ときどき日記(20000727〜20000815)

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2000/08/15(火)

 ふと思ったこと。よく「戦争体験を語り継ぐ」という言い方をするけれど、体験談をそのまま語り継ぐのって不可能じゃないだろうか。それが上の世代から聞いた、実際に体験していないことである限り、それをリアルに語ろうとすればするほど「見てきたような嘘を言い」という罠にはまってしまうように思う。
 それを世代を越えて伝えていける形に加工できるかどうかが、将来世代に残せるかどうかのかぎかもしれない。と、言うのは簡単だけど。

なぜ人を殺してはいけないのか/小浜逸郎(洋泉社・新書y)

 表題のほか、「人は何のために生きるのか」「人を愛するとはどういうことか」「死刑は廃止すべきか」等々10個の設問について、誠実な論理の積み上げで答えを提示しようとしている、そういう本。
 この作者の論理の組み立て方には個人的に違和感が少なく、すんなりと読めるし、自分の考え方を整理するうえで重宝する。過去の著作もそうだったけど。むしろ作者論理にとりこまれて無思考に陥るのを警戒しないといけないくらい。そういう意味では、この作者の著書や文書に対する読むに値する反論を、読んでみたいと思うし、読んどいたほうがいいようにも思う。個人的には。

EVE burst error/シーズウェア(15禁エロゲー)

 どうでもいいことから先に書くと、これが15禁(R指定)である理由が全くわからなかった。これが15禁なら、ヤングチャンピオンとかヤングアニマルは30禁だよ。
 名作の誉れ高い(らしい)このゲームは前から一度やっとかないとと思っていた。で、確かにやって損はなかったと思う。絵は完全に好みから外れてるし、久々のコマンド総当たりAVGはやっぱりかったるかったし、ジャンルとしても探偵ものは趣味ではないのだけど、それでもおもしろかったから。特にラストシーンはぞくりと来るものがあった。このラスト、探偵ものとしては反則なようにも思うけど、ゲームとしてはOKでしょう。
 これがゲームでしか体験できないおもしろさかというと、微妙なところ。システムとしては、主人公2人で同時進行というのはゲームでしかできないだろうけど、同じ感触を小説やまんがで与えることは可能だと思う。だからどうだというわけではないですが。

 以下余談。というか蛇足。知ってる人はパスしてください。
 コマンド総当たりAVG(と勝手に呼んでるのかもしれないもの)というのは、画面に「歩く」「止まる」「走る」「飛ぶ」てな感じで行動コマンドが並んでて、各場面で適切なコマンドを選択することで話を進めていくもの。逆に言えば適切なコマンドを選んでやらないと、いつまでたっても話がすすまない。さんまの名探偵みたいなの、といって通じる人は年食った人だけか。
 いっぽうスクリプトノベル形式AVG(とこれも勝手にかも)は、基本的には電子紙芝居で、分岐点での選択結果で話が分岐して、良い結末や悪い結末にたどりつくタイプ。こっちのがやってて楽だと自分は思います。最近はこっちが増えてるのか、それともたまたま最近やったのはこっちばかりなのかはわからないけど。

まんがライフオリジナル2000年9月号

 この雑誌買ってるのは「今日のおススめ!」(新田朋子)「サークルコレクション」(小坂俊史)のため…ではなくて、「エブリデイズ」(長崎さゆり)が目当てだったりする。16ページ読切サイズのこの連載、なかみは普通にいい話なのだけど、微妙なところで波長が合うらしく、なにやらとても楽しみにしてるのです。
 いや、ほかにも読むとこ多いのだけど。最初にとばし読みするときでも「かしましハウス」(秋月りす)「どきどき姉弟ライフ」(後藤羽矢子。これは新連載)「あしたもゲンキ!」(丹沢恵)「ラブミーてんだい!」(有間しのぶ)「おバカさん」(平岡奈津子)とこれだけは読むし。「おバカさん」はおれ、単行本持ってんだよな。これも2巻が出ないなあ。

ビッグコミックオリジナル2000年9月増刊号

 「キャッチボール」(業田良家)が特に気になったのは、たぶん個人的にキャッチボールが好きだからだと思う。ずいぶんやってないけど。このおじいさん、別に元最多勝投手でなくったってよかったような。
 「AV烈伝」(井浦秀夫)はあいかわらずおもしろい。隔月に近い不定期刊という刊行間隔と、取材を必要とする実録ものとの相性って実はいいかもしれない。実録物だからおもしろい、というわけではなく、まんがとしても上手いし。
 「夢のツチノコ」花輪和一、新シリーズ開始。これが新境地なのかどうかはよくわからんです。ほかの人には真似できないのは、前っからだしなあ。

週刊少年チャンピオン2000年38+39号

 広告のカットでアンテナにひっかかった「キリエ」(杉村麦太)で立ち読み。前半はつやがある絵だけどどうしようかなあと思いながら読んで、後半で購入決定。そうかそう来たか。後編が楽しみ。
 この号で一番笑ったのは麻雀鬼ウキョウのP367だったけど、それはそれとして浦安鉄筋家族(浜岡賢次)ってその安定性においてあなどれないなあと思ったことです。少年まんが誌としては、こういう連載があるのは大きいんじゃないかと。


2000/08/13(日)

 ひさびさに中野に出向く。ブロードウェイを襲撃…に行ったわけではなく、親族宅に遊びにいったのだ。時間がなくてそっちは覗けなかった。
 ブロードウェイに最後に行ったのは、数えてみると13年前とかおそろしく前になるかもしれない。まだまんだらけがあそこにしかなかったころ、昔のデュオなんかを買いに通ったのでした。買ったデュオは全部解体破棄してしまっていまはなし。考えてると犯罪的なことをやったような気が。

日本警察 腐敗の構造/小林道雄(筑摩書房・ちくま文庫)

 1986年に刊行された単行本の文庫化。その間の14年間に警察組織の風通しがよくなったわけではなさそうなので、書かれてることの有効性はほとんど失われていないのでした。内容的にもあって不思議ないかなというようなことばかり、と個人的には思う。
 で、−−こういう物事を相対化する物言いには注意が必要だけど−−こういう本を読んだときは、「どうすんだよ」と吐いた唾が、ひょっとして自分に返ってきてるかもしれないと省みる余裕は持っときたいと思う。上部構造に問題をかかえてる組織は警察だけじゃないのは明々白々だし。ひいてはじゃあ日本そのものはとか。

