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また、富士山の右には
黒金山。
この山がこれ程見事な三角錐を見せるとは少々驚きである。
いつか、西沢渓谷から登ってみたいと思う。
目を南東に向ければ、やや霞み気味ながら、
大菩薩嶺が見える。
その左下方に山頂部分が平らな中に特徴的な凹凸がある山が見えるが、
黒川鶏冠山
(こちらは ケイカンザン と読む) であろう。
さらに目を東の方に向ければ、
西破風山、東破風山、
そして雁坂嶺が見える
(写真)。 |
しかし、何と言っても目立つのは、
光の具合もあって明るく見える奥秩父主脈の姿であろう。
国師ヶ岳から北へなだらかに下りていく尾根は再び東梓に向けて盛り上がる。
見えている最低鞍部は、もしかしたら国師ノタルかもしれない。
稜線はさらに右に延び、両門ノ頭、富士見へと続く。
その先には水師、甲武信岳があるはずだが、
残念ながら山の陰に隠れて見えない。 | |
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10分弱の休憩の後、先に進む。
写真のような岩場にロープがフィックスされているのが見える。昔はこのロープはなかったようで、岩場をよじ登ったらしい。
ホールドする箇所が多いので、何とかなりそうだが、小生のような登山者にとってはフィックスされたロープは大変ありがたい。
一旦 岩場を下り、先ほどのロープのある岩場の下に立つ。
ロープを握って登り始める。
ロープのお陰で無理が利くが、逆にロープに頼りすぎて少し苦しい格好になったところもあった。
ロープだけに頼らず、ロープを少し利用する形で登るのが一番良いようだ。 |
岩の上に立つと、第三岩峰が近い。
岩の灰色と木の緑が美しいが、秋に来たのなら紅葉の中さらに美しいことであろう。
振り返れば、先ほどまで休憩していた第二岩峰が周囲から飛び抜けて盛り上がっている。
その後ろ側には黒金山、
牛首、そして無名峰が並ぶ。
さらにその後ろに見えるはずの富士山は、
この頃になるとほとんど周囲の雲と見分けがつかない状態になっている。
狭い岩場の上を縫うようにして進む。ここまでは厳しい箇所はほとんどない。
このまま第三岩峰も巻き道を使ったら、危険箇所もなく終わることになるが、無理することはなかろう。 | |
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と思っていたら、意外なところに厳しさが待っていた。
写真では分かりにくいが、目の前の岩を左側から登るのに、よほど柔軟性ががないと岩に取り付くのが難しいのである。
最終的には、写真にある枯れ木や立木を利用したが、結構 苦労した。帰りも同様。立木を利用しなければ、
中々下りるのが難しい場所であった。あとは第三岩峰の基部まで問題はない。
途中、左下を見やれば、白くザレた川底のような溝が下の方へと落ち込んでいるのが見えた。
その溝は下の方で水の流れに合流しているように見える。
雨が降ればこの溝は滝となり、下の流れに注ぎ込み、そして東沢に流れ込むのかもしれない。 |
やがて、鞍部に到着。
土の上に立ち、ホッと一息着く。
ここから岩混じりの斜面を登ると、第三岩峰の基部であった。
目の前には登るには厳しそうな岩がデンと構えている。
また一方で、そこには例の茶色の道標があり、『 第3岩峰迂回路 → 』 と書かれている。
迂回路の方を見ると、木々に囲まれて穴蔵のようになった急な下りが待っており、
しかも一昨日の雨が山では雪であったのだろう、誰の踏み跡もない雪の斜面になっている。
こちらも苦労しそうである。
どうしようか迷ったが、本日 誰も登山者はいないようであり、万が一のことを考えると対応が難しい。
ということで、ここでも安全を考え、巻き道を使うことに決めたのだった。 | |