ときどき日記(20010601〜20010615)

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2001/06/15(金)

 結局なにを間違えたか「D+VINE LUV」をリプレイしています。すでにして総プレイ時間が100時間を超えていたのにさらに増える。そういやテレスもギュランも「とびでばいん」には出てこなかったな。

まんがタイムジャンボ2001年7月号

 特記事項なし…かと思ったら松本英孝という「新人」が「くすねちゃんロック・オン!」という4コマを。単行本出してなかったらデビュー以来何年たっても新人なのかな。まあコミックアルファじゃ山川直人が新人だったしなあ。

近代麻雀2001年7月15日号

 前号に続いて「アカギ」(福本伸行)の鷲巣がいかれてます。こういう描写をさせるとさすがにすごい。ほとんどどっちが主人公だというここのところの展開。アカギは無表情のまんま。
 「少年ジャンブ」(真右衛門)がうれしい再登場。相変わらず何の役にもたたないけどそれがいいのだ。このまま連載になってしまえ。加えてどり☆あすかが読切「伝説の雀士」を。このひとのストーリーものは初めてみた気がするけど脱力系の作風はそのまんまでした。
 あと、今回で四回目の「麻雀放浪記 凌ぎの哲」(原恵一郎+阿佐田哲也)がなかなかおもしろい。この作画の人、もしかしたら笠原倫のアシスタントをやったことがあるかなとか思いました。借金取りの人物造形に共通するものを感じたので。

近代麻雀オリジナル2001年7月号

 西原理恵子「ススけて万歳。雀皇様戦。」というレポートまんががなんともはや。これに読者ページの桑木みきの4コマをあわせて読むと、人生についてしみじみと考えさせられます。というかここまで身を削ってギャグやらんでも。しゃれになってない気がしないでもないし。
 と眉間にしわを寄せたところで読切「変身リーチ少女 シャオパイロン」(うちの文吾)を読むと、眉間のしわと一緒に脳みそのしわもみるみる取れていくのがわかります。この手のまんがって、ベタとエロ(またはお色気)とギャグとバカが全部つまってるのだなあと分析したところでしょうがない気もします。疲れた時にはバカまんが、なのかなあ。
 「Bluff」(沖本秀子)がなかなか好調。大物手を育てた主人公のうれしそうな顔がいい。巻末「シンケン君」(坂本タクマ)はお得意時事ネタが炸裂。確かに小泉総理とシンケン君ってキャラが似てるな。

新連載:「天狼」(ほんまりう)
読切:「ネイビー倶楽部」(前編)(神田たけ志)、「変身リーチ少女 シャオパイロン」(うちの文吾)


2001/06/14(木)

 浴槽の下からブラシが流れ出てくる。今の家に越してしばらくたつけど、越した当初から石鹸箱やらシャンプーのケースやらこどものおもちゃやら、もう10個以上出てきたでしょうか。いったいどういう浴室ライフを送っていたのだ前住者は。

モーニング2001年28号

 あいたた「ぶっせん」(三宅乱丈)ほんとに終わっちゃうのか。次号最終回。なまじいい話で締めたりせず最後まで笑わせてほしいような気もするけど、作者のまんがだし作者の好きなように締めてくれたらよいような気もします。2年近く続いてたんだなあ。
 再登場「いよっおみっちゃん」(山田芳裕)は今回は単発。主人公が全国各地を旅する展開より、むしろここに腰をすえたお話が見てみたい。「オーダーメイド」(高梨みどり)は今回やや美味しんぼっぽいような。「空室あります」(やまあき道屯)は妙になまぐさい展開。「純喫茶のこりび」(いとう耐)は3号連続の2回目。

ヤングコミック2001年7月号

 特記事項なしです。いつもどおり「ナルミさん愛してる」(山川直人)「蛙の王子様」(池部ハナ子)

黒のおねいさん/さそうあきら(文藝春秋・ビンゴコミックス)

