HOMEWORKSTREATISESFILMOGRAPHYZAREGOTOabout myselfLINKS

虫話・冒頭部虫話・バッタの巻虫話・コオロギの巻

虫話・ビックマザーの巻虫話・ありんこプチプチ遊びの巻

虫話・ミツバチさんの巻虫話・トッパ君との思い出の巻

虫話・虫と私。

虫話・コオロギの巻

 夏になると、我家には一匹のコオロギがやってきます。どこからともなく。ほんと、どこから来るのでしょうねぇ。とにかく一匹のコオロギが、お家の中に紛れ込んできて、夜になると居間で鳴き始めます。それも夕食時に。
 毎年一匹で、それ以上は現れないし、夏以前には、けっして姿を見せません。同じ子なのかもわからないのですが。
 で、我家はそんなわけのわからないことも平気で受け入れて、ナスとかあげたりしていて。
 
でで、今年(2000)もやってきてくれました!祝4年目!くらいですかねぇ。今年の子はちょっと小さめでした。で、例年になく臆病な子で、姿を現せて鳴くことはあんまりなく、ずっと玄関をうろうろしていて、2日間くらい、父の使っていない方のスリッパの中で鳴いたりしていました。で、それから声が遠くに聞こえるようになったので、きっと外に出たんだねぇなんて話をしていたら、なんと!玄関の下駄箱のなかに閉じ込められていたのです。なんか声が中からする!と思って、開け放してしばらくすると、案の定、コオロギさん、よろよろ出てきて、また父のスリッパの影で鳴き始めました。キュウリやナスやスイカなんかをあげていたのですが、一向に食べている気配がなく。あんまり可哀相になって、強引に外に出そうと思い、追い立てたりしたのですが、逆効果になってしまいました。恐がらせてしまって、私から逃げるように下駄箱の裏側に回ったまま、しばらくは鳴いていたのですが、それきり鳴き声は途絶えてしまいました。毎年、ビックリするくらい堂々としたコオロギだったのに、今年のコオロギさんは、だいぶ臆病で短命でした。なんか、ほんとにゴメンね。
 で、去年のコオロギさんも数奇な運命をたどられました。ので、ここに記します。(なんか変な調子になってきたぞ)
 去年、1999年のコオロギさんは、かなり腹の座ったというか、堂々とした方でした。家族が揃い始める夜10時頃になると、わざわざみんなが集まるコウコウとしたお部屋にやってきては、これ見よがしに鳴きはじめるのです。
 で、ここからが、このコオロギさんのすごいところなのですが、我家には犬(シー・ズー)がいるのですが、その子が寝ていると鼻っ面にいって、真正面を向いて鳴きはじめるのです。それはそれは挑発的に。うるさがって犬が逃げるとその後を追って、また寝始めたころに鼻っ面に行って、鳴きはじめるのです。からかっているのか何なのか。犬とコオロギの不思議なコントは毎晩のように続きました。
 それからしばらく経ったある日、台所に犬とコオロギの二人きり(二匹きり?)で、例によって追いかけっこをしているようでした。カチャカチャ、犬が歩き回る音がして、その音が止むとコオロギが鳴き出して。コオロギさんも好きねぇ、なんて思いつつ、その音を聞いていると、ふとコオロギさんの鳴き声が消えたのです。鳴き止んだ、というのとは全く違っていました。嫌な予感が頭をよぎり、台所へ行くとそこには犬が一匹、しゃがんでいました。顔を見ると、なにやら口をモゴモゴ。その口からは、茶色い何か、が、出ていました。思わず愛犬の肩(?)を揺さぶり、「なんで?なんで?」と問い詰めてしまいました。コオロギさんはきっと、愛犬の血や肉にお成りになったことでせう。アーメン。
 このことは愛犬と私の秘密で、家族には言えませんでした。母に「急にコオロギいなくなっちゃったわねぇ」なんて言われると、胸が痛みました。
 コオロギさん、現れるのは主に夜なので、昼間って何してるんだろうと疑問なのですが、去年のコオロギさんは昼間でも堂々と、玄関をうろうろしていたり、何故かお風呂場を散策されているのを何度かお見かけしました。ほんとに堂々として、サーヴィス精神の旺盛なコオロギさんでした。戒名は勝新にしよう。ご冥福をお祈りします。勝新さんのおかげか、愛犬はとっても元気です。アリガトウ!勝新さん!

HOMEWORKSTREATISESFILMOGRAPHYZAREGOTOabout myselfLINKS