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穴のような所に入り込む。足下は雪で、しかも 場所によっては雪の下に凍った残雪が残っているところもある。慎重に下る。
道は左の方に延びている。テープを探しながら進む。足下は雪。場所によっては完全に雪の斜面である。また、倒木などが多く、少々歩きにくい。
頻繁に歩かれているという雰囲気がないので、皆 あの岩場を登っているのだろうか。
岩場に慣れている人にはそれほど問題ないであろうが、やはり少々怖い。
道は第三岩峰を巻いて徐々に登りに変わる。この登り斜面は完全に雪である。
新雪なので歩くのには問題ないが、凍っていると苦労する所である。 |
雪の斜面を木々に捉まりながら登っていくと、
やがて上の方に白い道標が見えてきた。ようやく尾根に戻り着いたことになる。
右に進めば木賊山。左が 第三岩峰、鶏冠山の頂上のはずである。時刻は 10時12分。もう少しである。
雪の道を左に曲がる。狭い尾根を暫く進むと、低木の向こうは露岩帯となっており、鶏冠山の頂上であった。
例の 『 山梨百名山 』 の標柱が立っている。
時刻は 10時15分であった。
巻き道ばかりを選んだとは言え、意外とあっけない頂上到着に少々物足りなさを覚える。
とは言え、以前は無理と思っていた鶏冠山に登ったのだから、
ここは素直に喜びたいところである。 | |
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しかしである、この時はここが鶏冠山の頂上だと思っていたのだが、ここは 2,020mの第三岩峰の上でしかない。
鶏冠山の標高は 2,115m。本当の頂上はもっと上の方にあるのである。残念ながら、このことを知ったのは帰宅後。
この時はここを本当の頂上と信じていたのだった。
但し、2,115mの頂上には何もないようであるし、鶏冠尾根は 2,468.6mの木賊山まで続いているので、
もっと高い所は沢山ある。
従って、皆が頂上としているこの第三岩峰を踏んだことで、鶏冠山に登ったとしても良いのではないかと思う。
少々 悔しい気がするが、あまりショックはない。 |
そのようなことはさておき、
ここからの展望は素晴らしい。
但し、先ほどの第二岩峰と全くと言って良いほど変化はないので、目新しいものはないが・・・。
やはり目立つのは
国師ヶ岳とそこから右へと延びた奥秩父主脈の尾根である。
その姿を見ながら昼食にする。 | |
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黒金山と無名峰の方を見やれば、
一応 富士山が無名峰の上に見える。
しかし、それは偏光サングラスで見ているからこと。実際は、ほとんど雲の色に紛れてしまい、富士山の姿は無いに等しい。
それにしても、先ほども述べたが、黒金山がなかなか魅力的に見える。以前、
乾徳山から黒金山に向かい、
そこから大ダオ経由で徳和に戻ってきたのだったが、その時は黒金山もこれほど魅力的に見えなかったはず・・・。
頂上で握り飯を食しながら地図を見ると、黒金山から大ダオ経由の道は破線になっている。
確かに当時も分かりにくい道だったので、それからあまり人が通ってなければちょっと行きにくいルートである。
やはり、西沢渓谷から登ってみるか・・・。 |
先ほどまでそこに立っていた第二岩峰を眺める。
その頂の上に人が現れないかなと暫く目を凝らしたが、一向に現れる気配はない。
考えたら、ゴールデンウィークに突入したとは言え、一応 本日は平日であるので山に人がいなくてもおかしくはない。
しかも、入山禁止とも言われている山であるから、さらに人が登ってくる確率は下がることになる。
もしかしたら本日 この山を貸し切りにしたのかもしれない。
ということは、逆に言えば、事故など起こしても誰もやって来てはくれないということである。
下山も慎重に行かねばと気を引き締める。 | |