女子バレー、日立に続きイトーヨーカドーも廃部。中学高校のころの人気を考えると、十数年後に日立がひき取り手もなく解散するなんて考えられなかった。バレーだけでなく、企業スポーツ全体がどんどん縮小してるということでもあるんだろうけど。
「プラネテス」(幸村誠)が載ってます。今回は遭難話。はてこのエピソード、あとから読み返すとどういう位置づけになるんだろう。インターミッションでもないだろうし。
ちば賞大賞受賞作の「ちゃぶだい」(うめ)はなかなかおもしろい滑りだしと思って読んでたら、あっさり終わってしまった。こういう描き方はあるだろうけど、このテーマならもう少し深く突っ込んでほしかったかな。注目していた石川雅之は準入選、池部ハナ子と佐藤典明は佳作。石川雅之の入賞作「神の棲む山」の編集部選評に「画力は文句なしにプロの域に達している」なんて書いてあるけど、バカ言ってんじゃねえ石川雅之はプロだモーニングマンガFAの応募資格もちゃんとある。他とのバランスを考えての書き方か、それともほんとに知らないのかな。同じ講談社でもそんなもんなのか。
高橋高之「フロレンス」目当ての購入。3年ぶりとのことでたしかにしばらく見なかったけど、絵がずいぶん変わったなあ印象というのが第一印象。前はこういう線の多い絵ではなかったと記憶してます。
おはなしは心に傷を負ったもの同士の閉塞した物語。こういう後味の悪いおはなしはそれはそれでいいと思うけど、もう一歩説得力が欲しいかな。最後の執事の独白が生きてくるような。
エースの感想のとこで書き忘れてたけど、来月号に伯林がまんがを書くそうです。タイトルは「鳥人間コンテスト」。「翼にかけた少女たちの青春!!」というあおりとはうらはらに、なんだかすげえいやな予感がするのですが思い過ごしでしょうか。裏の裏でほんとにいいまんがだったりして。
そういやこないだ渋谷のブックファーストに行ったとき、「しゅーまっは」1巻のポップに「表紙の女の子が気になったら手にとって読んでみよう」みたいなことが書いてました。ほとんど詐欺です。だまされて喜ぶひともいるだろうけど。というかおれだったら喜んだろうけど。
突然渡される10000000円の通帳と偽名の保険証。んでもって炎上するエクセルの家(というかその他大勢の家)。先月に続き「エクセル・サーガ」(六道神士)は大きく話が動いております。動いてると進んでるは同義ではないので、ひょっとして横歩きかもしれないけど。
妖怪がわらわらと出てくる「朝霧の巫女」(宇河弘樹)は、でも今回妙にユーモラス。ねぎ持ってわらわらと。生徒ふたりに先生ひとり、車に乗って丹沢へ。インターミッションっぽい展開の「カムナガラ」(やまむらはじめ)、こういうなんでもない会話シーンはけっこう好きです。どっちみちつかの間の平和なんだろうけど。
「マブ天新城」がよかった井上博和が「マブ天新城II」を描いてるけど、この続編はどうだったかなあ。前作のキーパーソンは見習い天使の新城ではなく、行き場をなくした少女のほうだったし、ふたりの組み合わせてきれいに完結した読切だったし。次はぜんぜん別の設定と別の色調でのおはなしが読みたい。それが描ける人だと思います。
読切:「マブ天新城II」(井上博和)
ガム創刊から連載されたフルカラー4ページまんが。女の子が主人公の一話完結スタイルのおはなしで、女性の目で描かれた女の子の立ち居振る舞いは、それが現実的でファンタジー成分があまりない(だろう)分、けっこう新鮮です。男まんがでは決してこうは描かれないもんなあ。
4ページまんがが30本、気楽に読めるテンポのよさも気持ちいい。フルカラーをそのまま収録したのはうれしいけど、そのぶん値段が張るので、知らない人にとっては敷居が高くなったかな。もちろんモノクロで本になるよりはずっといいのですが。
冷静に考えたら、カブレラのホームランペースってめちゃくちゃじゃん。このまま行ったら1ヶ月後には40本くらい打ってそうだ。まだ6月だよ。
「スラヴィック・ゴシックホラー」という触れ込みで始まった新連載「幽形聖境クークラ」(御船麻砥+田沢孔治)。衣谷遊をやわらかくしたような絵がいい感じで、設定にはそれほど興味をそそられなかったのに熱心に読んでしまいました。これは楽しみがひとつ増えたかな。
UFOが出てきて宇宙にと、いきなりSFっぽい展開を見せた「機神」(永井豪)。いやそりゃ機械人がいるんだからもとからSFと言えばSFなんだけど。そうかSFなのかこれ。奥が深い。主人公たちが追われる身となっての新展開「クロノアイズ」(長谷川裕一)もあいかわらずおもしろいです。歴史を変えることができるか、が焦点になるかな。「カスミ伝△」(唐沢なをき)は左右分割まんが。こういう基本的(?)なのがまだまだ残ってるのか。
新連載:「幽形聖境クークラ」(御船麻砥+田沢孔治)
最終回:「スーパーロボット大戦αTHE STORY 竜の滅ぶ日」(短期集中)(長谷川裕一+バンプレスト)、「BATMAN」(麻宮騎亜)
読切:「ぷぎゅる」(コンノトヒロ)
韓国で出版されたまんがの日本語訳とのこと。このコンビはサンデーGXで「新暗行御史」描いてるコンビだし、作画の梁慶一はだいぶ前からビームの「死霊狩り ZONBIE HUNTER」でもおなじみです。ビームやサンデーGX読んでる人にとっては、だけど。
済州島を舞台に、父親の気まぐれで島に来るはめになったお嬢様が主人公、圧倒的な力を持つ殺人鬼(というかモンスターキラー)が相方、わらわらと出てくる化け物。とりあえず1巻はそういうまんがだけど、途中にレイプの復讐に魔物の力を借りようとして深みにはまる少女が出て来たりしていて、ちゃんとお話がつくられてます。単純な痛快血まみれアクションというわけではなさそう。