ガープス・ルナル・リプレイ 青嵐の島編(下)/友野詳・グループSNE(富士見文庫)

 リプレイとしての面白さは、スニーカー文庫から出てる「ルナル・サーガ・リプレイ」に一歩譲る感じ。あっちのが話がでかいせいもあるだろうし、江戸期日本を模したカルシファードという国(今回の舞台)に、個人的にいまひとつそそられないこともあるだろうし。
 まあでも、そこはそれなりに楽しめた。ルナルのリプレイ、確かもうひとつ出てたかな。探してみよう。


2000/08/12(土)

 拳児を読んで中国行って太極拳を習ってきたという人の話を、その人の同級生である知人から聞く。気合いを込めてビルの床踏んだらビルが震えて、「こんなこと人間相手にやったら死ぬじゃん」つったら「当然。太極拳は一撃必殺」と言われたとか。

ヤングアニマル2000年16号

 宇仁田ゆみ「うさぎ」で登場。このひとのまんが、どんどん余韻の残らないほうに進んでるような気がするんだけど、これ、わざとかしらん。それはそうと単行本が出ます。タイトルは「楽楽」、2000年10月27日発売とのこと。いままで描いたの、全部収録されてるのかな。
 「女刑事ペルソナ」(高橋雄一郎+出海まこと)は第4章開始。

コミックバーズ2000年9月号

 新連載「キミのうなじに乾杯!」(村上真紀)は…こうるさいおやじみたい言い方になってしまうのだけど、人の死ぬさまをリアルに描くなら、死そのものもリアルに描いてくださいな。あるいは簡単な死の意味を引き受ける覚悟で描くか。それともこれ、ギャグまんがなのか。そしておれにはそれがわからんだけなのかなあ。ううん。
 ほかには読切で「ギリギリ!!」(南京ぐれ子)「おさるのムード」(玉木満)「BEAST of EAST」(山田章博)は減ページながら載ってます。
 来月から「H2O Image」(藤原カムイ)新連載。新連載っつっても再開で完結編。このまんがかなり好きなまんがだけに、きれいに完結するなら望外の幸せです。もう描かれないと思ってただけに。

墨野ん家の事情(3)/オオノサトシ(朝日ソノラマ・眠れぬ夜の奇妙な話コミックス)

 「墨野…」のほうはいろいろ死んだり増えたりするけど、基本的には2巻といっしょ。
 「山田の弁当は」…これ、どのくらい実話がまじってるんでしょう。大根オロシとキウイの酢の物和えはけっこういけそうな気もするけど。大根おろしとキウイを別々に食うよりうまいかどうかは…なんてそういう料理の基本を否定すること言っちゃいかんか。でも大根おろしはしらす入れて醤油が一番好き。しらすとちりめんじゃこはどう違うのだ、というのは実は長年の疑問です。東と西で呼び方が違うだけなのかな.

コミックビーム2000年9月号

 「SEX★MACHINE」(ヒロモト森一)が新連載、「BAMBi」(カネコアツシ)が連載再開、。「やさしい女は何処にいる」(須田信太郎)が最終回。「BAMBi」は再開だけどもうすぐ完結でしょう。あっさり終わってしまった「やさしい女は…」、でもいい最終回だった。つうかこれ、単行本にまとまったらかなりいいと思うぞ。ぜひなんとか。
 あいかわらず登場人物たちにいいことのない「敷居の住人」(志村貴子)は私的に別枠扱いとして、今月特に目を引いたのは「LAZREZ」(竹谷州史+TKD)。このまんが、どこに向かおうとしてるのか、いまいちまだよくわからんのだけど、この展開とこの絵はツボに来ました。竹谷州史の絵はまた上手くなったような気がする。巻末「かねひらだもの」(金平守人)はまた抗議の来そうなことを。それともひょっとして、ほんとにこういうの描きたいのだろうか。内臓系エロ。


2000/08/11(金)

冬虫夏草/おかざき真里(ラポート・ラポートコミックス)

 よしもとよしともが女だったらこんなまんがを描くかなという変な感想が、読後の第一感想。でもってこちらの性別はよしもとよしともと一緒でこの作者とは違う分、このまんがはよしもとよしとものまんがより遠いところにあるように感じられて。うまいしきれいだとは思うけど、ぐいと伝わってくるというのではなくて。
 あとがきで「自分を楽にするために」描こうと思って描いたまんがだと書いているとおり、このまんがが閉じているのは意図してのことだからそれをどうこういうつもりはないけど。好みとしてはもう少し、外を向いている(or向こうとしている)ほうがいいかな。

 よしもとよしとものまんがが閉じている、と書いてるようにも見えるな、これ。そういう意図はないので念のため。

エースネクスト2000年9月号

 終わっちゃったなあ、クーデルカ。でも予定通りみたいだしきれいにまとまったようだし、次を楽しみに待つことにしましょう。悪役面の男のどれがどれだかいまいち頭の中が整理されてないので、そのへんは単行本3巻が出たら通して読んで。とにかく、岩原裕二の絵はながめているだけでほんとうに幸せでした。次号のピンナップも楽しみにしときます。
 あとはいつもどおりというか、「NieA_7」(安倍吉俊)「ああ!21世紀警備保証」(田丸浩史)。ニアは今回は、動静の静のほうというか、緩急の緩のほうというか(これはちがうか)、しんみりしたおはなし。とてもいいです。それはそうと、自分も間違えてたのだけになお気になるのだけど、安倍吉俊は阿部でも安部でもなく安倍です。安倍清明といっしょ。安倍吉輝といっしょともいうがこれはほぼ通じないか。