 9編収録の短編集。発表時期が収録順に1998−1999−1997−1998−1995−1994−1996−1990−1987だからけっこうばらついてるのだな。テーマも純朴な工員の恋愛(ねじの回転)だったり、日焼けサロンでまっくろけの女性に惚れる話(黒のおねいさん)だったり、女性のもとにむくつけきキューピッドが降りてくる話(QPS)だったり。悲しい話いい話変な話ちょっとホラーっぽい話とバリエーションに富んでます。絵に強いくせがあるのでそれに引っ張られてついつい忘れがちだけど、いろんな話を描いてるなあというのをあらためて認識しました。
 9編中年代の古いふたつ、1987年発表の「発熱」と1990年発表「自転車の楽しみ」だけまんがの色がぜんぜん違う。素朴な味わいのある「発熱」と残り7編との中間点にある「自転車の楽しみ」が、好みだけでいえば一番です。1989年に発刊された「シーソーゲーム」もそうだけど、このころのさそうあきらのまんがはほんとうにどきどきするぐらいよいです。完成度だけを見るならそりゃもちろん今の方が上手いし、今のこのひとのまんがだってまた別の方向でよいのだけど。
 けっこう買ってるようでいて、実は長編の読みもらしが山ほどあるのだよな。いいかげん本腰入れて揃えようかな。


2001/06/12(火)

 仕事帰りに寄った整骨院に牧野修「アロマパラノイド」を忘れる。次行った時に回収できるかな。
 かつて吉野家に光瀬龍「アンドロメダ・シティ」を忘れて戻ってこなかったのは、これまでの人生で…少なくとも読書人生では最大級の痛恨事でした。その後古本屋に行った時は文庫の棚を探してるけど、まだ見つかっていない。読み終わってなかったんだよなあ、あれ。

飛燕独立戦闘隊/滝沢聖峰+松本良男・幾瀬勝彬(大日本絵画・MGコミック)

 仕事帰りに芳林堂関内店へ寄ったら、この作者の単行本全部に手書きのポップと見本書が。その熱意に押されて買った本です。
 内容はおおざっぱな言い方をすれば戦闘機もので、こういうまんがを読むのは遠い遠い昔に読んだ「紫電改のタカ」以来かなあ。もっとおおざっぱにくくれば戦争もの・戦記ものとなるんだろうけど、読んでみて戦争ものと言っても陸海空でたぶんぜんぜん別物なんだろうなという印象を受けました。有史以来一貫して人間の数を戦力のものさしにしてきた陸上戦力と違って、飛行機はもちろん飛行機乗りも高くつくものだし、一度の先頭に加わる数が少ない分、味方が墜とされるとダイレクトに自分のピンチにつながるみたいだし。加えてこのまんが、限られた手段の中でどうやって速く飛ばすかという腐心や、戦闘場面での敵味方の位置を確認しながらの操縦方法など、技術的な側面がかなりくわしく描かれていて、この部分は正直興味深かったです。戦闘場面での心理の動きなどは、スポーツやゲームにおけるそれによく似ているように感じました。正しくはもちろん「スポーツやゲームが戦争に近い」のだろうけど。
 ふだん読まないジャンルのまんがだけど、けっこうおもしろく読みました。もとよりこの作者、まんがの上手い人だし。

コミックバーズ2001年7月号

 なんと今号は読切なし。もくじどおりに全部載っている。なぜか「BEAST of EAST」(山田章博)「チョーク。」(竹美屋らら)が掲載順と逆だけど。
 その「チョーク。」が最近楽しみ。ふわふわした絵でコマ割りが奔放で、どちらかというとこの手のスタイルは好みではないはずなのにな。ここまで徹底してると気持ちいい、ということか。それとも単に絵が好きなのか。いやたぶん絵だけじゃない。
 「Marieの奏でる音楽」(古屋兎丸)がゆっくりとクライマックスへ。この展開は全く予想してなかった。だからラストも予測がつかない。どうなるんだろう。

零式2001年7月号

 絵柄のかわいさ当社比5割増、話のひどさは10割増の「下剋上」(まぐろ帝國)。あえてこの絵にしたうえでこのお話というあたりのひねくれかたがお見事。こういう絵も描けるのかそりゃそうか。これにくらべりゃ単行本発売記念「寝る娘はソダツ!」(才谷ウメタロウ)はごくまともな読切だけど、いぎたない女の子がなかなかいいです。
 クライマックスが近そうな「としうえの魔女たち」(むつきつとむ)は今回ちょっとだけ絵が荒れてるような気が。気のせいかなあ。「PERFECT」(電光石火轟)はもはやなにがなんだか。徹底して無意味です。ももえは三つ編みメガネ。渡辺さん…