開きは一般的な日本のまんがと逆だし、効果音はルビ付きハングルなんだけど、ほとんど違和感なく読めます。おもしろい。とりあえず様子見がてら1巻だけ買ったんだけど、これは続きも買わないと。
惑星間インターネットってまじめに検討されてるのか。そうかそういう時代なのか。「ほしのこえ」予告編をふと思いだしました。
もう26号か。1年の半分。ひええ。
ここんとこ「湾岸ミッドナイト」(楠みちはる)をよく読んでます。この人らほんとうに車好きねえというのが伝わってくるのが、おもしろいと思う理由でしょう。ドライブではなくてものとしてのクルマ。エンジンとかシャシーとかそういうパーツの集合体としての。いっぽうこちらは明らかにクルマ好きのまんが「ガタピシ車でいこう!!」(山本マサユキ)は今回据え膳の話でした。据え膳よりも眠気。
読切「ジーザス・キャノン」(川崎順平)はギャグ大賞入選受賞作とのこと。ササキカズトを濃くしたようなまんがかな。どうしてるかなあササキカズト。
ガム新連載で力尽きたか「封霊士マーコ」(RYU−TMR)はお休み。ダムに沈んだ村を舞台になんとも郷愁あふれる「万華鏡花−猩々木」(三部敬)とか、その読後感を台無しにするド外道ギャグ(あおりの原文まま。わかってるなら次に載せるな)「消防小隊ナパームDEATH」(堀博昭)とか、ゆっくりと表層がはがれ落ちていくように進む「POSSESSION」(天竺浪人)とかを読み終わってから気づいたけど、次号予告がない。
「新しいコミック誌が8月に出る」と書いてるので休刊ではないみたいだけど、詳しいことは載ってないので不明。さて、どうなるのでしょう。
「せんせいになれません」が売れたらしく、無事に単行本に。これ、初めて読んだこのひとのまんがなのです。くらおりは創刊号から買ってるけど最初のほうは読んでなかったのか、単行本で初めて読んだのもいくつかあったような。
このまんがの主人公・望月ももの目は横線4本なのですが、これこのひとの発明なんでしょうか。それとも先駆者がいるのかな。いっぽう抜け作主人公のせいでいつも不機嫌な、というわけではなく単に不機嫌顔なんだろう先輩編集者の浦辺さんは別に発明でもなんでもないけど、おれこのひと好きです。はれぼったい目と長髪がポイント。編集長はどうでもいいです。
というキャラ萌えまんがでは別になくて、売れないまんが雑誌の編集部が舞台のけっこうオーソドックスな4コマ。このひとのまんが、そのオーソドックスな枠内でかなりおもしろいので、かたぎりわかなみたいにぶっこわたのでなくておもしろい4コマを、というひとには躊躇なくおすすめします。ついでにはれぼったい目と長髪の不機嫌そうな女性が好きな人も。
宿酔の体を引きずって街へ出たのに、ヨドバシで「とびでばいん」が見つからない。まさか全部売れちゃったんだろうかと思いつつもう一軒回ったソフマップで見つけたおわびの貼り紙。なんだか難儀なことになってるみたいです。
やっとこさ迎えた発売日直前にもう一発トラブルが起きるとは、なんともついてない話。6月上旬くらいにパッケージは店頭にならぶそうです。
ビージャンエクストラに変わる新増刊だそうな。これが目当てで買った「コギャル危ない放課後」(華倫変)はなんとも悪意に満ちたまんがでした。いや待てよこれは悪意ではないのかイノセントなのか。どっちともとれる、あとは読み手の解釈次第でしょう。
もうひとつは「月とくだもの」(おかざき真里)。寓意を含んだおもしろいおはなしだと思います。多かれ少なかれ人間の感情はどこかで目づまりをおこしてて、自力ではなかなか修復できない。ときには自分の気持ちをそのまま表わすとことが、元気に生きるためには必要なんでしょう。いつも表わしっぱなしがいいかどうかはともかくとして。
読切は3つ、前号と同じ顔ぶれ。「Dr.リアンが診てあげる」(竹内元紀)は下ネタ濃度が上がってきてます。こうなったら連載にしてしばらく好き勝手やらせてみるのがいいのではないかと愚考。「師匠 こいつの血液型調べるです」「AかBのどっちかだ!」「じゃあ間をとってAB型ですね」っておれそんな医者やだよ。「青春のささめき5&6」(ゴツボ*リュウジ)は2本立て、5のほうは「ダジャレロワイヤル」なるパロディ。このような極限状態で問われるのはダジャレセンスではなく平常心を保つ精神力だ、とまじめに論評したところでなにも起きません。6のほうは詩のような詩でないようなのをわめきながら少女が世界を破壊する、という詩集を売る少女、というまんが。おおよそまともなしろものではないけど、奇妙な解放感があるのは確か。こちらはまじめに論評するとなにかが起きるかも。起きるがいいか、起きないがいいか。もうひとつは「Pinacoteca〜顕微鏡〜」(米倉静香)。こちらは先月の続き、今回は印象的なシーンがなかった分、ややものたりないかな。
Dr.リアンと青春のささめきの挟み撃ちにあっている「私立樋渡高校COMICS」(広瀬けいた)だけど、こちらもだてに連載張ってるわけじゃない。登場人物が多かれ少なかれバカというギャグの基本を地で行っています。ブロードバンドが各家庭に行き渡ったら、4Gのメールを送れる日がくることもあるのかな。メールサーバがパンクするような気もするけど、いつのまにか容量が100Tとかになってたりして。来年のことを言うと鬼が笑います。
新連載:「まるみえ!Pure Heart」(川下完治+かわせゆか・浅葉里樹)
読切:「Dr.リアンが見てあげる」(竹内元紀)、「青春のささめき5&6」(ゴツボ*リュウジ)、「Pinacoteca〜顕微鏡〜」(米倉静香)
ほんとに紙がオレンジだよこれ。まあでも、小さめの判形(A5)で薄くてオレンジ色というのが不思議に統一感があって、おもしろい試みかもしれません。思ったほど読みにくくないし。
