■□■ ぐい呑みコラム ■□■
18杯目:隊長、軽犯罪の告白(01.10.22) この季節、そろそろ鍋物が恋しくなるころ、ボクは数年前に犯した自分の罪の意識に嘖まれる。
その年の晩秋、ボクは大好物の鶏の水炊きを作ろうとしていた。
次の日は週末の休み。予定もない。うまい酒も買ってきた。まさにヘベレケになるために用意されたような夜だ・・・。ちょっと高めのコブを愛用の土鍋に敷き、さあ水を張るかと思ったその時、ボクは重大なミスに気が付いた。
ネギの買い忘れだ。
(なんてこった。ネギのない水炊きなんて・・・)
剣客商売風に悔やむボクの中に、悪魔の囁きが閃く。『歩いて2分の所にネギ畑があるじゃん。もう夜の10時。誰も見てないじゃんよう!』
気が付けばボクの足はそのネギ畑に向っていた。そう、誰の姿も見えず、青々と太いネギの待っている畑へ・・・。
そしてその畑に着き、ボクは悪魔の囁きに負けネギを引き抜いたんだ。その時! 最後の良心、神の声が心に響いた! ボクはとっさの行動にでた。
ネギを抜いた、小さな過ちの穴のすぐ隣に100円玉を置くという行動に。
ボクはもう軽犯罪者じゃないんだ!
そのとき食べたネギは、ことさら甘く感じたものさ。
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