最近雑誌を読む順番がめちゃくちゃになってます。ぐうたらGWのつけ。アフタヌーンがいまだ手つかずだったりするし。
バンチ、おもしろいですか。ラインアップを見て購入意欲が5mほど後退してたのだけど、やっぱりとりあえず買って読んでみるか。すべてはそこからか。
おお、オズが飛んどる。特訓の成果かどうかは知らないけど。いいぞ飛べ飛べ、飛ばないオズはただのオズだ。
「黒竜の城」(梶原崇+田中芳樹)はイシハの反攻。「コンパレ」(むとうひろし)はラストスパートの特攻。だから「イヌっネコっジャンプ!」(はっとりみつる)もオズタカヒロの巻き返しなのでしょう。ほんとうかなあ。
読切:「四畳半コマ劇場」(茶々丸)
「PON!とキマイラ」(浅野りん)が最終回。結局なんにも決着はついてない、でもこのまんがの終わり方としてはこういうのもありだろうと思います。もう少し眺めていたかったような気もするけれど、これ以上長くなるとポン太の扱いが難しいかな。ともあれ長い間楽しませてくれました。また次回作。
「ジャングルはいつもハレのちグゥ」(金田一蓮十郎)ではウェダにとうとう赤ん坊が。ぐうたらママと不憫な息子で始まったまんがは、いつのまにか主人公の家族が4人(グゥも入れたら5人か)になるとこまで来ています。息子の不憫さはひどくなってるような気がしないでもないです。
先月シリアス一辺倒だった「ARTIFACT;RED」(木村太彦)は一転してギャグだらけ。我慢した反動かな、これ。
最終回:「PON!とキマイラ」(浅野りん)
読切:「疾風迅雷・新!」(保坂秀)
先月に続いて「THEビッグオー」(有賀ヒトシ+矢立肇)がハイテンション。これまでなんとか維持してきたおとぎの街に、あきらかに亀裂が入り始めてます。このまま壊れる一方なんだろうか。
「仮面ライダーSPIRITS」(村枝賢一+石ノ森章太郎)にはライダーマンが登場。ライダーマンとワルダーは子供心に強烈な印象をのこしたキャラクターでした。いまにして思えばどっちも石ノ森章太郎なのだな。
「しばらくお待ち下さい」(岩田鷹吉)が巻頭カラー。このまんが、人気あるのか。いやおもしろくないわけじゃないんだけど、このひとのまんがはストーリーもののほうがおもしろいんじゃないかなあと常々思ってるのです。痛しかゆしだなあ人気があるのは。
前回で揺らいだ前田里があっさりと落ち着いた「極楽丸」(相川有)、こんどは極楽丸のライバル的存在・図死王丸が自分の存在意義を問う。そしていずれは極楽丸に順番が回ってくるのかもしれない。「れ・り・び」(ともち)は恐ろしいほどぬるい展開。そうだよこれが載っててこそのバーズだ。
最終回:「日の丸あげて」(新谷かおる)
読切:「鳥玄坊」(うちやましゅうぞう+明石散人)
だんだん少女まんが誌らしくなってきた、のかな。「Love experience」(犬上すくね)に「先生のラブ時計」(おがきちか)に「夢のちまた」(逆柱いみり)と楽しみにしてる連載も固定化してきました。しかしごめんなさいならそれを言っちゃあいかんのじゃないかなあ。それともそれでも言われた方がうれしいのかなあ。よくわからん。
風呂から上がったらいきなり全身じんましんみたいなのが出ました。なんだこりゃへんなもん食ったっけと思いだした夕食は皿うどんとギョーザ。ギョーザでじんましん出るかなあ。ニラ?
軍団崩壊編(でいいんだろうか)佳境の「エリートヤンキー三郎」(阿部秀司)。なんだ石井ってほんとに強かったのか、二度同じ手にひっかかる学習能力のなさはともかく。そもそもこのまんがに学習能力のある人間はいるのか。
ちば賞受賞作という「春の手紙」(宮下英樹)はかなり変わったまんが。物語のつなぎ型から会話の間まで、いわゆる一般的まんが文法とはやや遠いところにあります。これをあえてやってるのかそれともほっといてもこうなってしまうのか。次を読んでみないとなんともわからない。そうそう今週は「バカ姉弟」(安達哲)の週。
最終回「エヴァーグリーン」(米倉けんご)は予想外のさわやかな展開。そうかこれそういうまんがだったのか。いっぽうほのぼのかと思ってた「はじめてのサスペンス」(櫻見弘樹)ではなんと人死にが。そうかそれでこのタイトルだったのか。ほんとか。
二回目「少女、ギターを弾く」(朔ユキ蔵)はいまだ助走中の風情。意外と長丁場になったりするのかな。ひさびさ登場の「ギュッデイ ギュッバイ」(TARGO)はコムギ君登場の変態バージョンでした。
最終回:「エヴァーグリーン」(米倉けんご)
シリーズ読切:「おませなプティ▽アンジュ」(月野定規)
読切:「タイムストッパー▽」(町野変丸)
旅行の鉄則は荷物をできるだけ減らすこと。そう思って家を出る時はそれなりに軽いかばんにしてるのだけど、ついつい古本屋があると覗く、なんか売ってると買う。帰りは行きの倍ちかい重さになってたりします。二度と来ないかもと思うとついついたくさん買ってしまって。
こんなん出てたのか。見つけた時はけっこう目をむきました。電撃アドベンチャーズ14号〜19号連載が初出と書いてます。1997年刊、新刊入手はさすがに難しいかもしれません。
作画に三部敬を起用したのは慧眼と言っていいもいいでしょう。原作の雰囲気を伝えようと作画もよく頑張ってると思います。惜しむらくはこれが4年前の三部敬によって描かれてることで、現在の三部敬のほうがやっぱり上手い。それよりなにより、特殊な用語と世界構成を持ち、そのことばづかいが極めて高いウェイトを持つこの小説をまんが化しようとするのは、かなりむちゃな企画じゃなかったかという気がします。基本的には原作に忠実にまんが化されてるのだけど、原作読んでない人はどういう話かよくわからないかもなあ。ある程度の雰囲気は伝わるだろうけど。
ちなみにこのまんが、原作のクライマックス直前で終わっています。これではおはなしが全然まとまってないのだけど、まあなにか理由があったのでしょう。
「かしましハウス」(秋月りす)が連載100回目だそうです。8年ちょっとか。これも長いのだけど、「あしたは晴れっ!!」(なりゆきわかこ)が153回、「えんかい君」(松田まさお)が154回、「がんばる父さん」(田中しょう)が152回、「ときめきカップル」(窪田まり子)が145回。4コマ誌トラディッショナルなこのへんって平気で10年以上続いてるのだな。4つとも読んでなかったりするのですが。
たぶん「エデンの東北」(深谷かほる)も長いのだけど、これは回数表示がないので不明。単行本は10巻まで行ってます。
例によって「ナルミさん愛してる」(山川直人)と「蛙の王子様」(池部ハナ子)。今回ナルミさんは道(ジェルソミーナの出てくるやつ)を見るのでした。TV映画で見たのは15年は前かなあ。レンタルビデオで借りてもう一度見ようかな。
週休2日はやっぱりきついなあ。でもあんまり休みが増えすぎるとそのぶん給料が減って苦しくなるしなあ。今の2/3くらいならぎりぎりなんとかなるかな。
そうすると2週7勤か。月火休木金休休、休火水休金休休。2週に1回3連休があって、かつ月曜が休めるのがみそだな。3日連続して働かなくてもいいし。