内容はヤングペンギン・コーヒーブレイクに載ってた「えりか」、ヤングコミックで連載された「フォーチュンクッキー」、初出不明の「A LITTLE GROOVE」とあとは描きおろし。仏頂面の小さな女の子をサイレントで描いた「えりか」がなかでは一番おもしろいです。成長しても仏頂面、花粉症にはガスマスク。にやりと笑った口元がよこしまでいいな。
このひとのまんがをおれが喜んで読んでるのは、このひとのまんがは基本的に変で、おれが変なまんが基本的に好きだというのが、たぶん一番の理由かもしれません。アニメ顔をさらに崩したような絵柄がおもしろいというのがもうひとつあって、今回収録作ではたぶんいちばん古い「A LITTLE GROOVE」が典型的なアニメ顔で、ここから今の独特の絵を獲得するまでの経緯にはけっこう興味があります。同じく昔はアニメ顔の絵を描いてた大空とわは、ある時期から急に変化して今の絵になったのだけど。そういうものなのかな。
4月号に読切で載った「パラダイム・アウト」(RYU−TMR)が連載化。うさんくさい関西弁を話すうさんくさい宇宙人(女?)が不運な主人公(男)にさらなる不運を見舞うまんがになりそうです。好き放題やって持ち味を出してくれればそれでいいんじゃないかと。
ここ数回くすぶり続けてきた火種がついに火を噴いた「W−face」(ひのきいでろう)。レフィオの新型・ルーシーを差し向け、レフィオを出立から奪おうとするアルカテック社。たちはだかりルーシーを破壊しようとする出立、止めようとするレフィオ、そいつは道具だと言う出立にレフィオは叫ぶ、「ルーシーが道具なら、私も道具だ!!」
いつの間にか獲得した心の証、初めて見せた涙を残して、レフィオは出立のもとを去ります。レフィオに向かい「人間ごっこはもうお終いだ」と言い放つアルカテック社の社員。抜け殻となった出立。これはいったい、次回どうなるのだろう。もともと設定がおもしろくて注目してたまんがだけど、ほんとに目が離せなくなってきました。すごいよ。
新連載:「パラダイム・アウト」(RYU−TMR)、「今さら聞けない!」(門井亜矢)
最終回:「美奈子さんの世界征服ファイル」(短期集中)(千葉秀作)
シリーズ読切:「足洗邸の散歩者。」(みなぎ得一)
「茄子」(黒田硫黄)に出てくるひげづらのおっさん、高間という名前だそうです。天狗党のと同一人物ということはないだろうから、漫画俳優ということなのかな。ヒゲオヤジとかたきたかんせいとかと同じ。
巻頭の「神戸在住」(木村紺)を読んで思いだす、実家のあたりから見た景色。海と山が迫った神戸の、少し高いところから見る景色は高い中毒性を持っていて、いまだにおれはあれ以上好きな眺めを見つけてません。昼の景色も夜景のほうも。ああいう特殊な土地に育ってしまった宿命なんでしょう。尾道なんかも恐ろしく中毒性が高そう。
連載2回目「てんでフリーズ!」(ISUTOSHI)は主人公のひとりである女性に予知能力がある設定だけど、この能力を金儲けに使うことにしか考えてないというか金儲け以外に使えない能力というか。冷たい目をしたこのひと、なかなか変な人でいいです。「ヤサシイワタシ」(ヒグチアサ)は主人公ふたりの亀裂がひろがる一方。いやなくらいリアルなドロドロだなあこれ。来月ようやく単行本が出るのはすごくうれしい。同時に「家族のそれから」まで出て、しかも「ゆくところ」が収録されるらしい。とてもうれしい。
今月号は読切が3つ載ってて、「ニのニの六」(高野文子)はなんというか、これどう説明すればいいんだろう。ホームヘルパーと介護されてるおばあさんの息子と、わけあって息子と知りあった女子高生と、舞台はほぼ一個所時間は一日のまんがで、楽しいというかおかしいというかおもしろいというか、でもなにが起こるわけでもないそんなまんが。登場人物のセリフ行動独白の間におかしみがあるのは確かだけど、それがおもしろい理由というのではないしなあ。「コドモ、ノソノゴ」(杉原亘)はこども時代にした再会の約束を信じて待つ男が主人公。ある意味というかかなりファンタジーかなこれ。まあ世の中うそみたいな話だっていくらでもあるだろうけど。
読切:「ニのニの六」(高野文子)、「コドモ、ノソノゴ」(杉原亘)、「尻の主題による二つの物語」(山口和夫)
この雑誌で4コマ「ころころころもちゃん」を描いてるむっくって、とらのあなの美虎ちゃんの作者な人なのだな。どっちがおもしろいかというと、個人的にはどっちかというと後者だったりします。むつかしいなあ。
「DARK EDGE」(相川有)は前回のとんでもないことにまだけりがついてない。赤坂はどうなるんだすごく気になる。
最終回:「HAUNTEDじゃんくしょん」(夢来鳥ねむ)、「Prism Palette」(PEACH-PIT)
読切:「GUNS★WORKS」(吉川かおり)
電撃コミックガオ!に連載されてるまんが。作者の初単行本でもあります。
浪人野郎の主人公がおばの幼稚園に住み込み、そのまわりを4人の保母さんと園児どもがとりかこんでの毎日。めぞん一刻を祖形とする物語設定ではあるけれど、舞台が幼稚園というところがややユニークで、もっとユニークなのはヒロインがどうやら幼稚園児であるらしいところ。
ロリコンもの、ではないような気がします。このヒロインはちっともしょんべんくさくなくって、おませさんでどちらかというと美人顔で、全体としてたいへん元気のいい幼稚園児で、おおよそよこしまな感情の対象にはなりづらい感じだし、実際ヒロインつったってなにがどうなってるわけでもありません。少なくともいまのところは。この先の展開をふみはずせば、のほほんとしたこのおはなしがえぐい内容に変わる可能性もあるわけで、少しはらはらしながらながめています。
