ときどき日記(20010401〜20010415)

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2001/04/15(日)

 サクラが終わればツツジの季節。団地っ子だった自分にとって、ツバキとツツジは幼少時の遊び道具でした。ツツジは甘い蜜を吸うもの。ツバキはつぼみをちぎってむくもの。
 前者はともかく、後者は今になるとひでえことしてたもんだと思います。猿のらっきょ向きに近いものがあったのか。

星界の戦旗(3) 家族の食卓/森岡浩之(ハヤカワ文庫JA)

 なんだかえらく久しぶりの続刊だなと思って調べたら、2巻から2年7ヶ月開いてた。おかげて出てくる登場人物の半分以上がわからんまんま読む羽目に。もともとこの小説の設定にもとづく独特の用語にはあまり興味がそそられず、そのへんけっこうすっとばして読んでるせいか、前巻までの展開で覚えてるのは前巻ラストくらいだったりします。ひでえ読者だな。
 それでも読めてしまうのは、語弊のある言い方かもしれないけど、この小説がキャラクター小説であるということなのでしょう。ジントとラフィールと、曲者ぞろいの脇役たちの物語。同作者の「機械たちの荒野」や「月と炎の戦記」もやっぱりキャラクター小説と言えば言える小説で、そのあたりを考えると、構造的にはでっかいお話を要求されるこのシリーズが作風にぴったりかどうかは微妙なものがあるかなと、読みながら思ったりしました。
 それでもこのシリーズ、一時期和製SFの新作を読もうにもこれしかない時期があったせいもあって、自分の中でやや特別な位置にあることに変わりないし、たぶん完結までえんえんとつき合っていくことになるのかなと今のところ思ってます。完結するとしてもずいぶん先の話になりそうだけど。

ゾンビ屋れい子(3)(4)/三家本礼(ぶんか社・ぶんか社コミックスホラーMシリーズ)

 死体をゾンビ化し下僕とすることができる、という能力設定もさることながら、それを「ゾンビ屋」と名づけてタイトルにしてしまうセンスがすごい。初めてこのタイトル見たの、同人作家である紅茶羊羹さんの日記でした。
 ホラーでゾンビ屋だから当然スプラッタなのですが、このまんがの特徴は、いくらなんでもこいつは死なんだろうという登場人物まであっけなく死んでしまうとこにあります。3巻巻頭の登場人物紹介に出てくる7人のうち2人はもう死んでるし、1人はゾンビだし、主人公からしてほとんど死んでるようなもんだし(ラムレーズンに狂喜する死人…)。そのへんの割り切り方が独特のドライブ感につながってるのでしょう。
 基本的にホラーコミックは守備範囲外なのですが。喜んでこれ読んでる理由は、ひとつには年くってもろもろの感覚が鈍くなったというのがあるかもしれないです。3巻途中でひとくぎりのあと単発のおはなしが続いてたのですが、4巻終わりでまた大きめの話が立ち上がってるので、まだまだ先に続きそう。たぶん、終わるときはあっさりだろうけど。

L/TOPCAT(18禁AVG・PCソフト)

 原画(あんみつ草)とメーカーから気になってたところ、たまたまワゴンセールで見つけたゲーム。行き場所を選んで一日の行動を決めていくタイプのAVGで、たいへんプレイしやすいギャルゲーでした。すっごくかんたん。そのかわり特徴もとくになし。初心者むきなのかしらん。
 このブランドの18禁ゲームをやったのは「雪色のカルテ」「青空」に続いて3つめ(順番としては青空の前作)で、えらく時間がかかると聞いてパスした「WORKS DOLL」も含めてそれなりに時間の必要なゲームが多い印象があったのだけど、こんなお手軽にできるゲームも作ってたんだ。ぼうのうと原画で夏発売、まで決まってる次回作(タイトルはまだ覚えてない)はどんなになるのかな。

コミックバーズ2001年5月号

 東城和実の新連載「いちばんっ!!」、あおりは「熱血スポ根新連載」となってるけどこのひとがそんなもの描くのかほんとに。主人公とライバルらしき男の両方とも、1話目にしてそうとう頭がおかしそうだし。前作もそうだったけど、こんなに前置き説明なしにおはなし始める作風だったっけなあ。
 「れ・り・び」(ともち)は未だ助走中、今回作の出だしははずいぶん引っ張るな。その作品世界が全貌を表わしつつある「Marieの奏でる音楽」(古屋兎丸)はすごいことになっていて、すごいことになってるぶん次回1回休みなのもよくわかります。ラストに向けて力をためるところでしょう。2か月連続で目次に載ってる「おさるのムード」(玉木満)はひょっとして連載化したのか。

新連載:「いちばんっ!!」(東城和実)
読切:「DEAD SPACE」後編(SUEZEN)・「おさるのムード」(玉木満)