ゴールデンウィークの後遺症は深刻です。いやもちろん生来怠け者でなきゃこんなことぐるぐる考えないですが。
ふたたび3人暮らしの始まった「ハネムーン サラダ」(二宮ひかる)。でも前とは確実に関係が変わった3人。それが証拠のように、いちゃつく2人の部屋に乱入してわめく遥子。今日初めて気づいた、わけはないのです。たぶん今までだって聞こえてたのです。たぶん。これは宣戦布告なのか、それとも深くなったつながりを示すのか。たぶん両方。
あとは「蛮勇引力」(山口貴由)でしょう。主人公をタイマン勝負に誘う都知事。こう書くと日本語として疑わしく見えるような設定だな。これを読ませてしまうんだから剛腕だ。
読切:「今日はここまで」(小山田春蔵)
いいなあこの絵。どっちかというと今の絵よりちょっと前に描かれたまんがのほうが好きな絵だけど、でもこの表紙も折り返しの自画像みたいなのもいい。絵、というより線が好きなのかもしれない。柔らかさとシャープさを兼ね備えた線。
この絵で描かれたおはなしがそんなに好みじゃないというのが、読んでてどうにももどかしいです。いや下手じゃないしおはなしとしても悪くないし読めるんだけど、でもおれがかゆいのはそこじゃないんだよというもどかしさ。その絵でここを掻いてほしいんだというなにやら切ない欲求。このひと美少年好きなのはよくわかるし(なんだこの極端な男女比のかたよりは)、美少年好きな人は美少年描くのがモチベーション上必要だろうしこれはこれでこっちのがむしろ需要は多いだろうし。そうなんだけどなあ。
とりあえず、このひとのまんがは追っかける羽目になりそうです。いっぺんビームの読切でヒットしたのあったし。いつ振り向いて撃たれるかわかんない、でも気づかないかもしれない。ピストル持った人をこっそりつけるようなスリルがちょっぴりあります。
胸元にできたおできを思い切りうつむいて眺めてたら、どこかの筋肉がつりました。本来防御姿勢であるうつむき体勢で痛くて動けないというのはなかなか情けないです。しかもどこがつったんだかわからない。そもそもうつむいたくらいでつるのも人としてどうかと思う。
最近はないけど、以前は睡眠中にいきなりふくらはぎがつることもあったっけな。もっと昔は突然ひざがはずれることも。あれは亜脱臼かなんかだったんだろうか。
これが3回目のシリーズ連載「NIGHT BLOOD」(富田安紀良)、今回もおもしろい。おもしろいのだけど、酔っぱらってくだまく困ったおっさんはでも悪いやつじゃなかった、という結末に若干現実味のなさを感じたり。それだけこっちが世間ずれしてるのかなあ。やだなあ。
今回下ネタ抜きの「えの素」(榎本俊二)はでもなかなか読んでて気持ちよかった。デビュー当初からここまでの作風大変化を考えると、まだどう変わるかわかったもんじゃないな。いきなしハートフルなのが出てきたりして。
「地球美紗樹」(岩原裕二)はあっちこっちでお話が動き出しました。こういう同時並行的なシーンの進め方は好きだな。ここから物語は本番でしょう。連載2回目の「最近のヒロシ。」(田丸浩史)はほんとに〆切的切迫が伝わってきておかしい。でも笑っていいのかこれ。
いかんこれは。「Body Language」(けろりん)にとうとう全面降伏です。こうなったらたのむから単行本になるまで続いてくれ。
「1+1+1」(田中浩人)はSFエロまんが。まだこのひとのまんがたくさんは読んでないけど、これまで読んだのぜんぶSFエロという変わった作風。しかも主人公が冒頭で死んで、コンピュータにシミュレートされて生きつづけるというか生きたように感じ続けるというか、それでもってエロまんがというのはかなりややこしいです。だってこのエロシーンってただのシミュレーションというかうそというか、相手はいったいこの間どこでなにをしてるんだろうとか、いろいろ考え出すときりがない。ラストもハッピーエンドっぽいけどこれ死んでるんだよなとか。おもしろいです。
「屋敷」(粟岳高弘)は例によって裸でうろうろで瓜頭。粟岳/弘岳のPN使い分け基準がいまいちよくわからなかったりします。最近は粟岳名義でも裸でうろうろだけじゃないし。連載2回目「BLOOD SUGAR SEX MAGIC」(大山玲)は迫力満点、それだけに誌面の白さがもったいない。でも次回以降が楽しみです。篠房六郎は「テカテカ」で相変わらず独自の戦い。それにしてもエロまんが誌の非エロまんがってなんでこんなのばっかりなんだろう、逆にこのくらいのアクがあるからこそ載り続けるということかも。このへんの短編群もいつか単行本にまとまらないかな。
さいきん阪神の試合を見てると気が滅入ってきます。ここまで打てないというか打つ気のしない打線もあまり見たことがない。2割5分打ってるバッターがほとんどいないもんな。
今からでも遅くないから、平塚と契約して4番を打たせるというのはどんなもんでしょう。いやほんとに。
しかしランディ・ジョンソンの20奪三振はすごい。打てるかあんなもん。いやあのおっさん見るからにすごいんで、別にこれくらいのことやってもちっともおかしくないのですが。
今回巻頭の「クロノクルセイド」(森山大輔)は小休止の風情。クロノ・ロゼット・アズマリアとサテラ、4人でとった写真。そのシーンにかぶるセリフはこれ、アズマリアなんでしょうか。たぶん決して楽しいことばかりではないこの先を予感させるようなセリフ。おそらく終着点まですでに見据えたこの物語、ラストまでしっかりつきあいたいと思います。
今回は「テスタロト」(三部敬)に「ファントムウィザード」(大森葵)もひと区切り。「テスタロト」は次号から新章とのこと、ここまで隠れキャラだったルチッチが表に出てくるかな。あとは「みかんとさくら」(紗夢猫)が期待どおりおもしろくなりそうです。タイトルは主人公・橘花と双子の幽霊・桜花から来てるのね。しかし桜花のセリフがぜんぶ白抜きなのはすこし見にくいような。
最終回:「ACCEL!〜東京ベクター〜」(松原あきら)
読切後編:「LoveSongs」(きみづか葵)
これまでの人間関係がどんどん壊れてて、「タイル」(大武ユキ)がすごくいやな展開になってます。人生こういうことは確かにたくさんあるし、だからリアルといえばいえなくないんだけど、それなりに愛着あるキャラクターだけに、正直読んでてつらいなあ。どうするんでしょうこれ。
読切:「しょぼテン」(山崎さやか)「地獄の数」(北村永吾+宮本輝)
4巻最後に立ち上がったおはなしはあっさりおしまい。この血まみれの展開でれい子に悔恨の涙を流させるこのまんが、ジャンル分けすればホラーかもしれないけどもはや怖いまんがではないような気がします。もっともホラーでこういう内容の、珍しくないのかもしれないけど。
後半でいきなりれい子が転校。でもって新キャラかぞろぞろ。こいつらのうちこのシリーズが終わったときに生きてるのは何人だろうと思うと、読んでて不思議な緊張感があります。この巻最後で早くもその気配が見えるし。これで姉妹揃ってアンデッドか。
