シリーズの「オーダーメイド」(高梨みどり)と再登場の読切「GG」(池沢さとし)。「オーダーメイド」は最近花梨の悩むシーンが少ないのだけど、つまりそれだけ成長したということなのか。「GG」は…二度読むものじゃなかったような気も。
やっとこさ胸のすく展開にたどりついた「鉄腕ガール」(高橋ツトム)。ピッチャーは放ってなんぼだもんな。
「イエスタデイをうたって」(冬目景)読みたさに1号おきに買ってるのだけど、今回のあおり文句にはさすがにひっかかる。「未完全」という日本語はないでしょう。あえて使ってるわけでもないだろうし。
「神々の山嶺」(谷口ジロー+夢枕貘)は読んでいない。これは単行本で読むのだ。
「不要人物 K」(高港基資)、「天下無双」(黒咲一人+鏡丈二)と読切前後編の前編がふたつ。「不要人物〜」はもしかすると二重人格もの。黒咲一人のまんがはずいぶん久しぶりに見る。「激駿ドンガメオー」以来だからもう7、8年前になるのか。
とうとうカラーで掲載の「西校ジャンバカ列伝 かほりさんスペシャル」(神原則夫)はよりによって血で血を洗うシーンを。かほりさんってひょっとして人非人じゃねえか。再録の読切「風牌にふかれて」(能條純一)は87年作とのことだけど、読んだ記憶がある。おれそんな時期から麻雀まんが誌読んでたのかな。
「萬(ONE)」(本そういち)はぶっこわれた萬がウィルの計算を狂わせる。そしてじっと我慢していたケンに勝機が。でもケンがこれ上がったら、萬はトんでしまうのだけど。それでいいのか主人公。
帰宅途中に雪が舞い始める。今年はいつになく雪の多い冬です。スキー宿のおかみさんも晴れの日が少ないとか言ってたな。
今のところこの雑誌で一番楽しみにしてるの、「雲のグラデュアーレ」(志水アキ+木原浩勝)になるのかな。創刊時からの連載で楽しく読んでるのもいくつもあるけれど、全体的に読んでるこちらの方が悪慣れしてきたところがあって。そろそろ新しい連載が見てみたい気分です。
一段落ついた「韃靼タイフーン」(安彦良和)、さらわれたアナスタシアを探しての新章は6月号からとのこと。「格闘一家」(いちこ)「ライバル3」(守安啓行)と目次に載ってない読切が2つ載ってます。
安定。巨体で不良の少年が、じつはぬいぐるみ好きのやさしい男だったという「ファンシーで行こう!」が、いつもと毛色が違うお話で印象に残る。それはそうと夢工場ドキドキパニックってなんだったっけ。
なんでこのタイミングで仕事までトラブルかねとぼやきのひとつも出ようというものだけど、だいたいトラブルなんてこういうときに起きるとしたもんでしょう。しょうがない。あっぷあっぷはどうやら当分続きそうです。
「タカハシくん優柔不断」(新井理恵)の最終回は、これならそんなひどいことにはならなんだなという内容。もっと無茶するかと思ったけど、まあこのくらいの報いは当然でしょう。…と思ったら単行本2巻のラストは連載とは別バージョンとか。なんじゃそりゃ、買えというのか。買わにゃならんのか。ううっやだなあ。
クロノ・モンコレ・ファントムウィザードは今回揃い踏み。さらに次へと展開するクロノ以外の二つはクライマックスまっさかり。これで終わりか、また次のおはなしがあるかはまだわからない。新連載「いきなりD・F」(新山たかし)は魂入りお人形まんがのようです。
今回はぼけたばーちゃんに救われる不良孫のはなし。「エブリデイズ」(長崎さゆり)があいかわらずいい。このまんが、よいと思う人は一定数は必ずいると思うぞ、しかも雑誌の読者層と微妙にずれたところに。だから早く単行本出しとくれ。
この雑誌の柱は巻頭定位置の「かしましハウス」(秋月りす)で衆目一致だろうけど、安定感では負けない「エデンの東北」(深谷かほる)は、そうするともう一方の柱ということになるんだろうか。裏柱。そんなのないか。