2001/06/11(月)

ヤングマガジン2001年28号

 2ページに戻った「全力!かちわりホームラン」(柘植文)が2本立て。やっぱりこっちの方が好みだ。
 大阪弁全開の走り屋まんが「ナニワトモアレ」(南勝久)が絶好調。と思うのはおれにとってなじみの言葉だからなのかな。「チンカスがー直線はこっちのほうが速いんじゃあ〜〜!!」というのはポリさんのセリフ。チンカスを逆さ読みしたらすかんち。今回は単発だけど5号後から続けて載るとの知らせがうれしい「しあわせ団地愛妻弁当」(蓮古田二郎)は隠れるように最後尾に載っている。と思ったらさらに後ろがありました。「バカ姉弟」(安達哲)は今回巻末。

まんがライフオリジナル2001年7月号

 ありゃ、「エブリデイズ」(長崎さゆり)がお休みだ。残念。
 「ラブミーてんだい!」(有間しのぶ)、第1巻が出るそうです。今回が73回目。そういうものなのか。A5版650円なので72話収録というわけではありません。たぶん。

増刊エース桃組2001年3号

 べた甘まんがか変なのか、掲載作がほとんどどっちかに属する今回。個人的におもしろかったのがほとんど後者ばっかりというのは偶然ではなく必然なのかもしれないけど。雑誌の購入動機としては間違ってるよな気もするけど。まあいいや。
 再登場は「大魔法峠」(大和田秀樹)「さるやの二人」(佐伯淳一)「進むフリ。以下略。」(平野耕太)の3つ。「大魔法峠」は魔法少女まんがとヤンキーまんがを足したまんがです。2で割ってません。むしろ2倍してます。「さるやの二人」は前回に続き変態さんオンパレード。デビュー作はたいへん正攻法なまんがだったんだけどなあ、おかしいなあ。こういう作風が地なのかなあ。できればまたまともなのも読みたいです、このひとのまんがは。ダメオタクウダウダまんが「進むフリ」は一服の清涼剤、ではない。ではないけどこの増刊を買った人は、これを読んで現世に戻っていくのだ。おそらくは。
 今回変なまんが組の大将格は「Mistlarouge」(林家志弦)かもしれない。いやこれは変というよりこわれたまんがか、どっちかというと作者が。「Web展開の超大型メディアプロジェクトがコミック界進出」というからああメディアミックスかと思ったらなんだよこれ。どんなゲームなのかちっともわからなかったというか見比べれば見比べるほどわからなくなるというか。このひとにコミック化を依頼した時点で命運は決していたといえましょう(いやむしろ狙ってたのか)。
 変でない組では「鋼鉄の少女たち」(しけたみがの)かなあ。戦車隊で軍服少女という一部の嗜好をいたく刺激しそうなお話だけど、続くうちにまんがとしておもしろくなっていくかなと期待してます。「魔砲少女四号ちゃん」(丸川トモヒロ)はどっちかというと「成恵の世界」あっての存在かなあ、個人的には。


2001/06/10(日)

 南の島もいいんだろうけど、温泉もいいなあ。一ヶ月とは言わないけど、一週間ぐらい逗留したいなあ。骨の髄まで堕落したい。

コミックフラッパー2001年7月号

 「女神の鉄槌」(新居さとし)が好調。ほとんど完全にばかだけどちょっとだけばかでないとこを見せた主人公・いちごは「ただのバカではない」コメディ主人公の王道を行くのでしょうか。どっちかっつうと「ただのバカではないけどやっぱりバカ」あたりが好ましい落ち着き先では。主人公に読まれたら殴られるなこれ。
 リシュ=コト回想編3回目の「雲のグラデュアーレ」(志水アキ+木原浩勝)は相変わらず読んで気持ちのいいまんが。アクションシーンが描けるから「夜刀の神つかい」みたいなのもこういうのも描けるんだな。珍しくシリアスが続いた「そして船は行く」(雑君保プ)は今回一段落。次回あたり反動が出たりして。新人賞佳作入選の「Sing Like Playing」(深木紹子)はさべあのまとたがみよしひさを足して2で割ったような、というのが第一印象。まだまんが描き始めて日の浅い人みたいなので、これからどう変わるかが楽しみです。

