ときどき日記(20010216〜20010228)

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2001/02/28(水)

 ふと気がつくと2月も終わり。21世紀の300分の1が早くも過ぎ去ったことになります。21世紀を1年とすると、正月2日の朝くらい。まだまだ先は長いとのんきな気持ちになれますが、問題は21世紀の終わりまで生きてられる見通しが、今のところ全然たってないこと。もっともそんなに長生きしたいかどうかは微妙なとこですが。しかたにもよるし。

ヤングチャンピオン2001年6号

 安坊が去ってめっきり寂しくなった感もするなあ。読切前編「牙<FANG>」(たがみよしひさ)は山深い村を跳梁する”奴”とあとを追う謎の男が登場して、こういう闇の中アクションはさすがにお手のもの。後編どうしめくくるかというと、たぶんハッピーエンドにはならんのでしょうけど。

ヤングマガジン2001年13号

 外敵のせいで喧嘩ばっかりしてた連中が結束というパターン展開中の「エリートヤンキー三郎」(阿部秀司)。まさかこの一郎二郎再入学、河井が仕組んだんじゃないだろな。導火線がゆっくり燃え進んできた「カイジ」(福本伸行)は点火寸前。ここからまた長そうだけどまあのんびり行きましょう。「全力!かちわりホームラン」(柘植文)、今回は頭文字Dのあと。

上と外(4)/恩田陸(幻冬社文庫)

 この巻は読ませます。緊迫した展開のままじりじり進む物語は最後で想像してなかった方向に。これまで沈着だった練だけにこれは予想外でした。またも続きがものすごく気になるところで終わってますが、思い返してみると毎巻こういう引き方かもしれない。上手いなあこのへんは。
 次は当初完結予定の5巻。ほんとに5巻で終わるのか、それとも延びるのか。いいぞ別に延びたって。

ももえサイズ(1)/結城心一(シュベール出版・零式コミックス)

 単行本のタイトルはやっぱりというかこれでした。しかしタイトルうんぬんを忘れさせるくらい、どうでもいいほど凝った作りになったます。というかおれここぞとばかりに1話目からももえの斬ったものリストとかつくろうとたくらんでたのに、載ってやんの。それも斬ったもの一覧とタイトル一覧とふたつも。なんかくやしい。

 簡単にあらすじを説明しておくと、風紀委員の主人公・ももえ(第1話のももえは妙にかわいい)が16歳の誕生日に死神に首をはねられてどういう理屈か死神の体にのりうつったももえは世にはびこる悪魔を狩ろうと手始めに番長など狩ったりしてるうちにバレンタインが来たので風紀委員長に自分をプレゼントしてみたけど没収されて焼却されたのでしょうがなく新入生を風紀委員に勧誘しようとしたら悪魔憑きなど見つけて斬ったところももえのカマで斬られた者はももえが肩代わりの法則によりももえはダブリの高1になってしまい(中略)なんと卵がブラックホール化(中略)めでたく高2に復帰(中略)高3になって(中略)増え続けたナルトは全世界を覆い成層圏まで達し(中略)学校行くのわすれてたのでまたもやダブリの高3生に(中略)ろり子があやうくよけたももえの一閃は代わりに校舎をまっぷたつ、というまんがです。こんなもん喜んで買うのよっぽどの物好きだと思うけど、あまりにも売れずに2巻が出なかったり(そこまで連載続くんだろうか)すると悲しいのでそこそこ売れる程度には物好きな人がいるとよいな。

 それにしてもよくぞ掲載した欄外のものしり館に次回予告。これがあってこそのこのまんがでしょう。ついでに毎号のなげやり登場人物紹介が載ってるとなおよかったけど、まあ欲はかくまい。カバー裏には当然のようにいろいろ載ってるし(これ全部零式掲載まんがだよな確か)、同じまんがの完全版と未完成版が載ってたりするし(これなにがいけなかったんだろう)、ふざけたアンケートはがきとかふざけた月刊少年デスドルドー(なんだこれ)の予告とかいろいろふざけたことになってるし。よっぽど作者待望の単行本だったのかというのは下衆の勘繰りで単にこういう無駄手間をかけるのが好きなんだろうな。
 2月発売号の次号予告タイトルは「死神風紀ダブリンエスパーBHプラ板縦ロールヘリコプターボーリングトビウオとその妹ロボ絶滅ナルト学び舎パワードスーツラミカスパイの大作戦友情ウニマタ○ゴ裏設定青大将放射番長鼻行類チョコももえサイズ」になってます。世界一長いまんがのタイトルとかギネスに申請したら載ったりするんでしょうか。それはそれでかなり難儀な事態なような気もする。


2001/02/27(火)

 渋谷に遠征。ついたと思ったら目前で閉まる、コミックステーションのシャッター。今日もだめかとうなだれたそんなわたしを救ったのはブックファーストでした。そのうえ「俺のスーパートラウト」1〜3巻まで捕獲。
 ありがとう、ありがとうブックファースト。この恩はしばらく忘れません。

狼の瞳/岩原裕二(角川書店・角川コミックスエース)