今回は坂田靖子がゲストで「ひなまつりフェスタ」描いてます。フルカラー4コマ。まあこれはいちおう載ってますよということで。
あいたたたたたたた、「鉄筋安坊」(近藤佳文)が最終回だ。単行本にならんかあ、残念無念。今号はこれにつきます。
何年かぶりに下調べなしぶっつけ本番だったコミティアでした。スリリングでむしろ下調べしていくよりも楽しいかもしれない、こと買い物の快楽に限っては。そのあとティアズマガジンを見たらけっこう見落としがあったしなあ。
今回はとうとう宅急便で買い物を送ってしまう。楽だこれ。人間としてどうかとか言ってないでとっとと利用すればよかった。
本誌が本誌だけに、増刊号としては異様に安定した雑誌だなあ。連載陣はいつものとおり、かな。「ホニュウ類ヒト科オヤジ目」(しらいしあい)が今回例外的にいい話だった。
「10年後の初恋」(横山克弘)「スイート・ホーム」(山田まや)とふたつ載ってた読切は、どちらもそこそこ楽しめたかな。どちらもオリジナルらしい読切ではあります。
あとは「シャカイの窓」(いとう耐)。どこでもよいから描いてくれるとうれしいですこのひとは。
2号が出てさらに6月には3号も。そうかこの雑誌人気あるのか。むう。
本誌でのデビュー作「友だちが降ってきた日」がよかった佐伯淳一が「さるやの二人」を描いてるけど、デビュー作で光ったのがシナリオと見せ方だっただけに、しばりのきついこの雑誌ではややしんどそう。コメディ向きとも思わないしなあ。連続登場「プロバイダー・アコ」(やまざきもへじ)も前回ほどぴんとはこなかった。「猫天使初期微動」(中山かつみ)は小さい吹き出しにたくさんネームを詰め込む技を見せてるが、このフォントサイズは年寄りに優しくないなあ。読まねえか年寄り。
というわけで今回ベストは「山手零番館」(高田慎一郎+金谷ゆうき)。元町山手石川町界隈という個人的にたいへんよく歩いたあたりが舞台だけに、若干評価が甘くなってるかもしれない。それでも作画者の絵はやや日本離れしたあのあたりの雰囲気をよくとらえていると思います。しかしこれ、一番この雑誌のコンセプトから遠いまんがかもな。
という評価は「最近のヒロシ。」(田丸浩史)と「進め!以下略。」(平野耕太)を除いての話。いったいなぜ載っているこの二本。これまでの楽しいことは忘れて、現実に戻りましょうということか。たいがいいやな現実だな。
読んでない雑誌4つと買ってない雑誌3つ。11月に買った同人誌で今日までに読めなかったのが10冊くらい。来週末にはスキーの予定、そのうえ2月は28日。あっぷあっぷでございます。風邪ひいたのが誤算だったな。
「エリートヤンキー三郎」(阿部秀司)は田所復讐編の後編。けっきょくこいつもバカだった。才能の有無とバカであるなしは関係ないのだ。目次には載ってないけど「ガタピシ車でいこう!!」(山本マサユキ)は今号も載ってます。ジッポーを溶接はさすがに無茶でしょう。
「蛙の王子様」(池部ハナ子)はやたらエッチくさいお題でした。キスマーク転写。「ナルミさん愛してる」(山川直人)は姪っ子登場。はたして姪というものがいちばんかわいいのは何歳くらいなのでしょう。わが姪は2歳半と0歳半。
「君のためにできないこと」(犬上すくね)は彼女と彼氏のきわどめのおはなし。しかもリアル。そのうえラブ。これはたまらん。このひと、続きものより一発完結型のおはなしのほうがより凶悪なパワーを発揮するような気がします。こんなの毎月読まされたら死んでしまうから、ときどきで助かってるのかも。たまらん。
「カッパドリル」(逆柱いみり)はあいもかわらずわが道を。個人的にはこのまま毎号載るのはうれしいことです。なんとも不思議な雑誌のカラーに意外とあってるようにも思うし。「バースデイ・ツアー」(有元美保)はひ弱い彼氏と力持ち彼女のまっとうなラブコメ。こういうの描いても意外とうまいのだな。