まあ作者もこれからの人だし、まんがもこれからのまんがです。のんびりした雰囲気と、説明くさくない少なめのセリフは、個人的な好みをどっちも満たしているし。この先どうなるか楽しみにしてます。
やっぱり原作者名はフルネームで書かないとね。でないと表紙と冒頭カラーイラストで紹介されてるヘクソカズラの意味がわかんないじゃないか。ヘクソカズラはこの季節くらいからうちのまわりでもあちこちでつるを延ばしてて、そのうち白くてまんなかが赤紫のかわいい花が咲きます。花の色からヤイトバナ(ヤイトはお灸)という別名もあったっけな。においは確認したことないけど、屁と糞と両方重なったなまえがついてるのだから、さぞや横綱級なのでしょう。
基本的にはこのまんが、貧乏予備校生・まゆ子とへたれ宇宙人・ニアの、にぎやかにしてボケツッコミにあふれたどうでもいい毎日を描いたまんがなのだけど、最終巻でもあるこの2巻になると、まゆ子のどこかさみしげな表情が目立つようになります。いい子で過ごしてきて実際優等生で、おばさんちの2階に居候してたいへん貧乏なまゆ子は、じつは本来はこういうギャグまんがの主人公らしくはないのです。相方のニアがところかまわず騒動を巻き起こすからまゆ子も眉をつりあげてわめいてるだけで、ニア不在の途中2話にはそのあたりが如実にあらわれています。
一方のニアはなに考えてんのかわかんないというかなんてことするんだというか、つねに騒動の中心にいるやかましいキャラクターなのだけど、宇宙人のなかで低い階級に属してることもあんまり気にしてないみたいだけど、ニアとて故郷を遠くはなれて暮らしてるには違いないのです。終盤になって母船が去っていったあと空を見あげる表情は、そこに喜怒哀楽は現れていない分、いっそう心動かされるものがあります。
それでもニアは最後までお騒がせだし、まゆ子もそれにつきあうようにわめいてのラスト。このまんががどこか懐かしさを漂わせているのは、ちっとも幸せではなかったけどにぎやかでばかばかしくていろいろ退屈しなかった人生のある時期を、読む人に思い出させるからかもしれません。それがいつの時期か、またはそういう時期を送ったことがあるかないか、それはもちろん読む人によっていろいろでしょうけど。
それはそうとジェロニモ本郷って結局なんだったんでしょう。作中には登場するけど原作者として表に出てんのは糞先生だけだし。まあ、どうでもいいといえばどうでもいいのですが。
そうかCUTIIE COMICが休刊するとハチミツとクローバーが路頭に迷うのか。それは痛い。雑誌買ってなかったおれは路頭に迷わせたくちなので、えらそうなこといえないのだけど。どこかで連載が続いたりしないかな。
橋本ライカも単行本出てないのだな。あのひとの絵けっこう好きなんだけどな。なんで買ってないかなあ。
今月は特記事項なし。かたぎりわかなは4コマ1本継続中。そりゃ載らないよりはいいのだけど。たくさん載った方がいいに決まってるというか、ストーリーで読みたいのよこのひとのは。
「VF」(林崎文博)のカラーページはなんだか夢に見そうな。サブタイトルを見て「あげ」と読んでしまったのは不覚。
「愛人[AI-REN]」(田中ユタカ)が連載再開、たぶんおそらくこれが最後の再開。始まってしばらくたったころからこのまんがの感想はラストまで保留しようと思っていた、そのラストが近づいてます。まだ、どういうラストになるかはおれには見えません。このまま淡々と終局をむかえるのか、それとも。展開の早い「蛮有引力」(山口貴由)は単行本2、3冊くらいのおはなしになるのかな。
年収が500万として、(5,000,000/0.1)/1,500 ≒ 33,333ということは3万部くらい売れたのかな遥子の本。いったいこのご時世本というものがどれくらい売れてるのかさっぱりわからんけど、3万ってずいぶん売れてるような気がします。印税が1割とは限らないけど。「ハネムーン サラダ」(二宮ひかる)を読んで思わずそんな計算をしてしまいました。
連載再開:「愛人[AI-REN]」(田中ユタカ)、「ダブル[DOUBLE]」(山口よしのぶ)
最終回:「乱世の鬼」(木村浩二)
恒例と化しつつあるおわびと訂正。いままでの日記で裏「日刊」工業新聞と書いてたサイト名は、正しくは裏「日本」工業新聞です。もっと正しくは「"裏"日本工業新聞」。ごめんなさい。全部で3個所。
いまのうちからこれでは老後が思いやられます。老後以前にいろいろ思いやられる気もします。やれやれ。
「純喫茶のこりび」(いとう耐)が載っている。うれしい。定着なるか、というかとっとと連載にしてほしい。「えの素」(榎本俊二)は反逆ののろしやもっと前、ゴールデンラッキーでやってた「動きのある静止」がこれで2回連続。なにやら原点に立ち返った風情があります。
ラブコメ度5割増し、の3巻め。これまでただの童顔大人と思ってたゆずこさんがかわいいったら。はっと目を見はった顔がたまらんです。この巻に登場した、主人公を思う幽霊・緒川千里もいいなあ。笑いながら泣いてる顔がこれまたかわいい。阿熊さんはどうでもいいです(ひどい)。いやどうでもよいわけじゃあないんだけど。
こういう恋愛濃度の高さは基本的には好きなわけではないのに、このまんがの場合は全然気にならない。好もしくさえ思えるのは、このまんが特有の温度の低さがその理由でしょう。冷たいというのとは全然違う、ひんやりとしたやさしさが、読者の感情が入り込む余地を十分に残しているように思えます。このあたり、そういうひんやりしたまんがが基本的に好きだという個人的な好みは当然あるだろうけど。
このまま4巻5巻と続けるもよし、あっさり終わって次回作でもよし。たぶんおれこのひとの描いたまんがは全部読むので、どっちでもいいです。作者の好きなようにしてもらえれば。