 とはいえやっぱり人の道として先に読むのはこちらでしょう。人の道というより四季賞系アフタヌーン野郎の道か。
 収録作は発表順に「蛇」「狼の瞳」「鉄の世紀」の3作。これでページ数が足りてしまうのは「狼の瞳」がちょうど100ページあるからです。さすが1000ページ時代のアフタヌーン。
 最初に収録されてる「鉄の世紀」はRPGマガジン初出(単行本ではホビージャパン初出になってるけどこっちが正しかったと思います)。おはなしとしての完成度はいまいちで決着もついてないけど、絵柄からみても時期的にも四季賞作とクーデルカ以降をつなぐ位置にある、ファンとしては興味深い短編です。単行本初読のひともけっこう多いかもしれない。
 などと解釈的に読みながら「蛇」の扉絵を見て、うなじと背中の毛が逆立つ。この扉絵は本当に、どうしようもないくらい好きなのでした。飽きずにいつまでもながめていられるくらい。かわいい女の子とペットの蛇というとりあわせがユニークな内容のほうも心暖まるいい話で、今とはだいぶ違う、結局これ一作だけの絵柄となった絵もとてもいい。今でもこのまんが、歴代四季賞入選作中屈指のお気に入りであることに変わりはないことを、今回再認識しました。
 みっつめの「狼の瞳」はアメコミ風ハードボイルドで、デビュー作「蛇」とがらりと作風と絵を変えた力作です。なにせ100ページだし、黒の効いた絵柄もあいまって、雑誌掲載時には相当インパクトのある読切でした。こうやって眺めてみると、今に至る発表作のなかでデビュー作だけ異色だったのかもしれないとも思います。
 とにかく、こうやって単行本にまとまったのはうれしくてしょうがないです。「狼の瞳」から「鉄の世紀」まで2年弱、そこからクーデルカまでまたしばし、もう読めないのかなあと思ったこともあるのを思いだします。ほんとうによかった。


2001/02/26(月)

 ない。そこらじゅうの本屋を駆け回って探したのに、どこにも「ももえサイズ」が置いてなかったよ。これだけは発行日に読もうと思っていたのに。まさか、まさかあっという間に全部売り切れてしまったのか。いやいくらなんでもそんなはずは。
 最後の一軒では棚という棚を全部探したのにそれでも見つからなくて、えらく落ち込む。同時刻に日本中でおなじくらい落ち込んでる人のなかで、その理由がどうでもいいことでは間違いなく五本の指に入るだろうけど、客観的な評価はどうあれがっくり来てることには確かなのだ。しかし心底どうでもいい理由だな。

魁!!クロマティ高校(1)/野中英次(少年マガジンコミックス)

 こういう気分のとき読むのにふさわしい本。内容紹介のほうはこちらの解説にゆずるとして、とりあえずこの作者に少年誌でヤンキーまんが描かせようと思いついた編集者に座ぶとん全部。コロンブスの卵だ。

コミックガム2001年4月号

 表紙デザインがリニューアル。どっちかっつうと前の方が好きだったかな。雑誌のキャッチフレーズで「非常識」とはなかなか非常識な。
 これまたこういう気分にふさわしい読切「パラダイム・アウト」(RYU−TMR)は、宇宙人同士の抗争に巻き込まれたうえに全身128個所のインプラントまで発見されたコンビニ店員の哀れな少年が、ついには最終兵器として使用されたせいで覚醒して街が壊滅するっぽいおはなし(うそ書いてません)。一般誌はたぶん初めてだろうけどだからといって変に構えず、存分に持ち味のなげやりさを発揮したゆかいなまんがです。協力者に「バカ野郎」とかルビ振ってるし。これをきっかけに定着したりすると、雑誌にいい加減さが加わっていいのではと思うのでぜひひとつ。読切はもうひとつ、「Quick Delivery Dispute」(中島零)が載ってます。こちらは猫耳デリバリーまんが。
 連載化2回目「W−face」(ひのきいでろう)が非常におもしろい。このまんが、臓器保存用だったアンドロイド・レフィオが、物語が進むにつれて人間らしさを獲得していくおはなしなのだけど、今回はレフィオのかわりに犠牲となった存在が明らかになって。もしかすると次回は、臓器保存用ではなく初めから人間らしさを目的として作られた同タイプが登場して。人間と機械の境界線をテーマとした、非常に意欲的なまんがです。単行本がたいへん楽しみ。ここんところシリアスだった「月詠」(有馬啓太郎)はひと段落。これで耕平と葉月の関係が変わるか。
 3回連続だった「正しい明日の作り方」(流星ひかる)が最終回。シリーズ読切から最後は連載化した「学園デリバリーP&D」(一ノ矢香苗)も最終回。回が進むにつれおもしろくなってたので、再登場を楽しみに待つことにします。


2001/02/25(日)

 駕籠真太郎漏れてる説はどうにもわたしの思いこみのようです。思いこみでものを書いちゃいかんなあ。反省。

 やっとこ雑誌の刊行ペースに読むのが追いついたので、読んではいたが書くひまのなかった感想を放出。確か今月に入ってから読んだ本だったと思います。

NOVEL21 少年の時間/デュアル文庫編集部編(徳間デュアル文庫)

