鶏冠山登山( 鶏冠山:2,115m ) 2010.4.30 登山

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【PHOTO & 記録 鶏冠山登山 1】

今年のゴールデンウィークに関して勤め先も粋な計らいをするもので、 4月30日を休みとし、4月29日から 5月5日までの 7連休であった。
しかも、この期間中の天気予報は概ね晴れ。となると、山に行かずにはいられないところであるが、 一方で どこに行くにしても高速道路は渋滞が予想され、結局のところ、それが怖くて、休みの日は避けての山行計画となった。
つまり、4月30日に山へ行くということだが、一方で 高速道路が一律 1,000円ではないというデメリットがある。 そこで、比較的近く、且つ 以前から登りたいと思っていた鶏冠山 (トサカヤマ) に登ることにした。

この鶏冠山は、1月に 甲武信岳に向かうべく徳ちゃん新道を登っている際、 そのあまりにも険しそうでありながら魅力的な峰々を見て、大変 興味を持ち、その後、ネットで色々調べていた山であった。
小生が山を始めた 20年ほど前には、この鶏冠山は大変危険な山としての印象が強く、小生の中では 登ることはないであろう山という位置づけとなっていた山である。 事実、甲武信岳に向かう途中にある木賊山の所には、 鶏冠尾根への進入を禁止する立て札があったと記憶しているし、また、鶏冠山への登山口である西沢渓谷の方にも 『 入山禁止 』 と書かれた警告板があったはずである。
しかし、今でも 入山禁止と聞くが、 一方で この山が 「山梨百名山」 に選ばれたこともあって、 かなりの人が入山しているらしい。そのため、登山道が定まってきており、赤テープ、標識なども整備され、 さらに危険な岩には ロープがフィックスされたり、巻き道ができたりと、かなりその難易度は低くなってきているようなのである (とは言え、安易には行かない方が良い)
そうなると 私でも登れそうであり、残雪もほぼなくなったと思われるこのゴールデンウィーク、インターチェンジも勝沼と比較的近いこともあって、 意を決して出かけることにした次第である。

懸念としては、この山に向かうために途中で川を渡渉せねばならないことである。
登っている途中での軽アイゼン装着でさえ面倒と思う小生にとって、登山の途中で登山靴を脱ぐなどということは大変な苦痛である。 しかも、ネットで調べると、渡渉の回数については 1〜4回とまちまちの情報が流れている。
それだけでも尻込みしてしまうが、さらにこの時期、雪融け水で水温は相当低いはず。これらのことを想像しただけで、少し 心が萎える。
しかし、他に行きたいと思う山は皆 遠いところにあるし、一方で 平日の高速代は馬鹿にならない。
結局、少々迷ったが、当初決めた通り鶏冠山へ行くことに決めたのだった。

いつものように 4時過ぎに横浜の自宅を出発。
平日のためか、国道16号線はトラックの数が多い。2車線の両方を遅いトラックに塞がれ、またイライラが募る。
それでもどうにか八王子ICに辿り着き、高速道を勝沼ICに向かう。高速に乗ってからは順調に進み、道の駅 『 みとみ 』 には 6時21分に到着。
途中、笹子トンネルを抜けて、さらに次のトンネルを抜けてみると、南アルプスの山々はやや霞み気味。
同じ場所で、雲に隠れてしまってほとんど見えなかった前回の 編笠山−西岳登山の時よりはましだが、 もう 温度が高くなってきて遠くの展望が期待できない季節になってきているということであろう。


道の駅に駐めず、もっと先にある西沢渓谷駐車場に駐めた方が時間を短縮できるのだが、 ここから見る鶏冠山、木賊山の眺めは無視し難いところがある。加えてトイレも綺麗であるし、 帰りには飲み物もすぐに手に入るということで、先の 甲武信岳登山 と同様にここに駐めた次第。

身支度をして、6時30分に駐車場を出発する。
見上げれば、木賊山と鶏冠 (とさか) 尾根が見える。 木賊山にはまだ雪が大分残っているようだが、鶏冠山の方には残っていないことを祈って西沢渓谷へと進む。天候は快晴。
少々期待と不安を交えての出発となる。