アフタヌーンシーズン増刊2000年Summer

 読むとこ多くてうれしいです。「女神調書」(小原愼司)「おひっこし」(沙村広明)「華精荘に花を持って」(鬼頭莫宏)と巻頭から3つはどれもきっちりと。「おひっこし」は冬目景の初期短編的テーマをこの作者が描くとこうなるかなという感じ。鬼頭莫宏のは線がちゃんと印刷されているうえにちゃんと高校生描いてるんで少しびっくり。女の子(高田科子)の正面からのカット、ほんのちょっとだけ山田たけひこを連想したです。ちょっとだけ。
 「ラブやん」(田丸浩史)は6年ぶりのオリジナル読切だそうな。6年前のって超兄貴1巻収録のバランのあれのことかな。でも超兄貴ってオリジナルだけどオリジナルじゃないから、別の未収録作があるのか。いつもののりで読めてうれしいけけど、この作者の絶好調作はもっとリズムがいいような気も。次あたり本誌で連載なんてことになると小躍りだけど。
 読切で「酔」(松下賢吉)「もっけ」(熊倉隆敏)とデビュー作が2つ。「酔」はおおよそ酒をのまない人には理解しがたい内容だろうけど、ばかまんがとしてなかなか。若干人情味など混ぜてるけど、いっそばかで押したほうがインパクトはあったかな。酒飲みばかまんがには二ノ宮知子という偉大な先達がいることだし。
 「もっけ」はこどもの顔がほんとにいいなあ。とくにきょとんとした顔。絵だけでごはん3杯だあ。オカルトをファンタジーの文法でこどもまんがに仕上げた内容も、傑作というわけではないけどかなり好み。ここはこっちのほうが、というのがないわけじゃないけど、どんどん描いてどんどん上手くなってくれたら言うことないです。次号も載せれ。アンケート出そっと。
 「N0iSE」(弐瓶勉)が減ページであいた穴に、「ヨガのプリンセス プリティー▽ヨーガ」(稲留正義)が載ってたのにはびっくり。でもってトリの「旅をする沼」(漆原友紀)はあいかわらず安定していい。生きて動く沼、沼に同化する少女。そろそろ単行本にページが足りたと思うので出してほしいなあ。

冥王と獣のダンス/上遠野浩平(メディアワークス/角川書店・電撃文庫)

 ブギーポップ・シリーズ以外のを読むのは初めて。
 物語の立ち上げ部分は読んでてけっこうかったるかったんだけど、よく考えればまだおはなしが動いてないんだからあたりまえといえばあたりまえで。動きだしてからはけっこう引き込まれた。いまの時代の閉塞感を転写する手際はこの作者ならではだし、ひょいと読者の期待をかわすようなラストもいいと思う。
 もう少し、登場人物の人格構成に莢雑物−−割り切れなさとか不可解さとか醜さとか汚さとか、そういう莢雑物が混じってたほうが、キャラクターに厚みが出ていいかなあ。まあ、このへんは好みの問題かもしれないけど。


2000/08/10(木)

 先週くらいから左足のくるぶしが痛い。多少痛いだけで歩くのに支障もない気楽さからか、痛みだしたとき思ったのが「くるぶしの人のPNってなんだったっけ」だった。しばらくしてくるぶし卍佐助、というのは思いだしたのだけど、その前のPNが思いだせない。調べりゃ簡単にわかるのだけど、悔しいので思いだすまで粘ろうかと。忘れるほうが早いかもしれないな。

モーニング2000年37+38号

 「オーダーメイド」(高梨みどり)が掲載。このまんがも安定してるなあ。
 シリーズ連載ではほかに新登場が2つ、3号連続の「心配右衛門」(いがらしみきお)「ガンダルヴァ」(正木秀尚)。いがらしみきおは前作の下ねたギャグから一転、今回はギャグじゃないそうです。
 快調「鉄腕ガール」で本筋と関係ないことを少し。マリーンとの対戦舞台はたぶん横須賀ひょっとしたら本牧でも本牧には野球場ないだろうからやっぱり横須賀だとして、鳴いてるセミがミンミン・ヒグラシのほかにクマゼミも鳴いてます。「シャワシャワ」ってやつ。横須賀にはクマゼミがいるのか、作者が西のほうで育ったのか、それともクマゼミは実は関東でもポピュラーなのか。先週以来気をつけているのだけど、まだ横浜公園(つまりスタジアム周辺)以外では聞いてないです。なんだろう。

コミックドラゴン2000年9月号

 クロノモンコレファントムウィザード。入れ込んでる連載が好調なので文句はないけど、企画ものでない読切が欲しいなあ。阿部しのぶ(忍)はオリジナルでおもしろいのが描ける人だと思うのだけど。
 あと、底意地の悪いまんが・タカハシ君優柔不断(新井理恵)が先月くらいから調子をあげてきた。「CAT's WORLD」(OKAMA)はどうやら深刻なことになってるんだけど、これ、正直に弱音を吐くと連載ではよくわからんです。単行本でまとめて読むとたぶんわかるだろうから、そうしようかなあと。

アフタヌーンシーズン増刊2000年Summer

右列

下段

左列

 喜びのあまりP181の初出を調べていたら夜が更けてしまい読み終わらなかった。ので感想はあした。
 本が出るという望外の喜びで満足せず図に乗ってさらにリクエストなど書いてしまうけど、「クウカンウキゴロ」「Grand Ole Opry」の2作が収録されてるとさらにさらにうれしいです。どっちも珍しくオフセ本で今では入手困難であるうえに、後者は「話田家」の第0話でもあるので。ああ、でも、うれしい。生きてるとこんなこともあるのね。

 初出調べてるうちに気がついたんだけど、「外人のなり方」に収録されてる撲殺まんがの作者、あれはたぶん小田扉じゃないですね。小田扉のおともだちとおぼしき人のサイトに、絵柄がそっくりのCGがあるんで、たぶんその人が描いたんだろうと思います。いずれ感想のほう訂正しとこ。


2000/08/09(水)

 家の近所で今日も雷雨。どかんどかん落ちる雷。たまたまやってた天気予報を見たら、日本中でうちのあたりだけ降雨量の色が違っていた。
 ここんところの天気の荒れ方、なんとなく熱帯のスコールみたいでもあるなあ。温暖化と関係あるのかな。クマゼミもあいかわらず鳴いてるし。

不平等社会日本/佐藤俊樹(中公新書)

 乱暴に要約してしまえば、バブルのころから日本は社会階層の固定化と起業数の減少が起こっていて、それが社会の閉塞感を強める一因じゃないか。でもってこれから(市場主義が社会を席捲したとしても)チャンスが平等な社会になったかはあとになってみないと(何十年かたって、競争参加者の結果がまとまってみないと)わかんないんだから、敗者救済の仕組みは(発生し得る理不尽な敗者を助ける意味で)残しといたほうがいいんじゃないか。そういうことを「社会階層と社会移動全国調査」という10年おきに行われている調査の結果をもとに推論し提言してる本…かな。
 調査結果の取り扱い方が非常に慎重で、読んでてまだるっこしいと言えばまだるっこしいし、ふまじめ読者だからグラフとが読み込まずに飛ばしたんであっというまに読んでしまったんだけど。推論としてどのくらいあたっているかはともかくとしても、けっこうおもしろかった。「現代社会では数値は特別な真理として、他人を黙らせるために使われやすいが、本来数値というのはそこから他者と話しはじめるためにあるのだと私は思う。」このあたりの姿勢にも好感。ここからさらにもう一歩踏み込んだ論点で読みたい…などと言ったら、そういうことを読んだ人が考えるきっかけとして書いたのにと嘆かれそうだな。