ところで編集人の松澤という人、極楽りんごby林正之のあとがきまんがに出てきた人でしょうか。まあどっちでもいいといえばどっちでもいい疑問なのだけど。いやそれより林正之はどこでなにをやってるのだ。
今回テーマが「美少女ライン」ということで、「バトル・ロワイアル」(田口雅之+高見広春)と「恋愛ジャンキー」(葉月京)の番外編が掲載。「バトル・ロワイアル」は相馬光子ねただけどこいつほんとに中学生か。まあそれを言ったら登場人物全員そうなのだけど、それを言ったらおしまいだしな。
これも本誌連載陣による「メグミックス」(倉島圭)「天使じゃないッ!」(岡田和人)「フリチンソルジャー」(川島よしお)の3つは、いずれもそれぞれ持ち味を発揮した内容。「メグミックス」はもし単行本になったとして、読むと恐ろしく頭がわるくなったような気分になるでしょう。ぼけっぱなし駄洒落まんが。前回増刊と同タイトルの「湘南ボオル」(芦田健)、内容は別設定。これはちょっと突飛すぎたか。「空白時間堂」(櫻井リュウ)は絵とねらいはよいのだけど、これをもっと現実世界に寄せて描いたのを見てみたいかな。
今回特筆ものは「ふさぎの晩年」(石川聖)。二日後に急速に老化して死ぬことを定められた主人公の少女と、明日か十年後かわからねど、いずれ体が裂けて死ぬと告げられた友人の少女と。「生活の全部をオモシロくしたい、一秒たりとも悲しまず」と言った主人公は、達観したような表情と言動で自分の運命を受け入れているように見えて、だからこそ最後のページの最後のセリフが、よりいっそう痛切に響きます。デビュー作からやわらかでどこかはかない独特の絵で不思議なまんがを描いてる人だけど、これは忘れられない読切になりそう。
うちのぱそこん様はもうずっと前から、不意に3秒ほど動作を止めることがあります。3秒後になにごともなかったように動きだす。一時期ウイルスを疑ったけど違うようだし、いったいなんなんだろう。さぼり?
いったいいくつの雑誌でデビューしたんだかわからん作者の、初連載にして初単行本。連載で読んでいていったい何がどうなってるのかよくわかんなかったのですが、本で読んでようやっと設定と登場人物が把握できました。ついでによくわかんなかった理由も。
主人公の少年・イハーブ。イハーブの産みの母かつ育ての母にして代理母・マリー。遺伝史上の母でマジシャンでかつてのマリーの連れ合い・エリー。イハーブの父親らしい大怪盗・ムッシュ。ムッシュを慕い焦がれる盗賊団の女ボス・ローズ。ローズの弟で姉貴命のイハーブの友人・ガンズ。ガンズのよき相棒である盗賊・ボンベイ。ローズ/ガンズを追い回し、マリーにひかれ、イハーブに職業上のもの以上の興味を抱く刑事・谷田。谷田と折り合いの悪いふたりの同僚・漁師と文学。エリーと一緒に行動するシニカルな谷田の上司・浜松。ムッシュの娘を自称するひとすじなわでは行かない悪漢娘・キリコ。ローズを手引きする銀行員にしてムッシュの配下の男、テン・ナン・シャン。ローズとともに銀行の金庫破りに挑む盗賊ふたり、グルーチョとヤハベ。これがぜんぶ主要登場人物です。第7回までに出てくる。わかるかこんなもん。
これだけ大量の登場人物たちを動かして破綻してないのは、じつは特筆ものかもしれません。破綻してないから、まとめて読めばちゃんとわかる。読むのにすげえ時間かかるけど、時間かかった分のおもしろさはちゃんとあります。ひとくせもふたくせもある登場人物たちも、無国籍時代不詳の街並み建物も、現実と空想の境界がどこかあいまいな物語も、ぜんぶひっくるめて。
蛇足ながらこの無国籍な街のベースは、おそらく神戸の南京町(中華街)かいわいでしょう。トアロードとか和田岬駅とか実在の地名が出てくるし。横浜中華街ほど町として統一感のない神戸のあのあたりは、たしかにおもしろみのある場所ではあります。これも今回初めて気づいたのだけど、各回のサブタイトルはなぜか全部くいものの名前で統一されてます。食いしん坊かなこの作者。