どんどん逃げ場がなくなっていく「ヒミズ」(古谷実)、あっという間の展開に現実味があります。踏み外すときは実際こんなもんなのかもしれない。油断一瞬怪我一生。ちょっと違うか。
「エリートヤンキー三郎」(阿部秀司)は河井の秘策が当然のように不発。一人で話をつけてくると言いだす河井。「この人普段はメチャクチャだけどいざという時はちゃんとしてるんだな…」と感心する三郎。この極度のお人好しはこれはこれで上に立つものの器量なのかなんなのかわからないけど。この後に及んでなぜだまされるか。
ふと思ったんだけど「一騎当千」(塩崎雄二)に出てくる孫策伯符の伯符ってもしかして名前なのか。舞とかののみとか萌とか言ってんのと同じなのか。すげえや。と書いても読んでない人にはさっぱりわからんだろうけど、孫策伯符は女です。呂蒙も呂布も董卓も関羽も女、というか女子高生。このネーミングをいつのまにか受け入れてるんだから慣れというのは恐ろしい。連載始まった時は「なんじゃこりゃこんなもん読めるかあ」とか思ってたのに。
これが商業誌デビューになる「ぼくの幸せな生活」(きづきあきら)はタイトル通りの甘口まんが。絵のほうはここに載っても全然違和感がないので、あとはおはなしでしょう。個人的にはもうちっとひねくれたのが読みたい。それはそうとなんでこのラスト、いきなり関西弁なんだ。
今回はシビアな展開の「W−face」(ひのきいでろう)、それにしても最初は臓器の入れ物だったはずのレフィオがどんどん人間っぽくなっていく。ここに「新型レフィオ」をぶつけたときに、彼女のアイデンティティはどうなるのか。ひきつづき注目です。新連載「それゆけ!てんぷく」(鈴木猛)はショートギャグ。できればこのひとのまんがはロングでギャグでないのが読みたいんだけどな。以前読んだ読切、けっこうよかったし。
新連載:「それゆけ!てんぷく」(鈴木猛)
シリーズ読切:「足洗邸の人々。」(みなぎ得一)
読切:「ぼくの幸せな生活」(きづきあきら)
このまんが、事件と事件の間の日常シーンではかなり時間のたつのが早いのですが。それにしてもこの巻の前半はいろんな出来事があっという間に起きて、読みながらなかば呆然となりました。こっちの頭がゴールデンウィークぼけしてるのもあるだろうけど、でもこれは。
そして後半、新たな事件。もしかしたらこれ、クライマックスになるかもしれないという予感が少ししてます。いろんなことが起きるけど、最後には主人公には笑ってほしい。このまんがに関しては素直にそう願っています。
連休を一日延ばして大掃除。大掃除ったって窓を拭いて掃除機かけただけなんだけど。
ついでに認識するのに動作しやがらねえLANカードをどうにかしたり。PCIスロットの差し位置を変えるだけで動くってほんとうにあるんだな。よくわからんなあ。
読切「Fortune Street」(佐々木泉)がいいなあ。半人前だけど元気に生きてる主人公と、伸び伸びと描かれた感じの内容がうまく合ってます。4月号に載った「シュトロとカロン」の続編で、どうやらシリーズ化したらしいのはうれしい限り。楽しみが増えました。
連載2回目「女神の鉄槌」(新居さとし)も快調というかいつものとおり。このひとすでに作風が確立してるところがあるので、たぶんこのままの感じで行くのでしょう。「雲のグラデュアーレ」(志水アキ+木原浩勝)は先月から始まった番外編の続きで、本編とのつながりが見えてきました。このタイミングで主人公の生い立ち説明を入れたかったんだな。なるほど。
シリーズ読切:「Fortune Street」(佐々木泉)
読切:「ネア!」(守安啓行)
ちょっと待った主要登場人物をそんなぞんざいに扱っていいのか。一見みえみえだった前回のオチを冒頭でひっくり返して、そこからさらに転回。「エクセル・サーガ」(六道神士)はキャラクターがひとり減ったんだか減ってないんだかよくわからんことになってます。しかしこのひとほんっとうう好き放題やってるなあ。登場人物たちのこの先に同情したくなるよ。
「朝霧の巫女」(宇河弘樹)は巫女さんだらけ。巫女さんって神社=主に対する脇役的存在であるところがみそだと思うのだけど違うのかな一般的には。一般的ってどのへんの一般なんだか。
読切:「ヒミツの保健室」(山東ユカ)、「バーチャル包丁人」(山田ちゃか)、「スパイダーズレコード」(堤芳貞)
ひっさしぶりに秋葉原に寄ってみたら、秋葉館が中央通りに。元気だなあ。
ついでに6階建のゲーマーズものぞく。とりあえず6階まで階段で。いい運動になるなこれ。
4コマ誌連載の犬まんが。犬まんが大好きなので…じゃなくて、なんで買ってるのかなこれ。いや読んでて楽しいから買ってるのだけど、なんで読んでて楽しいのか。このひとのまんがはとりあえず買ってるような気もするが、これじゃ説明になってないな。
このまんが、作者が飼ってる犬のまんがじゃなくって作者の友達の犬まんがで、ワンクッションはさまることで飼い主の愛情が前面に出てこないぶん、読みやすくなってるということはあるでしょう。まんがとしてもしっかりしてるし。このひとの絵は好きだし、というのもあるな。
作風的にどっちかというとこういうノンフィクションものが合ってる人かもしれません。いやこのひとの麻雀まんがはあれはあれで好きだけど。
そうかこれジェッツコミックス名義で出てるのか。少女まんが誌連載作なのになぜ。この判形(A5判)だとそうなるのかな。
1巻がぜんぜん置いてなくてそこらじゅうさがし回ったあげく帰省先で手に入れたのも今は昔、3巻はもうそこらじゅうの本屋に置いてあります(ほんとか)。内容はというとあいかわらずくだらんというか、ますますくだらんというか、そういう4コマギャグです。だじゃれが半分それ以外が半分、だじゃれじゃないほうがいいなあなどと言ってると不意にみぞおちに入って苦悶することがあります。なんとなく1巻前半が一番パワーあったような気がするのは単に新鮮だっただけかも知れない真相不明。
この巻の後半には4コマでないのが7本載っていて、ギャグと見せてオチはいい話だったり、ギャグと見せて人倫的にとんでもないとこに落としたり、いい話と見せてやっぱりいい話だったり、つかみどころがありません。変幻自在と言えばほめてることになるのか。個人的にこの人たち(二人組なのです。にざ+かな)の本領はショートストーリーにあると思うのだけどな。初めて読んだのがアニマルに載ったショートだったからかも。よくわかりません。
少女まんが絵で4コマギャグを、という文脈で語られることが多い作家なんだけど、それだけではない。たぶん原作者に起因する作風の振れ幅(ぶれ幅?)の大きさが、読者が安心して読むことを拒否してるようなとこがあります。どこかすわりの悪いまんが。変なほめ言葉だな。
電撃コミックガオ!に連載されてるまんが。通して読んでみるとこれ、学校舞台のダンジョンRPGまんがなのでした。アンデッドがわらわら出てくるタイプの。
