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とおり雨がコンクリートを染めてゆく 僕らの心の中へも浸みこむような(小沢君大好きだー)、夏の日の夕方のこと。傘を持っていなかった私は、超特急で自転車をこいで家路を急いでいました。すると前方に、何やらキミドリ色の物体が動いているのが見えたのです。スピードを緩め見ると、それは、アゲハの幼虫でした。多分、街路樹か何かにいたはずが、急な雨で落ちてしまったのだと思うのですが、幼虫としては想像つかないほどの速さで、空き地の草むらに向って歩道を横断していたのです。私は思わず自転車を降りて道を譲り、無事横断しきるまで見届けてしまいました。もう、ものすごい、必死なのが伝わるんですよ。「キャー!もう超最悪!!」くらいのことを言っている声が聞こえました(何故かコギャルっぽい口調で)。それで、出来る事なら私の手で、草むらまで運んで差し上げたいくらいの気持ちになってしまいました。でも私は、虫は実はすごく苦手で、触ったりとかはもちろん出来なくて、見るのも本当はダメなくらいで、幼虫の写真とかあると普通に「ギャ!」ってなるくらい、苦手なんですよ。でもすごい、愛しさがあるというか、苦手なんですけど、嫌いじゃないっていうか。犬とか猫とか、圧倒的に存在自体が「可愛い!」っていう前提で大事にしたり可愛がったりする感じが、あるんですけど、虫に対して「可愛い!」って思ったりすることは滅多にないんですよ。状況として可愛いっていうのはあるんですけど。私が中学生の時、階段に座ってお友達と話してた時、階段を一匹の毛虫がニョロニョロ歩いていたんですよ。最初「ギャ!」ってなって「毛虫だ!」って叫んだんですけど、叫んだら毛虫の動きが止まったんですよ。それで「あれ?」っと思って、動き出してからまた「毛虫だ!」って叫んだらまたピトっと動きが止まるんですよ。何回か繰り返しても止まるんですよ。楽しくなってきて「だるまさんが転んだ!」とか言い出だしても動きを止めてくれるんですよ。もう可愛らしかったですよ。10分休憩の間、友達と二人、ずーっと毛虫と戯れてしまいました。自分が「毛虫」だっていう自覚してる!ってことにすごいテンション上がってしまって。というか毛虫に耳とかあるんですかね。何か、殺気を感じたりとかして、動きを止めてただけかもしれないですけど。今度毛虫を見かけたらお試しあれ。毛虫の話だと、毛が茶色くて長くてふさふさとした、ポメラニアンのような毛並みの毛虫がいるんですけど、その毛虫が雨に濡れている姿は可愛らしくて笑いますよ。本当、「まぁとりあえず入れよ」とか言って家の中に招き入れてあげたくなるくらい、タオルと温かいココアでも用意してあげたくなるくらい、悲壮感漂いまくりで。(関係ないですけど、このポメラニアンのような毛並みの毛虫は、びっくりするほど足(?)が早いですよ。本当びっくりする!)虫は、見た目に「ギャ!」ってなることが多いんですけど、でも見てしまう、し、できるだけ大事にしたいと思ってしまう。自然を守りたいとかそういう大義のためでは、正直ないと思います。虫を殺さない事が必ずしも自然を守る事になるとは思えないし。でも命はできるだけ大切にしたい。虫なんて本当小さいから、ほんのちょっと力入れて潰してしまえば死んじゃうじゃないですか。動いてたものが動かなくなって、どんなに動かそうとしても、一度動かなくしたものは絶対元に戻らないじゃないですか。それってすごい大変なことだから、できるだけ、為すがまま為されるがままでおきたいんですよね。でも庭仕事をするとダメですね。虫がなにより敵になってしまう。去年母が入院していたので、私が代わりに庭の事をやっていたんですけど、自分の中で、だんだん虫が憎たらしくなってきて、殺すのも平気になっていくのが、それも仕方ないのかなぁと、思うんですが、でも辛い!毛虫も、もし2、3日くらい葉っぱ食べてサナギになってくれるなら、それくらいのことで済むなら別に殺そうともしないですよ。できることなら見なかった事にしたいくらいなんですから!でも放っておいたら食べ尽くさんばかりじゃないですか。だからなんです。毛虫の方でも、いい加減もうちょっと考えて下さい!と、毛虫と会話できる方、是非お伝えください。一応、私からも念を送っているんですけどね。って半分冗談です。ってことは半分本気だったりするんですけど(笑)。なんか結局毛虫の話ばかりになってしまったな。最近お気に入りの昆虫は「カマキリ」です。カマキリはやっぱ「夫人」ですよね。優雅!あの顔で睨まれると本当、食べちゃってください!って身を捧げたくなってしまうくらい。って誤解されますね。この間、自転車に乗っていて、ふと、腕が痛いな、と思って見たら、腕にカマキリが普通に留まっていたんです。それでびっくりして自転車を止めると、「何か?」って例の優雅さで私の方を見るんですよ。おいおい、待ちたまえ、とユースケサンタマリア風にツッコミつつ、せっかくだったんでしばらくカマキリ夫人を腕に乗せたままサイクリングを楽しみました。虫話は果てしなく、続く。 |
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