1月にも歩いた道を進む。 その時はすぐに雪道になったが、さすがにこの時期、林道に雪はない。
6時37分に車止めのゲートを通過。そして、甲武信岳 戸渡尾根コースへの分岐を右に見て、やがて徳ちゃん新道への入口および西沢山荘前に到着。時刻は 6時52分。
『 見よ 笛吹川の渓谷は・・・ 』で始まる田部重治の文学碑 「 笛吹川を遡る 」 を眺めた後、 林道と分かれて左側の遊歩道に入る。
傍らの小さな地蔵尊に登山の無事を祈願し、崖沿いの細い道を進む。 足下は土がややグチャグチャとなっており、それに落ち葉が絡む。左下は崖なので、遊歩道と侮ってはいけない。
やがて二俣吊橋に到着。時刻は 6時57分。

結構 揺れる吊橋を渡りながら右手を見やれば、堰堤の向こうに左右から山の斜面が合わさっている。 それによってできた V字型の空間にこれから登る鶏冠山が浮かんでいる。
素直に考えれば一番右端の鋭峰がこれから目指す鶏冠山頂上ということになるが、果たしてどうであろう。
しかしそれにしても、目指す山は遠くに見えるし、かなり手強そうなその山相である。気が引き締まる。

吊橋を渡って少し進めば、今度は鉄製の歩道、 そして丸太に似せた人工物で作られた階段状の坂道となる。

そして、その坂を登り切れば、 西沢渓谷の入口を示す立派な標示板が現れ、その右手が鶏冠山への入口であった。
丸太とロープで柵が作られているが、鶏冠山の入口だけロープが張られていない。そして、鶏冠山の入口となる場所にある丸太には、 緑の山に青い空を現した背景に白い文字で 『 鶏冠山 → 』 と書かれた道標が付けられている。
手の込んだ作りの道標であり、この道標にはこの後も大変お世話になった。ボランティアにて作成されていると思うが、 大したものである。感謝。
時刻は 6時59分。いよいよ鶏冠山にチャレンジである。

柵の中に入っていくと、最初は落ち葉が敷き詰められた平坦な雑木林を進むことになる。
すぐに道は東沢の方へと下ることになる。いよいよ渡渉かと思ったが、至る所に付けられたピンクのリボンは、河原に下りるのを避け、 右岸の岸辺に沿って崖を登っていく。
河原の方を見ると、何となく道らしいものも見えるので、以前は河原に下りて何回か渡渉を繰り返すことになっていたのであろう。
道は、途中から完全に川を離れ、小さなピークを越えていく。
やがて、再び道は下りに入り、やや足下の悪いところを河原の方へと下ることになる。 トラロープや針金が付けられており、足下は崩れやすく滑りやすい。

再び河原の一角に下り立てば、 ピンクのリボンは川の方に続いており、東沢と鶏冠谷からの流れの合流点に到着する。渡渉点に到着である。時刻は 7時8分。
速い流れの対岸に鶏冠谷からの流れが見え、その合流点に木が立っている。 木には先ほど 鶏冠山入口で見た色鮮やかな道標が見える (鶏冠山入口 とさか谷出合と書いてある)
登山靴を脱ぎ、持参したサンダルに履き替える。ズボンを膝上までまくり上げ、登山靴を持って流れの中に足を踏む出す。案の定、水は冷たい。 そして流れは速く、バランスを崩せば、間違いなく水の中、慎重に進む。
僅か数十秒の渡渉であったが、水の冷たさに足は痺れ、また一部の場所が存外に深く、 ズボンを少々濡らしてしまった。



鶏冠山登山データ

上記登山のデータ登山日:2010.4.30 天候:快晴単独行日帰り
登山路:道の駅 みとみ 駐車場−−西沢渓谷入口−西沢山荘−二俣吊橋−鶏冠山登山口−東沢渡渉地点− 第一岩峰巻き道−第二岩峰−第三岩峰巻き道−第三岩峰(ここを 頂上とする)−(往路を戻る)
交通往路:瀬谷−(国道16号線)−八王子IC−(中央高速道)−勝沼IC−下岩崎−塩山熊野−(塩山バイパス)−仲沢ガード北−新隼橋北−(雁坂みち)−道の駅 みとみ 駐車場 (車にて)
交通復路:道の駅 みとみ 駐車場−(雁坂みち)−新隼橋北−仲沢ガード北−(塩山バイパス)−塩山熊野−勝沼地域総合局入口−(県道34号線)−柏尾−勝沼IC−(中央高速道)−八王子IC−(国道16号線)−瀬谷 (車にて)

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