界の果てまでintroduction」(こう1)だけどこれは4ページ。もう少しまとまったまんがを読んでみたいな。
どちらもゾンビものだけど、その内容はゾンビの定義からして大きく異なります。前者は意識なく徘徊して伝染するトラディッショナルな(?)ゾンビ。後者は普通の人間のように生きて話すゾンビ。
であるので描かれる内容も自動的に別物で、前者の主人公はゾンビハンターの男女。「道徳的に15禁」というこれは確かにこれ載せる勇気のある商業誌はないかもとは思うけど、まんがとしてはたいへんおもしろい。ゾンビの容姿が生きている人間と大差のないものとして描かれ、かつ伝染によりすみやかに狩るほうから狩られるほうへの配置転換がなされるのが、ストーリー上キーポイントになってます。極めて異様ながらこれは一種の日常まんがかもしれません。
狩られるだけの存在だったゾンビが後者ではいくつかの短編での主人公。クラスに戻ってきたり、アイドルだったり、風呂に入って(二重の意味で)生き返ったりする彼女たち。この手の「人間みたいだけど人間でない、この世に居場所のない存在」は幽霊や妖怪として数多くまんがに描かれてきたけど、ゾンビにその役を担わせたのはあまり例がなさそう。かつて生きていていまも生きているようだけど死んでいてでも実体はある知り合いもいる存在。一種の思考実験まんがにもなっています。
漁村を舞台にしたまんが。ただし、実際の漁村のありさまを描いたものというよりは、一種のファンタジーというほうが近いかもしれません。作者が漁村出身でないということを考えるとなおさら。
ファンタジーがファンタジーとして成立するためには、それが共通言語で描かれている必要があります。架空の世界の物語であっても、登場人物たちの行動や心情が読者にすんなり伝わるように。その意味で、このまんがもファンタジーとしての要件を十分に満たしています。例えば…
…というようなことを考え考え、ページをめくっては戻ししていたのです。田中ユタカの作品紹介を読んで、存外むつかしいなあこのまんがの感想、どこから手をつけようかなあとか思いながら。
でも、何度も読み返しているうちに心底どうでもよくなってしまいました。
気持ちいいんだもん。ぱらぱらとめくって眺めてるただそれだけで。よけいなごたくや解釈はもうやめます。このまんがは気持ちのいい絵で気持ちのいいシーンがたくさん描かれています、よむと気持ちいいです。それだけでいいような気がする。子供のころお気に入りだった童話がそうだったように。
ほんとは30ページくらいスキャニングしてアップしてこんなくそ文章だけでなく実際に絵を見てほしいのですが、さすがにあれなのでやめときます。新刊の品揃えがよくてビニールかけてないようなすばらしい本屋に行って、手にとって中をぱらぱらめくってみてください。買うべき人はそれだけでレジ直行だろうから。
どうやらこのまんが、連載開始前に描き上げてあったようです。そりゃそうだろうと思います、この絵でこの内容でどうやって1月2本も描いてたんだろうと、そっちのほうが不思議だったもの。
しつこい頭痛にやられて沈没していました。他の人は知らず自分がものを書くときはけっこう自動的に書けてくるのに頼っている(てきとうに書いてるともいう)ので、頭がぱーになってるときは何も書けなくなる。思考能力を駆使して書こうにもふだんからそんなことしてないのでできないのです。60になったら廃人だなおれは。
Web上であふれるまんが評書評のせいで読むもの候補が積み上がるいっぽうで、こんなの絶対読み切れないよと悲鳴をあげたい気持ちはあるけれど、ひるがえって考えればそのおかげで、Webがなければ決して手が届かなかっただろう本がたくさん読めているのです。ありがたいことだと思います。というわけでこれはJornada日記を手がかりに読んだ本。