 「少年」主題のアンソロジー。「鉄仮面をめぐる論議」(上遠野浩平)「夜を駆けるドギー」(菅浩江)「テロルの創世」(平山夢明)「蓼食う虫」(杉本蓮)「ぼくが彼女にしたこと」(西澤保彦)「ゼリービーンズの日々」(山田正紀)の6編が収録されてます。
 全般的にどれもそこそこおもしろかったけど、すごくよかったというところまでは行かなかった感じ。WEB上のやりとりがそのまんま描写されてて、その点でいちばん今をすくいとっていると言える「夜を駆けるドギー」と、一見血まみれ小説と見せてじつはきちんと少年の成長物語になっている「テロルの創世」が、なかでは印象に残りました。「ゼリービーンズの日々」は山田正紀のぶっとんだ小説的にみごとにぶっとんでるけど、短編一発でこれはちょっとついて行きにくいところがあるかなあ。
 続編的な位置づけの「少女の空間」もすでに発行されていて、そちらのほうはどうしようか迷ってます。個人的にはいまひとつぴんとこないラインアップなもので。

おもいでエマノン/梶尾真治(徳間デュアル文庫)

 すでに世評の定まった感のある小説ではあります。個人的にも一部再読だし。10年近く前、図書館で借りながら時間がなくて最初のほうしか読めなかったのでした。もったいないことしたもんだ。
 「生物誕生以来すべての記憶を持っている」少女・エマノンを主人公とした連作短編集で、叙情性の高いおはなしながら、帯にある「やさしさ、かなしさ、なつかしさ、せつなさ」よりもむしろ、エマノンのあきらめたような、倦んだような表情が、個人的には印象に残ってます。そういう意味で「梶尾作品の持つ”切なさ”を最も色濃く漂わせています。」という解説には素直にうなずけなかった。「切なさ」を純化したという点では、「時尼に関する覚え書」などの短編群がはるかに強力じゃないかしら。だからエマノンのほうが劣る、ということは全くないのだけど。
 日本SFが築いた定点のひとつという意味でも後世にのこるべき作品で、個人的にもやっとこさ読めた今回の復刊はうれしかった。続編「さすらいエマノン」も同文庫からすでに復刊されてます。早く読まねば。

銀河帝国の弘法も筆の誤り/田中啓文(ハヤカワ文庫JA)

 巷のごく一部の物好きのあいだで大評判(なのかな)の一冊。すでにあっちこっちのサイトで感想書かれてるし、それを見て読んだ人もまたたくさんいるでしょう。かくいう自分もスズキトモユさんの大プッシュ(なのかな)を受けて買ったひとり。
 しかしこれ、読んだあとほめるという選択肢はありえないんじゃないかしら。ほめてんだかほめてないんだかよくわらかない奥歯にもののはさまったような書き方を戦略的に選択するか、あとはどうけなすかでしょう。けちょんけちょんにけなすか、くそみそにけなすか、手ひどくけなすか。あるいはもっとほかの過激なあるいは隠微な方法でけなすか。
 5短編収録のこの本、出だしの「脳光速」からして相当ひどい内容なのに、全部読み終わってみるとこれが一番まともだということに気づいて憮然とします。表題作はパワーと完成度は一番だけどこんなふうに完成してどうするんだとも思うし、「火星のナンシー・ゴードン」は途中でオチに気づいて頭を抱えたし、「嘔吐した宇宙飛行士」は読んだのが食事中でひどい目にあったし。最後の「銀河を駆ける呪詛」は、死んでもギャグを忘れない伝説的大阪人像をそのまま具現化したような小説です。この作者、自分の臨終の瞬間にもだじゃれを飛ばしそうだな。聞いた全員が脱力するような。
 なんかこの本、読むべき人はほっといても読むしすでに大方読んでるような気もする。そのうえ間違った人が間違った人に薦めると、営々と築いてきた人間関係をぶちこわす危険があるし。というわけで読みたい人だけ読むのが吉ですたぶん。聞きしに勝る内容だったのだけは保証します。

裏庭/梨木果歩(新潮文庫)

 これもスズキトモユさん@メビウスひみつきちの感想を読んで買った本。裏日本工業新聞と並んで、新規開拓の手がかりとしてたいそう重宝してます。というのはさておき。
 ファンタジーと聞いていたこの小説、読み進むにつれ、自分の想像していたような内容でないことに戸惑いを覚えたのだけど。終盤近くになってやっと悟ったのは、これは自分が長じてから読んだたぐいのおはなしより、子供のころによんだおはなしに近いのだということ。そういう意味でこれは童話だと思い切って言ってしまってもいいかもしれない。もちろん大の大人が読んでも十分におもしろいし、完成度の高さは特筆ものだけど、すでに心のありようが定まった人間が読むより、「柔らかい心」の持ち主である10代の人間が読む方がふさわしい物語だと思います。小学校高学年から中学生、あるいは高校生まで。そのくらいの年齢のあいだに。
 読み終わるころに不意に思いだしたのは、かつて読んだ、そして近年読んだことを思いだすこともなかった、いぬいとみこの「木かげの家の小人たち」「くらやみの谷の小人たち」でした。たしかにこれらがファンタジーであるのと同じ意味で、この物語もファンタジーには違いない。たとえふだん忘れていても、小さいころに読んだこれらの物語は、間違いなくいまの自分の重要な構成要素に違いないのです。この本もそんな物語のひとつたりえることは間違いなくて、もしもっと昔に読むことができたらと思うと、少しだけもったいないような悔しいような気持ちになります。願わくはこの本が多くの少年少女たちに読み継がれることを。