零式2000年9月号

 なんだかいつのまにか連載増えたような気もするけどこんなもんだったっけか。一時は零式の看板的存在だった目黒三吉は、いつのまにか目次サイズか結城心一といっしょというフレンドリーなことになっている。フレンドリーはフレンドリーで別によいけど。
 読切は「Just Time Girl」(宇佐美渉)「AFTER S」(天竺浪人)「第07小隊Black ver.」(たいらはじめ)「熱帯夜の憂鬱」(鬼魔あずさ)「経理の小野さん」(まぐろ帝国)「本能」(大島永遠)でいいのかな。「Just Time Girl」はそつなくまとまっててなかなか。「本能」には本能のままに生きてる振りをして世の中を渡るという、考えてみるととんでもねえ女が出てくる。ほとんど男の敵じゃん。だども男はばかだからのう。
 「としうえの魔女たち」(むつきつとむ)はいよいよ恋愛まんが色を強めるのでした。完結したらちょうど単行本1冊にまとまりそうな雰囲気も。出るといいな。ももえサイズはいつもどおり…じゃなくて、もかまが壊れてももえがピンチ。でももかまがなおって全開。
 おっと書き忘れるところだった、次号予告に中田ゆみの名前があったです。これはうれしい。


2000/08/08(火)

ヤングチャンピオン最新号

 げ、職場に忘れてきた。号数がわからん。
 「アンダーグラウンド」(たがみよしひさ+本橋信宏)が最終回。裏話としておもしろくはあったけど、どこかつかみどころのない連載だった。
 「鉄筋安坊」(近藤佳文)はもうちょっとだけ、絵の書き込みが欲しいかなあ。初めての連載でいちばんしんどいころかもしれないけど、好きな連載だけにがんばってほしいです。

近代麻雀オリジナル2000年9月号

 大武ユキが3回集中「アウトサイダー」で再登場。3たび加納くんのおはなし。高校でサッカー、大学で代打ちというのは人生の向かう先としていささかまずいのではと登場人物の心配してもしょうがないですが。
 読切「デブ専の虎次郎」(山田玲司)はさすがというか、しっかりこの作者のまんがになってる。よけいなパロディはいらなかったような気がするけど、これも持ち味のうちといえばうちか。おなじく読切「だって夏ジャン」(おおつぼマキ)。これ、クライマックスの見せ方がどんぴしゃりだったら、すげえいい読切になってるのに。もったいないです。舞台も展開もキャラクターもOKだけに。もひとつ読切「ハイパーシンケン君」(坂本タクマ)…読切つってもいつもの月の8倍載ってるだけだけど。そうか本誌は10年ぶりなのか。そういやおれ、まだ学生だったもんな。確かS.TAKUMA名義だったような。違ったかな。
 連載人では「リーチメン!」(張慶二郎)が最終回。これも単行本にはならなかったか。


2000/08/07(月)

 首が凝りすぎて死にそうになったので15分マッサージに駆け込む。とりあえず気持ちよくてとりあえず楽にはなるのだけど、いかんせん応急処置でほんとは整骨院に通わないといけないんだろうなあ。とりあえず(こればっか)エレパルス肩にのっけてこれ書いてます。
 ほんとは、というならほんとは南の島で1年くらい。いや2年でも3年でも。

ヤングサンデー2000年36号

 なぜかこの雑誌、未だ定期購読に至らないのです。厳密には14年ほど前、創刊時に半年くらい買っていただけ。創刊時にも北崎拓、連載してたな。
 どうも全体として絵柄が合わないとか胃弱なおれには濃厚過ぎるのかとかいろいろ理由は推測されるけど、ひょっとしたら、紙質か印刷が合わないんじゃなかろうか。ほんまかいな。
 まあ定期購読しないのはそれはそれでいいけど、連載中のあんなまんがやこんなまんが(恥ずかしくて書けない)をちゃんと読んでないのは、全くもってもう全然だめです。夏休み中になんとかしよう。

ヤングマガジン2000年36+37号

 「甲子園へ行こう」(三田紀房)、これで9回裏に大逆転…はないな。たぶん。次号新連載、「クーデタークラブ」(松本光司)。いよいよ本誌で連載。楽しみ。

ウインドミル(1)/橋口隆志(小学館・少年サンデーコミックス)

 飛び抜けてはいないけどそつのない面白さと、水準以上の作画力。かわいい主人公。スポーツまんが。いかにもサンデーらしい、かな。すごく好みかと問われるとそうでもないけど、じゃあ好みじゃないかと言われるとそうでもないという。個人的にはこのまんが、なかなかくすぐったいポジションを占めます。さてどうしよう。

成恵の世界(1)/丸川トモヒロ(角川書店・カドカワコミックスエース)

 いや単行本で読むもんだなあ。まとめて読むとはっきりわかるのだけど、場面がぽんぽん切り替わって実に歯切れがいいです。人によっては忙しいと感じるかもしれないけど。ページごとに全部違うコマ割りとあいまって心地よいです。人によっては素人くさいと言うかもしれないけど。個人的にはどちらもこのままでOK。ていうかこのままがいい。いやそりゃ上手くなったらもっといいけど。つるりと上手くはなってほしくないというか。これはわがまま。
 このまんが、登場人物のほとんどが冷静に考えると変な人ばかりで。変だけど別にそれだけ、というスタイルがよいです。変で悪いか、と気負うのではなく。自然に変なまんまで。
 ところで「かみさまのみみ」は…それを望むのは無茶なのかなあ。いや、でも。できれば、ぜひ。


2000/08/06(日)

 目蒲線が昨日限りで目蒲線じゃなくなったそうな。哀れ真ん中で分割され目黒線と多摩川線に。将来の目黒からの地下鉄乗り入れを見込んでなんだろうけど。目蒲線の歌も今は昔。