星間戦争などが行われているから遠い未来の物語ということでいいのでしょう。相争う二勢力のその最前線になぜか位置する、楽園のような星。明るく無邪気な少女と一体のロボット(では実はないのだけど)だけが暮らすその星に、突入を試みた相手方の兵士が一人墜ちてくるところから始まる小説です。彼をなぜか生かしておいたふたりとの奇妙な共同生活。最前線にこんな星があるそのわけを探ろうとする兵士。そしてある日、不意に明らかになる真実。
おもしろかったです。これがデビュー作であることもあって、文章を含めて上手いという感じではない(語り手の人称をときどき変えるのはどんなものかとか)。設定も初めて見た斬新な、という感じではない。でも、いったん楽園をひっくり返して裏側を見せて、その上でもう一度肯定してみた筆致の好もしさと、なによりこのストーリーならこのラストしかないというくらいどんぴしゃりだったラスト。この正攻法のラストは鮮やかでした。
表紙を見るとキャラ萌え小説と見えなくもないけど、ごくまっとうなSFだと思います。SFでしか描きえない物語、というと言い過ぎかな。次回作が出たらまた読むことにします。
シリーズ3作目、750ページ。これを一昼夜で読み終えるとは思わなかった。このシリーズ読んでるうちに読むスピードが速くなったのかしらん。
網の目状にからまってなにがどうなってるのか把握するのに一苦労だった2作目に対し、これは冒頭から立て続けの事件で主人公青息吐息読者も青息吐息といった感じです。ただの印象なんであまりあてにならないし、いずれにせよ話がこんがらがっていくことには違いない。そうでなくても事件がたくさん起きてその犯人だけでもたくさんいるのに、主人公・フロストの直感と経験と予断に基づく捜査が2回に1回くらい空振るせいで、無実の容疑者も同じくらいたくさん出てくるのです。もちろんA事件の無実の容疑者がB事件の犯人だったなんてこともざらで、とてもじゃないけど一読しただけでは憶えきれない。一気に読んだはいいけれど読み終わって登場人物一覧を見直して、はてこいつは結局シロだったのかと首をひねるていたらくでした。情けなや。
この小説のおもしろさはストーリーもさりながらフロストの軽妙下劣な冗談や同僚とのやりとりによるところも大きいのですが、実はこの訳者の訳文も、文章としてはかなり上手い気がします。フロストがクレーンによじ登るシーンは読んでてほんとに小便ちびりそうな心持ちになりました。個人的に翻訳物の訳文にはひっかかりつつ読むことも多いけど、このシリーズに関してはそういうのは全然なかった。
原書ではシリーズはあと2作出てるけど、日本語訳の出てるのはここまで。3作目まで突き進むように読み終わってから、なんかすごくもったいないことした気がします。まあまた読み直せばいいか。
いちおう月と炎の戦記の続き、という位置づけ。ただし時代はがらりと変わって現代。登場人物も主要3人(というか2人と1匹)をのぞいて一新されてます。
続きものとはいえ一冊の文庫として見た場合あまりにも区切りが悪すぎる、というのもあるけど、ありていに言えば前作で感じたおもしろさはあまり感じられなかった。現代に舞台を移したのがどうだったかなあ。この人のキャラクターはそもそも現代人的にひねくれていて、それが近未来荒野や遠未来宇宙や神々のまします古代で屈折した物言いをするところにおかしさがあるので、現代舞台だと一周して元どおりになってしまってる気がします。
個人的には転生ものと退魔ものはどっちもいまいち相性がよくないので、そのへんでマイナスにバイアスがかかった感想になってるかもしれません。
新連載「キリエ」 は去年夏に載った読切のつづきで、魔女狩り要素を含んだしんどい設定のおはなし。しんどい立ち位置にいる主人公が一話目からいきなりピンチ。これをどう長い話にふくらませていくのかな。「迷探偵史郎シリーズ」 が最終回、きれいなしめくくりでした。