最終回:「ひっち&GO!!」(永野のりこ)
読切:「Sing Like Playing」(深木紹子)

エースネクスト2001年7月号

 これまで登場した人物が一同に会しての「地球美紗樹」(岩原裕二)がすばらしい。登場人物があっちこっち動き回りながらきれいにまとまってるのは腕力のなせる業でしょう。たぶんこれがやりたかったんだなあ、このまんがでは。
 おはなしのほうも、これまでずっと陽性だったニオが突然涙を流しだす展開。藤川嶺子の悪役っぷりも見事。ラストでもうひとつ展開を見せて次回へ。いやすばらしいです。
 読切「お兄さんは許しません!」(峰倉由比)はお兄さんのキャラクターがいまいちぴんとこなかった。また次回。というよりそろそろ次の連載を読みたいな。

読切:「お兄さんは許しません!」(峰倉由比)、「ヘルメス」(後編)(渡瀬のぞみ)

コミックドラゴン2001年7月号

 「クロノクルセイド」(森山大輔)、後半戦突入。ゆっくりしたテンポから突如動き出すおはなし、そしてこのまんがのクライマックスのひとつとなるだろうシーンが。で、来月。は休みで来々月。うへえここで2か月待つのか。
 うへえと言えば「ファントムウィザード」(大森葵)が最終回なのですが、なんだかぜんぜん完結してないじゃんこれ。続きはあるのかしら、あると言って。これで終わりと言われてもおさまりが。
 そして3つめ「モンスター・コレクション」(伊藤勢+安田均)は召還したカースエレメンタルに潰されかけたカッシェがとうとうぶちきれる。火事場の馬鹿力というけれど、火事場の馬鹿力が馬鹿力だったのねこのひと。このまんがもたぶん、クライマックスへ向かっています。
 天衣無縫のルチッチを活躍させての新展開「テスタロト」(三部敬)はでも相変わらず血なまぐさい展開なのでした。動物病院看護婦さんなべたべたまんが「やえかのカルテ」(武田日向)がなぜか不意に気になる。気になったものはしょうがないのでしばらくつき合うことにします。

最終回:「ファントムウィザード」(大森葵)


2001/06/08(金)

 明日から1泊2日で野沢です。夏に行くの初めてだな。

ヤングヒップ2001年7月号

 ひさしぶりの購入は今度も「はっぴーえっぐ」(天原孝)目当て。毒のない絵柄だけどまったくくせがないわけでもない、これから先どんなふうに変わるか興味深いです。「ブッ契リラヴァーズ」(かかし朝浩)はラブコメなのだなこれいちおう。

モーニング2001年27号

 しばらくぶりのシリーズ連載「空室あります」(やまあき道屯)が3号連続で登場。そういやこれ、まだ単行本になってなかったんだな。「純喫茶のこりび」(いとう耐)も今回は3号連続。定着まで届くかなあ、届くといいな。
 「ぶっせん」(三宅乱丈)はひょっとしてクライマックスなんだろか。いまこのまんがに終わられると、おれのモーニング購入欲に重大な影響が出るのでもう少し続いてくれるとうれしいのだけど。ただおなはしとしてはここで終わるのもきれいだしなあ。「えの素」(榎本俊二)には少しおとなびた田村亮子がひさしぶりに登場。田村亮子といって通じなければ田村さんの娘です(通じるのかこれで)。あの変態父とサディスト母からなぜこんな素直な子が。宇宙の神秘だ。