 こないだっからあれこれ書いてる「果てしなく青い、この空の下で…」のデモムービーが、ホビボックスのサイト(たぶん18禁)で見れます(こっちはデモ直行。いきなりJavaが起動するのでご注意。Real Playerが必要とのこと)。このゲームやっておもしろいと思う人は、デモムービーかタイトル画か、どっちかでひっかかってきそうかな。
 こうやってあれこれ書くのはこのゲームを少しでも多くの人にやってもらいたから…では実は全然なくて、自分が気に入ったゲームのことを書くのが好きなんですな。どうやら。パロ同人誌作るのと同じ嗜好かこれは。まんがの感想書いてるのは、より多くの人にという気持ちがもう少し強くあるみたいだけど。ひとごとのような書き方。

宇宙十兵衛 完全版/吉崎観音(角川書店・角川コミックスエース)

 速射砲でもなく大砲一発でもない、この作者らしいミドルレンジのギャグの連発。こりゃおもしろいや。
 単巻ギャグマンガとしては、まずは文句のない出来でしょう。絵は今の方が上手くなってるかもしれないけど、気にならんです。気がついたら終始一貫、主人公なんにもしてないし。いや、桜は咲かせたか。

聖(1)(2)/山本おさむ(小学館・ビッグコミックス)

 自分は将棋差しではないけど、新聞で隣の欄に載ってるだけに将棋のプロ棋士の名前はだいたい知ってるし、リーグ戦やタイトル戦のゆくえも少しならわかる。知ってるものにはそれなりに思い入れも生じるわけで、なんとなく応援してるプロも何人かいたり。将棋がわからん以上、それはなんとはなしの思い入れの域を出ないのだけど。
 このまんがを読んだ人の多くが、少し演出過剰だとおもうかもしれない。それはある面ではあたっている、かもしれない。であればこのまんがは、それが気にならないが読めばいいんじゃないかと思う−−とても傲慢な物言いだけど。ここに描かれているもろもろのことの過酷さや真剣さを、知っているか、近く感じることができるか。そういう人が。
 新聞で村山聖の訃報を目にしたときはショックだった。体が弱いとは聞いてたけど、おれより年下なのに、まさかこんなに早く死ぬなんて。もしかすると同じように(そしておれなんかよりはるかに強く)ショックを受けたたくさんの人たちから、このまんがは立ち上がって続いてるのかもしれない。

ブラブラバンバン(3)(4)/柏木ハルコ(小学館・ヤングサンデーコミックス)

 このまんが、ふつうのまんがならサービスシーンとなるシーンが主人公がらみでやたら多いのだけど、作者はどういう意図で描いてるんだろう。戦略的な意図があってか、サービスシーンのつもりなのか、単に描くのが好きなのか、何も考えてないのか。このひとの2つ前の連載(いぬ)から考えてどの可能性も否定はできないけど、作者の意図なんざ読者にはわからんわけで、であればこれはおのが内のエネルギーをもてあます主人公のありさまのひとつであるとしてとらえることにします。
 その主人公・芹生がおのれをもてあましながらも、自分の才能と情熱を自覚し前を見据え、周りを巻き込み引っ張っていこうとする4巻の内容、迫力あります。一見かなりげてものっぽい(失礼)まんがだけど、このまま行けばこれはおもしろくなるな。楽しみ。

・まんがの森会報2000年8月号

 表紙とインタビューは須藤真澄。「今夢中なのは麻雀」ですか。そのうち麻雀まんが誌に描いたりして。そのあかつきにはぜひ麻雀ファンタジーまんがを。
 読者プレゼントの色紙を見た瞬間、内なる物欲が猛然と頭をもたげる。Bの色紙はわたしのです。これ読んだ人はほかのを選ぶように。欲しい〜。


2000/08/05(土)

 本屋の新刊文庫コーナーで、電撃文庫の新刊の中によさげな表紙があったので手にとってみたら、なんこたあないイラストはスズキユカだった。内容が意に染まなかったので買いはしなかったけど、あの手のゲーム系(というのか)文庫の表紙は出版社側もかなり重視してるのだろうし、けっこう気になります。好きなまんが家さんが描いてたり、ジャケ買いしそうにいいのがあったり。…表紙となかみはまんがよりはるかに別物なのだけど。

ヤングアニマル増刊ギャグファイア2000年9月12月号

 再録が多い。西川魯介が描いてなかったら買わなかったかも。
 その「SF/フェチ・スナッチャー」(西川魯介)、単行本が出ます。そうか出るのか。しかもA5版か。「少食一代男」も収録してくれ、というのは無理か。
 「女子中学生」(にざかわ)は原作にざのネタ制限的欲求不満が爆発したような…一条マサヒデ名義でどこか増刊に描いたまんがはもっとひねってあったのだけど。作画は川本貴裕です。にざはにざかなのにざ。
 「相撲遊戯」(木村浩二)はいつもの感じ。これはこれで。

全裸(はだか)の王女/かかし朝浩(司書房・TSUKASA-COMICS)

 テンション高いなあ。百連発だもんなあ。ハチャメチャ(死語)ながらさりげなく純愛ものでもあるのだな。にぎやかしいけど軽くはないというあたりが持ち味か。

マンガF2000年9月号

 「ワンコインクリアー」(雁須磨子)がいい話。登場する少女の危なっかしさと、このひとの筆致のあやうげな感じが、妙に似ているようでもある。「BODY&SOUL」(安彦麻理絵)はこれは「女の子の条件」といっしょかな。
 ほかにも読ませるまんがはたくさんあるんだけど、いつもとおんなじ「探偵くん▽」(町野変丸)に少しだけほっとするあたりが、この雑誌との相性をあらわしてるかも。根が単純だから、バカまんがとかわかりやすいのとか載ってないとなんとなく落ち着かないのだ。

コミックフラッパー2000年9月号

 読切で再登場の宇夢和実「太陽革命!」は、デビュー作(ガンガンだった)から感じてるぎこちなさがまだ抜けてない、のだけど。もしかするとこのひとは、このぎこちなさを持ち味に昇華して伸びていくのかもしれない。直線的で元気な男の子(太陽)と、無口で無愛想で不器用な女の子(曙)が、どちらもいい感じ。再々登場待ってます。
 そのほかに「牛乳時代」(福島鉄平)「刑事デラックス」(きのまさふみ)が読切で掲載。
 それからこれは読切ではないのだけど、米沢嘉博の連載で取り上げられて全ページ掲載されてる「水の底の映画」(泉川康裕)、はなしとしてはもっとページ数がほしいかなと感じたけど、絵がけっこういい感じ。この作者名は間違いなく見たことがあるのだけど、どこで見たんだか記憶にない。同人誌か四季賞イラストかどこかの読切か。