別冊ヤンマガ連載の2巻め。少しずつ物語設定を明かしつつ、あいだあいだに一話完結のエピソードをはさんでます。あっちへいったりこっちへいったり、という感じがなくはないけど、挟まれるエピソードがよいので個人的には全然OK。登場人物それぞれのおもいを見せつつ、全体としては陽性のおはなしに仕立ててるあたりが、底抜けに楽天的な主人公とともに、このまんがの明るさにつながっています。もちろんそのバックボーンとして、ひと・もの・建物そのほかなんでも開く「鍵」という奇想があるわけですが。
いまのところこのまんがに望むのは、無事完走してくれということだけ。急がずあせらず着実に。それまで掲載誌が無事でいてほしいのは言うまでもありません。
今年の夏は暑いと長期予報が言ってたから、たぶん涼しい夏になるでしょう。そういうことにしておくれ。暑いのやだ。
朝読み始めた時はそのつもりはなかったのに、けっきょくその日のうちに読み終えてしまったのは、それだけおもしろかったという証しなんでしょう。裏日本工業新聞を手がかりに買った本。ここ、自分にとっては小説探しの貴重な情報源です。
地上の大部分を樹海におおわれた世界に若い女性の主人公という設定はすぐにナウシカを連想させたけど、こっちの登場人物たちは軽やかに飛翔したりはせず、ひたすら地べたを這い回る。ついでに主人公も姫さまではなく、生態系をコントロールし都市が樹海に呑み込まれるのを防ぐことを生業とした、したたかな流れ者。人を信じずおのれの腕だけを信じ、ついでに呪われた出自までしょい込んだ。この主人公が近隣生態系が(人間の生存環境としては)危機に瀕したとある都市にたどりつき、領主からの依頼を請け負い、どこからバランスが崩れどうやればそれを回復できるか、その方法をさぐる。そんなふうに物語は進みます。
基本的にはこの小説、樹海にうごめく動物たちのリアルさと、そこで人間がどうやってしのいでいくかというあたりがメインなのかなと、前半部を読んでるあたりでは感じてました。これがどれくらい生態学的にリアルなのかおれにはわかんないなあとかなんとか思いながら。それはでも早合点で、状況が切迫し物語が加速する後半は冒険譚として迫力十分で、読んでてほんとに引き込まれたのは後半から。そしてこの小説は、冒険譚としておもしろいだけではなく成長物語にもなっていて、しかも物語が終わったときに主人公はやっと成長物語のスタートラインに立ったばかりなのです。だからこのおはなし、主人公に視点を据えて見れば長いエピローグと言えなくもない。この続きが書かれたほうがよいかどうかはともかくとして。
こういう終わり方は尻切れとんぼと嫌う向きもあるだろうけど、個人的には気になりません。一冊の中で無理に決着つけるよりはずっといいんじゃないかと思います。ちっともかわいくない主人公と決して甘くはない結末にも好感を持ちました。いわゆるヤングアダルト、人によってはライトノベルとも絵入り小説とも呼ぶこのジャンルの小説としては、けっこう異色の存在じゃないかな。なお、イラスト描いてるのはOKAMAです。
自宅の遊休PCにリナックスを入れてみる。解像度の設定にやたら手間取ったけどなんとか動く。1024*768で動かんもんかといじったらたちまちXが立ち上がらなくなり、またもや設定→失敗の繰り返し。
このわけのわかんなさは、むかしむかしMS-DOSに初めて触れたとき以来だなあ。なにしろファイルの探し方も見かたもわかんね。まあ、ぼちぼち行きましょう。
巻頭カラーの「エリートヤンキー三郎」(阿部秀司)、おおなんだか石井が立派だぞ。でもって河井は期待を裏切らないぞ。そしてお約束の三郎大魔神起動で次号へ。これで1年生も全員三郎軍団か。
しばらくぶりの登場「ガタピシ車で行こう!!」(山本マサユキ)はフィアット500とIICVの峠バトル。あわせて1100cc。IICVってまだ作ってるのかと思ったらさすがに製造されてないのか。それはそうとこの娘(アユちゃん)レギュラー化するんでしょうか。
連載2回目「TAG」(すえひろがり)は裸でうろうろまんがに。裸でうろうろの巨匠粟岳高弘は瓜頭の命令ですが、これは事後催眠。ついでに空間も実空間。最後に催眠かけた占い師が出てきてさてどうなる。
「神様がくれた一日」(まぐろ帝國)は珍しく素直な恋愛ものなんだけど、考えてみたら相手が1日だけ人間になれたダッチワイフなのだな。ラストシーンはよく見るとかなり異様です。ここは素直に悪意を受け取っとくのが正解か。至極オーソドックスな巫女さんもの+年上ものの「ぷにふにのに。」(久藤清雅)はなぜか妙にストライクゾーンに。とうとうタイトルが横書きになった「死神風紀5年生エスパーBHプラ板縦ロールヘリコプターボーリングトビウオとその妹ロボ絶滅ナルト学び舎パワードスーツラミカスパイの大作戦友情ウニマタンゴ裏設定青大将放射ダクトヤニ番長鼻行類チョコももえサイズ」(結城心一)は今回特に書くことはなし。いやちょっとまてよ新主人公はどこ行った。
新連載:「魔女っ子先生ぱすてるファルナ」(短期集中)(宇佐美渉)
最終回:「LOVE GAME」(大島永遠)
毎号連載化:「PERFECT」(電光石火轟)
読切:「ぷにふにのに。」(久藤清雅)、「不逞な夢」(九尾)、「シルバーリング」(前編)(大貫鉄郎)、「神様がくれた一日」(まぐろ帝國)、「さくら」(後編)(鬼魔あずさ)、「ホームMAIDクッキー」(後編)(上月まんまる)
やったあフレデリカが表紙だ新連載だへっへーんだ。われながら異様な浮かれようは新連載「エビアン・ワンダー」(おがきちか)のせい。以前読んでおもしろいなあこれと思った「銀符(エイジス)とその守護者」の続きにあたります。こういう蛇の目で悪漢笑いする美人はいいなあそばに居たら楽しいかなあ、もしいたらおれは下僕だなとえんえんと巡る妄想。下僕?