ヤングアニマル2001年12号

 新連載「吉浦大漁節」(たくまる圭)の絵が抜群にいい。前回作「17歳」もひかれるものがあったけど、それから1年ちょっとたつうちにまた絵が変わったなあ。この絵のクオリティを保って連載続けるはしんどいかもしれないけど、がんばってほしいです。主人公は猟師村の男の子。両親を亡くして独り暮し、いや拾った犬がいるから一人と一匹。すべりだしはそんな感じ。
 「ハネムーン サラダ」(二宮ひかる)では自分の気持ちを自覚しきらないまま遥子が暴走。3人で行っちゃえ南の島。いろいろ起こりそうで楽しいぞきっと。


2001/06/06(水)

 とうとう首がぶっこわれたので整骨院に。先生がえいやとばかり旋回させると、ものすごい音がして首が外れる。新しくつけてもらった首は前のとは雲泥の差とはいえやっぱし重ためで、先生によるとまだ治療のスタートラインにも着いてないそうな。うへえ。

 あと、眼精疲労がはなはだしいと指摘を受けて苦笑い。四六時中目を使いっぱなしだもんなあ。とびでばいんが拍車をかけたかも。

ロストガール/岡本賢一(角川スニーカー文庫)

 またもや表紙イラスト黒星紅白。お前は黒星紅白がイラスト描いてる本全部買うつもりかと自嘲したくもなります。これに限れば、表紙とカラーよりモノクロの挿し絵のほうがよかったな。
 とはいえこのひとの小説は前から読んでみたいと思ってたので、ジャケ買いというわけでもありません。妖怪が高校生の頭をかみくだくショッキングなシーンからスタートして、甘くもなく絶望的でもなくなかなか微妙なラストまで、基本的には残酷でスピーディな妖怪退治もので読みやすくおもしろい、のだけど、なぜここにうさみみ能天気女とクールな眼鏡っ娘が出てくるのだろう。しんどめの設定とはなはだしく遊離したこのふたりのせいで小説全体が妙にアンバランスになっていて、これはこれで不思議な味わいが出ていておもしろいと思うけど、ふたりを登場させた意図と得られた結果が一致してるかはよくわかりません。
 おもいきり硬派なおはなしのほうがこのひとの小説はおもしろいかもと思ったけど、おれがおもしろいと思うのとこのジャンルで広く受け入られるのとは別だしなあ。でも、一読者としては余計なこと斟酌せずに「硬派なのが読みたい」と言ってしまうのがいいのだろうな。とりあえず次を買って読みます。

ヤングアニマル増刊嵐2001年2号

 なんといっても「ヘウレーカ」(岩明均)なのだけど、「ハレエション」(宇仁田ゆみ)もいいな。古代地中海世界が舞台という「ヘウレーカ」、歴史物で工夫/発明またはそれをなす人が登場する点で、前2作と共通するものがあります。アルキメデスの晩年からスタートさせるあたりがユニークだなあ。「ハレエション」は登場人物のひとり、会社では無口無表情でバイト先の戦隊ショーでは子どもたちのおねえさん、という女性がおもしろい。おもしろいのだけど、この表と裏のつかいわけをどう整理してどこに落ち着けるか。そのあたりに注目してます。
 「乱れろ!生態系」(えりちん)は川に向かって自家発電したら鮭の卵が受精して人魚が、というめちゃくちゃなまんがで、ラストにいたるまで無茶をとおしたのがすてき。無人島でひきこもり、という「無人島だよ人生は」(サカタタカシ)もけっこう変なまんが。「アニィCRAZY」(笠原倫+山内雪奈生)は相変わらずの笠原節。ほんとに原作付きなのかこれ。


2001/06/05(火)

 なんだこの蒸し暑さはじめじめした天気は。ひょっとして梅雨なのか。梅雨経由猛暑行きなのか。せめて普通の夏がいい。

ヤングマガジンアッパーズ2001年12号

 あんだけ好き放題やったら最後にはこうなるよとたいていの人が思いそうな「春よ、来い」(咲香里)。ちょっとまてお前は和月がいいんじゃなかったのかとオズに突っ込みたくなった「イヌっネコっジャンプ!」(はっとりみつる)。そりゃネコは追ったら逃げるわな。街中でバズーカはまずかんべと思う「不死身のフジナミ」(押川雲太朗)とかポン刀はもっとまずかんべと思う「PERIDOT」(こばやしひよこ)とか。「黒竜の城」(梶原崇+田中芳樹)はイシハが宦官であることが明かされるのだけど、そこまで特殊な存在として書くには中国史はあまりに宦官だらけなような気もします。完全に化け物の本性をあらわした玉芝は頭から羽根が生えてる。これは珍しいかも。