零式2001年28号

 読切「博士のストレンジな愛情」(瀬奈陽太郎)がおかしかった。ハエ男方式で猫娘作製。雄猫の生殖器には逆毛が生えとるそうです。そうですか。
 いきなりすっぱだかの女性が走り去るところから始まる新連載「TAG」(すえひろがり)。このひとらしい滑りだしなのかな、と思います。恥ずかしいことは気持ちいい。「としうえの魔女たち」(むつきつとむ)ではせっかくいったん落ち着いた人間関係がまたぞろ動き出す。後半戦のキーパーソンもやっぱり美夏になるのか。
 「ほっと・すぽっと」(才谷ウメタロウ)は夢おちみたいな感じでの締めくくりになりました。SF設定そのまんまで押し切ってくれた方がうれしかったかなあ。まあ道中は十分楽しめからいいか。読切「たばこ屋」(之瀬ハルオ)は夢を持ってる女性と出会って一緒にというよくある話に見えて、夢につきもののリスクを承知のうえで、というあたりがこのひとらしいところ。「危なげな人生は/ますます危なげになったが」というあたりがリアル。それでもあえて背負うのが業というものなのか。
 ももえはヤニ。単行本を作者の母親が読んだんだって。「ちっとも風紀委員の仕事してない」と指摘したんだって。だからヒロイン交代だって。どうせこの子もろり子みたくひどい目にあうんだそのうち。んでもって名前まで変わるんだ。万物は流転するなり。

新連載:「TAG」(すえひろがり)・「幽体離脱▽妹」(まいとしろう)
読切:「六道くんの言えない理由」(きお誠児)・「さくら」前編(鬼魔あづさ)・「楽園」(まぐろ帝國)・「博士のストレンジな愛情」(瀬奈陽太郎)・「幸福恋愛講座」(宇佐美渉)・「コグマ注意報」(拓人)・「恩」(夕雅紅葉)・「たばこ屋」(之瀬ハルオ)

少年ガンガン2001年5月号

 「PON!とキマイラ」(浅野りん)のここのところの展開、ラストスパートだったのか。次回最終回、その前に主要人物の主要な感情にひとつの決着が。ネタバレになるんでこんな書き方になってしまうけど、どのみちこうならざるを得なかったのだろうけど、悲しいシーンを見せられてこっちまで悲しくなる。大丈夫、またいつか花咲く日もくるさ。たぶん。
 「ARTIFACT;RED」(木村太彦)はやたらシリアスな内容。どうしたんだいったい。ギャグと熱血は紙一重ということなのかしらん。

コミックビーム2001年5月号

 とうとう最後の祭が幕開いた「BAMBi」(カネコアツシ)。祭が終わったとき立っている人間はいるのか。無敵の少女はついに無敵のままか、それとも。
 新連載「象の怒り」(吉田戦車)を見てまっさきに思いだしたのはヒッチコックの「鳥」…ではなくて、川又千秋「火星人先史」でした。あっちはカンガルー、こっちは象。立ち向かうはとりあえずスパイ1名。象は数千万頭。シリアスですたぶん。
 「敷居の住人」(志村貴子)ではちあきがどんどん家庭的になっていく。その志村貴子がひとこま描いてる「かねひらだもの」(金平守人)は来月からタイトル変わるんだか変わらないんだか。その前に載ってる読切「躍る島の昼と夜」(深谷陽)はお手のものの南の島はバリが舞台、今回は昼のバリではなく夜のバリ。南の島の呪術。ビーム登場は去年7月号以来です。
 でもって今月号も「よみきり▽もの」(竹本泉)がおかしい、ほんとうにもうおかしいったらない。今回の主人公は「美人で頭もよくて運動もできて、あろうことか性格までいい」女の子、ただし奇怪な笑い声の持ち主。以下は直接読んでお確かめください。いやほんとに好きだわこのシリーズ。

新連載:「象の怒り」(吉田戦車)
読切:「踊る島の昼と夜」(深谷陽)


2001/04/14(土)

 今週は結局、その日のうちに帰れた方が少なかった。やっかいごとは手をたずさえてやってくる。実際はそうとは限らないけど、手をたずさえてこられると友情パワーで楽しさ倍増。まあそれでも一発KO級のやっかいごとがひとつだけ、よりはいいのですが。

モーニング2001年19号

 山田芳裕が前後編読切「いよっおみっちゃん」で登場。侍もの、ただし主人公は女。前半は顔見せ程度だったこの主人公が後半暴れることになるのでしょう。さすがに上手いもんだ。
 「オーダーメイド」(高梨みどり)は珍しく荒事ありの展開。それでもこのラストに落ち着くのがこのまんがらしいところでしょう。「純喫茶のこりび」(いとう耐)はうれしい連続登場。

ヤングアニマル2001年8号

 「コイズミ学習ブック」(こいずみまり)が最終回。こういうのも大団円というのか。いつのまにか3年も続いていたのだな。
 「ベルセルク」(三浦建太郎)はガッツが故郷に帰ったとこから始まる新展開。しょせん故郷で平穏に暮らす展開が待つわけもなく。新連載「蛮勇引力」(山口貴由)はのっけからなにがなんだかわからん内容で、むやみにパワフルなことだけは確か。絵柄は全然違うけどどこか岡田芽生のニライカナイに通じるところがあります。奇矯な言語感覚とか。
 「ああマニア」(サカタタカシ)「鬼っぷり。」(えりちん)とふたつ載ってる読切は、どっちもひどい話なギャグまんが。後者はいい話にもってくのかと途中思ったけど外れだった。読切はもうひとつ、4コマ「今日はここまで」(小山田春蔵)が載っています。

