ここ一週間ぐらい、鼻がぐずりっぱなしです。アレルギー性鼻炎は幼い頃からだけどもっぱらハウスダスト専門で、花粉は全然OKなはず。だからこれはただの風邪でしょう。たぶんきっと。でももしかして、いやそんなことはない決して。風邪だ風邪。
小田扉作品集「こさめちゃん」、3月23日金曜日発売。買うべし。まんが好きなら。
同日に岩明均「雪の峠」も出ます。これまた買うべし。こっちはおれが喚かんでもたくさん買う人いるかな。
「しゃぼてん」(野中英次)がひっそりと最終回。ひっそりと、と言っても、作風からして盛り上がっての最終回なんてありえないからやむを得ないわけで。どんなに力いれて描いていても、それを決しておもてには出せない。難儀な作風ではあります。
そして小坂俊史の「月刊フリップ編集日誌」1巻も3月27日に出るのでした。もっともこの雑誌に載ってるのはこれではなくて「サークルコレクション」のほう。4コマ王子という呼称がいつのまにか定着したっぽいけど、名づけ親はみずしな孝之なのかしらやっぱり。
「エブリデイズ」(長崎さゆり)は虫歯だらけ女の話。この展開でお目当て男にもやさしい歯医者さんにもひっつかないのだな。でもってしめくくりは「歯医者に行きましょう」。不思議なおはなしだけど、こういう独特の感覚がこのひとならではの話をうみ出すのでしょう。
あとはゲストでフルカラー4ページ「FRUIT DAYS」の深谷陽、舞台はおなじみ南の島。こういう一芸を持ってる人は強いなあと思うし、同時にそれにとどまろうとしない作者に好感を持ってます。「レディ・プラスティック」は映画になるんだな。
決勝戦大詰めの「牌賊!オカルティ」(片山まさゆき)、しかしこれ、デジタル梨積とオカルト群鴎のどっちが勝ってもそこでおはなしの決着がついてしまう気がするのですが。どうするんだろう。話の展開上、ここはオカルトシステムに自らはまって群鴎が敗れるのかな。話の展開上と言えば「萬(ONE)」(本そういち)のへろへろ主人公・萬も、展開上ここで三筒持ってくるんだろうな。太いやつ。
巻頭でエッセイまんが「頑固なペン」(押川雲太朗)が始まってます。作中「メシを食うためのつまらない漫画を描いていた」という記述があるけど、これやっぱりビクトリー麻雀連載作のことか。それとも別のまんが指してるのかな、妙に気になる。
問:「森総理は辞めるのか辞めないのか」 答:「そのうちやめるらしい。」
問:「森総理はいつやめるのか」 答:「誰にもわからん。」
こういうのを辞意表明というのかしらん。ここまでくると一種の感動すら覚えます。感動してる場合では断じてないのだけど。
たくさんの人が政治はどうでもいいと思った結果、ほんとにどうでもいい政治になってしまったということなんでしょうか。すごいや。
沖縄合宿編「空手小公子 小日向海流」(馬場康誌)にかわいい少女登場。かわいいけど空手強そうなこの子、つり目のせいか、どこかしら恋緒みなとの描く女の子に雰囲気が似てます。それはいいのだが安仁屋宗八先生ってそんな実在人物とフルネーム一緒でいいのか。ひょっとして赤嶺先生って赤嶺賢勇からとったのか。いやこれは考えすぎだな。
もうひとりかわいげな少女の登場した「エリートヤンキー三郎」(阿部秀司)、三郎の恋はうたたかの夢。あと今週は「バカ姉弟」(安達哲)の載ってる週です。
「牙<FANG>」(たがみよしひさ)は無難なまとめかた。大型新連載準備中とのことだけど、こんどはこういうまんがになるのか。それはそれで楽しみではあります。
なんの気なしに手にとって開いた1ページ目、カラーで載ってた新連載「CLOCK WORK DOG」(寺田努)の一撃に沈む。なんだよーおれこういう絵にめっぽう弱いのにひどいよー魔女っ子だかなんだかしらないけどこれじゃ買わないわけにはいかないじゃんかーまいったなあ。かくしてあっけなく定期購読決定。おはなしは穏やかに毒のないファンタジーかなというのが、とりあえず1回目を見た限りでの印象。いやそれにしてもこれフルカラー連載じゃなくてよかった。死んでたよ。
もうひとつ、保父さんまんが「あいこでしょ!」(大井昌和)がけっこう気になる。女の中に男がひとりが動機の設定かなとは思うけど、こういう形で男が越境してくるまんがって以外とすくないのだよな、実際には看護士さんとかそれなりに数はいるはずなんだけど。絵のほうもそれなりに好みなんでマークすることにします。
まあ結界閉じ気味ながら元気のいい雑誌だとは思ってたので、これも縁でしょう。ほかにも読んでるうちにおもしろくなりそうなのはいくつかあるし。そもそも「DARK EDGE」(相川有)は宿題まんがのひとつなんだよなあ。なんとかせねば。
時すでに3月なかば。梅は満開、沈丁花も咲いてる。でも寒い。
日本人が桜好きなのは、桜が咲くころやっと安心して春だなと思えるからかもしれません。明日も東日本では寒そうです。
「サルぽんち」(鈴木マサカズ)、みごとに締めくくっての最終回。大人になれないサルの(そしてサル以外の)物語として読みごたえがありました。これ、単行本にならないのかなあ。もったいないから出しましょうよ。確かに地味な話なんだけど、大人の事情はあるだろうけど、でも。