新化/石黒達昌(ハルキ文庫)

 以前に読んだ「人喰い病」がおもしろかったので探してたけど、見つけるのに時間がかかってしまった。発行順はこちらのほうが先になる。もともとは1994年・1997年に発刊された単行本に収録されていた短編で、今回全面改稿のうえまとめたとのこと。
 手ざわりは「人喰い病」と同じ感触。北海道は神居古潭という秘境にだけ生息していた、羽根のある不思議なネズミ=ハネネズミの捕獲、人為繁殖の試みと失敗、そして絶滅。それから外見は似ても似つかないが遺伝子的には近縁種にあたる白いネズミ・エンジェルマウスの純系化によるハネネズミ再生の試みが失敗に終わるまで。それが極めて抑制された論文調の文章で書かれている。
 これをおもしろいと思うことにどれだけの一般性があるか自信はないが、前作同様たいへんおもしろかった。ここには派手などんぱちもかわいい女の子も愉快なキャラクターもなにもなく、世間的に見ればごく地味な出来事が、虚飾なしに書かれているだけである。硬質な石のようなこの小説は知的好奇心を刺激するに十分な内容を持っているのだけど、それだけではなく、透き通ったような不思議な美しさと、そしてほんのわずかだけのかなしみを内包している。生きとし生けるものはすべていつか滅びるという宿命が帯びる、かすかなかなしみを。
 裏表紙の内容紹介にある「人類全体の滅亡のメタファー」まで読み込むかは、読み手の選択次第だろう。というよりむしろ、むしろ人類全体に限らず、あまねくすべての種の滅亡のかたちを蒸留して取り出した、そんな小説と言えるのかもしれない。

アフタヌーン2001年4月号

 「なぁゲームをやろうじゃないか!!」(桜玉吉)から「細腕三畳紀」(あさりよしとお)「ミルク クローゼット」(富沢ひとし)「ヤサシイワタシ」(ひぐちアサ)「茄子」(黒田硫黄)「BLAME!」(弐瓶勉)を経て「イハーブの生活」(小路啓之)まで、自分が楽しみにしてるまんがが後半に固まってるのは、自分が多数派読者層からずれてるということなのかしらん。別にずれててもなんでもいいけど、掲載順なんてどうでもいいけど、ちゃんと最後まで読みたいぞ。
 「G組のG」(真右衛門)の1発目に大笑い。このまんがをまともに読むようになったのはけっこう最近だけど、おもしろいや。単行本買おうっと。「ぽちょむきん」(北道正幸)は今回脱線。たぶんこのひと、ときどきこうやって脱線しないと窒息して死んでしまうんでしょう。東スポはかつて角三男トレードのスクープ報道に驚かされたのをよく覚えてます。まれに本当のことを書くだけに始末に終えない。
 新連載「THE END」(真鍋昌平)はちょっと様子見。「神戸在住」(木村紺)は前後編かと思ったら、もう一回震災のおはなしでした。さらにもう一回、増刊に続きが載るとか。描きだしたら止まらないのでしょう。四季賞準入選の「BARONG」(奥田一平)は確かに絵は達者。あとはこの絵でなにを描くか、かな。

近代麻雀ゴールド2001年4月号

 どうやら3回集中らしい「ヒドく澄んだ瞳」(秋重学)の2回目と、例によって「道子のほざき」(一條裕子)と。もうひとつ、この雑誌を買うと必ず読んでるのが「雀鬼サマへの道」(谷口亜夢)だったりします。ていねいでおもしろい。ただこれ、麻雀知らないと全くわかんない内容だな。麻雀まんが誌なんだから当然と言えば当然。


2001/02/23(金)

 なるほど、駕籠真太郎のまんがは筒井康隆小説との類似性によってSFとみなせるということなのですね >スズキトモユさん。そう言われればなるほどなあ思う一方、両方ともきっちりとは読んでないのでいい加減な把握でしかないけれど、物語を造ろうという意志において、筒井康隆はより強く、駕籠真太郎は作っているというより漏れだしているという感じがしたりもします。(たぶん思いこみが混じってますこれ。ちなみにだから筒井康隆の方が優れているという文脈はぜんぜん含んでいません念のため。)どっちかというと駕籠真太郎のまんが、「ドグラ・マグラ」に通じる何かがあるように思ってるのですが変かなあ。変かもしれない。
 「SF作品は歪み方も「今の屈折」でないほうがいい」というのはなるほどと思いました。そうかだからおれは串やきPがSFだと思えるのか。自分の感覚を人に説明してもらうこのていたらく。

サンデーGX2001年3月号

 「美女で野獣」(イダタツヒコ)「UNDERTAKER/detective」(小坂順一)と読切がふたつ。「美女で野獣」は戦う女子高生まんが。作者が作者だけに、もうひとつふたつひねったのを読みたいかな。シリーズ連載で定着したバイクまんが「ジャジャ」(えのあきら)は作者の趣味まるだしという気がしないでもないけど、達者なひとなんでしっかり読ませてしまうのはさすが。これと「ネコの王」(小野敏洋)がいまんとここの雑誌を引っ張ってる感じ。ううむ。
 次号では広江礼威が登場します。楽しみ。なんだか狙い撃ちされてるようなセレクションだな。