悪魔と契約し地獄のエネルギーになる魂を狩るフレデリカと、まるで魂から抜け出た白い猫のように純粋無垢な弟のハウリィ。両キャラクターが強力だけに、この強力さをどうやってストーリーに生かしていくかが腕のみせどころなのかもしれません。ともかくこの先がとても楽しみ。
読切「空の約束」(陽山明子)はセリフと説明の大胆に省略がけっこうおもしろい。その次のもくじに載ってないまんが「SweetSmoke」(中前英彦)、これいわゆるスカシ系のまんがかなでもそれにしてはどこか変態っぽいなと思いつつ読んで数ページ、自分の鈍さがいやになりました。脱いだばかりの靴の温かさ、タバコの火をもらったポッキーの解けるにおい、踏んだ靴の下から伝わる、彼が捨てていったタバコの熱。全体としては素直な恋愛ものなのだけど、この五感への訴え方はいぜんとして特徴的です。そうだよなこういうまんがも描くひとだよな、「オママゴト」の最初のカラーだってそうだったし。
これで3回目の登場になる「S and S」(西村竜)はすっかりのびのびと。今回はほんの少しの悲しみを隠し味に。アワーズ初期からずっと続いていた「KAZAN」(宮尾岳)の最終回は大団円。ラストのセリフ、ずっと考えてたんだろうなと思います。お疲れさまでした。
新連載:「エビアン・ワンダー」(おがきちか)
最終回:「KAZAN」(宮尾岳)
シリーズ読切:「S and S」(西村竜)
読切:「独立国家秘密基地」(オオシマヒロユキ+猪原大介)、「猫待ちの冬」(影崎由那)、「だらだら星人再来!」(どざむら)、「空の約束」(陽山明子)、「SweetSmoke」(中前英彦)
耐えがたいほどの睡魔に襲われて、歩くことさえままならない。着替えている途中で腰が砕けて座り込んでしまう。横になってしまいたい誘惑を必死にはねかえしながら、のろのろ動いてるうちに目が覚めました。夢の中であんなに眠かったのは初めてかもしれない。
眠っていたのは約30分。昨日知らないうちに4時間も宵寝してしまった反省が生かされたことにします。しかし日曜9時半なんかに起きると一日眠いや。
増刊なので読切の話から。「熱血ハードボイルド・ラブコメ」というあおりがついてる「日陰のアタッカー」(カジモリエ)、熱血は熱血だしハードボイルドと言えなくはないけど、実はラブコメじゃない気がする。どこにでもいるような高校生である主人公の彼女は将来有望なバレーボール選手でひときわ目立つ存在で、そしてマゾヒスト。お互いに好きあっているのについに一緒にいられない、それは家同士の対立でも人種や宗教の違いのためでもなくただ性の不一致のため、そんなおはなし。ギャグのようだけどギャグではない、エロではもとよりない、これは巧妙にカムフラージュされた「あのころの物語」なのでしょう。秀作だと思います。
読切もうひとつ、ネット上ではこっちのほうがどうやら評価が高そうな「67000」(神原則夫)。ネットオークションで娘に67000円で売られた冴えないおやじが主人公で、これはけっこうまっすぐにいい話でしょう。なんだけど、なんともひどい話だった前作「とんぼ」のほうにひかれるのは、こちらがひねくれてるだけなのかもしれないけど。やっぱり冴えないおやじが主人公で、狂っていて救いがなくてモラル的にもどうかという話で、でも悲惨ななかに一瞬見える輝きにはどうにも心ひかれるものがあって。などと初読時に整理しきれず書けなかった感想を今ごろ書いてみたり。いずれにせよ、このくらいのペースでこんなような読切を描いてくれるとうれしいです。
連載陣ではまずキューピッドのはずがひどい性格丸出しになってきた「ラブやん」(田丸浩史)。そりゃこのひとのまんがの登場人物だものこうなるわな。これで4回目となった「もっけ」(熊倉隆敏)は、のびやかな線のこの絵と、動きのすくないおはなしの内容がぴったり合ってるわけじゃないかな、とか前回思ったりしたけれど、この絵でこのおはなしという組み合わせも存外おもしろいかなという印象を今回受けました。日常まんがで怪異ものという組み合わせ自体、テーマとしてはかなり難しいものだと思うけど、でもがんばってください期待してます。
夜の風景描かせてもすばらしいことをあっさり示したフルカラーの「PositioN」(芦奈野ひとし)と、蟲をとおして人間の業を描くスタンスにゆるぎのない「露を吸う群」(漆原友紀)のふたつはいうことなし。最終回となった「NOiSE」(弐瓶勉)はどうやらBLAME!の前史的な物語だったようす。本誌から出張してきた「G組のG」(真右衛門)はいつもどおり、「神戸在住 siesta」(木村紺)は震災編のエピローグ。エピローグとしてたいへんおさまりのいいお話です。誠実なひとだな。
読みごえたえ十分で楽しくてよいけれど、でもやっぱり四季賞は載っけてほしいなあ。次号はぜひ。
読切:「G組のG」(真右衛門)、「神戸在住 siesta」(木村紺)、「日陰のアタッカー」(カジモリエ)、「67000」(神原則夫)、「おすすめのカワイイ」(林実日子)、「どうぶつとくらそう。」(いそやこんぶ)、「くまがゆく」(あたまん)、「II(ツヴァイ)」(近藤有史)、「世迷言あらかると」(浅原一正)
前回の引きが気になった「火星人刑事」(安永航一郎)はいきなり野球シーンから、そしてさらに次号へ。長い引きだな。「破壊魔定光」(中平正彦)は次号から新展開とのこと。ここからどう風呂敷をたたんでいくかが勝負かもしれません。楽しみ。
イラ姫がいつもの「最終シスター四方木田」に加えて今回「What's eating イラ姫?」という4ページ駄菓子屋まんがを。マンボもニッキも紙ハッカも知らないなあ。駄菓子屋の一番の思いでは氷菓子にあたって3日間寝込んだことかなあ。ひっさしぶりに登場のシリーズ連載「DOGS」(三輪士郎)は今回前後編です。
シリーズ連載:「DOGS」(三輪士郎)
読切:「What's eating イラ姫?」(イラ姫)