新連載:「転生ANIMA」(うういずみ)、「キリエ」(杉村麦太)
最終回:「名探偵史郎シリーズ」(芹沢直樹)
集中連載で「国境なき医師団・イコマ」 が連載スタート。別冊ヤングジャンプに載った過去2回(2000年12月31日号・2001年5月5日号)は申し分ない内容だっただけに、この連載はとても楽しみです。おそらく今回も苦い内容になるのだろうけど、そういう現実があることはたぶん忘れちゃならんのです。「キャラメラ」 は次回で少なくともひと区切りになりそう。その次の展開も読みたいです。とても。
ひとくせあるまんがが揃ってておもしろい増刊だけど、なかで一番印象に残ったのは「パイノパイ」 。変なタイトルは歌の歌詞(「ラメチャンダラギッチョンチョンデ/パイノパイノパイ〜」というような歌。なんでおれこの歌の節知ってるんだろ)から。舞台は大正期で、市井の無名人を主人公に据えたあたりは初期作品(ヂャンギリぽんぽんとか)に通じるものがあるけど、内容的にははるかにわかりにくく(深い、と言ってもいいと思う)なっている。無名の主人公は無名なまんま、なしくずしにまんがは終わっていて、これはいったい何を描いてるのかという問いにはにわかには答えられず、つまりこれは「こんなまんがだ」と簡単に要約できるまんがではないのです。異様な麻雀漫画を描いてるうちに、いつしか作風が広がったのかもしれない。そう勝手に思っています。
「反魂」 はこの増刊の中で一番古い平安期が舞台。軽妙なブラックコメディだけどちゃんと哲学を持った内容になってます。「御存知三国英傑伝外」 は曹操袁紹花嫁泥棒の一幕をもとにしたエピソードで、わりといい話なおなはし。このシリーズしんどめの内容がこれまで多くて、個人的にはそっちのが好きだったりするのですが。
すごく読むのが遅れてしまった。決して読みたくないわけじゃなくむしろその逆なのですが。
シリーズ蟲師の「綿胞子」 と「ラブやん」 と「もっけ」 と「PositioN」 。この4つが今号は連続して載っていて、これだけで個人的には十二分に満腹です。四者四様にたいへん安定したこの4つ、個人的にはほかの三つに伍して一歩も引かない「もっけ」の安定感を高く買いたい。スタート時に期待したのとはやや異なるまんがになっているし、派手なところはないのだけど、こういうの好きなのです。
あっちこっちでおたく版「終末の過ごし方」みたいなことが書いてあって、終末さんってそんなにメジャーなゲームだったっけと首をひねったりもした「彼らの週末」 。がしかし内容的には確かにそういう内容で、つまりゲームのラストとまんがのラストはその精神においてきれいに一致していました。そのときを一緒に過ごすのが、ステディな相手なのかおたく友達なのかという違いがあるだけ。おたくのまま死ぬのは実はおたく最高の幸せなのかもしれない。そこを的確にとらえている点でこれ、傑作とまで言ってもいいかもしれません。
「おひっこし」 が最終回、タイトルの意味がやっと明かされる。きっちりしたしめくくりでした。無限の住人はそろそろ幕にしてこのひとにはいろんなの描いてほしい気がします。前号でラストだったギャグ大喧嘩を経て「くまがゆく」 と「おすすめのカワイイ」 が連載化。四季賞特別賞作「永訣の森へ」 は卓越した画力で描かれたファンタジーでした。子供の顔の区別がつきにくかったのが玉に傷かも。
最終回:「おひっこし」(竹易てあし)
連載化:「くまがゆく」(あたまん)、「おすすめのカワイイ」(林実日子)
読切:「彼らの週末」(平野耕太)、「奥さまランチ」(森徒利)、「永訣の森へ」(役穂曜径)
ちなみに「ばり」は広島弁でいいと思います。「ばり」「ぶり」「ぶち」の順に重くなるとか。全くどうでもいいけど「ブリエロ」「ブチエロ」は1件もありませんでした。「でら」は名古屋弁とか(どえりゃあがつづまったのか?)。