今月号はほかに「東京カイシャイン」(タイム涼介)「テルオとマサル」(市橋俊介)が最終回。入れ代わるように始まったのが「トニーの背骨はよく曲がる。」(鮪オーケストラ)。「ひとりの男をめぐる壮絶な愛と憎しみと欲望を描いたアッパレ活劇」だそうで、初回は10人登場してうち2人はあからさまに変人であと2人けっこう変人で、5人死んでます。らしいといえばらしい出だし、ただダークパワーで押し切った前作「BAD TRIPPER」とくらべるとやや変化球気味。趣向を変えてきたのかな。
シリーズ読切では久々の登場がたいへんうれしい「期末試験前也」(新谷明弘)、今回が6作目。今回は宇宙人が侵略してきていろいろあるのだけど、このおちはこのひとらしいなあ。5時間めは「髪」の時間。同じくシリーズ読切「蟲酸」(福耳ノボル)は今回5話目。
そしてこちらは読切連載「よみきり▽もの」(竹本泉)、こんどは高いところ大好きな女の子のおはなし。もうこのシリーズ大好きです。前回連載もけっこう好きだったけど、こちらはそれ以上にいい。変な女の子万歳。ついでにとばっちりをこうむる男の子も万歳。
「としうえの魔女たち」(むつきつとむ)は今回休載で代わりに今後の展開予告まんがが。そうかこのまんが、もしかしてラストまで見据えてるんだ。でもってこのかなしげな予告はなに。小鳥さんを発明しただけにとどまらず、さらに揺さぶってくるのか。勘弁して。
連載陣ではひさびさに「ウォーターエンジン」(安森然)が掲載。異色作「PERFECT」(電光石火轟)は今回レイプマンみたいな展開だけど、どっちかつうと勧善懲悪よりどさくさまぎれのほうが当たってるなこれ。主人公が公然と悪人だし。
読切は「オレンジな満月」(尾崎未来)「MADE IN MAID」(九尾(108))「SHAKEDOWN」(灰司)「Angel▽はーと」(緒々田みの虫)「裕子さんの生活と意見」(まぐろ帝國)「桜の降る窓」(こうのゆきよ)「ふたりがいっぱい」(木ノ下ひるね)「卑しい古事記」(まいとしろう)「路上教習へGO!」(きお誠児)の9つ。いっそ人間消しちゃえと主張するイザナギに反発して地上に降りたイザナミがひどい目にあい、結局オールクリアというひどいまんが「卑しい古事記」がおかしかった(しかしこのタイトルは…)。もうひとつ、男みたいな女を登場させてジェンダーをひっくりかえしてみせた「裕子さんの生活と意見」がユニーク。読み始めに一瞬ホモマンガかと勘違いしました。主人公がたいへん男らしかったので。
ももえは途中までほんとに最終回かと思った。そういうことやりかねん作者だし。でも結局は振り出しに戻り、あげくにループ構造まで確定。来月はめでたく高校5年生。
「満月の瞳」(井上眞改)「花八代景譜」(大空とわ)の連載ふたつは堅調。もうひとつの「SPYで行こう!!」(中山かつみ)は今回インターミッション番外編だけど、なんとこのひとの単行本が出るとのこと。これまたももえ以上におれは買うけどだれが買うんだろうという気もしないでもないけどうれしいのはもちろんうれしいのだけど。収録作品どっちも読んだことあるけどぜんぜんOKです描きおろしあるらしいし。
巻頭フルカラー「FLOWERS」(相田裕)は楽しいエピソードとはうらはらに、設定と色調はかなしげ。このひとのまんがは同人誌でも読んでるけど、そちらも主人公たちが捕われ鳥のかなしいまんがです。この色づかいは上品でいいなあ。一見ただのいいはなしと見せた「ぼくのメイドさん」(大古真己)はリアルを踏まえた展開に驚く。そのうえでのいい話なのでなかなか説得力があります。
めでたくも連載になったらしい「LDK」(はしもとしん)、枕を並べて風邪引き話の今回はそれなりに持ち味が出てると思うしなかなか楽しくていいです。これでもまだネームが多いような感じがする、というかこのひとネームに頼らずともまんが描けるはずだし。また次回が楽しみ。
外出先から家に戻って着替えるときに、セーターが裏表だったことに気づく。大変に恥ずかしい。気づいたところでもうどうしようもないのが切ない。…この程度の過ちだったら別にかまわんのですが。
まんがの森町田店へ行ってみたら、恐ろしいことにももえサイズが売上5位になってました。いったい誰が買ってるんだ。
作者の言葉を借りると、「ある場所で、ある特殊な形態で発表されて」いたまんが。15年ほど前にたまたまその場所にいあわせた自分は、幸運にもこのまんがを読むことができたのですが。その後本にまとまったこのまんがをぼんやりしていて買い逃したことは、その後長い間、思いだすたびに頭をかきむしりたくなるような痛恨事でした。読みたいと思えど本はなし。
そんなある日。昔の知り合いとの間でこのまんがの話題が出たあと、「どこかでだれか触れてないかな」とあまり期待もせずにネットで検索してみたら、まさかと思ったそのものがヒット。狂喜しました。ネットってかくも簡単に時間空間を乗り越えることがあるのかと、このときはあらためてしみじみ思ったことです。
内容はかなり変なまんがです。あまり意味はない。なんのことやらよくわからん。15年くらい前なので、さすがにやや古くなってるところもある。でもここを読んでくださってる人の中には、たぶんこういうのが好きな人もいるんじゃないかと思います。なかでも(その24)は14年間一度もその内容を忘れることがないくらい、強烈な印象を残した一本です。ほかのは全部どんなだったか忘れてたのですが。