学校がゾンビの先生だらけであることがはっきりして、クラスメートが殺されたりしても、主人公とその仲間たちは登校を続けます。ひとつにはほかに行くところがないからだろうし、あるいはこのまま逃げ出すのもけったくそ悪いというのもあるだろうし。それはそうだけど、このまんが全体に深刻さがあまり感じられないのが、どうにも気になります。友達が死んじゃったのは悲しいけどしょうがない、自分が死ぬのはいやだけど死ぬときは死ぬんだし。こういう設定だと、いままでのまんが文法にのっとって描けばいくらでも深刻悲痛な話にできるのに、そうしていない。あえてそうしないのかそれともこういう作風なのか、いまのところ判断しかねています。とても興味深いです。
もうひとつ、先に主人公とその仲間たちと書いたけど、男4人女2人の彼ら彼女らは考えてることがばらばらです。主人公を中心にひとつの目的にまとまるというところはあまりない。ノスフェラトゥの力にあこがれるやつや、人喰いだとわかってる先生が大好きなほぼなんにも考えてなさそうなのもいます。スタートはたまたま一緒だったとしても場数を踏んでくうちに結束が強くなるというパターンが多いのだけど、このまんがはなかなかそうなりません。おそらくこの先もそうならないんじゃないかと思います。
このまんがのそういった特徴が、いまの時代の感覚をそのまますくいあげたものなのかどうなのか、くやしいけどおれにはわかりません。この作者はやはり人間の生死を不思議な手つきで扱った「極楽丸」というまんがも描いていて、かなり気になる作家さんです。このまんがの続きはもちろん気になるし、もしかしたらおれの想像もしなかったなにかが、このひとのまんがから登場するかもしれない。そんなことをすこし期待しています。
ほとんど「X−クロス−」(旭凛太郎)のために読んでるようなことになってるなあ。元気のいい連載で、願わくは元気のいいまま突き進まんことを。もうひとつ、ビリヤードまんが「散球」(竹内広次)が目をひいた。説教くさい話にしなかったとこに好感が持てます。
あれ巻頭に「大猿王」が、と思ったら単行本合わせの外伝でした。もとは寺田克也がウルトラジャンプで描いてたまんがです。
いつものサムライガンの代わりに載ってる「科学忍者隊ガッチャマン」(熊谷カズヒロ+タツノコプロダクション)。ガッチャマンを描いてもやっぱりこのひとらしいまんがになってて、でもたぶんこの時期にこれを描いたのはたぶん描きたかっただろうなあと思わせる内容。好きなんだろうな。ガッチャマンが妙に黒っぽいのはご愛敬。
いつのまにかなかば連載化している「侠子エクスプロージョン」(山本夜羽)はそれなりにおもしろいのだけど、もしそういう場が用意されえるなら、実は始末屋の女子高生ではなく普通の女子高生のまんがをこのひとには描いてほしいなあ。「ヒモパン大いにほどける」(藤波俊彦)はこれは連載化しつつあるんだろうか。タイトルはエロ話っぽいがまるっきりそんなことはないので念のためってこのひとの作風知ってれば勘違いするこたないでしょうが。原作大賞準入選作という「武〜もののふ〜」(川村亮+渡辺智敬)はむしろ絵のほうが気になったです。
「刑務所の前」(花輪和一)はノンフィクションかと思ったら時代物になってるのでした。しかも新連載。ぬうこれで真相を読み取ることはできるんだろうか。いや読み取れなくてもぜんぜんかまわんですが。
いつの間にか連載陣がずいぶん固定したような(もとからだっけ)この雑誌、「シャカイの窓」(いとう耐)が連載になったのはうれしい。いっぽう最終回をむかえたイヤまんが「他人の家」(深巳琳子)、みごと最後までいやなまんがを貫いたのでした。このひといったい次どういうの描くんだろ。
駿河マヒルが一敗地にまみれた「PERIDOT」(こばやしひよこ)は巻頭カラー。そうこなくっちゃ、無敗のまんまよっかこっちのがおもしろい。しかしこのまんがのなかで主人公はどうなってくんだろうな。プロレス入りするわけでもないだろうし。連載再開「黒竜の城」(梶原崇+田中芳樹)、ここからはたぶん主人公・亦失哈の巻き返しでしょう。これまで翻弄された埋め合わせがどれだけできるか。
「全日本妹選手権!!」(堂高しげる)は増ページでストーリーモード。4コマよりこっちのほうがいいなどと冷静に分析するようなまんがじゃねえのだが、しかし世の中妹好きが多いのね。どうして姉好きはそんなにいないのか。シスタープリンセスただしぜんぶ姉バージョンとか…なんかやなゲームになりそうな。
「麻雀放浪記 凌ぎの哲」(原恵一郎+阿佐田哲也)がスタート。麻雀まんがとしては王道なのだが、なんかこうわくわくするような連載がひとつ、この雑誌には必要な気が。簡単に言うなって怒られそうだな。そこそこ楽しみだった「ピンの一」(津田ひろみ+伊集院静)が最終回。こちらは渋いまんがでした。
「犯罪交渉人 峰岸英太郎」(記伊孝)が2話掲載で最終回。よくまとまったラスト、でもって最後の3ページの絵の持つ雰囲気がすんごくいいです。この絵がフルに生きるおはなしを次は読みたいな。日常でも非日常でもどっちでもよいけど、できれば舞台は地上で。
今月は「ぷちぷちラビィ」(天野明)「イタチ」(田村和己)「カースダイアリー」(押切蓮介)の3つも相次いで最終回。「ぷちぷちラビィ」は個人的にはいまいちついて行ってなかったのだけど、本誌にも何回か載った元気すぎるほど元気なまんがでした。これは2巻にまとまるとのこと。出だしは強烈だった「イタチ」は強力な主人公を生かしきれなかったかなあ。あまりにインパクトがありすぎて、組織の一員という設定とうまくかみあわなかった感じが。また次に期待します。「カースダイアリー」は好きだったんだけどなあ。好きな人があまりいなかったのかなあ。むう。
「ゴルディアス」(イダタツヒコ)はにわかにシリアスな展開。たぶんここからしばらくシリアスでしょう。考えてみたらこれ、このひとの最長連載になってるんだな。さわやか車まんがの読切「ワインディングロード」(関口太郎)、作者はだいぶ前に近代麻雀オリジナルで読切描いた人と同じ人かしら。だとしたらずいぶん絵がうまくなったな。
最終回:「犯罪交渉人 峰岸英太郎」(記伊孝)、「ぷちぷちラビィ」(天野明)、「イタチ」(田村和己)、「カースダイアリー」(押切蓮介)
読切:「念力密室2」(太田まさのり+西澤保彦)、「ワインディングロード」(関口太郎)
もちろん夏休みの宿題は9月にやってたくちです。8月じゃねえです。始業式のあとが勝負だったのだ。
両親の不和を前に「いい子」でいつづける少女。夢の中に繰り返し現れる、燕尾服に山高帽の顔のない男と、無表情な少女人形。彼らとの会話の中で、自分のトラウマを指摘された少女は。そんなおはなしです。
サーカスに連れていってもらうぞ、という母親の言葉がトラウマになるという設定は、個人的に似たような覚えがあるせいか、えらくリアルに感じます。だもんで、トラウマをあっさり克服するラストの展開は違和感あるなあ。なおんねえからトラウマなんで、あとはそれを自覚してどううまくつきあってくかじゃないかと思うんですが。