「ラブやん」(田丸浩史)が再登場、そして連載化。続きはないと断言しておいての再登場はまことにめでたい限りであります。内容のほうもめでたい限り。ティッシュ地雷はさすがにあまりにもいや過ぎて涙が出そうです。まるで陰部の拡大ポスターのようななどと書く時点で頭がおかしくなってることは明白。いかん、いかんよこのまんが。
「ラブやん」の前に載ってるのが「おへそのひみつ」(なつき。)、後が「もっけ」(熊倉隆敏)。ケーキ→もつ煮→おひたしの順で食事してるような感じもある。「おへそのひみつ」はト書きによっかかりすぎだなあ。説明はいらんし説明なしで描けるまんがだし描ける人だし。この絵であえてこのしぶい内容を選んでいる「もっけ」はそういう意味での好もしさはあるのだけど、一話完結まんがとしてはもうワンパンチほしいか。もともとこの設定、長い話向きではあるのだな。
巻頭読切の「Hang」(遠藤浩輝)は寓話でした。日本と日本人の今の。悲観もせず楽観もせずいまを眺めた「みんな/みんなここで何とか/ふんばっている」という独白が強く響く。付け加えることがないくらいその通りだと思う。この先どうなるか、だれにもわからないけれど。それでも。読切はもうふたつ「グラス・ガーデン」(うたたねひろゆき)と「ババと友達」(杉原亘)、ギャグ大喧嘩は「くまがゆく」(あたまん)「謹製をつ豆」(ちらのブロン)「スニーカーの助」(木賃ふくよし)「II−ツヴァイ−」(近藤有史)「おすすめのカワイイ」(林実日子)というラインナップ。
生まれた家から動くことなく、蟲を体内に宿し苦痛に耐えながら少しずつ封じ、かつ蟲を憎まずその存在を許容し。つねに動き流れるギンコと対照的な存在である少女・淡幽が強烈な印象を残した、シリーズ蟲師の6話め「筆の海」(漆原友紀)。単行本の売れ行きは順調なようでほんとうにうれしいです。
集中3回「タイル」(大武ユキ)が3回め。きれいにまとまりました。こまっしゃくれたこの少女、くちをとんがらかすとけっこうかわいい(そういうまんがではない)。そしてこのまんが、来月号から完全連載化するようです。このひとが近オリに定着するのか、おもしろいなあ。
読切「白の鎮魂歌」(高橋光)はろくでなしの老人3人と女がひとり、探偵がひとり。設定はよくあるものだけどなかなか達者な作者です。
「ベルセルク」(三浦建太郎)断罪篇と「愛人 AI-REN」(田中ユタカ)第3章がともに最終回。ひとくぎりの「ベルセルク」はつかのまの小休止。何人かはとりあえずの落ち着きを得て、何人かは新たななにかを探して。このまんがの登場人物たちはほんとうにいつも大変なので、こういう回はなんだかほっとします。「愛人」は春に始まる第4章を待ちます。
短期集中だった「ANGE」(もんでんあきこ)も最終回。前回作「KOSOVO」と違い、シビアな現実のなかにかすかな望みを残したラストでした。ふたつ合わせて本になるとほんとにいいな。いっぽう始まった方は「女刑事ペルソナ」(高橋雄一郎+出海まこと)の第5章、なんだかどんどんエスカレートしてるんじゃないだろかこのまんが。
ところでむかし定説だった「スキーの板は新潮プラス20センチ」というあれはいったいなんだったんでしょう。おかげでばか長い板を抱えて電車で四苦八苦するわ、コブで板の前が重なって何度となくふっ飛ぶわ、ろくなことはなかった気がします。無意味な長さゆえのばかばかしさは決して嫌いではないけれど、それでもこんど買うなら160センチだな。
あちこちで評判の高い一冊で、キューティーコミックはほとんど読んでないのでほぼ初読。どれどれどんなものかななるほどこんなかとか思いながら読み始めて、本の中盤くらいからするり、と引き込まれてそのまんま。すごく気持ちよく読んでしまいました。