まんがタイムジャンボ2001年5月号

 いつもどおり「エン女医アキラ先生」(水城まさひと)「ただいま勤務中」(辻灯子)「ひまじん」(重野なおき)。特記事項なし。もう少し楽しみな連載が増えるといいな。

ヤングコミック2001年5月号

 これまた特記事項なし、「ナルミさん愛してる」(山川直人)「蛙の王子様」(池部ハナ子)。どちらも単行本にはならなそうだからなあ。ナルミさんは途中まで同人誌にまとまってはいるのですが。

ヤングキングアワーズ2001年5月増刊号

 どんどん増殖するアワーズ系雑誌の新増刊。次は7月発売予定と書いてあるから、単発じゃなくて季刊ペースくらいで出るのかもしれない。ラインアップはこんな感じ。

 「SATTELITE LOVERS」は読切を連発して元気のよかったころのアワーズに載ってた好短編。なんだか懐かしいな。しかしこれ、単行本に収録されてないのかしらん。「スパイダーズレコード」は開放感のある絵が気持ちいいです。このひと、単行本も出してるひとだったのか。
 結果的にこれのために買ったことになる気もする「ホーリーブラウニー」、内容は激漫でときどき載ってた同名エロ付きブラックコメディと同設定。のみならずおんなじような内容。つまりおなじまんがというかあれの続きです。こっちはエロ誌じゃないんだしなにもエロシーンまで同じように入れなくてもと思うけど、たぶんこれわざとやってるのでしょう。こりゃしかし単行本になりそうな雰囲気だな。

コミックドラゴン2001年5月号

 「やえかのカルテ」(武田日向)「みかんとさくら」(紗夢猫)と新連載がふたつ。「みかんとさくら」はほんとにうどん屋が舞台だったのか。目次ページのあおりには「新感覚フードラブコメ」とあるけど、このひとのことだからどうせただのラブコメにはならんでしょう。とりあえず楽しみ。
 しんどい展開の「テスタロト」(三部敬)はどうやらお話の方向性がはっきりしてきました。しかしこれは茨の道だなあ。「クロノクルセイド」(森山大輔)は嵐の前、「ファントムウィザード」(大森葵)はどうやら出口が見えて、「モンスター・コレクション」(伊藤勢+安田均)は打ったばくちがどっちの目にでるか。ほかに「LoveSongs」(きみづか葵)「FROM DUSK TILL DAWN SAGA」(阿部忍)と読切がふたつ載ってます。


2001/04/11(火)

 ここ二日くらい、半袖でも厚いような陽気。歩くと汗が出るし。そんなに急がないでも。

黒いチューリップ(6) 愛と死をみつめて/東城和実(新書館・ウィングスコミックス)

 このひとのまんが、のほほんラブコメ、SF系シリアス、バカまんがと大きく3つに分けることができるけど、これはいわずとしれたバカまんが系の代表作。ろくでもねえじーさんのせいで改造人間にされてしまった主人公と、どういうわけか主人公(男)にぞっこんの悪の組織の総帥(男)の間で繰り広げられるどたばたは、1巻からほとんどなんの進歩もないです。いちおう幼なじみが女子大生になってたりと時間は経過しちゃいるけれど、ほぼ経過してるだけ。へらへらと笑って読めるから、頭が死んでるときにはこういうまんがは助かる。
 若干ラブコメ要素はあるし、「ぐるぐるジャングる」ほどわけわかんなくもないこのまんがですが、これやっぱり代表作ということになるのかなあ。そう言われるのって作者にとって本意なのだろうか。本意なら本意でいっこうにかまわんのだけど。

エースネクスト2001年5月号

 桃組に掲載された「最近のヒロシ。」(田丸浩史)がこちらで連載に。登場人物を容赦なく笑い物にする筆致は、エッセイまんがでは躊躇なく自分に向かうのでした。これでラブやんとマリアナ伝説と連載が3つか。仕事してるなあ確かに。
 「BLOOD THE LAST VAMPIRE」(玉置勉強+Production I.G)「アルジェントソーマ」(現津みかみ+矢立肇・片山一良)が最終回。「まり子ちゃま2001」(大橋薫&楠桂)「コモン2」(小本田絵舞)とシリーズの「メイル10」(山崎峰水)が読切で掲載。まあとりあえず「地球美紗樹」(岩原裕二)が載ってるうちは購読続けます。あと田丸も。


2001/04/09(月)

 最近固いものを食ってないせいか、あごの力が弱くなってるような気がします。これはいかんと思いつつ、何を食えばいいのか思いつかない。するめ?