見出し部分からリンクを貼ってあるので、興味のあるかたはどうぞ。いやでもほんとうにネットって便利だ。
推理小説です。作者初の本格推理、とのこと。失踪した知人を捜すため、知人の生まれ故郷である島に渡った主人公は、やがて知人のものだろう惨殺死体が数日前に発見され、そしてなぜか隠蔽されたことを知る。よそ者に真実を話そうとしない島の人たちに難渋しながら、粘り強く犯人をそして真実を探り続ける主人公。簡単に言ってしまえばそんな内容です。
ジャンルとしてのミステリは、個人的にはおはなしにならない数しか読んだことがない。ので横の比較−他のミステリと比べてどうか−を行なう能力は、残念ながらありません。ではこれがおもしろかったかどうかというと、おもしろかったです。十分に。ほかのものを放り出して読み続けて、読み終わったら朝になっていたくらいには。
謎解きそのものについて言えば、読んでるあいだずっとこうじゃないかと思っていたことがあって、終盤それが明かされたように見えて我が意を得たりと思ったらさらにひっくり返されて、そこからもうひとつどんでん返しがあって。でもって後味はたいへんによくない。のこされた登場人物たちが、起きたことにどう自分なりの整理をつけるのかを考えると気が重くなります。すっきり解決あとくされなし、という結末ではありません。
そして−それにもかかわらず、ラストシーンでは涙が出そうになりました。この小説には、信頼関係を含めての人と人とのつながりを書いているという側面が確かにあって、そういう意味でこれはこの作者ならではの小説に違いありません。冒頭に少しだけ登場する、失踪した知人の陰影に富んだ魅力的な造形もひっくるめて。このラストを読めただけでも、この本を読んでよかったと思っています。
以前見かけた原画がわりと好みだったので買ってみたゲーム。ゲーム自体の絵も悪くないけれど、どっちが好きかというとやっぱり原画のほうになります。エロゲーってそういうことがわりと多い。
内容のほうは特に言うことはありません。文章が日本語としてあちこち変で、読ませるものとしてこれはどうかと思ったりもしました。しかしおれの買うエロゲーは、なんでこんなに田舎舞台のばっかりなんだろう。そういう基準で選んでるわけでもないのに。
デビュー作を含む短編集。けしからんことにマサルさんも武士沢レシーブもちゃんと読んでないので、このひとのまんがは初めてまともに読んだことになります。
このひとの本領であろう軽機関銃のようなギャグは、実は個人的にはあまりヒットしません。しないな、というのを再確認したような。じゃあこの本がおもしろくなかったかというとそうでもない。なんというか、このひとの描く女の子は妙にかわいいし、このひとの描くいい話は妙にいいのです。べったりといい話ではなく、ギャグでひっかきまわした上でのいい話というのが、自分の嗜好に合ってるのかもしれない。
なのでよかったと思ったのは「男一匹セニョリータ」「忍者舞台ゲンバリング・ボイ」のふたつ。後者のヒロイン少女の笑い声、「ばっふぅん」「ばぶっしゃぁあぁ」「ぶふぁがぁ」という爆発的な笑い出しを捉えようと腐心した擬音がおかしいです。ばか笑い少女万歳、かな。
1巻と同じ。というかずっと前からずっと同じ。けっこうエキサイトシーンやはらはらする場面もあるのに、全体では一貫して脱力音(「ぁ〜」とか「ぅ〜」とかそんな感じ)が流れてます。菱沼さんの低体温が象徴するような(まんが違うけど)。
そのせいでこのまんが、なんとなく「おもしろい!」と拳を振り上げるのがためらわれるところがあります。そうやって力説するのはちょっと違うんじゃないかというような。いや間違いなくおもしろいんだけど。
登場人物の顔に縦線が入る回数では斯界屈指でしょう。擬音擬態に使われるこの独特のフォントは、これこういうフォントがあるんでしょうか。それともこれ、全部手で描いてるのかな。
麻雀まんが誌では久しぶりの登場となった松本剛の「親待ち千点棒」。今回、なにやら女の子の目が大きめな気もするけど気のせいかな。内容的にはちょっと24ページだと寸が足りないかなあと思います。ふくらまして単行本1冊分くらいにするとちょうどよいような。
読切で「ノーサレンダー・トオル」(木山道明)が登場。「タイル」(大武ユキ)がめでたく本格連載化、「病葉流れて」(花菱スパーク+白川道)が最終回。
巻頭の「よもやま病院へどーぞ!」(武林武士)が袋とじになってた。ひょっとして巻頭カラー袋とじというそういう趣向なんだろうか。違うか。
今月号は「ドライブ」(kashmir)目当ての購入。今回の白眉は198〜199ページの見開きで、こういう頭のぐるぐるした状態を描かせれば天下一品。おはなしのほうはどれが真実で登場人物がどういう人間か、的をしぼらせないままの展開。一瞬の夢幻のような。それでもそれは確かな現実で。
「霊能探偵ミコ」(井荻寿一)は今回が第92話。単純計算で8年近く続いていることになります。息ながく堅実。
3時から1時、さらに4時から9時。なにもそんなに寝ないでもというくらい惰眠をむさぼってました。そのせいで一日が短いったら。
どうでもいいけど個人的記録としては学生のころに25時間というのがあります。別に徹夜続きのあとでもなんでもなく、ただ寝てただけ。