読後に連想したのが、野球のピッチャーの小気味いいピッチング。大きくない体から何気なさそうに、キャッチャーの構えたところに寸分たがわず。それほど速くはないけど切れは抜群。そういうピッチャーは天性のなにかを持っているわけで、このまんが読んで感じたのもまさしく天性のものでした。外さない、無駄がない、気持ちよい。なるほど、これは才能だわ。
登場人物たちひとりひとりもひっくるめて、非常に好もしいまんがです。つうか好きだこれ。
これまた連載では追ってなかったので、読んだのは初めて。名にし負うまんがだけにようやっと読めたという満足感が。
満足感の理由はたぶん「名にし負うまんがだった」だけではなさそう。おそらく作者が魂やら趣味やらいろいろぶち込んで描かれたまんがだろうその本気さ加減がまんがから伝わってくるのも、理由の一つでしょう。真っ向勝負のラブコメである点も含めて、スズキトモユさんがすでに書かれているとおり、実はこれある意味とてもまじめなまんがなんですね。作り手と登場人物の両方とも。世間一般からまじめに見えるかということとは関係なく。
あと、「むうなるほどこれが教典か」的な下世話な興味が満たされての満足感もあることは白状しときます。おれ個人はメガネっ娘教とは縁遠いので。
併録の短編「キキモラのこと」がとても気に入りました。大変妖精らしい勝手なキャラクターがすてき。そうかおれ短編教徒なのか。
前巻のショックな出来事を受けつつ、それをいつまでも引きずらない。このまんがの展開の早さは、現実世界のそれを忠実に再現したものと言えるかもしれません。あっという間に月日の経つことよ。
どちらかというとインターミッション的な巻ではあるかな。登場人物も代わり、主人公に後輩ができて。
いとう耐が「純喫茶のこりび」で登場。登場っつっても巻末で今後は人気次第という状況だけど。おれはこのひとのまんがかなり好きなのだけど、さてモーニングの色に合うか。実は小学館系青年誌のほうがはまるんじゃないかとか思ってるですが。
「NIGHT BLOOD」(富田安紀良)は2か月ぶりに第2話が登場、やっぱりおもしろいやこれ。生意気だけどそれだけでない、威勢のいい男主人公のキャラクターが、作風にうまくはまったか。できれば月一くらいで続きが読みたいな。「リーマンギャンブラー マウス」(高橋のぼる)は今回は泣かせる話で来ました。しかし冷静に考えるとすごい状況設定だなこれ。たぶん冷静になっちゃいかんのだな。
のびていた間にいろいろ出てたのをいろいろ買う。ティアマガはどうやら買い逃したらしいけどしょうがあるめえ。ぶっつけ本番だ。
今月号は三幕構成でした。仮にそういうことにしてみます。
第一幕は新連載の「はじめてのサスペンス」(櫻見弘樹)からスタート。前回登場の読切「個体のバリエーション」の内容からなんとなく予期していたけど、いわゆる男女役割分担的なものをまずは踏み倒して意志的なお姉様が主導権。初回は流された感の主人公らしき少年が、二回目以降どうするかな、とりあえず先が楽しみです。この新連載と、とりあえずの破綻(変な表現かな)を見た「エヴァーグリーン」(米倉けんご)が第一部。どこか雰囲気の似た二作です。
続いての第二幕はいつもどおりの「阿佐谷腐れ酢学園」(SABE)に「人妻姫」(かるま龍狼)、めでたく再開「LAD:UNA」(伊藤真美)と例によって解放のないおはなし「脱性少年的カイテキ妄想生活」(朔ユキ蔵)まで。伊藤真美は久々だけど基本的にはなじんだ顔ぶれ。「脱性少年的〜」は一瞬ハッピーエンドに持ってくのかと思ったしほかのひとだったらそうしてる展開なんだけど、このラストはこのひとならではだなあ。
幕間がこれまた久々登場の「椿」(OKAMA)。カラーページのあでやかさで度肝を抜き、擬音を連続させて聴覚触覚を刺激する、なかば妄想的な美しさを持ったまんが。これはこのまんま読むのが吉でしょう。