ヤングアニマル2001年5号

 おまたせしましたの連載再開は「ハネムーンサラダ」(二宮ひかる)。前回みのりをけむに巻いたかに見えた遥子とて、ふたを開けてみればちっとも冷静でもなんでもなかったわけで。登場人物みんなして右往左往してます。この局面から一花が意外なしたたかさを発揮して自体を収拾…になるのかも。
 シリーズ連載で「F/E/A/R」(永久保貴一)が開始。これまでいまいち入っていけなかったところのある「キルケーの豚」(関崎俊三)だったけど、今回の終盤8ページの描写、見せ方の上手いこのひとの本領発揮でしょう。しびれました。
 あと、投稿作で編集部期待賞をもらっていた顔ぶれの中にながやまさきの名前が。「北の国から来たアイツ」とか「スキスキカナちゃん」とか、4〜5年前のビームで描いてた人です、懐かしい。あのへんの読切けっこう好きだったし、また雑誌で読めるとうれしい。

別冊ヤングマガジン2001年17号

 ロボット・サイボーグ特集ということで巻頭に載ってる永井豪「サラーキア〜我が白銀のマーメイド」。これが残虐殺戮シーンとお色気赤面シーンが並行してる、このひと以外描きようのないようなまんが。これはこういうものとして読むよりしょうがないでしょう。そのほかこの特集関連で載ってるのは「人造芸人オワライダー」(藤寿男)「アンドロ333」(永野のりこ)「傷心戦機センチメンタルA」(河田雄志)「パパは機甲戦士」(藤本青心)「沸騰ロボット 原田くんのゆううつ」(東和広)の5つ。「パパは機甲戦士」は中盤のシビアな展開はよかったけど、中盤とラストの調和がとりきれなかった感じが。「傷心戦機〜」はトラウマをエネルギーとする人形兵器といういやな設定で一挙3話掲載、2話で惨敗した主人公が4人のトラウマ仲間を集めてパワーアップしての第3話、このひとのまんがだから当然みごとに敵を倒してとなるはずもないのでした。爽快感のかけらもないラストだなこれ。「沸騰ロボット〜」は3年前の作品だそうです。
 1日にイダタツヒコのまんがを2作も読めてしあわせだったそのもう一方の「ゴルディアス」、番外編的バレンタインねたで来た今回は少年少女の微妙なお気持ちがてんこ盛りで、読んでてくらくらします。すばらしい。ゲロで死ぬ怨霊という奇怪なものを描いてみせた「カースダイアリー」(押切蓮介)、いぜん好調なのだけどこのまんが喜んで読んでる人少ないかもなあ。

ウルトラジャンプ2001年3月号

 もはや個人的には別格の存在である「破壊魔定光」(中平正彦)はおいといて、今月号目をひいたのが「Happy World!」(竹下堅次朗)「サムライガン 月光」(熊谷カズヒロ)のふたつ。ロリコン色のただよう「Happy World!」はいまいち好みから外れた連載なのだけど、今回登場した、身体測定のぞきに命をかけるすけべ少年の描写がおかしかった。妨害されて逆上し血涙を流すシーンには大笑いしました。いっぽう本編との住みわけがこれまでつかみ切れなかった「サムライガン 月光」は、どうやらあちらは憂き世に生きる成人男女のどこかあきらめた陰鬱さ、こちらは失い手に入らぬ少年少女のかなしみ、そんなテーマの差異があるのかなあと今回読んで思った。宙を飛び、やがて海に没した亡き父の思い出の品。どうしようもなく見あげる少女の表情。
 「プロペラ天国」(富沢ひとし)はえらいことになってます。このひとのまんががえらいことになるのは恒例ではあるけど、普通人間/合成人間とも全機能停止だもんなあ。読切「カミのミエザルテ」(すみ兵)はギャグ風味のナカヨキコトハウツクシキカナまんがで、ギャグの間がけっこうおもしろい。いくつか読切で読んでみたいかな。


2001/02/22(木)

 春めくどころか一気にぽかぽか陽気だっただった今日。つられておれの頭の中もぽかぽか陽気。失敗問題ほか多数。とほほほほ。

モーニング2001年12月号

 MANGA OPEN大賞受賞作「カジムヌゥガタイ」(比嘉慂)の作者は、以前ビッグコミックかオリジナルかどっちの増刊で描いてた人ですね。どこだったか忘れたけど、それ以外の雑誌でも見かけた記憶が。「ジャンゴ」(せきやてつじ+木葉功一)は次回最終回。これ、本になるんだろうか。

ビッグコミック2001年3月17日増刊号

 「いついたるねん」(オガツカヅオ)が再登場。このひとのまんが、個人的にはこのままこれをシリーズ化ではなく、別の読切で読んでみたいです。いろんなの描けそうなひとだし。「獣医ドリトル」(ちくやまきよし+夏緑)は故障したサラブレッドを治してやろうとする女性と、無愛想ながら力になる獣医のおはなし。このひとの絵は好きだしおはなしとしてはいちおう完成されてる。ただ一般論として、脚部の重度骨折を発症したサラブレッドを個人が助けようとするのは無謀もいいとこです。助けようとしてかえって苦しめたケースや、命は助かったけど脚部が曲がったままで、結局長生きできなかったケースはたくさんあるし、そもそも種牡馬や繁殖牝馬になれないような成績の馬は、助けたところで結局引き取り手がないというのが現実。そこはきちんとふまえたうえでのおはなしにはなってるのだけど。
 話がそれた。小学館新人コミック大賞入選作という「闇蛍の菊次郎」(赤染四郎)、この絵ってアフタヌーンで描いてた石坂和道によく似ているのだけど、別人なのかな。あちらのほうがもっと情念の濃い絵だったような気がしないでもないけど。単行本持ってないのではっきりとはわからなかった。