ヤングマガジン2001年19号

 今週は「バカ姉弟」(安達哲)の週なのだけど…1頁2頁3頁の展開はよくあるけど、ラスト4頁がすばらしい。脱帽です。

近代麻雀オリジナル2001年5月号

 巻頭カラーで始まった新連載「ブラフ」(沖本秀子)。世間をなめていたガキが麻雀を通して変わっていく、というようなお話になるのかな。絵は渋沢さつき−伊藤誠系のシャープな感じ。まずはお手並み拝見ということで。
 「タイル」(大武ユキ)はなにやらハードなことに。「我らの流儀」のあのころが音を立てて壊れてくような展開で、読んでていささか複雑な気分です。こいつらには幸せになってほしいんだけどなあ。読切「天使の罠」(若林健次)はだましたつもりがだまされた、と思ったらさらにもう一枚というような話。このひとの登場人物はやたら冷や汗が似合う。読切はもうひとつ「束」(張慶二郎+荒正義)が載っています。


2001/04/08(日)

 天気がいいのでぶらぶら歩き。ペンペングサってそこらじゅうに生えてるのだなと実感。ペンペングサのペンペン部分が実であるせいで、実がなる時期でないとそれとわからないだけらしい。
 今日はホトケノザが隣で咲いてるのも見かけました。ホトケノザをそれと認識して見たのは初めてかもしれない。

市立戦隊ダイテンジン/六道神士(大都社・大都コミックス)

 伝説の(らしい)エロまんが誌カイザーペンギンに載っていた、伝説の(こっちは半分ほんと)作者初連載作品。このたびよもやの単行本化となりました。高値を呼んでた(らしい)中古同人誌に手を出した人はさぞやと思ったら、本の中でわびが入ってます。律義な。
 内容は正義の味方みたいなかっこをした男4名女1名が、乱暴狼藉破壊の限りをつくすというおはなしです。はじめは掲載誌にあわせてエロ方面の乱暴狼藉もあったのが、回を追うごとにどんどん減っていくのがおかしい。5人中3人が同じ顔でエクセル・サーガに登場してたり、蒲腐博士やエクセルやイルパラッツォ様が出てきたりしてるけど、まんがとしてはエクセルとは全然別物。同じ毒入りでもあっちは漂う気体のようで、こっちは液体。しかも展開がやたら早くて、ホースから噴出したかのごときスピード感と勢いがあります。トイレを流したようなでも可。それでもこれが、エクセル・サーガの孵化器というか培養体というか、そういう存在であることは間違いありません。
 そのほかデビュー作ほか3作(ラブコメ含む)を収録した初期作品集になっているこの本、買う人はほっといても買うに違いありません。そのへんは作者もわかってるみたいで、あとがきに「初見の方はおそらく少数なのでしょうが」とあったのがおかしかった。いやでも個人的には本になって大変うれしうございます。

ナッちゃん(3)/たなかじゅん(集英社・ジャンプコミックスデラックス)

 町工場舞台のおはなしもこれで3巻め。展開上の必要でなんぎな爺さんとかなんぎないとことか出てきていろいろなんぎなことがあったりするけれど、話のキモはやっぱり、お得意さんの無理難題をクリアしていく主人公のみごとな工夫とわくわくする作業過程でしょう。「ドリルで金属にグリグリっと穴をあけるシーンが好き」と言った読者の人がいるらしいけどその気持ちはよくわかる。読んでてすんごく気持ちがいいのです。ジャンルを問わず、熟練した技術というのは見てる分には楽しいものということなんでしょう。習得するのは大変だけど。
 ところでこの単行本、まんがにはさまっていくつか作者の書いた文章が載ってるのだけど、そのうちのひとつにインターネットで見かけたこのまんがの感想について触れた個所があって、それがどうもうちのサイトのことらしいのです。びっくりすると同時にうれしいやら気恥ずかしいやらで赤面する羽目になりました。というわけでこのまんがの舞台は「近畿地方のとある地方都市」とのこと。牟婁はどうやら実家のほうということのようで、一般性を持たせるためというのがあえて「とある」都市にした理由のひとつだそうです。もうひとつ理由があるそうで、頭をひねったんだけどわからなかった。なんだろうなあ。

ななか6/17(1)/八神健(秋田書店・少年チャンピオンコミックス)

 心が6歳に戻ってしまった17歳の女の子と、幼なじみの男の子。どうやら一部で大受けらしい設定で始まったまんがです。たしかにこのひとの絵はこの設定にどんぴしゃりだけど、どちらかといえばこの絵で年のいった女性を描いてくれた方がうれしいんだけどなあ。まあおれ個人の趣味は措くことにします。
 思い返せばこのひとのまんが、心と体の遊離する設定が多いような気がする。きりんはちょっと毛色が違ったけど。ちなみに連載にさきがけて載ってた前後編は収録されてません。なんでだあ。後編読み逃して悔やんでるというのに。

危険がウォーキング(1)(2)(3)/星里もちる(エンターブレイン・ビームコミックス)