でもって第三幕の四連発が強烈でした。しょっぱなの「ガチンコ☆エンジェル」(ピロンタン)、大人の事情でクリニックに行った少年、そのチ○コを一万人に一人の開運チ○コ(ほぼ原文ママ)と見込んだ医者と看護婦の姉妹の献身的な治療で手術は成功したけど実は目的はその先にあったという話。オチが見えたときおかしいのとげんなりきたのとが同時で、変な笑い方してしまった。ひでえまんがです。続く「液晶女」(松本耳子)はネカマ少年が知り合った少女と成り行きで女装して会ってという展開で、このひとらしいまんがではあるけどテンションは高い。みっつめ「鬼ゆみこちゃん▽」(町野変丸)は一見いつものに見えるけど、このひとのスプラッタって実は珍しいような。こちらもそのテンションが印象に。でもって最後の「ポチャポチャ天国」(綾瀬さとみ)。エレベーターに乗り合わせた少女と太った男二人がという一見陵辱系のこのまんが、1ページ間違ったページが紛れ込んでるような気がするのですがこれでいいのでしょうかいいとしたらいったいこのページはなんなんだ。しかもこれが実はギャグと来てる。2か月前の「笑ウ少女」でいたく心をゆさぶられた読者がこれ読んで絶望したりとかしないか心配になります。いやいったいこれはどうしたもんだか。
4日は「2・3日」に含まれるや否やというのはともかく、スキーから帰った瞬間に熱出して寝込んだせいで、ずいぶん更新さぼってしまいました。買うもの読むものがたまるたまる。
スキー場の宿で見た夢。どうやらなにかの試験(入試?)を受けているらしく、1つめの課題はクリアしたあとの2つめが、「週刊少年チャンピオンを読んで全部のまんがの感想を書け」というもの。ところが読みふけってしまったせいで、1時間の制限時間が残りわずかになっても半分以上書けてない。なんとか伯林のまんが(しゅーまっはのことですな)だけでもと思い書いた感想が「かわいい」。あちこち白い答案を出したあと、かわいいはねえだろと妙に落ち込む。そんな夢でした。
日ごろ感想書きに四苦八苦してる(それはそのまま四楽八楽でもありますが)のがもろに出た夢で、目が覚めて笑ってしまいました。それはそうと早く出ないかなしゅーまっはの1巻。
政治家の娘のぶちきれ女子高生と、やり手で冷静(≒冷酷)な秘書の「フランケンシュタイナー」(稲光伸二)がいまのところ一番。主人公の壊れた目つきがたいへんいい。内容もタイトルもたがが外れた感じの異形のまんが「ドロヘドロ」(林田球)が二番手。ほかにも「安住の地」(山本直樹)「サイケデリック・ラバー」(米倉けんご)「セクシーボイスアンドロボ」(黒田硫黄)「富士山」(さそうあきら)「SEIJI」(森田信吾)「まひるの海」(比古地朔弥)と楽しみな連載は多いけど、なんとなく四季賞がヒットしなかった時の一昔前のアフタヌーンのような読後感。もう2本3本、若手新人の読切が読みたいなあやっぱり。
読切「涸れ川」(諸星大二郎)は「夢の木の下で」と同じような風景が舞台。砂漠の下で仮死状態で生き延びる人たちを描いた内容は、例によってこのひとならではのまんがです。夢かうつつか。
先月発売号です念のため。結局「ひまじん」(重野なおき)目当てで購入。同時に「エン女医あきら先生」(水城まさひと)にはまりつつあるような。絵はあまり好みではないけど、あきら先生のキャラクターがいいな。
新連載2回目の「ヒミズ」(古谷実)は説明なしで始めた初回と同様、なにやらつかみどころのない展開。こういうおはなしの入り方は嫌いではないです。100万でウンコ食うのはやだなあ。いくらならいいだろうかなあ。
「クーデタークラブ」(松本光司)のこの展開、ウンコ食うのとどっちもどっちでやだなあ。手ならまだしも口はなあ。品のない感想だなこれ。
白昼堂々セーラー服。「イヌっネコっジャンプ!」(はっとりみつる)はオズがどんどんおもちゃになっていく。いったいいつになったらその真価を発揮するのだろうか。ずっとこのままだったりして。あり得るな。