2001/02/21(水)

 少しずつ春めいてきたこのごろ。気がつくと日はずいぶん長くなってるし。もう一月もすれば春分か。

アワーズライト2001年4月号

 「恋愛ディストーション」(犬上すくね)「素敵なラブリーボーイ」(伊藤伸平)「ハニー・クレイ・マイハニー」(おがきちか)と気づいてみれば恋愛もの/ラブコメばっかり楽しみにしているこの雑誌。見渡せばそっち系統が掲載作の多数を占めてるから当たり前なのか。「ハニー・クレイ・マイハニー」は純粋極まりないハニーのセリフにすっかり舞い上がっていたらラストになって雲行きが怪しい。ひょっとしてこれ悲恋ものになるのか。いやだそんなの。理性は当然そゆのもありだと認めるが感情が悲鳴をあげるぞ。いやだあ。
 …えーと。これも恋愛ものでお互いに自分はいっつも頼ってばっかりと自縄自縛になって電話をかけられない「MOVE ON」(どざむら)、妄想と現実がないまぜになった終盤の描写はおもしろいし、あげくのラストのハッピーエンドもいい。短編集は出たしめでたいしまだ買ってないおれはあほだけど、アワーズ/アワーズライト掲載作をまとめたのも出しておくれ。前号の「ウルトラ ニンジン ケーキ」でふっきれた感のある西村竜、連続掲載もめでたい今月の読切「S and S」はいっそう飛ばしてます。この手のわがままのーてんき少女とへんてこ世界こそが本領発揮だと思うし、この路線は諸手を挙げて賛成。どんどん描いてくださいな。「妄想戦士ヤマモト」(小野寺浩二)は…今回は磨きがかかってるな。フィギュア盛りというのかこれ。

零式2001年26号

 巻頭の「としうえの魔女たち」(むつきつとむ)にKOされてあとのまんがの印象が残ってない。困った。
 「なぎパラ」(二階堂みつき)が最終回、「Flower&Children」(尾崎未来)「渡る世間に意馬心猿」(瀬奈陽太郎)「お姉様のヒカル」(之瀬ハルオ)「Two Seater」(灰司)「Angel▽はーと」(緒々田みの虫)「まんがなぜなに教室」(まぐろ帝國)「魔法の妖精みらくるシャーロット」(宇佐美渉)「忘れん坊」(夕雅紅葉)「ROCKET QUEEN」(小石川圭)と読切が9つ。このなかでは両方ともバカまんがに属する「渡る世間に意馬心猿」「まんがなぜなに教室」のふたつが印象に残ったかな。連載では「レンタルラバー」(中田ゆみ)があいかわらず好調。今回は次への伏線も張ってあります。
 「死神風紀ダブリンエスパー(中略)番長鼻行類チョコももえサイズ」(結城心一)は、ぼーっと読んでたら今回やたらやばいねただった。その青い光はまずいんでないか。そして27日に出るという単行本のタイトルはやっぱりただの「ももえサイズ」なのか。なんだか別のまんがみたく見えるぞ。


2001/02/20(火)

ヤングマガジン2001年12号

 「トークライブレッスン」(森拓真)が大変よかった。「生徒に任せる」という先生の方針とやらにもとづき、生徒だけで進めるHR時間。中学3年生の連中にそんなことをやらせてちゃんと納まるわけはなく、怒る笑う暴れる殴るそして泣く。クラスメートの泣く、を利用してことをおさめる怜悧な主人公の少女と、熱血でも何でもなく妙に正直な担任と。こういうなにがどうというわけでもないまんが、大好きです。最初のページでピンと来たのは間違ってなかった、この絵だからこの内容が出てくるのだよな。再登場熱望。
 「クーデタークラブ」(松本光司)は血の気がひいたほどえげつないシーンが。これ、下手したら死んじゃうよ。「バカ姉弟」(安達哲)は月に1度のご登場。

まんがくらぶオリジナル2001年3月号

 おお「月刊フリップ編集日誌」(小坂俊史)が単行本になるぞと喜んでいたら、「はなうたオフィス」(小本田絵舞)が最終回。デザイン事務所につとめる酒好き娘のおはなしで、けっこう楽しく読んでたのだけどな。かたぎりわかなは今月もまた4コマ一本。もっと読みたい読みたい読みたい。