いやでも意欲作ですこれ。絵もきっちりしてるし。安易にハッピーエンドにもってかなかったラストもいいと思います。
ぴあの5号は例によってのエロバカまんが。エロまんがとバカまんがの親和性はなんでこんなに高いのかとかふと思ったり。
みるく9号の特集は「フェチ」。例によってまんが(改造人間の夜/石川ひでゆき)と文章(「フェチ」を探る/吉本松明)のカップリングで、まんがパートは貧相なオヤジフェチというのが意表でおかしかった。小太りオヤジフェチはたぶん間違いなく実在するんだろうけど。
文章パートは相変わらずいろいろとまんがが取り上げられてて、勉強になるというのは変だけどでも勉強になる。ただなんというか、フェティシズムって特化したうえに深化する(つまり特定の対象物にとことんまではまる)ものだと思うので、このシリーズでとりあげるのはやや適さないかもしれない。それがただのスタイルなのか、それとも真性のものなのか、同じ嗅覚を持ってないとなかなか見分けられないところがあると思います。
文章中でとりあげられてるエロゲー「終末の過ごし方」は、パッケージ裏にでかでかと「登場人物、全員メガネ。」と書いてあるしWEBで感想を拾うとその筋の人の感想がけっこう見つかるけど、このゲーム自体が眼鏡っ娘への愛にあふれてるかというとべつだんそんなことはないのです。全員メガネで描かされた原画者(小池絵里香、現・小池定路)は、このゲームの自分の仕事にずっと納得いってなかったみたいだし。むしろこのゲームの特徴は、登場人物がそれぞれトラウマをかかえてるところと、うまくいこうがいくまいがほとんど変わらない結末(そのわずかな差はそれでもとても大きなものに感じられて、そのあたりがこのゲームのみそなのですが)にあるはずです。メガネを揃えたのはおそらくセールス上の問題でしょう。エロゲーではよくある話。
なんて書いたけど、おれにも実際のところはよくわかんないです。なにしろ全然眼鏡っ娘好きじゃないんで。ただ西川魯介のまんがから感じる業は、このゲームからは感じられないのも確か。好きなゲームのことなんでついえんえんと書いてしまいました。
はっとりみつるの表紙に撃墜されて購入。ちゃんとまんがも載ってます。「江の島宇宙旅行」というこのまんが、2年くらい前に描かれたものらしいけど、どうでもいい高校生男女のいろいろあるけどどうでもいい一日が描いてあって、やっぱりおれこのひとのまんが好きだわ。タイトルに宇宙がついてるのは「あーちょっとさ/寄り道していいー?」「どこへだよ?コンビニ?」「……えー…っと/宇宙っ!」というラストの女の子の唐突なひとことに由来します。宇宙好きなひとだな。
「のり子ちゃん日記」(ふぁいなる)は彼氏に振られた女の子の一日が題材で、ひたすら落ち込む主人公とけんめいになぐさめてあげる友達の掛け合いが気持ちよく読めます。絵にも雰囲気があってよいなこれ。どうでもいいけどどてら着てる女の子ってかわいいと思います。「みーさんのウェッチcraft」(和哉)は使い魔をくらげに決めた魔法使い少女のショートギャグ。放り出す感じのラストと絵がちょっとRYU−TMRに似てる感じ。
まだまだ続く。家をおん出たヨリ子とおじいさんのつかの間の交流が今回のメインです。胸をさわらせたげるっていうの、前になにかのまんがで見たことあるんだけど。なんだったっけかなあ。
これで4冊目になる、その名のとおりの鉛筆ラフ集。ページ下のコメントがあいかわらず楽しくて、絵とコメントであわせて一本でしょう。しかしこのひとエルフ耳好きだな。なお作者はずっと平野俊幸名義で描いてた人です。改名したとのこと。
反重力物質により人が飛ぶことのできる設定の惑星を舞台に、結婚式のありさまを描いたまんが。「しがみついてはいけないよ はねかえされてしまうから/背負い込んではいけないよ 放り出してしまうから/無理にはなれちゃいけないよ ぶつかりあってしまうから…」そういう意図があったかは不明だけど、隠喩をふくんだまんがになっています。きれいにまとまった小品。
屋上で演劇の練習にはげむふたりの少女。突如泣き出したひとり。卒業はもうすぐ。
10ページのフルカラーまんががメインの本で、これまたきれいにまとまってます。本自体もきれいな本。このひとの色使いは中間色が多用されてて一見地味なのだけど、ながめてるととても落ち着きます。いいな。
体裁が同じでタイトルだけ違う本。会場で「別の本です」とことわりがきがあったのはおかしかった。読んでみたらこれ、2冊でひとつの話でした。
1冊目「かろやか なごやか」はまず男がひとり出てきて、こいつは元ダンサーで結婚詐欺師。その才能を惜しんで自分の教室にひきとったダンサーの男がもうひとり。「時々見せる奴の笑顔がやわらかくなったのは〜」みたいな感じで1冊めは終わって、ふむどうなるんだろうと思って2冊目に進んだら…なんじゃあこりゃあ。
2冊目前半でいきなり踊り出し街に飛び出したふたりは、そのまんま踊って走って去って行ったのでした。1冊目だけ読むときわめてシリアスなのに、2冊合わせるとびっくりバカまんが。いまいち作意がよくわからんけどバカまんがでいいんだよなこれ。読んでてかなりあっけにとられました。
メイドまんが2冊。装丁がすっごくきれいです。いいお値段なだけのことはある。
べつにおれメイド属性はぜんぜんないんで、このまんが買ってるのはひとえにまんがとして気に入ってるからにつきます。なんつうか、すっごく上手い。いらんセリフも説明もなしに、ちゃんとおはなしを作ってみせる技量のあるひとです。装丁だけでなく中の絵もていねいにつくってあるし、女主人とメイド少女にも親近感もてるし、落ち着いた雰囲気もいいし。掛け値なしにいいまんがです。
あーなんでいままでこのサークル見つけられなかったんだろというのが毎回あるけど、今回はここかな。
スト−カーみたくつきまとう怪生物なタクシー運転手。けんかするほど仲のよいカップルのなんてことのない一日。たあいのないまんがだけど、そのたあいのなさがいい。絵も好み。こういうまんが好きです。
だるいーつらいー頭痛い。生理中の女の子と看病してくれる彼氏。このひとのまんがだから女の子は当然のように負けず嫌いのわがまま大王なんだけど、しんどいときの親切は身にしみるので今回は完敗。しかし表紙はなんでねこみみなんだろ。
再録集だけどいままでこのひとのまんが買ったことがなかったので、全部初読でした。なんで今まで買わなかったんだこんなかっちょいいものを。
いくつか収録されてる短編のなかでは、切ない少年のおはなし「EAT」がけっこう好き。でもそれより好きなのは2ページまんが「森のささやき。」で、これが一番かなあ。どっちもメインの作風からはややはずれたまんがだけど。
怪物と剣で戦う現代物ファンタジー、の断片的なまんが。うーちょっと短すぎてものたりないかな。せっかくの設定なんでもうすこし長い話で読みたかったような。