さらに全くどうでもいいけど(何に凝ってるのだおれは)「めさエロ」は2件。「めさ」はたぶん「めっちゃ」「むっちゃ」と同系の関西弁「めっさ」から。「クソエロ」は105件あったけどこれだけ半分くらい罵り言葉として使われてるようです。なぜか後ろに河童がつくことが多いらしい。
まだ単行本にならん「バカ姉弟」 だけど、次から隔週連載になるそうな。こりゃめでたい。「ガタピシ車でいこう!!」 は頭文字Dのうしろ。目次にないときはここに載ってることが多い気が。
「WE ARE THE 惨歌」という新連載を始めててびっくりする。予告に載ってたっけこんなの。とりあえず初回は登場人物が4人出てくるけど、うち3人半はだめな人であります。変わってないなあ芸風。
「イヌっネコっジャンプ!」 はいきなり過去にジャンプ。話はユウキとオズのなれそめに直行。作者がきまぐれを起こしたのかそれとも予定通りなのか。いつもながら不思議なまんがです。「RED」 は珍しく丸くおさまってのひとくぎり。ふだんあんまりこのまんがについて書いてないけど、けっこう前から熱心に読んでます。まだ先は長そうかな。
「まほろまてぃっく」 は話が佳境に、そして「エンブリヲン・ロード」 は第3コーナーをまわったあたり。セイとホーリィに軸をもどしてこのまま直線に向かうのかな。もう一波乱二波乱あってもちっともおかしくないですが。
「パラダイム・アウト」 は最後までばたばたしたまんま最終回。ばたばたしすぎてていまいちどういう展開だったか追い切れてないので単行本でまとめて読めるとうれしいです。出るかな?読切前編「おとぎ奉り」 は絵が印象的。顔に縦線たくさん入ってるあたりはホラーの手法だけど、ほかの絵も描けそうな気もします。
最終回:「パラダイム・アウト」(RYU−TMR)、「甲冑無敵NANAASE!」(一式まさと+碧星タケル)
読切:「おとぎ奉り」(前編)(井上淳哉)、「どきどきインスピレーション」(中島零)
url中の‾(チルダ)がちゃんと処理できないOperaベータ版のために、このサイト内のチルダをこっそりぜんぶ'%7E'に書き変えたのが1週間前。正式版ではちゃんとなってるんでしょうか。つうか全角スペースだけはなんとかしてくれ。SSL絡みの処理が妙だとかJavascriptが厳密すぎてやりにくいとかは我慢するから。
Javascriptと言えば、こないだ買ったうちのルータは設定をブラウザ使ってするようになってるのですが、一部スクリプトエラーでまともに動かんところがある。Mozilla0.9.6とOpera6はだめで、IE5.01はデスクトップ機はだめなのになぜかノート機では動いて、でもノート機はバッテリがぶっこわれてて明日をも知れぬ命で、ほとんどお蔵入りしてたネスケ4.75ではどうやら動く。ブラウザはいっぱい持ってたほうがいいということなんでしょうか。
うちのメインPCにはほかにもLynx2.3.2とネスケ3.03と4.04が入ってます。あとのふたつはもうずいぶん前から使ってないけど。
「キャラメラ」 の掲載順が後ろになってきてるのが気になってるのだけど、それはそれとしてシリーズ2回目「ちさ×ポン」 のこれはいったいどうしたもんだか。中学高校生のころにこんなの読んでたら間違いなく鼻血吹いてたような気がします。これ本出たらやっぱり買っちゃうよなあ。やだなあ…
読切「漂流侍」 は主人公とヒロイン役、ふたりの眼光が印象に残る。もういくつか読んでみたいな。
「電脳やおい少女」 に「バリエロ」という言葉が出てくるのですがいったいこれはどこの国の言葉でしょう。なんとなく意味は正確に理解している気もしながらGoogleで検索かけたら41件ほどヒット。中には「ガバリエロ」という人物名らしいのも入ってた(誰だ)けど。もしやとおもい「デラエロ」で検索したらこれは3件。「ゲロエロ」は12件。日本語って…