タイピング練習ソフトねたの「カスミ伝△」(唐沢なをき)がおかしい。最後は懐かしのぶらいけん最終話を思いだすおちでした。エロゲータイピングソフトって実際売ってるけど、まじめな話(?)けっこう上達が速いかもしれない。しかしこの理屈で行くと脱衣麻雀は麻雀の上達が速いことになるか。うそかも。
「フリクリ」(ウエダハジメ+GAINAX)はラス前にしておはなしがあらぬ方向に飛んでいく。どうすんだこれ。短期集中の新連載「スーパーロボット大戦α」(長谷川裕一+バンプレスト)がスタート、「マフィンの法則」(乙一大弓冬)、「コマンダー千太郎4」(こしじまかずとも)と読切がふたつ。長谷川裕一は「クロノアイズ」とあわせて2本だてで、クロノのほうは来月お休みです。そりゃそうだろうな。
あまり描くことがない。というかいつのまにか「地球美紗樹」(岩原裕二)以外にとても楽しみという連載がなくなってしまってました。「まりんとめらん」(渡瀬のぞみ)「ワダツミ」(琴義弓介)が最終回で、来月は「BLOOD THE LAST VAMPIRE 2000」(玉置勉強+Production I.G)「アルジェントソーマ」(現津みかみ+矢立肇・片山一良)が最終回。連載の入れ代わりが目立ってます。
巻頭で始まった「BLOOD SUGAR SEX MAGIC」(大山玲)、冒頭のセーラー服女子高生に妙な新鮮さが。真夏の夜のユキオンナは未読なので、このひとのまんがで原始人以外が登場するのたぶん初めて見たのだな。これはしかしどういう設定なんだろう、「腐れUMA」ってすごい罵り言葉だ。
「読めない君」(櫻見弘樹)はなんだかつかみどころのない読切。このラストは不思議だ。「トンネル」(粟竹高弘)は例によっての世界設定でのまんがだけど、このひとのまんが、内容がふつうのエロまんがに近くなってきたかも。同人誌のほうもそういう傾向があるし、なにか心境の変化があったのかな。こちらは今回めずらしくエロまんがっぽい「シビレビ」(篠房六郎)だけど、まあしかし人を食った内容こと。読者だけでなく主人公まで食われてます。かわいそうだこの娘。
前回おやすみで心配してた「Body Language」(けろりん)が無事復活しててたいへんうれしい。登場人物たちの行動思考がほほえましいこのシリーズはかなり気に入っていて、いずれ単行本になるといいなと思うのだけど、隔月で毎回4ページだからなあ。先は遠い、でもあきらめない。なんせももえが本になったりするのだから。
3月に入ってからほんとにときどき日記になってるなあ。きのうは堂々丑三つ時の帰宅でした。今月来月はけっこうばたばたしそうな雲行き。
これまで最新の日記はここに書きためて、たまるごとに月の上旬下旬でまとめてファイルに切り出していたのですが、これだとせっかくほかのサイトからはってもらったリンクが切れてしまうことに(やっと)きづいて、ここと月別ファイルを同時に更新するように変えました。もし日記中にリンクなど貼っていただける場合は、月別のほうを使っていただければと思います。こっちに貼ってあえて切らすという使い方もお好み次第ですが。
読切「奇妙な遺伝子」(惣領冬実)が60ページで掲載。それほど飛び抜けたものはないが堅実に上手いまんがで、それはそうとしてこの主人公の入院中回復後の表情が妙に気に入ってしまったです。肩の力が抜けていい顔というのもあるけど、どうもタレ眉笑顔がつぼにはまってしまったような。いやそういうまんがではないのですが。いっぽうめがねかけて髪を上げたキャリアウーマンスタイルの主人公がいいという人もいるのだろうな。好みは人それぞれ。いやそういうまんがではないのですよほんとに。
「リーマンギャンブラー マウス」(高橋のぼる)は…なんだか説明する気力の萎えるような内容。今回のマウス(ねずみのほう)レースはエキストラバージンオリーブオイルレースで滑りまくり、マウス(人間のほう)は元妻の女体盛りを足蹴にしてまぐろ子の一本のやきそばに。天才ネズミ・スカーレットブーカは後方一気の差し切りで単勝82倍。以上。
「キルケーの豚」(関崎俊三)は手堅くまとめての最終回。2巻も出るのかな出るといいな。「ハネムーンサラダ」(二宮ひかる)は思わぬ方向にお話が。3人の関係がこういうふうによじれてくるとは思わなかった。しかしいったい、このお話はどこに行き着くのだろう。ぜんぜん予測がつかない。
「乱世の鬼」(木村浩二)が新連載。ずっと「相撲遊戯」を描いてたからギャグの人かと思ってたら、シリアスなぱちもん時代劇どいう意外な内容。器用な人なのかな。
大きくお話が動きだした「テスタロト」(三部敬)。おもしろいというにはかなりハードな展開の今回ですが、でもおもしろい、とてもおもしろい。ところでこのまんが、レオニダスが主人公なんだろうか。ずっとカプリアかなと思ってたけど、どちらかというとこの娘は目撃者の役回りか。
「クロノクルセイド」(森山大輔)は今回インターミッション。「ペネトレイター」(角井陽一)が最終回。目次を見るとみよね椎が2作品描いてるように見えますが、かたほうは誤植なので念のため。
来月から紗夢猫が新連載。タイトルは「みかんの花」(仮)。内容不明。夢オチの新連載予告は初めて見た。