「南蓑荷」は別名で出してる「西の林」「東の沼」に続く3冊め。例によって裸の女の子と瓜頭(という奇怪な生物)が出てきます。なんでこのシリーズだけ別名なんだろう。裸でうろうろ以上のことをしてるからなんだろうか、でも最近は萬福星のほうもそうだしなあ。
「隔絶地帯」は既読でした。だぶり買い。今回多いなあ。
休刊した「コーヒーブレイク」に連載されてたまんが。なんだかもう一冊家にあるのはどうして。2じゃなくて3を買わなくちゃいけなかったんじゃん。でも読んでなかったからいいや。(いいんか)
内容はエッセイフィクションとりまぜてのギャグまんが。エッセイまんがまでギャグになってるのは日頃の努力のたまものでしょう。ギャグまんが家の鏡…って別にこのひとギャグしか描かんわけでもないけど。
あっちこっちの雑誌に描いた単行本になるあてのない4コマやらなんやらをまとめた本とのことです。実はこれ、初めて買ったこのひとの本なのか。まあじゃんほうろうきのころからたくさん読んでるし、雑誌に載ってたら喜んで読んでるのですが。自分でもちょっと意外。
これが遺作になってしまいました。「雑誌」という体裁をとったこの本、METAL ZIGZAGのインタビューが載ってたり、DOWが2ページ絵と文章書いてたり。これまでこのサークル名で発行された本についてまとめられてるのは、もちろんただの偶然です。
これはこれでおもしろいけど、でもできれば藤倉和音の描いたまんがや絵をたくさん読みたいなあ。そう願ってももはやかなうべくもないのが悲しい。せめてこの本を大事にします。
いまのところ未完の「ヨタカの星」の番外編的短編。目と口元が特徴的な主人公の少女は健在。これはこれとして本編の完成が待ち遠しいよお。まあ、あわてず待ちます。
男女一組を描いたショートが3つ。怒ったり泣いたり笑ったり急がしい女性と、やや悠然とした男性と、どっちもいいなこのふたり。さらりとよめていいです。
一発ねたのまんがです。商業誌に描くようになった作者の悲鳴が聞こえてくるようでおかしい。
これまでの人生を曲にして聞かせてくれる不思議な女に、町で出会った音楽家。聞いた曲の貧しさに茫然となり立ち去ろうとする彼に女は言う。「譜面には 未来の音は書かれておりませんから」
今ならまだ間に合う、ということはあるかもしれない。しかし人生どこが終わりか知ることはできないんだよな。よくもわるくも。岡本太郎がスキー始めたの60前だったっけか。
前者はイラストとか4コマとかごちゃごちゃと載った、なんだかよくわからん本。そもそもこのサークルの本というかこのひとの本、基本的によくわからん本がほとんどだったりするし。ねこみみ天使とギリシャ遺跡みたいな風景を平気で同居させるあたりがこのひとの不思議なセンスでしょう。絵が好き、というのとはまたちょっと違うなたぶん。
もうひとつの「まぼろし」には「ゼレーナの涙」というまんがが載ってて、これ以前買った本の続編らしいです。ついでに去年もらった無料本も同じシリーズらしいです。ぜんぜんわからんかった。どうもでっかい設定があるらしいのだけど、描かれるまんがは断片断片なのがこのひとらしいというか。いいんだこれで魅力的だから。
「kyrie」シリーズの5話めが載ってます。少しずつ謎が解けていきそうだけど、まだおはなしは中盤にさしかかったところとか。つき合いましょう乗りかかった船だし。
家族ものという同人誌では珍しいジャンルのおはなし。父親とけんかして家を出た主人公とたずねてきた妹に、がんこ親父な大家をからめて、うまくおはなしがまとまってます。しょうがない帰るかと主人公が思うのは、騒ぐわけではないけれどやっぱり帰ってきてほしい妹の気持ちにほだされてだったり。いい妹だよなこれ。
クルマ本。クルマはけっこう好きなんで眺めてて楽しいです。これ買ったのはどっちかというと女の子がきれいだったからという理由かも(こればっかり)。ちょっとすがわらくにゆきに似た感じの絵です。
ロボットがテーマの短編3つ。一話目のおねえさんが元気でよいってそういうまんがではないのですが。表紙のおねえさんかわいいとか。
大きく分けると技術ネタものとファンタジーに二分されるこのひとのまんがですが、これ、基本的には技術ネタものながらややファンタジックなところがあります。3話目の宇宙船で宇宙飛行士を産み育てるロボットたちとか。
天使になれなかった少女と、きぐるみの猫を着た少年。傷ついた少女の傷がゆっくりとふさがるまでの物語。絵柄の独特のくせが、ただのきれいな絵ではないプラスαのおもしろみを絵に与えてるかな。少女が立ち直る過程にもすこし理由づけがあったほうがよかったかも。
少年たちを描いた短編が4つ、どちらかというとファンタジー色が濃いかもしれない。どちらかというと想定読者は少女(または少女まんが好き)かな。達者なのは間違いないです。
「魚」は鳥獣虫と続いた4部作の最終巻。きっちり1年で4冊だしたのはおみごと。
「おおなみ こなみ」(百井葉月)はこれまでの3冊に載ってたシリーズのまとめ的なおはなし。3人のなかでひとりシリーズものにしなかった藤ノ木いらか「w○t○r」は目立たぬように生きてきた女性の物語で、前に出ない性格の主人公がうまく表現されてます。ラストはやや唐突かな。「騒音の水槽」(衣羅ハルキ)はこれまでの登場人物にもうひとり、口をきかない少女が登場してのおはなし。こっちはややおはなしがうまく行きすぎてるかなあ。でも多美ちゃんすっかり元気でよかった。
「冬のアイス」はシリアスが続いた反動的なバカまんがか。ハイテンションラブコメ「横恋慕」(衣羅ハルキ)と夢まんが「おふとんこわい」(藤ノ木いらか)の2編収録で、あまりあれこれ考えずに読むが吉でしょう。夢まんがらしく不条理な「おふとんこわい」は唐突に終わるとこもそれっぽくてよいです。
きのうの「宇宙に飛んでいきてー」の感想、読み直してみるとまんがの内容じたいにはほとんど触れてなかったのでした。なんせ道を歩いていていきなり後ろからぶん殴られたようなもので、わけもわからぬまま懸命に言葉で表そうとしたらああいうふうになった感じです。子供のころによく泣いたり意地張ったりして、それを記憶として完全に忘れ去ってはいない人あたりにヒットする話なのかなあとかいろいろ考えたけど、やっぱりよくわからん。このまんがに限っては、こうやってたくさん書き連ねた言葉より、ネット検索して2ちゃんねるでみつけた「死ぬかと思った」というひとことのほうが的確な気がしています。悔しいけど。
もしこれからこのまんがを読まれる方がいたら、おれの書いた感想は全部きれいさっぱり忘れて、まっさらな頭でよんでくださいまし。もとよりこんなものまんがとはなんの関係もありません。
歌に特別の才能を持ち動物と話すことのできる不思議な少女・RU(アールユー)が主人公の物語。50ページの本だけど続いています。あと2冊予定があるみたい。
ところどころに合いの手が入るテンポは独特のもの。ポップミュージックのようなまんが、というのは変かな。天衣無縫な主人公そのままに、絵もおはなしも、まとまってはないけどどこかひきつけられる奔放さがあります。おもしろい。