 星里もちるのデビュー作にして初単行本作品の復刊です。いまをさかのぼること10数年、1986年〜1988年に雑誌掲載されたまんが。徳間書店から出ていたオリジナルはしばらく前に絶版になってたのだけど、めでたくこのたび復刊されました。
 内容はラブコメです。ニトロの汗と涙を流す少女・岡原佳枝と、ギャグに命をかける優しい少年・牧野いくろうの、真っ向勝負のラブコメ。ふつうラブコメって恋愛関係が成立するまでのあれやこれやがむしろメインだったりするのだけど、このまんがは第1話にして恋仲になったふたりは、最終話までゆるぐことなくそのまんま。それゆえ読んでいてかなり恥ずかしいシーンやセリフがたくさん出てくるのだけど、それこそがこのまんがが真っ当なラブコメであることの証しでしょう。プラス方向の感情に限定すれば、この世に恋愛感情くらい恥ずかしさを伴うものはないのです。たぶん。
 「徳間時代の星里もちる少年まんが」に特別な思いのある人間にとって、今回の復刊はたいへんうれしいできごとです。ハーフな分だけ・りびんぐゲーム以降小学館時代の作品しか知らない人も一度おためしあれ。この本がそれなりに売れて、次にわずかいっちょまえといきばた主夫ランブルも復刊されないかなとひそかに夢みています。とくにわずか。あれが復刊された日には踊ってやる。

SF/フェチ・スナッチャー(2)/西川魯介(白泉社・ジェッツコミックス)

 3冊目にはそっと出し(うち1冊は屈折リーベ)の2巻めは完結巻。ラストはいい話っぽく締めくくってるけど、こうなるともうどれがパロディでどれがほんとかわからんや。この巻に収録されてる5話は、よりエロまんがよりバカまんがへと傾斜してるような気もするなあ。
 同時収録で「女子高メルヘン 死霊のプールびらき」「痛快 百物語」「蜻蛉日記」「強襲 ミドガルト蛇」「ロスト・アーネンエルベ」と読切が5つ入ってます。それぞれコミドラ、アワーズ2001、同人誌、キャプテン、同人誌が初出。うち3つには珍しく眼鏡っ娘が出てこないけど、そもそも人間の女性が出てこないだけの話でした。このなかでは「蜻蛉日記」が一番好きかな。1巻目に収録されたキャプテンでの初期作品と同じように、口きくとんぼと青年のなんということはないおはなしです。このなんということなさがいいのだ。
 あとはコミドラ発表の「へなちょこヴェアヴォルフ」とビームに載った「ク・リトル・リトル・マーメイド」くらいになったのかなあ、未収録作。「へなちょこ〜」はけっこうよかったので、いつかどこかで収録されるといいな。


2001/04/07(土)

 木崎ひろすけの訃報はショックでした。最初のショックのあとに来たのは寂しさ。もう新しいまんがは読めない。そう思うといいようのない寂しさを感じます。
 決してメジャーではないまんが家の、しかも未完の作品を再販することは、商業的にみてたいへんむずかしいでしょう。でもいつか、単行本未収録分も含めた形で、代表作であることが確定してしまった「少女・ネム」が復刊される日がくることを願ってやみません。5年後でも、10年後でもいいから。せめてもう少し多くの人が、故人のまんがを知ることになれば。そう思います。

モーニング2001年18号

 連続掲載の「プラネテス」(幸村誠)、後編はかなり意表を突く展開。ハチマキはもとのハチマキに戻って木星を目指すことになりそうで、正直ほっとしています。作者に感謝。「リーマンギャンブラーマウス」(高橋のぼる)は今回純愛もの、ただし女体盛り付き。「純喫茶のこりび」(いとう耐)が2回目の掲載。定着するといいな。

コミックライズ2001年5号

 「桂川さん…」(鷹久邦弘)中編が掲載。あいかわらず性欲駆動の主人公なのでした。
 読者ページにおがきちか=花丸木リカの絵が載ってたのでイラスト担当かと思ったら、同人誌の紹介だった。ちなみにエロ同人。

ヤングアニマル増刊嵐2001年1号

 定期刊行化したみたいです。買うほうにとってはありがたい。
 巻頭カラーで始まった「ヘウレーカ」(岩明均)はローマvsカルタゴの時代の話。紀元前です。初回でハンニバルが登場、アルキメデスも名前だけ。いずれスキピオとかも出てくるのかな。大小どっちだっけ。それとも時代が違ったか。
 「口には出せない」(二宮ひかる)はナイーブの後日譚。幸せそうでなによりです。いやほんとうに。これも新連載らしい「アニィCRAZY」(笠原倫+山内雪奈生)はあいかわらずこの作者らしく無茶なまんが。アイスピック頭に突き立てたまま動かんでくれ。いつのまにかシリーズ5作目になっていた「だって愛だもん」(橘裕)はこれで完結らしい。おセンチ小説をものする女子高生小説家、ということになってる男子高生が主人公のまんがで、少女まんがでも通用する話だったような気もします。作者は少女畑のひとだし。単行本は買おうかな。
 「肌色ソーダ水」に続く宮野ともちかのデビュー2作目「reason」は、おねえさんが好きな少年と、少年が好きな少女と、3人をめぐる話。どこかはかなげな描線はあいかわらず魅力的ながら、今回は少年の心境変化がやや唐突かなあ。この設定でこの展開で説得力を持たせるには単行本1冊くらいのページ数が必要な気もするし、24ページではやむを得ないのかも。また次に期待します。
 「ハレエション」(宇仁田ゆみ)は作者久々の続きもの。会社と外とで180度見せる顔が違う女性に主人公の男性がとまどうところまでで第1回は終わり。なかなか後をひく展開で楽しみです。何回くらい続くのかな。