読切「三丁目サンタ」 はご町内にサンタさんが住んでる話です。1年のうち364日はぼんやり暮らすサンタ。町内会で温泉旅行をプレゼント。いいなこれ。
ひさしぶりの購入は「日曜日のおでかけ」 目当て。なんというか、ストレートにいい話です。同人誌で読んだ「銀河鉄道に乗れなかった夜」もこんな作風だったけど、これも同人誌「空間アーカイブス」を読んだ印象では意外と芸風の広い人という印象も。このまま商業誌に活躍の場を移してもいけるんじゃないかと思います。最近のちば賞大賞(モーニングに載るほうの)受賞者はあまりその後描いてくれないのだけど。
扉絵カラーがすごくきれいな「ササメケ」 が集中連載スタート。コントロールされていない抜き身の才能というかなんというか、センスだけで一本描いてみましたという感じは実はたいへん好きです。ほんのちょっとだけウエダハジメに通じるものを覚えてみたり。いったいこれが来月以降どこにころがっていくのか、いろんな意味で楽しみ。
読切「大変メンタル!」 は一見かわいい少女が出てくるまんがっぽいが後半変なおっさんが出ずっぱり。「実録鳥人間コンテスト」もそうだったしひょっとして編集部にこういうの好きな人がいるのか。そしてそれ以上に強く問いただしたいのがハイテンションキープの「Dr.リアンが診てあげる」 について。これ単行本で読んだら脳が涌くぞ。買うけど。
9月号に続き2回目登場の「なつめヴルダラーク!」 は2ヶ月後から連載化するそうです。連載で主人公が眼鏡かけてないまんがはもしかしたら初めて?
新連載:「ササメケ」(短期集中)(ゴツボ×リュウジ)
タイトル変更:「気分はもう戦争2.1」(藤原カムイ+矢作俊彦)
読切:「なつめヴルダラーク!」(西川魯介)、「大変(とっても)メンタル!」(有馬啓太郎)、「リトルネジア物語」(松田純)
アリアスがオリックスを退団、阪神が獲得の意志ありとか。巨人をくびになったマルティネスにも注目してるとか。FAで片岡を取りに行ってるのは周知の事実で、まかり間違って全員来たらどうするつもりなんだろう(まあそんなことはないだろうけど)。
マルティネスはともかく、万が一アリアスとFAでふたりとも獲得したら、
・赤星−上坂/今岡−田口−アリアス−片岡−桧山/浜中/坪井−矢野−沖原/藤本
こんな打線になるのだろうけど、なんだかちっとも強そうに見えないのは、今年の
・上坂−赤星−浜中−広沢−桧山−今岡−矢野−沖原/藤本
この打線がそれだけすごかったことのなによりの証しでしょう。なんだか高橋球団っぽくもあります。
なんだかずいぶん前から活躍している人のような気がしているのです。これが初単行本なのに。なんでだろう。
収録されているのは集中5回の連載だったタイトル作と、アワーズライト・アワーズ2000に載った読切4つ。とにかくこの人の描く人物の表情は表情が豊かというか、笑顔も泣き顔も赤面も驚いた顔叫ぶ顔怒る顔もどれもこれもすべて、眺めてるだけでしあわせなのです。ひとコマひとコマをぜんぶ引き伸ばして、日めくりカレンダーにして毎日眺めたいくらい。特にタイトル作がもう好きで好きで。正確に言うなら絵が好きだというのではなく、たぶん絵のバックグラウンドにあるものが好きなのです。唐突に「世の中はの/それはそのまんまよ」というセリフがぽーんと出てくるようなあたりを含めて。
数えてた羊が他人の心に逃げ込んだり、毎年やってくるサンタと戦ってみたり。読切は奇抜な設定のが多くて、なかでは暴走ラブコメ「エアー・マイラブ」が一番好みかな。いったいどうやってこんなの思いついたんだろうという内容の、近未来恋愛SF(?)「恋屋15」のぶっとび方も捨てがたいし、羊の逃げる「スーパーウール100%」もサンタと戦う「仔羊は迷わない」も楽しい。ようは全部喜んで読んでるんですが。そういやフルカラーで掲載された「サニー・ザ・トリッパー」が入ってないな。