そうですかギャグですか。意表を突かれた。こういう上手い人がギャグをやるのはやや反則めいてる気もします。「人類最後の肉襦袢野郎」。笑った。
ロボット/アンドロイドをテーマとしたアンソロジー。こういう本にはたくさん読める楽しさと少しずつしか読めない物足りなさが同居してるのだけど、まあこれはこれで。収録作のなかではブラックエンドでまとめた「絶滅オートマトン」(粟竹高弘)、ばかまんがながら楽しい「辻斬り小町」(交野佳奈)あたりが印象に残りました。席亭・なかせよしみは「コンビニ・レプリカント・2001」でさすがに達者なところを見せてます。
「ショコラッテ」はバレンタインテーマ。渡そうと思って渡せなかったチョコをしょうがないから友達にあげて、それがぐるぐる回って元に戻ってくる。肩の凝らない小品でたいへん楽しいです。おれこういうの好きだなあ。
「WHITE」はこのサブタイトルで3作目か4作目、道ならぬ/かなわぬ思いがテーマのシリーズもの。今回はお手のものの近親相姦ものです。
朝起きたら背中に小さな翼が生えてた女の子。そのまま飛んでしまう、というところがおもしろいと思います。基本的にはラブコメかな。
オフセット本。コピー本が似合うといわれる作者のオフセットは「Luxury Liner」すなわち話田家第0話以来。あれなんで単行本に収録しなかったんだろう。
「放送塔」はどシリアスです。独特のユーモアと哀調はそのまんまで、針がギャグでなくシリアスに振れてます。人が死にます。救いはないです。スミ子の窓でもそう思ったけど、このひとのベースはたぶんここにあって、それをいつもは二重三重にくるんで直接見えないようにしてるだけなんだろうと思います。だからひょいとこういうのが出てくる。気持ちのやりばにけっこう困るまんがです。
「ロングT」はどちらかというといつものかな。ギャグでもなく、シリアスでもなく、ただ淡々と。以前より作風全体がシリアスよりになってるかなとは思います。
FLOKEAというひとがふたりの作者にふたりに依頼してることは隠したまま原案を示して、出来たまんがをリバーシブル本にととのえた1冊。おかしな本になってるのはその成り立ちのせいもあるでしょう。
それを無視して考えても「浮かぶ島」(弥生一八)は変なまんがで、そもそもまんがなんかこれ。いやまんがは間違いなくまんがだけど、コマと吹き出しとか、起承転結とか、そういうまんがの約束ごとは半壊してます。全壊じゃないとこがみそだと思います、全壊したらまんがじゃないから(あたりまえだ)。半壊して残った部分は徹底的に話がはしょられてるのに、どういうお話なのかわかる。登場人物たちの来し方もわかる。こりゃおおげさに言えば天才じゃねえかと思います。基本的にはこういうまんがあんまり好きじゃないんだけど、これはえらく気に入ったなあ。
いっぽう「沈む島」(小田扉)はさえないおじさんと無心な少女のおとぎばなしのようなお話です。「この島でできたカボチャを食べるとこの島は沈む」という伝説がベースの、やや絶望的なおはなし。ラストの切り落とし方がこのひとらしい。
ちなみにこれ、CDがセットでついてます。CDのほうはまあなんというか。もうちょっとエフェクトかかってたほうがよかったかな。
これは「銀河鉄道に乗れなかった夜」(流線型工房)がよかったので買った本。舞台は病院、仲良くなった少年と老人、夜やってきた蒸気機関車。初めてみた設定ではたぶんないと思うけど、少年まんがらしい絵とリリカルな内容がいいです。さらりとまとめたラストもいいな。
フルカラーでいつものこのひとのより描線が太い。内容はやや実験的なホモまんがです。ホモまんがっつっちゃいかんのかな。
山名沢湖「黒くぬれ」「ラジオのように」と卯月千尋「夜散歩」の3編。山名沢湖の2編はサイダーのようというか歌のようというか、イメージのはじける感じが好きです。2〜8ページくらいの短編はほんとうまい。「夜散歩」は不眠のつらさを知る人にとってはなんとも切ないおはなし。2時半という具体的な時間のリアルなことよ。
あるときから自分が男になったり女になったり、そんな気がしだした主人公。ラストのどんでん返しはかなり意表を突かれたけど、やや無理があるような気がしないでも。いや描きたかったものはなんとなくわかるのですが。
どちらも恋愛まんが。だけど前者はラブラブ、後者は別れと180度違う内容。どちらもよくある話かもしらんけど、リアルです。等身大っつうとなんだかすごく手あかのついた表現だけど。
まんがとして後者のほうがよみごたえがあるのは、幸福より不幸のほうがおもしろいというひどい真理によるのかもしれません。それでもこれ、きれいな別れのおはなしです。なかなかこうはいかないもんじゃないかなあ。
前者はまんが、というよりは絵本。一見かきなぐってるような絵なんだけど、うまいんだこれが。笑顔の少女と最終兵器ロボットを組み合わせたファンタジー。歌好きの少女の目を閉じて歌う顔がとてもいいです。刃の上の穏やかさ。
後者は名前のとおり画帳で、このひとの絵はどうも目を閉じて笑う顔が多いかな。これもいいなあ。かなり好みです。
たぶん、ここに描かれてるのは世界の果てなんだと思う。男と少女と鳥と、いるかいないかわからない猫と。それ以外は「みんなどこかへ行ってしまった」。たぶんそこにあるのは滅びの風景だけど、それはとても静かで穏やかな場所。「どこへでも」行く必要はもはやない、そこにいればいい、そういう場所。
せりふの少なさも余白の多さも、このまんがにおいてはプラスに作用している。あとあとまで印象にのこるような、特異なまんがです。のんびりまんがに油断してるとこういうの描くんだよなあこのひとは。「思考回廊」も「そこにいるだけで」もそうだったけど。
合作本。メイドと執事とお嬢さま。趣味丸だし。好みからいえばやっぱり能天気夙川パートが好きではあります。
「ファンタジー−夢に棲む竜−」(あとふじ梢)はタイトル通りファンタジー。「常夏マンボ」(後藤田電八郎)はギャグ。「ゆうぎ派連合」(矢直ちなみ)はこどもまんがで、これだけ続きもの。このひとのまんが、個人的には大人まんがのほうが好みかもしれない。これはこれでうまいのですが。
前者は雨男と晴れ女と、雨男がすきな女の子が登場する和製ファンタジー。後者は竜と竜使いがでてくる洋物だけど、どっちもほのぼのした感じは共通してるなあ。びっくりするようなまんがではないけど、作風が完全に確立されてるし絵もしっかりしてるし。読んでるうちにだんだんなじんでいくような気持ちよさがあります。いっそのことこのひとの全部買っちゃおうかな。
絵柄にひかれて買った3冊。「私小説」は病気のともだちとの別れの話。「糸」はおとぎばなし風の恋愛もの。「イタミドミショホウセン」も病気の登場人物が出てきて、結末はこちらのほうが暗いです。救いがないわけではないけれど。
3つのなかでは「糸」がいちばん好きかな。運命の赤い糸をあっさりぶっちぎって幼なじみがいいと主張する女の子の力強さが好もしいです。「だって糸なんて繋がってなくても人を好きになれるから。」そりゃそうだ。
