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とは言え、一直線の登りは少々苦手である。こういう巻き道も時々あった方が良いかもしれない。
かなり高度を上げて振り返れば、
北横岳が大きい。
北横岳の左下、山間に道らしきものが見えるが、もしかしたら亀甲池からの下山道はあそこを通っているのかもしれない。
傾斜は徐々に緩やかになり、逆に足下の雪は徐々に多くなる。雪は全く凍っておらず、サラサラしているのがありがたい。
それにしても、雪の上に足跡がないのが不思議である。竜源橋に先に車を駐めて居た方は、小生より 10分ほど早く出発したはず。
途中で抜いた覚えはないので不思議である。 |
9時38分、将軍平に到着。
ここは 21年ぶりになる。当時は蓼科山から下山した際に通ったのだが、
ここに立つ蓼科山荘前で多くの人が憩っていた記憶がある。しかし、この日は誰もおらず、蓼科山荘も閉まっている。
ここから見上げる蓼科山はドーム型をしていて大きい。樹林帯の上は岩場のようで、
雪が多いように見えるから要注意である。
空には雲一つ無く、先日の 前掛山に続いて、
晴天の下で登れることが嬉しい。尤も、そういう日を選んでいるのだから当たり前だが、それでも山の天気には良く裏切られるので、
晴天であることを素直に喜びたい。
あまり疲れていなかったので、休まずに蓼科山を目指す。 | |
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将軍平からは、大きな岩がゴロゴロする斜面を登ることになる。
雪は数センチ積もっている程度であり、しかも凍っていないのがありがたい。先達の足跡もあり、
難なく登って行くことができる。
そして、道は岩の上を登ると言うよりは、岩の間にある平らな場所を選んで進む という感じで危険な箇所はない。
但し、この雪が凍って場合には、かなり手強い道になりそうである。
途中、鎖場もあるのだが、一寸 頑張らねばならないのは一箇所だけ。
それ程 難しくない。 |
やがて、樹林帯を抜けると、
展望が一気に開ける。
振り返れば、まずは先般登ったばかりの前掛山、
黒斑山等、
浅間山が意外と大きい。
前掛山から見たこの蓼科山はかなり距離があると感じたのに、
こちらから見る浅間山はかなり大きく見える。これは山の大きさの違いから来るのだろうが、
浅間山の大きさを再認識させられた次第である。
もう一つ驚いたのが、浅間山の最高点が意外に尖って見えることである。
先般、前掛山から眺めた浅間山は、頂上のお釜部分がほぼ平らに見え、最高点と呼ばれる部分もほんの少し高いだけだったからである。
本日、浅間山から煙は見えておらず、火山活動はやはり落ち着いているようである。 | |
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そして、浅間山からずっと手前に目を戻せば、
足下の斜面の先、樹林が続く中に雪の原が 2箇所ほど見え、手前の原には蓼科山荘の薄緑色の屋根も見える。
ということは、あの場所が将軍平ということになる。
山小屋の屋根は、霧や雨の中でも分かるようにと赤いものが多いが、この蓼科山荘は周辺の景色との調和を考えているようだ。
確かに道は迷いようのない 1本道であるので、わざわざ目立つようにする必要はないのかもしれない。
そして将軍平から先には所々に縞枯れが目立つ山並みが続く。大河原峠へはあの山 (ややこしいが、こちらも前掛山という) を通ることになろうが、
気持ち良さそうなのでちょっと楽しみである。 |
そして右手 (北西方面) を見やれば、
北アルプスの白き峰々がよく見える。
写真 右側の白い峰が始まる部分が、乗鞍岳。そこから左へ小蓮華山、白馬岳、
杓子岳、白馬鑓ヶ岳、天狗尾根、唐松岳、
五竜岳、
鹿島槍ヶ岳、
爺ヶ岳へと続いている。
素晴らしい眺めであるが、この光景は先般 前掛山から見たそれとほとんど変わらない光景であることに気がついた。
前掛山とこの蓼科山は 40kmほどしか離れていないので当たり前と言えば当たり前であるが、
新鮮味に掛けるなどと思ってしまったのは贅沢であり、罰が当たる。
素直にこの素晴らしい展望を喜びたい。 | |