コミックフラッパー2001年5月号

 「女神の鉄槌」(新居さとし)が巻頭カラーで新連載。同人誌でさんざん読んでるので最初は気づかなかったけど、考えてみるとこれが商業誌掲載2回目なので、大抜擢と言っていいのかも。大食漢でびんぼでおのれを中心に世界を回している暴走少女という例によっての主人公、就職先は地球防衛隊。このひとのまんがだから怪獣がやってきて戦ってというより、それ以外というかそういう以前のところでの騒動がメインになるかもしれない。まずは楽しみです。
 今月号は読切がたくさん。変なタイトルで目次にも載ってない「7泊8日のIT革命 TATSUYA DVD」(三浦健児)、内容は女の子が学校の休み時間に突然ビデオの返却期限がまずいことになってるのを思いだし、うわー延滞料金でおこずかいがなくなる急げ急げ大変だと自転車で疾走したあげくになぜか犯罪者の人質に、いやだー目の前でれんた屋さんのシャッターがあくようどうしてくれるのよう…というような話。ばかばかしくおかしいまんがで、それがちゃんと伝わってくるということは実はまんがが上手いということなのでしょう。楽しみな新人さんです。「怪獣の作り方」(本山理咲)は怪獣ショーでヒーローを演じる主人公が、かなったかに見えた子供のころの夢と現実のギャップに苦しむおはなし。さらりとまとめたラストはいいし、そもそもこのひとの絵とまんがはかなり好きだし。いろんなところに単発で描いてるのでなかなか追い切れないのがもどかしくもあります。単行本にまとまったりしないかなあ。
 「アスミの桜」(柳沼行)は「2010年の打ち上げ花火」から続くシリーズ。主人公・アスミが中学生に成長してのおはなしです。純粋なおはなしの内容はこれまで同様。あともうひとつ「リターン4」(守安啓行)が掲載されてます。
 連載陣では登場人物の回想編にはいった「雲のグラデュアーレ」がやっぱりいい。単行本はもうすぐ。楽しみ。


2001/04/06(木)

プロ野球データ事典/坂本邦夫(PHP研究所)

 ここでは基本的にデータブック図鑑辞典のたぐいについては書かないことにしてるのですが。例外的に触れることにします。
 仕事帰りに寄った本屋に、この本は置いてありました。ベースボール・レコードブックの隣に見かけたそれはデータブックとしては分厚くはなくて、「どうせ歴代タイトルホルダーとか今年の選手名鑑とか球場データとかそんなのが載ってる本だろう」と思いそのまま立ち去りかけたのですが、いやいちおうと思い引き返して中身を確認することにしました。虫の知らせ、というやつです。
 手にとって開き、内容を理解するまで5秒。思わず「すばらしい」とつぶやいてました。いや内心つぶやいたとかつぶやくほどだったという比喩とかじゃなく、ほんとうにつぶやいてたのです。立ち読みしている人の隣で。恥ずかしかった。
 この本の内容は、1950年2リーグ分裂以降の、12球団+松竹西日本大映高橋の毎年の代表的スターティングメンバーとその他の主な選手、及び主に登板した投手のリストです。野手では打順守備位置試合数打数安打数本塁打数打点打率、投手では登板数勝敗セーブSP投球回数防御率付きの。加えて5年ごとの球団成績概略と年ごとの主な入団・トレード選手。それだけです。それだけじゃよくわかんないとか、それだけの本のどこが素晴らしいのかと思った人は、この本を必要としてない人なのでご安心を。例えば1979年日本ハムの、島田誠−富田−ユーイング−柏原−ミッチェル−古屋−高代−加藤俊−菅野という顔ぶれを見て、または別の年の別の球団のスタメンを見て、涙が出るほど懐かしいと思う人。あるいは高橋球団の1年目のメンバーを見て、へえスタルヒンや武末がいたんだと生まれてもいない頃のことで感心する人。そういう人がこの本を買っていくはずです。たぶん、ほっといても。
 偶然にも1週間くらい前、個人別生涯成績はデータブック見れば調べられるけど、ある年のスタメンがどんなんだったかってなかなか覚えてないなあ、一度まとめてみようかなあ、でも手間がかかるなあ、などと思っていたばかりでした。「うんざりするほど『正』の字を書いて」この本を作りあげた著者と協力者の人たちに、心底からの感謝の気持ちと賛辞をささげます。こういう本が欲しかったんです。


2001/04/04(水)