現在連載中の「エビアン・ワンダー」もたいへん好きなまんがで、プロトタイプとなった「銀符とその守護者」と一緒に単行本化されるのが今から楽しみです。なお、初出一覧の欄でタイトル作が2000年1〜5月号となってるけど、これは2001年ですね。蛇足ながら。
このところ連載の入れ代わりが激しい。今週2本、来週1本が最終回。かわりに来週2本始まって、回数の若い連載は5本になります。川島よしおのはカウントに入れてません。
すごくハートフルっぽい雰囲気漂う「しゅーまっは」 の扉絵に怯えながら読んだら、なんとしたことか今回はほんとにほのぼの話だった。これまでこのひとが積み重ねてきた実績がものすごく邪魔をして、「たまにはこういう話も描きたかったのかな」と素直に思うことができません。いったいどういうつもりなんだろうと疑心暗鬼に陥ってます。だいたいこの扉絵にかぶせてあるあおりが「グロキュート▽ バイオギャグ劇場!!」だもんなあ。
最終回:「満点の星」(楠本哲)、「おやつ」(おおひなたごう)
まんがに限らずいろんな創作物を読んだり見たりしていると、これはこの作品がもとねたなのだなとか、これはこれへのオマージュなのだなとか、そういうのが見えてくる楽しさがあります。でもそれはいいことばかりとか限らない。今回の「カムナガラ」 読んで瞬間的に「あ、ナックルボンバーだ」と思った悲しい人間は日本中に何人くらいいるのでしょう(誤解のないよう書いておくと似たポーズが出てきただけです)。
そのナックルボンバーとて川島よしおが元ネタというわけではなくて、調べてみたら1975年のアニメ「鋼鉄ジーグ」が初出みたいです。わしゃそのころ日本におらなんだからこのへん疎いのだ。
連載2回目「ウチら陽気なシンデレラ」 はちまちまとかわいらしい絵と内容のギャップが楽しい。子供のころ何回か便所がつまってあの器具にお世話になったのはトラウマに昇華してるみたいで、それが証拠にいまの家に引っ越して真っ先に買い揃えた中にあれが含まれていました。一度も使ったことないけど。「朝霧の巫女」 は柚子の手が震えるコマに心打たれる。上手い。「HELLSING」 は絵もさることながらネームが圧巻。上手い。「夜の燈火と日向のにおい」 は幽霊ふたりがだきあって「あったかい」というシーンがほのぼのしてていいです。これ、やっぱり買わないとなあとこういうの読むたびに思います。
読切:「サクラ」(堤芳貞)
4面はそのうち抜いたザナックだけど、6面がクリアできない。2時間くらい猿のようにやったあげく精魂尽き果てて倒れ込んだ瞬間、足がつる。なぜシューティングゲームで足がつるのか。
RPGとかシミュレーションは歳食ってもそこそこできるだろうけど、シューティングはけっこうシビアな年齢的限界がありそう。コンシューマーゲーマーの第1世代はたぶんおれより3つ4つくらい上だろうから、そろそろ40歳が見えてきたくらい。そのほとんどは年齢的限界より前に社会的制約でとっくにゲームをやらなくなってるはずで、現役ゲーマーでしかもシューティングやってる人間なんてあまりいないのかもしれない。そもそも最近のゲームで2Dシューティングってどれくらいあるんでしょうか。全然ないってことはないんだろうけど。
いったいどういう単行本なのかまるでわからなかったこの本、ふたを開けてみれば読んだことあるまんがは2つしか入ってなかった(JUDYに載った「椰子の木時計」とヤングチャンピオン増刊の「ほな」)。1989年から1990年にかけて描かれた短編が過半数で、一番古いのは1984年発表の「わたくしどものナイーヴ」。なんとデビュー作だそうです。これはほんとに80年代のまんがという感じ。