ヤングヒップに連載されてたまんが。装丁凝ってるのに装丁者の名前が載ってないのは…さすがに怖かったのか。それともただ単に載ってないだけなのかなあ。
内容はいかれた医者といかれた看護婦といかれた患者その他が登場するエロギャグまんが。エロギャグの常として、後半になるほどギャグ寄りになってます。でもって終始ハイテンション。読むのは疲れてない時のほうがいいかもしれない。もしくはこっちも酔っぱらってハイテンションのときとか。
もっと連載続くかと思ったけど、あっさり終わってしまったな。まあこのテンションだしなあ。肩の凝らない楽しい一冊…じゃねえな。どっちかというといけないまんがです、これ。
まんがの森でやってた原画展を見て、絵に惹かれて買ったまんが。ファンタジーDXと少女帝国に掲載されたまんがです、と書いてるほうが全然わかってない。どっちも少女まんが誌なのだなたぶん。
華があってかつ繊細な絵は、そのうえパワーも兼ね備えてます。わかりやすく上手い絵。この絵でタロットカードをもとねたにしたお話だから、絵と話がうまく合ってると言っていいでしょう。おはなし自体は魔法のランプ的なファンタジーなんだけど、おとなしく引っ込み思案の主人公と、表情豊かでパワフルな相方の少女と、どっちもたいへん魅力的。いやこの絵が魅力的に見せてる、ということなのかな。それくらい絵に力があります。もうひとつ、この手の喜怒哀楽の激しい女の子は見てて楽しい、という個人的な好みはあるかもしれない。
茶系でまとめた表紙に惹かれたら、たぶん買って外れなしでしょう。ジャケ買いあたり率の高そうな本。
「新暗行御史」(梁慶一+尹仁完)がいいなあ。おはなしも絵もとりたてて好みというわけではないのにすごく読ませる。上手いよなあこの絵。ちょっと休んでまたドンパチ再開の「WILDERNESS」(伊藤明弘)は次回はもっとドンパチっぽいです。これと続いて載ってるのんきなバイクまんが「ジャジャ」(えのあきら)は対象的といえば対象的、しかしこのまんがネームが多いな。それがマイナスになってないような気もするから、これは個性なのかも。
読切前編「圧勝デモクラシー」(落合尚之)は殴り合い直接民主主義という寓話。おはなしをどこに落ち着けるか、後編を待つことにします。
シリーズ連載:「トラフィッカー」(光永康則)
読切:「圧勝デモクラシー」(前編)(落合尚之)
今月号じゃありません先月号です。アフタヌーンでこれ書くの2回目かも。
「イハーブの生活」(小路啓之)が大変なことに。山ほどいた登場人物が一人二人と減っていく。その他大勢を含めると一人二人どころじゃない。そうかこれ、そういうまんがだったのか。
意表をつく登場だった新連載「てんでフリーズ!」(ISUTOSHI)は、でもこうやって載ってみると初回から誌面になじんでる。作者があわせたのか編集者が見抜いたのか、まあそれは読んでる方にはどっちでもいいことか。楽しみにします。一変して今回集団劇の「茄子」(黒田硫黄)は2回目の前後編。食うため食わせるために奔走する女子高生と、例のおっさんが絡みます。そして今回も「ヤサシイワタシ」(ひぐちアサ)はおれをKOして去っていくのでした。なんでこのまんがはこんなに読んでてわくわくするのだ。未だわからん。
新連載:「てんでフリーズ!」(ISUTOSHI)
読切:「LOVE REVOLUTION」(切崎タケシ)、「くまがゆく」(あたまん)、「Marginal」(守屋直樹)
おお入浴シーンだ。ラストに入浴シーンがなかったら突っ込んでやろうと思ったけど、この作者がそのへんぬかるはずもなし。「よみきり▽もの」(竹本泉)の皮をかぶったトゥインクルスターのんのんじー、ひっさしぶり(6年ぶりだそうな)の復活です。いちおう「いつつぼしのんのんじ〜」というのがサブタイトル。主人公の顔は忘れてもテー・ノンノンジーという名前のほうは覚えてたのでした。そうかまた続きが載るかもしれないのか、あのまんが1巻しか出てなくて未収録分があるし、いっそのこと単行本ごと再版しないかな。
もひとつ懐かしかったのが「西蔵童話」(仲能健児)。こっちはれっきとしたチベット旅行の新作まんがだけど、手ざわりが「インドにて」と一緒なのです。あれはパーティ増刊の連載だったからもう10年ちかく前なのかなあ。これはシリーズ読切になるとのことでとても楽しみ。
とうとう行き着くところまで行ってしまった感のある「LAZREZ」(竹谷州史+TKD)。ここから主人公・万尊は立ち直るのか、それともこのまま奈落落ちか。海洋堂取材記後編の「オールナイトライブ」(鈴木みそ)はひきつづき業の深い話でたいへんおもしろい。こういった職人芸が日本の工業を支えている…というのとはちょっと違うか。でもすごいやこれ。「カネヒラデスカ?」(金平守人)は新連載らしい、じゃあ前回は最終回だったのかしら。いずれにせよ内容に変わりはないのでした。
「敷居の住人」(志村貴子)では後半ミドリちゃんとキクチナナコが出ずっぱり。ずーーっとふらふらふらふらしてて結局そこにたどりつくのかお前らあほかあっ、とわめきたくなったけど、もとよりあほなのですわたしもあなたも。こういうところの的確さがこのまんがのキモのひとつなのだな。さて次号いったいどうなるか。
新連載?:「カネヒラデスカ?」(金平守人)
シリーズ読切:「西蔵童話」(仲能健児)「驚異の旅」(摩訶国彦)
読切:「hug」(小林哲也)
先月予告で見た時からずっと気になってたのが、6+7月号ってなんじゃいということ。隔月に戻るのかそれとも1ヶ月お休みなのかと思ってたけど、今月号を読んでやっとわかった。これまで18日発売だったのが、来月号から21日になる。で、宇宙の真理により21日発売なら翌々月号を名乗ることになるので、ほっとくと7月号がなくなってしまう。しょうがないから今月号を2か月分にしたということだったのでした。
内容のほうは今回、あまり書くことがないです。桂遊生丸はお休みだし。八房龍之介が今回読切で「塊根の花」を描いてることくらいかな。ジャック&ジュネシリーズの番外編というかギャグ編でした。あとはいつものまんがをいつもどおり。