去年からプレステのジョッキーシミュレーション「G1 JOCKEY 2000」をだらだらと続けてました。なかなかよくできたシミュレーションで、実在した名前の馬に乗れるのも楽しいゲームだけど、ゲーム時間が今より未来になったらどうすんだろとずっと疑問に思ってたのです。光栄の競馬ゲームは基本的に時間無制限なので。
あけてびっくり、現5歳(テイエムオペラオー)世代の後に現れたのがなんとルドルフ世代。おかげでアサカツービートとかイズモランドとかカルストンイーデンとかゴルデンビューチとかシンボリカールとかタニワカタイショウとかダイゴウリュウとかトーアファルコンとかニッポースワローとかハーバークラウンとかハツノアモイとかベルレンケルとかホッカイペガサスとかメジロシートンとかメジロトーマスとかラウンドボウルとかリキサンパワーとかルーミナスレイサーとかローマンプリンスとか、アニメシローとかセッテジュノーとかニットウタチバナとかハッピーオールトンとかクラウンエクシードとか、涙がちょちょきれるほど懐かしい名前を大量に拝むことになりました。しかしさすがにウメノファイバーのひとつ下にオールトンおばさんというのは抵抗がありすぎる。
…ここ読んでくれてる人の99%にはさっぱりわからない話だなこれ。すいません。あんまり懐かしかったもんで。
きのう置き去りにしてしまった残り。巻頭カラー「むきたまごビューティー」を描いてるふじのはるかは、フラッパーで「注目の人」を描いてた人。けっこうこのひとの絵は好きなのだけど、4コマよりはストーリーが読みたいかなあ。ここから「島の人」(ひらのあゆ)〜「満月ピクニック」(有間しのぶ)というラインアップはけっこうそそられる人多いかもしれません。
「大宇宙うっかりママ」(渡辺電機(株))はうっかり宇宙空間に素で飛び出てしまうようなうっかりさんのお話。だんなもタバコを吸いに宇宙空間に。このひとも渋く活躍してるなあ。巻末カラーには「たちよみ娘」(小坂俊史)と「ロケット君 地方編」(唐沢なをき)。「たちよみ娘」はやや一本調子かなあ。「ロケット君〜」はおかしい。くそしょうもない下ねたを描かせたらさすがに日本一だ。
「湾岸ミッドナイト」(楠みちはる)を最近おもしろく読んでいる。走り屋話には基本的に興味がないのだけど、このシリーズの展開がどうもつぼにはまった感じ。そしてヤンマガ第3の走り屋まんが「ナニワトモアレ」(南勝久)の今回を読んでおやっと思う。もしかするとこのまんが、ふつうの人間のまんがになるのかもしれない。速い事故らない死なないスーパーマンのまんがではなく。
「イヌっネコっジャンプ!」(はっとりみつる)でちらりちらりと明かされる、オズとユウキのなれそめ(因縁ともいう)。やっと、やっとこさおはなしが前に進みだすのでしょうか。もしかしてここまで、本格スポーツまんがに至る長い長い前振りだったのか。いやまだわからん。ちっともわからん。
巻頭で連載始まってる「バサラ」(ミナミ新平+さいふうめい)はこれ、麻雀まんがなんでしょうか。気を燃焼させツキを呼ぶ戦法ってとかそんな九萬で打ち込んで驚くなよとかヤオチュウ牌って「クズ牌」なのかとかいろいろあるけど、まあいいや。ほかに読切で「ダイナマイト▽ハニー」(倉上淳士)が載ってます。
読切が3つ。「シュトロとカロン」は去年11月号の「禁」でデビューした佐々木泉のまんがで、端正な中国物だった前作と違い、こちらは駆け出し占い師の少年が主人公のファンタジー。内容とともに絵のほうものびやかで楽しげで、前作とはまた違った魅力があります。これは先々楽しみだなあ。今度はいったいどんなのになるか、もうひとつ読切で読んでみたいな。「牛丼狂想曲」(稲垣誠)は大食少女と大食番長の牛丼勝負。もうひとつは「オカシラサマ」(福島鉄平)。
「スカルマン」(島本和彦+石ノ森章太郎)が次回クライマックスとのことです。もう少し長く続けるのかなと思っていた。
以前ふらりとボンボンを立ち読みしたときに、生きのいい絵が目についたまんが。女神転生シリーズはファミコンの初代しかやってない(あれは心のゲームのひとつです)ので内容のバックボーンはよくわからんけど、絵を眺めてるだけでけっこう楽しい。2巻も買おうかな。
ボンボンの先輩である熊倉裕一の影響があちこちに見られたのは、なんとなく納得。絵はぜんぜん違うけど。
最終戦。ひとり植え込みのふちに腰をおろし結果をまつ伊角の姿に、不意に涙が出そうになる。プロとは無縁の大会だけど、ただの応援団としてだけど、締めつけられるような緊張のなか、知り合いの碁の結果を待ったことは何度も何度もあります。思い出してしまった。
院生経験も学生団体戦の経験もプロ試験の経験もみんな持っている監修の梅沢由香里四段は、このまんがのシナリオに関わっているのか、いるとしたらどのくらいなのか。もしできることなら一度聞いてみたいと、ずっと前から思ってます。
昨日日記さぼったし、いろいろ読んだものもあるけれど。今日はひとつだけ。
志村貴子が描いてると聞いて買ってきた雑誌。24ページのこのまんがを読んでるうちに30分以上経ってしまう。読み終わってまた最初から読む。5回も6回もそれを繰り返しているうちに。