だいぶ前に描かれた「銃撃」の続編にあたるまんが。今回の主人公は娼婦に身をやつして敵をあざむく賞金稼ぎで、うろ覚えながら前回作の主人公の娘にあたるのかな。いつのまにかだいぶ絵柄が大人むけに変わったような気もします。これはまだ続きがありそう。
このシリーズにずっと載っている「七転八倒ひめあられ」(藤井ひまわり)はいつものとおりのんびりと楽しい。今回はそれ以外に、ギャグまんがなんだけど妙にもの悲しい「犬侍」(菅野博士)と、これは完全な一発ギャグの「大佐の決断」(夢野れい)がおかしかった。どっちも主人公が犬というのは偶然なのか。
主人公の女性の書いた手紙がモノローグのようにえんえんと続く短編。大事な友達に大事さゆえにうそ八百書いてた主人公が突然ほんとのことを書き出して、それはもはや相手が大事な友達じゃなくなったから…と書いてしまうとみもふたもないな。たいへんおもしろみのある短編で、そのおもしろみは作品形式によるところが大きいのかもしれません。
降り積もった雪に喜んでかけまわる女の子のおはなし。恋愛ものでもあります。このひとのこういう屈託のないまんがは初めて読んだような気がするけど、これはこれでうまいなあ。ドールシリーズにけりがついたら、こういうのたくさん読んでみたい気もします。
うわーオフセになってる。会場でおもわずつぶやいてしまったくらい、待ち望んでた最終形です。なにも言うことはありませぬ。うれしい。
しかしこうやって見ると、余白だらけでトーンも貼ってなかった初版は、降る雪や真夜中の空が想像力で補われて見えて、あれはあれでとてもよかったような気もしています。いつかもういちど見比べてみよう。
スコットランドの歴史に題材をとった物語。いちおう架空の物語ということです。
凄腕でニヒルでさみしげな女剣士は、主人公としては異色の造形かもしれないけど、もともとこのひとのまんが自体異色なものが多いし。今回はラストが若干わかりにくかったかな。双子か影武者か、それとも別ななにかだったのか。
凶悪なまでにかわいい絵…ってこのフレーズ前もつかったな。もう少しまんが技術が上がればどこぞの雑誌でデビューできるんでは、というのはひいき目に過ぎるのかな。たぶんそんだけのパンチ力はあるはずです。
ねこみみ合同本。そりゃこの作風でこの絵だったら当然ねこみみに走るわな。やっぱりこれもながめて楽しむ本だな。
妖怪本も8冊め。今回、姑獲鳥に嫦娥、ろくろ首にのっぺらぼうに鬼婆とおれでも知ってるのがわりと多かった。嫦娥は厳密には妖怪じゃないだろうけどこのひとの本自体厳密な妖怪だけ描いてるわけじゃないし、全然OKでしょう。上記2冊とはまるっきり内容が違うけど、これまたのんびりながめて楽しむ本。
最後の飛翔シーンが気持ちいい、とらわれ少女の救出譚。既読でした。1年まえのコミティアで買ってた。さいきんこの手のダブリ買いが増えてるなあ、でも購入リスト持ってくわけにもいかないし…
これも既読。かわいい双子の少女に振り回される青年のおはなしで、こちらは作者に送っていただいたのでした(ありがとうございました)。このくらいの年齢のこういう双子に弱い人はめろめろものかも。
ジャケ買いです。同人誌をジャケ買いするのは馬鹿の所業だとはわかってるけど、でもだってすんげえ魅力的だったんだものこの表紙のおねえさん(だから馬鹿の所業だって)。
2編収録されてるなかで、女の子同士の感情の揺れを描いた「あきらめてたのしく」が印象に残った。人気者とそれに憧れる少女、思わずその子の服を勝手に着てそしてなくして。だまっていたけどでもやっぱり…というところでわかってたんだよでもいいのよとにっこり笑うという展開はけっこう新鮮だった。表題の「あきらめて」というあたりの屈折がおもしろい。
表紙には少年がひとり、ウェディングドレスの女性がひとり。少年の口はへの字に結ばれて、口を聞いたりびっくりしたりしたとき以外は作中でもほとんどへの字のまんま。もともとこのとしごろの少年たちには、なぜかこういう怒った顔をしたのが顔したのがたくさんいる。でもこの少年はこの顔でないといけなかったのだ。なんでこんな女と住まないといけないのかという、それだけの理由ではなく。
少年のへの字が初めて笑った形に開くのは、このまんがの最後のコマ。ひとことで言えばこのまんがは、少年と女性がそこに至るまでのおはなしということになる。
若い女性と再婚した父親が急死し、母親とも呼べぬ女と家にふたり。設定はこれまでたくさんのまんがでも使われたもので、珍しくもなんともない。それでは奇抜な、意表を突く設定のまんがは、ありふれた設定のまんがよりよいまんがなのか。そういうことではないと思う。
このまんがのクライマックス場面は少し言葉が多すぎて、語られる言葉もやや陳腐で、このまんがが画竜点睛を欠いているとしたらそこだと思う。この場面のセリフと独白次第では、このまんがの完成度はより高いものになっていたに違いないし、このまんがを佳作として評価したアフタヌーン編集部の「テーマの掘り下げに甘さを感じる」というのはこのあたりを指してるのかとは思う。でも、じゃあそういう場面で鋭い、気のきいたセリフが描いてあるまんがは、そうでないまんがよりよいまんがなのか。そういうことでもないと思う。
よいまんがとはなにか。「よいまんが」なんていうことば自体かなりうさんくさいし、その定義がひとつの範疇におさまるはずもない。でも「よいまんがはこういうまんがだ」ということは誰にもできないけど、「こういうまんがはよいまんがだ」を挙げることは可能かもしれない。それはもしかしたら、読んだ人がどれだけのものをそのまんがから受けとるか。ばか笑いでもすんげえブルーでもいい、上下左右はどっちでもいいから、どれだけ心を動かされるか。そういうことなのかもしれない。たとえば絵柄がどれくらい肌になじむか、登場人物の表情や行動やしぐさにどれだけリアルなものを感じるか。ただの絵空事にすぎないまんがのなかのできごとを、どれだけ現実に近いものとして思えるか。
それは読んだ人間の気質にも経験にも好みにも左右されるもので、だからそういうよいまんがをよいと思うことはごく個人的なできごとに過ぎないのだろう。そのまんがの持つ鍵にあう鍵穴を持たない人は、絵やコマ割りや登場人物の造形や物語の筋や主題でもってそのまんがを判断して「テーマの掘り下げに甘さを…」(ごめんなさいこだわってます)と言うことになるのだろう。そうだとしたら−そうであればこそ、このまんがの鍵穴をおれが持っていたのをただただうれしいと思う。このひとの絵は好きで今まで読んだ同人誌もかなり気に入っていて、でもこの本は間違いなく特別な存在だと言えることを。
読んでいて急にこみあげてくるものがあって、かなりうろたえました。これまで読んだ同人誌の中で一番よかったのは何かという問いはむずかしすぎて即答できない。でも、これまで読んだ同人誌の中で一番はげしく感情を揺さぶられたのは、たぶんこれだと思います。もしかしたら「同人誌」という制限をとりはらったとしても。