ゲストキャラをそんなふうに扱っていいんだろうかと思った「餓狼伝」(板垣恵介+夢枕貘)の前回だったけど、決して「そんなふうな扱い」ではなかったことが今回判明。あごが外れた顔面を殴りつけたら骨はどうなるんでしょう。やだなあ。
謎の美女・玉芝がとうとう正体を表わした「黒竜の城」(梶原崇+田中芳樹)、玉芝の顔がくるくる変わる。ふつうの美女顔と、作画者の本領発揮な変な顔。イカかこいつは。無事再開「ピアノの森」(一色まこと)は新展開の近そうな内容。読切は「流月抄」(池上遼一)の中編と「イマジマン」(TAIRA+雨上がり決死隊)の後編。前号まで「iドーモ!」だった堂高しげるのまんがのタイトル、今号で「全日本妹選手権!!」になってるのは冗談か本気か。これで行くのか。
宇仁田ゆみの読切「プレゼント」は、旅行に行きたい彼女とどうでもいい彼氏にまつわるまんが。このひとらしい内容にラストで、あっけなくもハッピーなラストはけっこうよかったです。
内気な男子校生(たぶん高校)が腹話術で女子高生(たぶん)人形を操る「パペコ」(吉村タカアキ)は、思いついたもの勝ちの設定とともに、女子高生人形をあやつりながらヤンキー少年に迫るという、いったいどっちが迫ってんだか的なわけのわからなさがおかしい。あやつってるのかどうなのかどんどんわけわからなくなるラストがこれもおかしいです。このひとの名前は覚えとこ。堅実「相撲遊戯」(木村浩二)はけっこうページ数たまったころかも。ラストはセンチメンタルいい話で締めた「SF/フェチ・スナッチャー」(西川魯介)、2巻も出るそうです。そうかそうか。
「幸福論」「性夜」「夏がいそいでる」「Mr.キャプラに花束を」「ホワイトゾーン ずっと…」「瓶詰の地獄」の6編収録の短編集。このひとの本買ったのは初めてでした。短編集となるとつい手が出る。
作者の趣味がいちばん強く出たとおぼしき「Mr.キャプラに花束を」がなかでは一番よかった。最後の2編は幻想めいたお話で最後に謎解きがされているのだけど、謎解きはないほうがむしろいいような。掲載誌の制約もあるのだろうけど。
今日でniftyのほうの更新は最後にすることにします。ほんとは昨日のつもりだったんだけど、昨日さぼったので一日繰り延べ。
はじめてNIFTY-serveのフォーラムに顔を突っ込んでからはや8年、さすがに感慨深いものがあるかというと実は全然そんなことはないのですが。しばらく前にフォーラムから足が遠のいてからは、ただのプロバイダーとして利用してただけだし。
それでもniftyに入らずフォーラムも知らなかったらけっこう別の人生だったかなとは思います。ネット上でも現実空間でもいろんな人と知り合えたし。
明日からちょっと遠出するため、2・3日更新をさぼります。
一瞬の隙、逆転する立場。おつうの笛と涙。恐ろしい。この描写が週刊連載で産み出されていることに恐怖さえ感じます。とりわけ最後の見開きふたつ。
この構図も絵もやがて忘れるでしょう。でもこのすごさはまんが読んでる限り忘れないような気がします。
「バガボンド」(井上雄彦)に吹き飛ばされて他のまんがの印象が残ってません。ので今回はこれだけ。
土壇場まで追い詰められた萬がとうとう開き直った「萬(ONE)」(本そういち)。開き直ったのはいいが、これが光明になるようにはとても見えないがひょっとしてここからバカヅキが待ってるのか。どうも先が読めない連載だな。
「むこうぶち」(天獅子悦也+安藤満)はお約束通り、相手を地獄に沈める主人公。それを眺め悦楽に浸る老人たち。このまんがの文法はホラーまんがのそれに似ている。いつのまにか両方連載として定着した「西校ジャンバカ列伝 かほりさん」(神原則夫)と「なかしげNo.1」(村尾利明)は今回も元気。かほりさんは次号センターカラーでの登場だそうです。