モーニング新マグナム増刊2001年3月7日号

 三宅乱丈の3年前の作品という「肛門売ります」がおかしい。ギャグのようでいてギャグでなし、ゆーもあとぺーそすというやつなのかなこれは。すっかり定着してしまった「月と雲の間」(岩館真理子)、今回は娘の出番が少なかった。母娘のかけあいをもっと見たいな。
 こちらも定着しつつある「SUN」(五味裕子)はきれいごとではない医者の立ち位置を描いてたいへんおもしろい。今回のテーマ、亡き姉の卵子をもらっての代理母を名乗り出る妹という話は、いつか来るだろうクローン人間を巡る議論とかなり近いところにあって、そういう点でも興味深いです。
 最近あちこちに登場しているいとう耐がここでも「純喫茶のこりび」を描いている。「そのワケは。」を連載してるサラ・イイネス、サライネスと改名したそうな。不思議なPN。ほかに「最弱!ルーズドッグス」(片山まさゆき)が連載開始、「S60チルドレン」(川畑聡一郎)が再登場、「兄とジョウゴ」(小笠原亜由矛)が読切で掲載。

ヤングマガジンアッパーズ2001年5号

 母親とピアノの板挟みになるカイ。それでも息子に結界のようなこの場所を出て、ピアノをひいてほしいと思うレイ。「すべてがうまくやれる方法」を探しあぐねる阿字野。物語が停滞する「ピアノの森」(一色まこと)は、たぶん次へのジャンプに向けて力をためてるところ。どこへ飛ぶのか。
 ここんところちっとも話が進まなかった「イヌっネコっジャンプ!」(はっとりみつる)、油断してたらいきなりの急展開。ハッブル宇宙望遠鏡ってなんだこれいったい。ユウキってただのわがまま乱暴女子高生じゃなかったのか。
 「不死身のフジナミ」(押川雲太郎)は妙にシリアスな展開。田村がとうとう一歩を踏み出してどうたらこうたらという話にはあまり興味が持てなかったりします。フジナミが主人公なんだからフジナミが暴れるよろし。この雑誌のお色気担当を長く勤めている「PERIDOT」(こばやしひよこ)、じつはこれ、主人公・マヒルの成長物語なんではないかという気がふとしました。莢雑物だらけでどうにも正体が見えにくいけど。あと、前号前編が載った「流月抄」(池上遼一)の後編が掲載されてます。


2001/02/19(月)

 藤倉和音急逝。不連続日記でそれを知ったときはモニタの前で茫然としたまま、頭の中はひたすら空転して。だってついこのあいだのコミティアで同人誌買ったのに、あれはたった8日前じゃないか。いったいどうしてなにがあったんだという疑問は、バイクでの事故という告知をみてあっけなく解けたのだけど。それはただ疑問が解けたという、ほんとうにただそれだけのことで。

 故人とは無論面識があるわけではなく、ひとつの読切と2冊の同人誌で知っているただそれだけの縁なのだけど。それでもその才気は印象に残っていたし、これからどのようにその才能を生かしていくのか、気になる存在だったし。それはほんとうにただの自己満足でしかないのだろうけど、たった一晩のほんの何時間かだけだけど、急にいなくなってしまった故人を悼むことにします。2冊の同人誌を読み返しながら。


2001/02/18(日)

 食い物も酒もうまくて、そのうえ温泉まで。冬はおまけにスキー場多数。越後湯沢はよいとこです。それにしても苗場は寒かったし、岩原は広かった。

アフタヌーン2001年3月号

 先月発売号です、念のため。えらく読むのが遅れてしまった。
 今回もよかった「ヤサシイワタシ」(ひぐちアサ)。このオネーサン(唐須)が魅力的だあというのはあるのだけど、実生活ではこの手のてんぱったおねいさんは決して好みではないはずなので、それを魅力的に見せてるのは作者の腕でしょう。いっそもっとだまして。同じく「茄子」(黒田硫黄)は自転車レース編後編。ほんとになんなんだろうなあこのまんがは。歴史に残るよ。
 世紀をまたいで震災がテーマになった「神戸在住」(木村紺)。冒頭でおばあさんの語る「昭和の水害」は阪神大水害と呼ばれる水害で、わたしの母方の祖母はこのとき水に流され、何時間も木につかまって頑張って助かったという話をこどものころに聞かされた。そのとき祖母のおなかにはわたしの母親が。人ごとではない災害なのでした。
 読切「緑の黙示録」(岡崎二郎)は植物との意思疎通が鍵となるミステリで、持ち味は十分出ているでしょう。この雑誌に合ってるのかどうかはよくわからないけど、個人的にはうれしい登場です。四季大賞作「僕の歌はきみのうた」(江戸沢敬史)は絵はとてもいいのだけど、おはなしがよくある話に過ぎる感がするのと、やや寸がつまりすぎていて、もっと間というか無駄ごまが欲しい気もするのが。読切ではシーズン増刊から出張してきた「くまがゆく」(あたまん)も載ってます。
 新連載「夢使い」(植芝理一)は作者の趣味爆発になるのか。正月ねたの「ぽちょむきん」(北道正幸)、解説ガールは石油ストーブの部屋で夢を見る。たいへんだなあこの仕事も。1年ぶりにアルファさんが家に帰った「ヨコハマ買い出し紀行」(芦奈野ひとし)、「一年ぶりにねむったような気がした/体がふとんにとけてゆく/ふとんごと地面にとけていく」というのがすごくよくわかります。おやすみなさい。