新連載:「鋏客〜ダブルブレード」(短期集中)(玉置一平+夏秋望)

リイドコミック爆2001年7月号

 リニューアルから3冊め、「ガディスランギ」(深谷陽)の魅力に抗しきれなくなっての購入。記憶にある限りでは素のリイドコミックの時代から通しても初めて買ったのだけど、まだ統一感のとれてないところが微妙におもしろいな。オヤジ誌と青年誌のハーフのような。
 個人的には「ガディスランギ」だけでも買う価値のある雑誌だということを買って読んで改めて実感したけれど、そのほかに「レネゲイド」(中山昌亮)もおもしろくなりそうだし、3号集中という「お嬢様と犬」(こいずみまり)もたのしそう。岡村賢二−石山東吉とか、みたにひつじ−藤波俊彦−立沢直也とか、市川智茂−修生とか矢野建太郎−坂辺周一とか、切ろうと思えばいろいろ切り口のありそうな雑誌。次から新連載という雅亜公のまんがも気になります。


2001/06/04(月)

 きのうクリアしたとびでばいんをもう一度立ち上げてみたら、「シューティングモード」というメニューが増えていた。これ、モードもなにも完全なシューティングゲームになってました。全7面。EASYではワンコイン、NORMALではラスボスが倒せず、HARDは3面HELLは2面で沈没…と書いてもおれのSTG技量がどの程度凡庸なわからないと意味がないのですが。とりあえず、HELLは1面から画面中弾だらけだった。

地球美紗樹(1)/岩原裕二(角川書店・角川コミックスエース)

 エースネクスト連載作の1巻め。この表紙の絵、目がでっかいなあ。どんどん変わるこのひとの絵、現時点では好みのエリア中心を行きすぎてちょっとだけ外れ加減ではあるけれど、全然問題ないですこれからも変わるだろうし。ていうかまだまだエリア内だし。
 おはなしは女の子とキスすると人形になる不思議な生き物・ニオとまわりの人たちの交流を描いてる…のだけどそれだけではなく、悪人女とか無愛想な猟師とか気の強いお嬢様とかいろいろ出てきて、作者コメントもあわせて読むとどうやら群像劇ということのようです。小さな町で、あっちこっちからまりあってる人間関係をあやつって、最終的には一点に収斂させていく、そんな話になるのかな。おはなしのなかでニオがどういう役割をはたすのかが鍵になりそうです。楽しみ。

閉鎖のシステム/秋田禎信(富士見ミステリー文庫)

 表紙・イラストが黒星紅白。懲りずにジャケ買いした本です。よく見るとこの表紙、けっこう不思議な絵だな。歯車と人間が融合したような。
 このひとの本、というより売れてそうなヤングアダルト/ライトノベル系の作者の本を読むのは初めて…じゃないか。スレイヤーズの1作目読んだことあったっけ。まあそれ以来だったのだけど、ひとつのねたをいっぱいいっぱい引き伸ばして1冊の小説にしてしまう手際には、読みおわってなるほどこうでないと食って行けないのだなあと感心しました。これはほんとに皮肉ではないのだけど、職業小説家のありかたとしては、思いつく限りのアイデアを一冊に詰め込むかわり冊数はあまりいかないよりは、たくさん書いてたくさん出す、というほうがより効率がいいし、読むほうだって読むのに覚悟がいるほど気合いの入った本より気楽に読める本を求めるひとのほうが多数派だろうし。出版社もこういうのが売れた分であまり売れなそうなのも出せるのだから、世の中はこういう本がないと回っていかないのです。たぶん。
 とはいえそれと個人的に楽しめたかどうかは別問題で、後半登場人物たちが恐慌をきたしていくところはなかなか引き込まれたけど、最後はなんとなく落ちてないような気がします。主人公のダメ人間的造形はけっこうユニークかな。他の人は普通の人間なのに、主人公だけ変な人でした。