これはすごい。ほんとうにすごい。美人の母親ではなく、ふつうでがさつで無神経な亡き父親に似たのをずっと恨んでいた娘の心の動きを、最初の「私は前世 美女だった」から、ラスト「私は 父に似ている」にいたるまで、直接的な表現はいっさいとらずに描いている。相当にわかりにくく不親切な表現方法なのだけど、この世にはそういう方法でしか表現できないものがあるのだ。言葉にしてしまった瞬間変質し、別のものになってしまうもの。このまんがが描いているのはまさしくそういうもので、そしてそれを表現したこのまんがの手際に、読み始めてあっという間に魂を奪われてしまった。夢中になって何度も読んだ。ひとつひとつ、主人公の表情と、セリフの言外の意味を追いながら。
20ページ目から21ページ目にかけての7コマが、このマンガの重要な転換点になっているのは間違いない。だけどこの転換点の部分に限って、おれには主人公の気持ちが明確には伝わらない。すでにこのまんがに捕われた身としては、自分の読者としての能力か(たぶん必要なのは、読解能力ではない)あるいはもっと重要なものが足りないと思うしかない。だから悔しい。悔しいからわかるまで何度でも読んでやろうと思う。
日本中の「敷居の住人」及び志村貴子ファンは全員必読。言葉にできないものをすくあげたような、わかりにくくてもそんなまんがの好きな人も必読。この強力な表現方法を身につけた作者が、これからもまたいくつか短編を描いて、やがてそれが本にまとまり本屋に並ぶ。そんな日が来るのを心底待ち望んでいます。
おうちのぱそこん様のOSを95OSR2.5から98SEにバージョンアップしたら、おそろしく動作が軽快に。こんなことならとっととやっとけばよかった。
だいたいわたしのOS切替は世間様より数年遅れで、DOSからWindowsに切り替えたのも95が出てからだったし、しかも導入したのは95ではなくて3.1だったし。特に理由はないのですたぶん。ただの無精。
読み始めて30ページくらい進んだところで、自分が異様に上機嫌になってることに気がつく。そこまで出てきた登場人物が2人と登場犬1匹、どれにも大変好感を持ってしまったのだ。ひいてはこういう登場人物を作り出す作者の筆致に。このひとの描く者がおれにとっておもしろくないわけがない、この時点でなかば確信するほどに。
そういう意味ではこれ、キャラクター小説と言っていいかもしんない。気質から喜怒哀楽が全部脱落して代わりに「温」だけ入ってるような、能天気(能天気だから物おじもしない。そういう意味では恐怖感覚もないかも)のほほん高校生の主人公・忠介と、小柄でくるくる動いてお兄ちゃん大好きな、こっちは喜怒哀楽が単純明快な妹の陽子。このふたりの前−正確には忠介の目の前に、かわいい擬態とはうらはらに人間とは異次元の存在で異次元のパワーを秘める宇宙人が空から落っこちてくるところから物語が始まって、こいつが大変やばい生き物だったせいで、同じく大変やばい宇宙人がふたりほど現れて。ついでに科学者ばかな科学者とこわそうな黒服までやってきて。でもって最後に登場した宇宙人だかもよくわからん存在が剣呑なことを言いだして、いつのまにか地球の運命までが左右されて。そんなふうにばたばたと繰り広げられるおはなしです。ギャグではない。コメディというのもちょっと違うような。馬鹿話が一番近いけど、それだけでもない。
のほほん話と宇宙空間バトルSFをえいやとくっつけたようなこのおはなし、まずはなにも考えずに笑って読むのが吉でしょう。そのうえで考えたい人は考えればいいし、考えずに次へ進んでもいいし、それにしてもおもしろいなあこれ。けんかを始めて家をぶっ壊しやがった凶悪宇宙人2人を陽子が4倍角ゴシックで叱りつけるシーンが、お約束だろうとなんだろうと大好きです。きれいに実行されたお約束は楽しいのだ。
このシリーズはすでに3巻まで出ていて、普通ならさっそく2巻にとりつくところなのですが。なんとなく、なあんとなく「ブラックロッド」から始まる3部作を先に読んでから、そちらを踏まえて続きを読んだ方がいいような気がしてならない。とりあえずは自分の勘に従ってみるつもりです。
FLASHのほうじゃなくってユリケイのダーティペアです。時制的には4冊めラストの冷凍睡眠明けではなく、ペア組んでまもないころ、見習い明けての初単独仕事という設定。だからこの本の位置づけは外伝になってます。
美少女が凶悪に暴れ回るパターンの祖型のひとつかもしれないこのシリーズ、まあでも登場以来20年近く、さすがにユリケイも歳とったか…とか読み始めてちらっと思ったのだけど、間違いでした。話が佳境に入ってからの暴走ドライブ感はかつてのまんまだし、ちょっと油断すると登場人物が死に絶えてるあたりの無茶苦茶さ加減もそのまんま。主人公のふたりを除いては、このシリーズは死なせ惜しみ(?)とは全く無縁で、だからそんなもんだと割り切って読めない人にはつらいかもしれない。なんだか惑星が壊滅してるし。こういうの初めてじゃないような気もするし。
元祖ダーティペアのファンはもちろん、いまではあたりまえのように見られる暴走美少女ものの祖型のひとつとして、そういうの好きな人は読んで損しないと思います。最初にも書いたように、おはなしの順番はこれが一番最初に来てるから、初めてでもこわくないし。