Runner(3)/峰倉由比+月村了衛(角川書店・エースコミックス)

 最終巻。なにかもうワンパンチあったら長期連載になってたかもしれない、そういう惜しさはある。そのなにかとは愛敬だといったら、スタッフは怒るかもしれないけど。あるいはいっそ、思いっきり暗いほうにはなしを寄せてしまうとか。
 とはいえこういう淡々としたまんがは、それはそれでありだとは思うし個人的には買いもするわけだし。次回作がどんなのになるか、待ってみたいです。

墨野ん家の事情(2)/オオノサトシ(朝日ソノラマ・眠れぬ夜の奇妙な話コミックス)

 「墨野…」のほうは1巻と変わらんです。ときどき4コマのふたつを足して3コマまんがにしてるのだけど、そういうアクセントの付け方が上手い。次は3巻。
 併録「山田の弁当」の方は、山田がすっかり壊れてしまって。初期の怒る山田くんが好きだったのだけど、あなたはもう帰ってこないのね…

ガープス・ルナル・リプレイ 青嵐の島編(上)/友野詳・グループSNE

 ルナルのリプレイはこれで5冊め。読んで面白いと思うのは、RPGリプレイが好きというよりは、実際にやったことはないけど、ガープスのルールとルナルの設定がわかってるからなんだろうな。央華封神リプレイは途中で放り出したし。
 この文庫の表紙とイラストを描いてる人(たかみち)が、数日前にながながと書いた「果てしなく青い、この空の下で…」の原画を描いてる人と同一人物だというのは全くの偶然です。ていうか買ったのこっちが先だし。そのときは名前チェックしなかったし。


2000/08/04(金)

ヤングジャンプ2000年36号

 買ったのは久しぶり(武富智の読切が載ったとき以来)。いつ買っても雑誌のカラーが変わらん。ある意味ビッグコミックとためを張れる保守的な雑誌かもしれんなあ。
 買ったのは「夏の海で砂浜にふたりでしかも夜」(中野純子)が目当てなのだけど。目当てに買うほどおもしろくおもったわけではないし、このひとのまんがをとてもおもしろいとかいいとか思ったことはあまりないのに、なぜかこうやって雑誌を買うし単行本もけっこう持っている。そういう存在のまんが家ってだれしもひとりやふたり…いないかなあ。どうなんだろ。
 バラ餓鬼は十年後に飛びました。そうか幕末編は描くのね。清河八郎とか桂小五郎とか田中新兵衛とか、出てくるのかな。次号予告にはきたがわ翔の読切が載っていた。これはちょいと気にしておこう。

Heaven?(1)/佐々木倫子(小学館ビッグスピリッツコミックススペシャル)

 佐々木倫子のまんがを買ったのはほとんど10年ぶりくらいかもしれない。なのにこの違和感のなさはなんだ。全然変わってないじゃないか。
 動物のお医者さん、揃えようかなあ。4巻まで買って、いつでも買える思ったまんま10年ほったらかしだったんだけど。短編集も(ペパーミント・スパイ、とかだっけ)いくつか読んだことあるんだけど、さらに前だけに全然覚えてないや。そうやって考えるといつのまにかけっこうベテランなのね。変わらんけど。


2000/08/03(木)

モーニング2000年36号

 かわぐいかいじのこれは戦国自衛隊になるんだろうか。
 もはや女体盛りなしでも大丈夫、というのはマウスのことでもインドまぐろ子のことでもなくてまんがそのもののこと。「リーマンギャンブラー マウス」(高橋のぼる)の最後のページをまず見せて、前のページを言い当てた人は天才か変態かその両方か。だいたいこのおっさんはなぜ泣いてるのかもはや本人もわからんのじゃないだろか。
 「プラネテス」(幸村誠)が載ってるのはとてもうれしいのだけど、個人的なわがままを(いやほんとにただのわがままだけど)言わせてもらえるなら、これを最終話にして単行本全1巻という形がとても美しかった気もする。はなしのほうも最終話向きでもあるし。いやもちろんこれからも続くことに不平不満はいっさいないのだけど、でも次回から隔月連載というのは眉につばつけとくことにする。そういえばこれはモーニングと関係ないけれど、本格連載を開始した「デビューマン」(吉本蜂矢)はどうなってるのだろう。まあのんびり待つので別にかまわないですが。
 「オリンピックの世紀」(鎌田洋次/春場州太夢)は今回はサッカーねた。久しぶりに載った「えの素」(榎本俊二)は秋まで休載とのこと。「李さんちの物語」(黄美那)も載ってます。でもって今号いちばん印象に残ったのは、374ページの「働けバカ」でした。「DAY DREAM BELIEVER」(福島聡)、掲載順はどこでもよいからしぶとく頑張ってほしいです。
 次号、「心配右衛門」(いがらしみきお)「ガンダルヴァ」(正木秀尚)が新シリーズで登場。それはそうとして四季賞募集の熊倉隆敏の絵はえらく好みなのでした。次のシーズン増刊に載るとのことで楽しみ。

ヤングマガジンアッパーズ2000年16号

 雄皇で「おず」と読ませる名字もすごいけど、和月っつうのもけっこう変わってます。で、この芦奈野というのは芦奈野ひとしと関係だか因縁だかあるのかしら。というのはどうでもよくて、「イヌっネコっジャンプ!」(はっとりみつる)、快調です。
 「鬼斬り十蔵」(せがわまさき)はきれいな大団円。4巻出たら通して読むのだ。楽しみ。


2000/08/02(水)

 夜、コンビニの中にまぎれこんだセミ一匹。難渋する店員さんを笑ってみていたら、雑誌を立ち読む指をなにかがつかむ感触。見るとかめむし君がそこに。
 指で弾いたあと嗅いでみたら大丈夫だった。やれやれ。コンビニは巨大な誘蛾灯なのかな。

電撃コミックガオ!2000年9月号

 生まれて初めて買う。いや2回めかも。
 読んでみると、先入観を裏切って絵のしっかりしたまんが家さんが揃ってるのでした。そういう点では同じメディアワークスの電撃大王よりずっとなじむかも。おはなしの方はゲームっぽいのが多いですが。
 買ったきっかけは平野俊幸の読切「遠い約束」が載ってたから。いいおはなしなんだけど、もう少しコマ割りのリズム感とか絵の動きとか欲しいかな。それともこの独特のテンポはこのまんまでいいのかなあ。
 この雑誌のフラッグシップは「エルフを狩るモノたち」(矢上裕)「ぴたテン」(コゲどんぼ)の新旧ふたつ、という理解でいいのかしらん。コゲどんぼの絵はアニメ絵とお耽美系を足しで2で割ったような感じで、けっこうおもしろいと思ったです。ほかのラインアップは、