新連載:「シスター・プリンセス」(壱河きづく+天広直人・公野櫻子)
最終回:「だめだめ斉藤日記」(斉藤友之)、「行殺▽新選組」(短期集中)(八雲剣豪)
読切:「ヤオヨロズ」(あさきやかい)、「こはるびより」(みづきたけひと)、「塊根の花」(八房龍之介)
同人誌作家中心のラインアップだったこの雑誌にいきなり登場した山浦章。腰を抜かすほど驚きました。もう何年前だろう、「やす子の太陽」が終わってから雑誌で見かけなくなって、年に1回か2回くらいそういやずいぶん見ないなあもう読めないのかなあとか思ってたのです。いやびっくりした。
で、新連載という「超!オタクの用心棒」、一見以前と変わんない内容ながら読んだ感じが微妙に違うような。特徴である暑苦しいどアップ連発がなかったせいかな。作風自体はちっとも変わってないですが。
大空とわは「花八代景譜」をお休みして読切「じゃむ」を。龍に拾われた龍人の女の子というこのひとらしい設定のまんがです。中山かつみは(たぶん)単行本作業につき「SYNICAL ORANGE PIECE ZERO」3ページのみ。「満月の瞳」(井上眞改)は堅調、「LDK」(はしもとしん)は3回目にしてずいぶんこなれてきた感じ。もしかしたらこなれたのは読んでるこっちかもしれない。
で、巻末でもう一回おどろいたのが次号予告。竹本泉が新連載始めるそうです。なんでまたこの雑誌にと思ったけど考えてみればどこにでも描くひとだしな。もうひとり、粟岳高弘も次号から新連載とのこと。どっちも楽しみです。
サツキが満開。ツツジのなかまのなかではこの花が一番好きです。色もちょっと小ぶりなところも。
「鉄腕ガール」(高橋ツトム)は次回5ヵ月後で新展開だそうです。いっそのこと50年後のほうがすっきりするなどと言ってはいけません。トメの孫大活躍とか。
「オーダーメイド」(高梨みどり)はすっかり一人前になった花梨が人助け。それはそうとおれ、鉄仮面なら鉄仮面のままのほうがいいです。いいじゃん鉄仮面だって。葛原さあん。
ひさびさの登場で新連載は「ネオジバン」(小松大幹)。しばらく見ないうちになんだか作風がポップになったような感じを受けた。前はもっととんがってたような記憶があるけど、でもこれはこれでいいんじゃねえかとも思います。お題はたしか以前にもかいてたキックボクシング。楽しみにします。
三度目の登場になるこうのこうじの「ピンクとレッド」は相変わらず変な作風。家にも学校にも居場所のない少女と、少女を見初めた難儀な先生の奇妙なつながり。素直にそれをよろこぶ少女、邪心駆動で踏み外し後悔しそして一世一代の芝居を打つ先生。そんな話です。変な話だけどもちろんそれだけじゃない、なんともこの雑誌らしい読切。このまんまどんどん描いてほしい。
「ゴルディアス」(イダタツヒコ)では実は少しずつ増えていた登場人物たちが、今回てんでに自己主張を始めてもうたいへん。にぎやかなことになってきました。一部で大人気って一部だけなのかでもこんなまんがだしやっぱり一部かなあ、でもおれこのまんが大好きです。もひとつ始まった新連載「2人暮らし」(市川ヒロシ)は、いままで2回登場した読切と同じ、無表情男と好き放題女のカップルのおはなし。個人的には男はもっと無表情のままのほうが。いや別に無表情がそんなに好きなわけじゃないのだけど。どうせやるなら徹底的に。
新連載:「ネオジバン」(小松大幹)、「2人暮らし」(市川ヒロシ)、「妹は思春期」(氏家卜全)
最終回:「OVER HEAT」(たーし)
読切:「ノー・サレンダー」(前編)(野部優美)、「ピンクとレッド」(こうのこうじ)
「てけてけマイハート」(竹本泉)は今回妙にリアルな話。そうです25歳はお肌の曲がり角(ほんとか)。このくらいから体力の回復も酒の抜けもずるずると落ちていくのだ。そのうち筋肉痛が翌々日に。あああ。
そうかこの雑誌、目次を見ると連載扱いなのは「総務部総務課有馬係長」(高井研一郎+林律雄)と「HOTEL」(石森章太郎プロ)と「ゴルゴ13」(さいとう・たかを)だけなのか。あとたぶん再開した「サル」(藤子不二雄(A))と。なんでだ。
連載じゃない扱いらしいなかで「エールをおくろう」(鎌田洋次+桧垣公平)、「獣医ドリトル」(ちくやまきよし+夏緑)、「いついたるねん」(オガツカヅオ)の3つが気に入ってます。「エールをおくろう」はスポーツ紙女性記者が主人公なのだけど、一生懸命がんばって選手と仲良くなって、ではないところがおもしろい。「この仕事をやってる限り、選手との本当の信頼関係なんか望むな」という登場人物のセリフはたぶんそのとおりなのかもしれません。「獣医ドリトル」はおはなしはオーソドックスながら色気のある絵というか線が好き。女の人の描き方とか少し旭凛太郎に似てるけど、もっとやわらかい感じ。幽霊ものの「いついたるねん」は腐乱死体を平気で描く容赦のなさが特徴でしょう。これ、ホラー誌に載っててもおかしくないまんがじゃないかな。
もりのひとじゃなくってもりひのとですって。ですってじゃねえよ。
何度も目にしてるはずなのに、まるっきり気づきませんでした間違ってたの。このてのひらがなひっくり返して勘違いは昔っから得意技なのです。得意技じゃねえって。
あいすみません。
買って読んでみました。本気のほども伝わってきました。あとは雑誌のカラーが、ここからどう変わってくるか、グランプリ5000万円・準グランプリ1500万円という破格の新人賞からどんなものが出てくるか。個人的にはそこに期待します。
おお「アカギ」(福本伸行)が再開している。休んでるあいだに隔週刊になり、連載陣もずいぶん入れ代わったけど、なにごともなかったように続きが始まってます。というかこれ、ちっともひと区切りでないところで休載してたのね。
読切「少年ジャンブ」(真右衛門)はばかばかしいタイトルどおりのばかばかしいまんが。特徴である脱力感をいかんなく発揮した4ページでした。これ、連載にならんかな。