 日本の首相があほでも日本が困るだけだけど、アメリカの大統領があほだと世界中が困るということなのか。最近の彼の国のジャイアンぶりは素晴らしいものがあります。アメリカがああなのはたぶん大統領のせいだけじゃないだろうけど。日本がそうであるように。

ヤングマガジンアッパーズ2001年8号

 シリーズ「ほぐし屋 捷」(村田ひろゆき)と読切4コマ「夫婦汁パーフェクト」(さるりんコフスキーごうだ)が掲載。「月球」(土田世紀)が最終回。話が進み出したかに見えた「イヌっネコっジャンプ!」(はっとりみつる)はまたもや番外編的に停滞。こういうまんがだから停滞は全然OKなのだけど、しかしまともな登場人物はおらんのかこのまんがにゃあ。和月だけが心のよりどころだよ、とか言ってたらあっさり裏切られたりして。やだなあ。

少年ガンガン2001年5月号春季臨時増刊号・ガンガンパワード

 臨時増刊ってなんとなく不思議な日本語なような気もするけど。まあいいや。
 本誌連載陣を播き餌に若手の読切をたくさんというスタイルはこういう増刊ではオーソドックスなスタイル。その播き餌の中にバウンドでやってた「アストロベリー」(金田一蓮十郎)が混じってたのには少しびっくりしました。続きは単行本に向けて描きおろすとのことで、ハレのちグゥの変な部分だけ抽出したような怪しいまんがなので単行本は楽しみ。それまでは本誌連載は月1本が続くのかな。
 播き餌(播き餌播き餌っつったらおこられるか)の中にはもうひとつ、現連載の前にやってた「1/Nのゆらぎ」(土塚理弘)が。これはこれで十分おかしいけど、個人的な好みとしては「清村くんと杉小路くんと」のほうが上かな。あっちのほうがタメがきいてる感じで。
 若手読切の中ではやはり「IIIの勇者たち」(山崎風愛)がいちばん完成されてます。デビュー作「DOME CHILDREN」と同様にきれいでやさしい物語。もう一枚なにか特長が加わればすんごくよくなるだろうな、という感想もデビュー作と同じ。絵柄は冬目景フォロワーの「妖幻の血」(赤美潤一郎)はダークな話でなかなか読ませる。テンポのはずれた登場人物の言動がおかしい「A10」(巣山真也)絵のほうもけっこう好み。中国拳法ファンタジーとしてはオーソドックスなつくりの「邪封師」(佐々木少年+ほしのてつろー)もしっかりしたまんがでした。
 こういう増刊って読むのに時間がかかるけど、定期発刊/購読誌とは違った楽しみがあります。ときどきとんでもない読み切りが載ってたりするし。


2001/04/02(月)

 人事異動後の初日、郵便物1通、旧い知り合いからのメールが2通。いろんなことが同時に起こって頭がくるくるしてます。そのうえくるくるを整理する時間がない。仕事中もちょんぼ2回で同じ作業を3回繰り返すはめになったくらいだし、くるくるしてるのは元からという説もあるな。春はいかんのかなあ。

ヤングマガジン2001年18号

 「ガタピシ車でいこう!!」(山本マサユキ)が載ってます。今回は目次にも。しかも女の子まで登場。しかし一見かわいい女の子は後半暴れるのでした。
 このたびは単発での登場「しあわせ団地しじみ汁しみじみ」(蓮古田二郎)は例によってみみっちくももの悲しい内容。しかしなぜそんなにはじめに気を使うのださなえ、いいじゃんほっとけば。それともこれが夫婦の機微というやつなんでしょうか。しみじみ。

近代麻雀2001年5月1日号

 「カリフラワー」(市川智茂)が新連載。表紙にはきれいなおねいさんが描いてあるけどだまされてはいけません。横目でにやけてるむさい野郎が主人公です。アクション時代から思い返してみても、このひとは本質的に男が描きたいのかなあという気もします。
 「牌賊!オカルティ」(片山まさゆき)は決勝戦決着、予想ははずれ。このあとの展開がむつかしいような気もするけどどうするのかな。「萬(ONE)」(本そういち)のほうも予想は外れ、もってきたのは一筒でした。これはこれでオカルトな打ち方と呼んでいいものか。


2001/04/01(日)