とこんな感じ。ざっと読んだ限りではEAT−MANとDARK EDGEが気になったかな。いや相川有は極楽丸読んで以来ずっと気にしてるのだけど。単行本から攻めるべきか、この雑誌からとっかかるべきか。


2000/08/01(火)

 仕事がはねたあと花火見物。帰り道、みなとみらい21地区に黄色い花がたくさん咲いてて、帰ってから調べたらやっぱりマツヨイグサだった。メマツヨイグサというちょいと花の小さい種類みたい。あんなに群生してるんだ。

近代麻雀2000年9月号

 目次を眺めるにつけ、まじめなまんがが多いな。ばか麻雀漫画がひとつふたつあってもいいかもしれない。読切「無敵王」(大滝鉄也)はこれはこれで立派なばかまんがだけど。


2000/07/31(月)

 横浜公園でクマゼミが鳴いてた。かなり驚く。関東にはいなかったはずなのに。
 試しに職場の同僚に聞いてみたらそういうセミは知らぬと言っていた。温暖化のせいなんだろうか。

鉄腕ガール(2)/高橋ツトム(講談社・モーニングKC)

 こうして見ると決めぜりふの連発だなあ。このひとの絵も判形がでかければでかいほどよいくち。単行本より雑誌。

墨野ん家の事情(1)/オオノサトシ(朝日ソノラマ・眠れぬ夜の奇妙な話コミックス)

 買おうか買うまいかけっこうな期間迷っていた本。キャラクター4コマっぽくて、これ同人誌より面白いのかなという失礼な先入観があったからだけど、読んでみたらやっぱりおもしろいじゃん。スチャラカなのりは同人誌と一緒。
 同人誌同人誌っつってるのはコミティア(等。なぜかうち2冊は札幌おでかけライブ)で買った「くずまんがWEB」のことです。これもなんとなくしばらく見送ってたんだけど、買ってみると面白かった。

ヤングマガジン2000年35号

 「しあわせ団地」(蓮古田次郎)はこれでしばらくお休み。今回の話はいまいちぴんとこなかった。個人的に化粧顔よりすっぴんのほうが好きだからか。
 どうなることかとみんなが固唾を飲んで見守っている(おおげさか)「すべてに射矢ガール」(ロクニシコージ)はこのまんまラブコメ突入なのか。だとしたらどうすんねんこの矢。


2000/07/30(日)

 連日いい天気だなあ。暑い。
 アニマルの「豪振王」は集中3回だった。扉に書いてあったのを見落とし。

バラ餓鬼(1)/壬生ロビン(集英社・ヤングジャンプコミックス)

 いい絵だなあ。週刊連載でこんな絵描いてたら倒れてもおかしくないわな。
 題材的にどこまで描くか、難しい話だとは思う。青春伝で止めとくのか、京都時代も描くのか、箱舘まで行くのか。どの選択肢もあると思うけど、お手並み拝見というところか。

シリウスの痕(2)/高田慎一郎(エニックス・ガンガンコミックス)

 脳みそだけ人間の「闘犬」がメインの業の深い話。とてもおもしろい(興味深い)テーマだと思うけど、話のテンポとギャグの間尺がどうにも合わんのよ。合わないでこれだけ読ませるんだからやっぱりとてもおもしろいのだけど。個人的にはなにかもったいない感があります。合う人にとってはすんごくおもしろいまんがかもしれない。

フォーチュンブレイカー/八神健(別冊ヤングジャンプ2000年8月15日増刊)

 再読。副主人公の女の子(伊万川)がかわいい。以上。
 おはなしはわりと普通ながらしっかりしてるんだけど。そういうことはどうでもいいくらい女の子がかわいい。このひとの絵はこの手の明るく前向き能天気な子を描かせたら百万馬力だ。ついでに判形が大きいとさらに倍。雑誌読んでこその幸せだなあ。
 まんが単行本が全部B5版になったらいいのに‥ってそれはかさばって置き場所が大変か。大変じゃすまんな。

果てしなく青い、この空の下で…(18禁AVG・TOPCAT)

 タイトルと絵柄(爽やかアニメ風。ジブリ系ともいうのか)と、廃校前最後の1年という舞台設定からして、こりゃ甘酸っぱいおはなしだなと思ってたらこれが大間違い。ホラーミステリでやんの。伝奇系の。最初にやったときは、はじめのうち甘酸っぱそうだったおはなしがあれよあれよと奈落に落ちていくのを呆然と眺めてました。

 すでに25時間以上を吸い取られてるこのゲームについては、絵柄が好みだとか音楽も好みだとか、文章がこの手のゲームとしては抵抗なく読めるとか、おはなしとしてもおもしろいとか、トータルエンディング以降はちょっと蛇足じゃないかとか、キャラクターのだれが好みでだれがどうだとか、書き出したらきりがないので2つだけ。
 ゲーム中に1度涙ぐんだシーンがあって、どっちかと言えば涙もろくないほうで、ゲームもそうだしまんがでも映画でも小説でも泣いたことはなかったのだけど。それがセックスシーンだったというのがこのゲームの特異さを象徴してます。それもああやっとこの娘と、というんじゃなくて、ああやっとこの娘も幸せになるのだなあと思うとつい、というそういう涙で。感情移入が女の子のほうに行っちゃた結果で、そうなるには十分すぎるほど、登場人物全員がひどい目に会います。ひどい目に会うのを楽しむ、という趣向では決してないのに。
 涙の原因には10時間ほど続けてやってたからハイになってたというのもあるだろうし、涙が流れたからいいゲーム(、いいまんが、etc、etc…)という物言いには懐疑的でもあるけど。ひどく感情を揺さぶられたのは事実です。

 もうひとつ。このゲームは主人公+女の子5人というふつうのギャルゲー構造をとっていて、途中で女の子の選択によってストーリーが分岐していくのだけど、分岐したあともほかの女の子たちはちょくちょく登場して、その言動が謎含みで、ひとつのストーリーだけだと、なんでそういうことを言う(する)のかがよくわからない。5本のストーリー甦部を見ればそれはわかるけど、こんどは5本がきれいに重ならない。微妙に登場人物の役割もできごともぶれている。そのうえ伝奇ものでおはなし自体も謎含みなものだから、プレイヤーは何がほんとうだったのかやりおえたことも釈然としないままです。
 この「真実はひとつではない」という感触が、意図して与えられたものなのかたまたまそうなったのかはわからないけど、そういう感じを伝えるのになるほどAVGはまんがよりも小説よりも向いてるなあと面白くおもったことです。まんがや小説でもできなくはないだろうけど、とんでもない技巧が要求されるだろうし。