エースネクスト2001年3月号

 番外編にして最終回の「NieA_7」(安倍吉俊)。1月号のラストが日常的なしめくくりなら、最後のこれは打ち上げお祭り的。肉とまゆ子の夢とその他もろもろを入れたまま宇宙の彼方へ飛び去る鍋。楽しい連載でありました。次回作までまたしばし。
 読切後編「CROSS×CROSS」(峰倉由比)は堅実なまとめかた。次はオリジナルの連載で読んでみたいな。読切はあとふたつ、MAGIC THE GATHERING ねたらしい「コモン」(小本田絵舞)「りぜるまいん」(杉崎ゆきる)が載ってます。新連載「チャンス」(河澄翔)は歌姫まんがか。
 「地球美紗樹」(岩原裕二)は3回目にして悪人女登場。悪かろうが曲がってようが、行動力のある女性を描かせたらうまいのは「狼の瞳」のころから。これと「蛇」が短編集にまとまるのはほんとにうれしいなあ。

少年ガンガン2001年3月号

 巻頭カラーの新連載「パンツァークライン」(神田晶)、基本線は学園バトルものだけどかなりギャグ混じり。デビュー作「ぼくらのポストマン」からして異色のギャグだったし、そっちの方でけっこう期待しています。とりあえず初回はおもしろかったしこの調子で。
 引っ張るだけ引っ張ったキタキタおやじ変化ねたを今回落とした「魔法陣グルグル」(衛藤ヒロユキ)。出だしの大見得といい泉から湧いた別のおやじといい。好きだなあこのひとこういうの。読切は「一善の骨」(大久保篤)「カレーの戦士 ターバン」(松沢夏樹)のふたつが載ってます。後者はもしかしたら再録かも。

コミックビーム2001年3月号

 兼田の嫁さん大活躍の「敷居の住人」(志村貴子)。甘いものを大量に食いたくなるのはおなかに子供がいるからかというとたぶんそんなことはなく、食ったあと嘔吐などしてみるのはつわりのせいかというとたぶんそんなこともなく。いいなこのひと。その裏でひょっとして自分はミドリちゃんが好きなのではと思いだしたキクチナナコさん。このパターンはやめといたほうがいいよと思うのですが。さてどうなる。
 新連載2回目「よみきり▽もの」(竹本泉)は「まんほ〜るのあう」というお題。つまりマンホールを踏んづけたら「あう」と言ったというおはなしで、何のことかわからなそうだけど大丈夫これで通じるひとには通じるはず(ほんとか)。ラブコメ風味付きのどうでもいい変な話という基本線は1回目と同じだし、「〜もの」シリーズのお約束どおり。このひとのこういうまんがは好きだなあ。
 「BAMBi」(カネコアツシ)はバンビ再浮上。そして登場人物たちが集結し始める。どうやら今度こそクライマックスに向かう様子。読切「ザッパー」(小林哲也)は1998年秋の四季賞準入選「pied…」と同じ作者名だけど、作品が手元にないので同一人物かは確認できなかった。

コミックバーズ2001年3月号

 「Marieの奏でる音楽」(古屋兎丸)は世界の謎とマリィの意味が明らかになって。やっぱりというか、ただのファンタジーではなかったのでした。たぶん物語はここから終盤へ。
 倒せぬものは封じてしまえ。長かった重慶編にやっと幕を降ろした「魔殺ノート 退魔針」(斎藤岬+菊地秀行)。1号休んで5月号から新展開とのことです。いままで半分読み飛ばしていた「チョーク。」(竹美屋らら)が4回目にして急に気になる。どうも登場人物の笑顔にひっかかったらしい。おれも単純だなあ。ほかでは新連載「すべてがFになる」(浅田寅ヲ×森博嗣)が始まっていて、あと「牛山牛吉くんとコロクブル」(西岡秀樹)「おさるのムード」(玉木満)のふたつが載ってるのはいつもどおり。

コミック電撃大王2001年3月号

 なぜいきなり外人さんがと思ったらおや懐かしい、前回連載の主人公・ジャックとジュネが登場した「宵闇眩燈草紙」(八房龍之介)。相変わらず血だらけの展開が続いて、こっちのほうの主人公はどんどんひどい目にあってます。スタートしたときはこんなまんがじゃなかったのだけど。
 「あずまんが大王」(あずまきよひこ)ではふだん目立たぬかおりんが珍しく主役を張ったと思ったら、神楽にシャーペンで刺されて出血。神楽って悪意なく人を傷つけることが多いな、精神的にではなく肉体的に。大阪のみぞおちをどついたシーンは今も目の前にありありと。「Natural Zero+」(内藤隆+フェアリーテール)の絵はやっぱりいい。この雑誌でオリジナルが難しいなら、どこか他誌で描かないかな。
 「罪と罰〜地球の継承者〜」(大塚寛)が新連載、シリーズ化した「苺ましまろ」(ぱらスィー)が再登場。この絵でこのとぼけた内容ですか。おもしろいな。短期集中「ブロードバンチ」(紅鉄絢)が最終回、「ミレニアスの旅給使」(騎劉たかひさ)「不思議な妖精ピサチ2」(林家志弦)と読切がふたつ。「ガンパレード・マーチ」(さなづらひろゆき)は…この表紙を見て怒らない人だけ読んでくださいな。おれはだめです。

まんがライフ2001年3月号

 「どきどき姉弟ライフ」(後藤羽矢子)の先月号は結局未遂だったのか。今月号はふくやまけいこが「緑の髪のアミー」という読切を描いてます。いつものこのひとのまんがより賑やかかも。


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