 雪まで降った昨日とは一転しての好天。桜はなんとか持ってくれたみたいです。桜だけではなく、よく見るといつのまにかそこらじゅう花だらけなのでした。今日から4月。

ヤングキングアワーズ2001年5月号

 読切「マブ天新城」(井上博和)がいい。人間関係にくたびれビルから飛び降りようとしている少女の前に、変な女の子があらわれる。天使研修生を名乗るその言動は意味不明にして的外れ、やや頭のねじもゆるそうで、つきあってられないと逃げ出す少女につきまとい。
 純朴であたたかいその言葉がいつでも通用するほど、世の中甘いわけじゃない。とんがった少女の性格がその後急に変わるわけでもなく、あいかわらず「でこぼこと」生きる日々。それでも、無条件に受け入れてくれる人と言葉が必要になる時と場合は、生きているうちには確かにあるのです。なんとかなるなる、なるりんこ。
 一歩間違うと癒し系に転落するところをしっかり踏んばった内容作風は、あやうくもとても魅力的。ひさびさにアワーズで楽しみな新人の読切を読みました。またいくつか読切で読んでみたいなあ。できるだけ早いうちに。
 読切はもうひとつ「濃縮還元ローテシールト」(いかみはじめ)、新連載「火消屋寿近」(田口シゲオ)は妹属性付きです。はやってるのかなあ。「ヘルシング」(平野耕太)は今回もちゃんと載っていて、次回予告にも。本気らしい。今回「手段のためには目的を選ばない」というフレーズが出てくるのだけど、このセリフ「究極超人あ〜る」にも登場してるのは、読んだ人なら覚えてるかもしれません。あっちは勝負、こっちは殺戮。

マガジンZ2001年5月号

 狂気に溺れる犯罪者、常に冷静だった主人公の激しい動揺。今回の「THEビッグオー」(有賀ひとし+矢立肇)はすごかった。さいきん物語世界が揺るいできてた感はあったし、原作者からしてこういうのが出てくる下地はあったのだろうけど。次、どうするんだろう。
 こちらはもともとふっとんでいた「フリクリ」(ウエダハジメ+GAINAX)は収拾しきれなかった感じの最終回。才能が暴走したゆえだろうししょうがないでしょう。ここまでの道行きは十二分に楽しませてくれたし。また次回作を楽しみに待ちます。
 「スーパーおぽんち大戦α」(Dr.A)「クスハ、襲来」(コンノトヒロ)が読切で掲載。あと今回の「ダーククリムゾン」(うるし原智志+高瀬美恵)にはかなり腰を抜かしました。これ少年誌じゃないのか。漢字にふりがな振ってある雑誌でこんな。

少年エース2001年5月号

 例によって読切がたくさん。「風あそび」で連続登場の米倉静香、一瞬の光景を切り取る鮮やかさは相変わらず、今回はそれに加えてラストがいいです。ほうきにまたがってた主人公の少女に「飛べた?」とたずねる友人、真っ赤になる主人公。いい友達だな。これまたどちらも連続登場の「JET!侍」(ゴツボ*リュウジ)「Dr.リアンが見てあげる」(竹内元紀)、もともと疾走置き去りギャグまんがの前者に引きずられるように後者までわけわからなさを増してるけど、それならそれでよいとしたもんでしょう。どこまで走っていくのやら。
 新連載「警死庁24時」(大和田秀樹)、このタイトルに作風が凝縮されてると言ってしまうのは言い過ぎか。熱血ヤンキーギャグ、ただし今回主人公はおまわりさんたちです。またはおまわりさんみたいな人たち。もうひとつ「GIRLS・ブラボー」(まりお金田)が本格連載化、入れ代わるように「源平伝NEO」(別天荒人+あかほりさとる)、「A・LI・CE」(木崎ひろすけ+吉本昌弘)、「1ねん3くみ桃ちゃん先生。」(ひな。)の3作が最終回。「A・LI・CE」の終わり方はページ数ともども気になるものがある。また次回作を待つことにします。

快楽天2001年5月号

 「エヴァーグリーン」(米倉けんご)「出張ボーイいがりくん!」(ピロンタン)「内向エロス」(陽気婢)「阿佐ヶ谷腐れ酢学園」(SABE)「はじめてのサスペンス」(櫻見弘樹)「LAD:UNA」(伊藤真美)「人妻姫」(かるま龍狼)と連載が7つ。そうか全部載るとこんなにあるのかと思ったら、今月は載ってないけど琴吹かずきの連載もあるのでした。
 加えて今月号から「少女、ギターを弾く」(朔ユキ蔵)がスタート。うつろな眼の少女がすっぱたかで町を歩く、このひとのまんがとしては不思議ではないシーンで始まったこのまんが、もしかしたら初連載になるのかな。どんなに満たそうとしても満ちることのない空虚さと、それゆえに生じる強烈な欲求。少女+ギターという道具立てを得てなにが出てくるのか、たいへん楽しみです。
 これもどうやら新連載らしい「スーパー忍者村!!」(ポヨ=ナマステ)は日記まんが。「THE迷惑おんな」(松本耳子)はあか抜けてきた絵で身もふたもないまんがという最近の路線どおりの内容。5月に待望の初単行本が出るそうです。デビューからけっこう長かったなあ。
 綾瀬さとみ「純情ぽんぽこ膝栗毛」は、悲恋ものの前々回掲載作ひでえギャグまんがだった前回作を足して2で割ったまんが。いやほんとうに足して2で割っただけで全然融合させてないので、ひでえギャグまんがな悲恋ものというすごく変なまんがで、読み終わったあと笑っていいのか泣いていいのかかなり困ります。これで泣く人はいったいいるのだろうか、いやたぶんきっといる。すごく変な人か、またはすごく純な人か。あるいは徹夜明けでてんぱってる人か。それともひょっとして泣かないのはおれだけだったりするのか。


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