 エロゲーはこれで7本めで、うちはっきり外れだったのは1本で、すごくよかったのは2本目だから、まんがに比べると打率は桁違いに高い。こういう言ってみればおいしいとこどりができるのは、(それは自分の好みをかぎ分ける自分の嗅覚の発達もあるだろうけど)Webで情報発信してくれる人がたくさんいるからで。このゲームも煩悩日記(Vetteさんとこ)を読んでなかったら買ってません。ありがとうございます、ってここに書いてもしょうがないけど。
 このゲーム、あんがいゲーム売り場には置いてません。DVDパッケージ(なかみはCD-ROM)だから探しにくいし。何軒か回って見つけました。

ヤングキングアワーズ2000年9月号

 今月号の迷彩君はあほらしくてよかった。読切「JUNK」(田口シゲオ)
 次号読切で西村竜登場。楽しみ。

快楽天2000年9月号

 おお、「LAD:UNA」(伊藤真美)が載ってる。久しぶり。
 「個体のヴァリエーション」(櫻見弘樹)がおもしろい。ほとんど男みたいな女(男っぽい女の子とは全然違う)が出てくる。エロまんがでは珍しそうなキャラクターで、こういう女に惚れるのと男に惚れるのととではどういう差があるんだろうなどと考えたり。「リベンジ」(ひよひよ)はその裏返しみたいな話で、罰ゲームで男風呂に放りこまれたつるぺた少女がたまたま入ってきた好きな男と‥なんだけど、これはどっちかというとギャグとしておもしろいかな。
 「酩酊文学少女」(朔ユキ蔵)は今回ちょっとひねり気味。むしろ駕籠真太郎が扱いそうなネタかも。相変わらず無意味路線を走る「ポテンシャル0」(道満晴明)、今回は個人的にはどんぴしゃりではなかった。ほかに「生意気な小天使」(月野定規)「I don't drink milk any more」(神寺千寿)「クローゼット▽」(町野変丸)「So Heavy」(華沢れな)
 おっと新連載「エヴァ−グリーン」(米倉けんご)を忘れていた。初回は姉弟。こりゃ男友達どうしとかそっちに行きそうな感じ。


2000/07/29(土)

ぴっぴら帳(ノート)(1)/こうの史代(双葉社・アクションコミックス)

 こうの史代の単行本がこうして読めるというだけで感慨ひとしお。雑誌で読むには4ページは少し物足りなくもあったけど、まとめて読むとなかなかいい感じ。各回の扉絵がいいのはいわずもがなだし。

ブラブラバンバン(2)/柏木ハルコ(小学館・ヤングサンデーコミックス)

 でかい体と英雄性と天才の資質と、それをもてあまして閉口する主人公ができた時点で、このまんがは勝ったも同然でしょう。周囲の人間をどんどん巻き込んで話が大きくなって。にしても変なまんがだ。実はかけあみだし。

不幸になりたがる人たち/春日武彦(文春新書)

 読んでおもしろい類いの本、ではなくて。人間はほっとくと不幸への道行きを選ぶことがあるという指摘は、強迫神経症とか不安神経症とかの人にはうれしくないというか読まないほうがいいというか(他人事のように書いてはいけない)。
 それにも増して「意外にも人間の価値観やものごとの優先順位は面倒とか億劫といったキーワードによって容易に入れ代わってしまうものなのである」「億劫という心性こそが、人間の行為を不可解にしたり人生を不幸にする大きな要素のひとつなのであろう」といった文章が、耳から血がでるほど痛い。トータルでみて最も面倒でない選択をするには頭を使う必要があるんだけど、それが面倒でさぼったばかりに痛い目を見たことはたくさんあるのだよなあ。あいたた。


2000/07/28(金)

モーニング2000年35号

 室井大資「キッス」が載ってる。高校生の青くさいおはなし。
 この人はドラマの見せ方がうまいなあ。自分のストライクゾーンからは微妙に外れているのだけど、たまらん人はたまらんでしょう。
 四季賞募集イラストに榎本幸居。この人のまんがも読んでみたい。

ヤングアニマル2000年15号

 「豪振王」(笠原倫)はすべりだし意外と普通。ひょっとしたら盛田のほうが中村紀洋よりおもしろい(or変わり者)ということか。ところでこれ何回載るんだろ。
 「拳闘暗黒伝セスタス」(技来静也)再開。まだ先長そうだな。
 次号に「うさぎ」(宇仁田ゆみ)掲載予定。

夜は眠らない/長崎さゆり(集英社・ヤングユーコミックスワイド版)

 らいオリの「エブリディ」で名前を知った人。ミステリー仕立ての短編3つ、おはなしはわりと女性まんがでよくあるような人間の妄執(というと言葉がきついか)にまつわるもの。作画がけっこう好み。ほかの本も探してみようかな。

お迎えです(2)/田中メカ(白泉社・花とゆめコミックス)

 こりゃいいや。わかつきめぐみをウォームアップしたよな感じ。わかつきまんがはどっちかっつうと涼しげなんだけどこれはそういう感じじゃなくて、もっとこうふにゃふにゃと。
 収録されてる読切「無敵のハートビーター」がこれがまたいい。大笑いもできてなおお得。


2000/07/27(木)

アナベル・クレセントムーン/中井紀夫(電撃文庫)

 ふつうの剣と魔法のファンタジー。読後感もふつう。
 この人のそっけない文体だと、ふつうの物語はいまいちぴんとこないのだなあ。やっぱり能なしワニの素っ頓狂さやタルカス伝の破天荒が似合うなあ。タルカスは売れてほしかったなあ。もったいない。

サムライガン(4)/熊谷カズヒロ(集英社)

 変わらずおもしろい。沈鬱な偽史。

はちがつのうさぎ/水原賢治(大都社)

 開けてびっくりエロばっか。大都社はエロも出すのか。エースダッシュ掲載の「トンネル」収録はうれしい。

マガジンZ2000年9月号

 読切「陰陽天界 超腕導」(和田龍)


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