基本的に収録短編はぜんぶファンタジーで、正しく須藤真澄のファンタジー短編集。子午線を歩く人以来なのだなと確認しているうちになにやらえらいことのような気がしてきたけど、たぶんえらいことなのですこれは。須藤真澄のファンタジーを知らない人に、須藤真澄のファンタジーとはなんぞやという説明をする能力はおれにはないし、それ以前に知らない人に説明する気すらありません。アクアリウムも読んでない人とは口を利きたくもない−−うそうそうそうそ。うそです。でもたぶんこれはなにがしかの本音を含んだうそ。とりあえず、ゆずやおさんぽ大王とは別のまんがとだけ書いておきます。
収録作の中で特に気に入ったのは「まるい海まるい波」と「ゆきあかりのよる」。「まるい海まるい波」はこのひとのファンタジーの真骨頂だ…と勝手に思っています。「ゆきあかりのよる」は個人的な好みによるところも大きい。素直になれない少女と邪気のない少女の組み合わせがたぶん好きなのです(スミ子の窓もこのパターン)。しかし発表誌の「ぴょんぴょん」ってどんな雑誌だったのだろう。
担当編集者とビーム編集部に心から感謝します。よくぞこんな本を出してくれた。うれしいです。
個人的に珍しい非文庫非新書非ノベルスの単行本。裏日本工業新聞の大プッシュに押されての購入で、安部吉俊の表紙につられたわけではありません。いやこの表紙すごくいいけれど。
で、内容のほうはというと…よくわかりませんでした。
よくわかりませんとはどういうことだおまえは阿呆かと作者とファンと関係者に罵倒される前にあわてて言い訳すると(いや自分が阿呆であることを否定はしないが)、内容が理解できなかったわけではありません。日常生活の中で繰り返される非現実的な出来事−チェーンソー男との戦闘にのめりこんでいく主人公の高校生を通して、やりたいものもなりたいものも見つからないという、高校生という人種と2001年の日本とが二重に抱えている漠とした絶望や、一生懸命になることの格好悪さとでもほんとはそうでもないんだよという小声のつぶやきや、そんなものが投影された小説−おおざっぱに書けばそんな話だというのはわかります。わかんないのはこれが、どれくらい今のその世代の気分をつかんでいるかということなのです。
おれにも不機嫌な高校生だったころがありました。偏屈で自分と違う考えを受け入れることのない、端的に言っていやなガキだったと思います。こう書きながら、こういう書き方をしている今の自分を軽蔑と憎悪の入り交じった視線でにらみつける当時の自分が見えるようです。まさかこんな生ずるい大人になるとは思ってなかった。
つまりおれはどんな高校生だったかは憶えていても、その生の感情はもはや憶えていないのです。だからこの本を読んでも、そんなころもあったなという過去を懐かしむ老人のような感想しか持てない。これはそういう感想を抱かせるためにある本ではないはずです。いま現在、高校生か高校を出てそんなに経っていない、そういう人たちが読んでどう思うか。その結果により評価される、これはそういう小説だと思います。
だからこの本に関しては、よくわかりませんとしか書きようがないのです。それでもあえて書くならば、文章もストーリーもそんなに引き込まれるものではなかった、でもこの変わった小説のことはたぶんずっと忘れない。もしこの作者が新しい小説を書いたなら、それも読んでみようと思っています。
「月の鏡」 目当ての購入。目に強い光をたたえた登場人物の表情を含めて、絵は相変わらず魅力的。おはなしは説明を半ば放棄していて決してわかりやすくはないけど、こういう一見無愛想なまんがは好みなのだ。あらすじにしてしまえばなんてことのないまんがで、それでこれだけの印象を与えるのはやっぱり才能でしょう。また次が楽しみ。