ヤングマガジン2001年27号

 とうとう河井失脚かという「エリートヤンキー三郎」(阿部秀司)。そもそもなんで今まで失脚しなかったんだか。いつもとちょっとタイトルの違う「全力!かちわりお姉さん」(柘植文)は4ページ。2ページと4ページは全然求められるものが違うのかもしれないなあ。むつかしい。

六門世界4 魔王復活の穽/安田均(富士見ファンタジア文庫)

 トレーディングカードゲームの1タイトルであるモンスター・コレクションTCGと同じ世界設定で描かれたシリーズ。作者はそのままゲームの作者でもあります。コミドラで伊藤勢が描いてるまんがの原作クレジットも同じ人。
 3作目から2年弱、ずいぶん間があいたせいですっかり設定展開登場人物を忘れてたけど、読んでるうちにだんだんと思いだしてきました。このシリーズ個人的にはかなり楽しみにしてるのですが、小説としてはとても上手いというわけではないのに楽しめるのは、世界設定がトラディッショナルなRPG世界にかなり近いところにあるためかなと思います。ウィザードリィにウルティマにドラクエに、というか早い話がD&D。ドワーフとエルフとオークが出てきる剣と魔法の世界。D&Dの源流には指輪があるんだけど、指輪とD&Dはけっこう別物であるような気もします。これは余談。
 この小説、物語のすすむペースの早さも特徴かもしれない。モンスターが出たり罠があったりいろいろあったけどなんとか目的の場所に着いて、というような省略のしかたは、マスターがめんどくさくなったとき(あるいは大目に見てくれたとき)のテーブルトークみたいでくすりと笑ってしまいました。テーブルトークやったことあるひとなら楽しめる小説、なのかなあ。TCGはまるでやったことないので、そっちとのつながりでおもしろいかはぜんぜんわかんないのですが。

だって愛だもん/橘裕(白泉社・ジェッツコミックス)

 ヤングアニマルの増刊に5回連載されたまんが。作者は少女畑のひとで、このまんがも少女まんがといっても違和感ないかな。
 おなはしは高校生のどきどきラブコメで、アタック側の主人公(男)が女性名で少女小説書いてるという設定がおはなしをややこしくしてるけど、基本的にはオーソドックスなラブコメです。買って読んでるのはたぶん絵が好きだから。大きな黒目が鍵かなあ。


2001/06/03(日)

 床屋で髪を切る。無精なのでひんぱんに行かないけど、床屋に行くのはすごく好きだったりします。髪切ってもらうこと自体より、そのあとのシャンプーひげそりドライヤーちょっとだけマッサージというあの工程がすんごく気持ちいい。温泉+マッサージ椅子とどっちが楽しみというくらい楽しみ。
 洗髪ひげそりマッサージだけやってくれるような店、ないかなあ。特殊サービスなんていらないから。あったら週1は間違いなく通うな。

とびでばいん/アボガドパワーズ(18禁アドベンチャー付き横スクロールSTG)

 今度はシューティング、と喧伝されていた、傑作ARPG「D+VINE LUV」の続編的ゲーム。やってみたらほんとにシューティングでした。まあ、このメーカーがシューティング作るっつったらシューティングになるの、ある程度予期してたけど。
 シューティングにひっついてる格好の18禁アドベンチャーパートはほとんどひっついてるだけで、ゲームの統一性からしたらなくてもいいのだけど、これがないとエロゲーにならんのだよな。そしてエロゲーにならなかったらこれほんとにシューティングになってしまって、いまどき新作PCソフトのシューティングなんて売れるわけないから、この形以外では出しようがないのかもなあ。