ナカタニD.というとみやむーと結婚したまんが家として認識してる人が多いかもしれない。その次に多いのが「吹き出し入りコンドームの作者」で(このコンドームはコンビニでみたことがあります)、漫画ゴラクでやってたなんとも不思議な「にくげなるちご」の作者として覚えてる人が数は一番少ないか。でもこの本に手を伸ばすのは最後にあげた少数派だろうな。
というわけで少数派のひとりとして買ったこのまんがですが、これは一筋縄ではいかないなあ。「ない、ものを/ある、と思いこんだところから/ニンゲンの”業”は始まる。」から始まって「ここらでもう、やらなくていいことはおやめなさい」に終わるこの本、一見すると進学就職恋愛セックス結婚子育てと「やらねばならないこと」に奔走する人たちに、そういうふうに縛られなくてもいいんだと眉を開かせるために書かれたような、そんな本に見える。癒しとか自己啓発とか言葉はなんでもいいけど、「ふっと楽にしてくれる」ようなそんな本。
そうだとすると、この本のそこかしこにただよう底意地の悪さはなんなんだろう。それは巧妙に隠蔽され見えにくくなってるけど、この本を読んで、ああわかったぼく/わたしはもっと楽にしていいのねこんなことはやらなくていいのねというような人に対し「けっ」と陰でわらうような、そんな感じ。それも当然で、やらなくていいことをやらなくていいんだと悟りやらないようになったひとは、次にじゃあ何をやればいいんだろうという壁に突き当たる。そしてじゃあなにを、というのはこの本のどこを読んでも書いてない。困ったことに。
そういうことまでひっくるめて全部自分のあたまで考えなさいというのが、前記した底意地の悪さの正体かもしれない。あるいはくりかえし示される「発せられる言葉とほんとうの言葉」という言葉の二面性が、そのままこの本にあてはまるかもしれない。書いてあることだけが言いたいこととは限らず、同時に隠された意味だけが言いたいことでもないのだ。
書いてあることは一見そんなに目新しいことでもないけれど、たいへん手間のかかったその構成表現の巧みさ奔放さは一読の価値があります。非常におもしろみのある本。一見するとえらそうな物言いをしているようにも見えて、もしかして読んで不快感を覚える人もいるかもしれない。でもそのえらそうさも、世の中にあふれるその手の物言いをなぞるように、あえてそういう物言いを選択してるのかもしれない。油断なりません。
コミックガムに最初は読切で、そのうちシリーズになり最後は集中連載されたまんがの単行本化。よくぞ本にしたとまずは出版社に感謝することにします。
基本的には女吸血鬼が主人公の暗黒まんがで、けっこうギャグまじりだった1話2話に比べて、シリアス色を濃くしていった3話以降ぐっとよくなっています。絵柄はどちらかというと耽美系で本来はあまり守備範囲ではないのだけど、このまんがは耽美系の自己完結的なところがなくて、登場人物たちが自分たちの探すもの守るもののために運命に抗いながら、自分たちのしていることを眺める視点を持ち続けています。そのあたりどこかやまむらはじめの龍哭譚紀行を連想させて、お話そのものも同じように暗く救いがない。予知能力がゆえに魔女として捕えられた女性が登場する第4話と、人間の科学者によって吸血鬼の少女が生体部品製造機として扱われる第5話は、とりわけしんどく救いのない話です。雑誌掲載時はたぶんこのへんで「これは」と思ったはず。
初単行本のうえにけっこう発表期間が長かったから、途中で絵も変わってるしおはなしも揺れてるし完成度が高いわけではないけど、今後に期待させるだけのものは十分にあります。ここからどう変わっていくか、あるいはこのまま進んでいくか、いずれにせよ楽しみです。
カイトモアキが「女教師マリアさん」で復活。スペシャルSEXY読切なんて扉には書いてるけど、とてもそういうふうには思えないぶっとんだ勢いは健在です。たぶんこれ、ギャグなんだろうな。「裸のふたり」単行本にならないかなあ。
こちらはたいへんお久しぶりの登場「DECADE」(羽田宵子)はわりとまっとうなスイマーまんが。いっぽうこれがデビュー作という「ツートップ」(柿崎正澄)は勢いのあるサッカーまんがで、なにか佐藤秀峰のデビュー当初を連想させるものがあります。この名前は覚えとこ。連載2回目「X−クロス−」(旭凛太郎)はこれも勢いがあっていい。しかし展開速いな。そば屋はもういいのか。
うわこりゃ上手いと舌をまいたカラーページ付きの巻頭「群れなす青のように」(三浦靖冬)。上手い、というより色使いがいい、というほうが正確か。しかしこれ、悲しい話だなあ。デビュー作もしんどいまんがだったしこれも悲恋ものだし、でも確かにそういうまんがに合う絵ではあるのだな。
ちょっと間があいた夏蜜柑の「風のうさぎ」は、病弱ないとこがいます実は好きですというただそれだけの話なんだけど、こういう起伏のなさげな静かさは好きな人間にとってはこたえられない。ファン必読、と書かずともファンはみな読むか。これ以外の読切は「パラシュートゆみこちゃん▽」(町野変丸)「姫子ちゅわんパ〜イ▽」(神寺千寿)のふたつと今回は少ない。「おませなプティ▽アンジュ」(月野定規)が連載化して、「出張ボーイいがりくん!」(ピロンタン)も続いてて、連載陣もたくさん載ってる今月号。「はじめてのサスペンス」(櫻見弘樹)は憧れてた隣のお姉さんがまさかあいつと、で失意に沈む主人公の少年。第二ラウンドも翻弄されてます。ひょっとしてそういうまんがなのか。
仕事場PCが変調。それもちょっと調子が悪いという具合ではなく、どうも奥深くに狂気を秘めてしまったらしい。いろんなアプリをごちゃごちゃと突っ込んでたのでおかしくなるのはしごくごもっともだけど。まずいなあ。
「ヘルシング」(平野耕太)がほんとに続けて載ってる。そして次号予告にも。ほんとか。
蘭東の目つきがとみに険しい「ジオブリーダーズ」(伊藤明弘)。そして目つきの険しさにかけては当代屈指・やまむらはじめの「カムナガラ」、それにしても今回登場したこの女のふし穴みたいな目は素晴らしくおっかない。そのふし穴に怨念の灯がともるシーンが一個所だけあって、いったいこいつはいかなる因縁をひきずってるのか。設定を伏せつつ進むこのまんが、どのタイミングで明らかにして行くかにも興味がわきます。
今号は最近では珍しく読切が4つ。「キティーホーク標本No.2」(堤芳貞)はイメージの奔放な広がりがなかなか気持ちいいです。あとは何を描くか、どう描くか。「燃えろ!癒し男」(小野寺浩二)はいつもよりお行儀がいいかな。そういう意味ではこのひと、無制限一本のエロまんが誌が実は合ってるのかもしれない。あとふたつは「ハッピートゥモロー」(山東ユカ)と「TWELVETIPS〜サライ特別編〜」(柴田昌弘)。
シリーズ8作目にして10冊め。ここ数作のなかでは一番楽しんで読めた。[A(九連内朱巳)対B(内村杜斗)]+霧間凪というわかりやすい構造が単純頭なおれにうまくはまったのかも。この本が初めて読むブギーポップという人が、この内容についてこれるかはさておき。
このシリーズ、1作目「ブギーポップは笑わない」をコアとして、同心円のようにあるいは年輪のように重ねられているように思う。前作までの登場人物を再登場させながら何人かずつ新たに登場させ、エピソードをかさね、それをまた次の作品でとりこんで。こういうのはありだと思うし嫌いでもないしえんえんと続けることもできるだろうけど。そしてシリーズもの一般のありかたとして、謎を明かさず決着をつけずというのもありだと思うけど。このシリーズに限って言えば、ブギーポップ/宮下藤花と統和機構と霧間凪とその他多くの登場人物たちに、いつかどこかで決着をつけてやってほしいと思う。しょっているものの重たさに登場人物たちがくたびれてしまうその前に。
いやもちろんずっと続けてほしいという意見もあるだろうしむしろそっちの方が多数派かもしれない。別にいますぐ物語を閉じろというのでもない。それでもいつかその時が来たら。そういうふうにこのシリーズを眺めてるので、次のおはなしをまた待つことにします。いい加減頭の中で混乱してきた物語の時系列を、それまでに一度整理しとかないとな。
「萬(ONE)」(本そういち)、萬が起死回生の一発。これはタコ麻雀というものではないかと思うが、タコを馬鹿にすると怪我をする。ここから大まくりがあったりするのか。
「天下無双」(黒咲一人+鏡丈二)後編に集中連載の「サルベージ」(佐多みさき+北鏡太)は両方とも昔ながらの麻雀劇画。バードとフランケンが終わってから、誌面自体のパンチ力がやや落ちてる感じもします。まあこれはこれでそれなりの読者数を確保できる作りなのかもしれないけど。
巻頭カラーの100ページ読切「不思議な少年」(山下和美)は兄弟殺しをモチーフに、不思議な力を持ちシニカルな笑みを浮かべる少年をトリックスターにして描かれたまんが。幻想的なところはあるけど、幻想譚と言ってしまうと少し違うか。ラストの展開をどう感じるかで評価が割れそうなまんがながら、上手いのはほんとに上手いしとりあえず一読して損はない読切でしょう。
「ジャンゴ」(せきやてつじ+木葉功一)はまるく納めての最終回。やっぱり単行本にはならなそう。けっこう楽しんだのだけどな。
連載作に休載が5本。載ってる読切もちょうど5本。どういう形だろうと、読切がたくさん載ってるのは大歓迎です。初登場はサイコものギャグまんがで絵もこの雑誌らしい「キッチュ」(川下完次)と、お約束スケベマンガ「亜紀ちゃんBOX」(伊藤ひろかつ)の2本。再登場は「JET!侍2」(ゴツボ*リュウジ)「雪の温度」(米倉静香)「ヒミツのシズカちゃん」(竹内元紀)の3つ。「雪の温度」はこのひとらしいまんがだしこの水準でコンスタントに描けるんだなあと思うし好きなまんがなんだけど、ここからさらにどうもう一歩踏み出すか、楽しみに見てみたいと思います。デビュー以来一貫した独特のテンポを今回も保つ「JET!侍2」にも同じことが言えるかな。デビュー作に続いて連続登場となった作者の「ヒミツのシズカちゃん」は今回やや空回り気味。また次に期待します。
読みどころの多い連載陣で笑ったのが「私立樋渡高校COMICS」(広瀬けいた)。普通キューピッドが誤射すると誤射された相手はたちまち依頼主に惚れてしまうのだけど、依頼主−本来の標的の関係まで維持されたまま伝わって「僕に関係ない想いで頭がいっぱいだー!」というのは初めて見た。次第にあんなの狂気がむき出しになってきた「アンネ・フリークス」(小手川ゆあ)は本来好みからは外れたまんがなのだけど、読ませます。こわれた内容なのに堅実な出来なのがなにやらおもしろい。