 シューティングとしての出来はいまいちSTG属性が低いので客観的な評価はしづらいのだけど、おもしろかったのは確か。最初の1面はパステルでおおファンタジーゾーンがやりたくなったぞとか思いながらやってたけど、ラスボスはかなりきつかった。ファンタジーゾーンよりはむしろダライアスで、当たり判定が甘くなかったらクリアできなかったと思います。ちなみにシールドアイテムを取れば3回有効のシールドがつくし、完全状態からならダメージ8回までOKだし。そのへんはけっこう親切設計です(少なくとも標準難易度では)。
 けっこう重ためのストーリー設定だった前作と違って、今回はだいぶ気楽に遊べる感じ。この印象はプレイ時間の違い(前作は初回30時間・トータル100時間超、今回は5時間くらい)によるところもたぶんあるでしょう。登場人物設定その他を引き継いでることについては、あのおはなしはあれで完結したままでもよかったかなあと思う半面、見知った面々の登場する懐かしさもあって、トータルで見ればプラマイ0くらいかな。まあ、これはこれでいいのかなあとも思えます。
 はてしかしこれ、どういう人たちが買っていくのだろう。エロゲー購入層とSTGプレイ層ってどれくらい重なってるのか知らないけど、凡庸なゲーマーである自分にとっては、おもしろいARPGがやりたいと思って大当たりだった前作ほどではないにしても、ひっさしぶりにシューティングを堪能できて大満足でした。ちなみに終末さん以来の大槻涼樹エロシーンはあいかわらずポルノ小説のようだったです。好きなのかなああいう表現。


2001/06/02(土)

 なんとなくゲーセンに入ってなんとなくテトリスをやってたら、左端に積んだ覚えのないブロックが。初めてやってからもう10年以上になるけど、こんなの初めてみました。バグなんだろうか。

近代麻雀2001年7月1日号

 「西校ジャンバカ列伝 かほりさん」(神原則夫)があいかわらず血も涙もない内容。シーズン増刊のまんがに心動かされた人がこれ読んだら人間不信に陥るんじゃないだろか。ラストシーンがコンクリ詰めだよ。
 再開2回目の「アカギ」(福本伸行)がテンション上がってます。「死んじゃうツモ」という自分の言葉に酔う鷲巣、よだれをたらさんばかりの表情。構造は好き好き大好きと繰り返して幸せになる少女と変わらんのだなたぶん。新連載「トサケンばくち地獄」(赤羽文学)はパロディまんがになるのかな。

快楽天2001年7月号

 この雑誌ではひさしぶりの登場になる板場広し「猫ミミ課長」。OLももちろん猫耳、課長は耳だけでなく手も足も顔も猫。お約束のセリフ「すごいです課長まるで獣に犯されてるみたい……」で不覚にも笑ってしまう。やっぱりこういうバカまんがが一番持ち味出てます。
 「ホテルジズム」(道満晴明)は今回16ページだけど、いつもの8ページくらいのと同じ無意味流で描いてるから大変なことに。舞台はホテル、男客と彼女とホテルマン2人と覆面レスラーと女インタビュアーとおっさんとホテルオーナーの娘と殺人犯と妻とメイドと女刑事と後輩ロボットと開かずの間の住人。性交5組死者4人、以上。最後に崩れた壁の奥にあったのは何だったのかわからんけど、もはやどうでもいいです。すばらしい。
 「はじめてのサスペンス」(櫻見弘樹)が予想外の展開に。タイトルどおりと言えば言えるけど、これ、予定どおりの道行きなのかしらん。どうまとめるんだろう。いったいどこへ向かうのかさっぱりわからん「少女、ギターを弾く」(朔ユキ蔵)は放置して眺めるしかなさそう。このひとのまんがだからどこにもたどりつかない可能性は濃厚だけど。全1巻にまとまればすげえまんがになるかな。こちらが虚無ならあちらは倦怠、「ヒステリア」(神寺千寿)はつかまえにくいまんが。太った女性がこういう形で登場するあたり、作者が女性でないと描けないまんがだな。作品中のどこにも明示されないけど、登場人物3人ともどこか絶望を抱えているような、そんな感じを受けました。

読切:「猫ミミ課長」(板場広し)、「やめるはひるのつき」(三浦靖冬)、「ホテルジズム」(道満晴明)、「ホフ道」(松本耳子)、「スーパーエロ水着ゆみこちゃん3」(町野変丸)、「ヒステリア」(神寺千寿)


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