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樹林帯を進む。途中、登山道の傍らに 2,380mと書かれた標柱があった。標柱の横の方に 『 佐久市最高地点 』 の文字。
何か ちょっと悲しみを覚える。
道はやがて下り坂に入る。ここは雪の道をひたすら下る。何度も言うように、
雪が凍結していないことが大変ありがたい。
足下には大きな石がゴロゴロ敷き詰められているような場所もあり、少々歩きにくい。
樹林の中、展望の無い下りが長く続く。少し歩くのに倦んできた頃、樹林が切れて展望が開け、形の良い山が見えた。どうやら双子山のようである。
双子山が見えたので、もうそろそろ大河原峠かと思ったのだが、それからも展望の無い樹林の中を結構歩くことになった。 |
徐々に傾斜がなくなり、平らな道になると、
やがて樹林は終わり、明るい場所に飛び出した。
目の前には先程 樹林越しに見えた双子山の姿。ここは大河原峠かと思ったが、まだそうではなく、まずは竜源橋への分岐が現れた。
今朝程 将軍平への道をとらず、まっすぐに進んでくれば、この場所に到達したことになる。今の時刻は 11時59分。
少し歩くと大河原峠と書かれた大きな看板が立っていた。標高は 2,093mとある。そばには車道もあり、車も駐まっている。
こんな高い所まで車道が入っているとは少々興ざめである。
ここも見晴らしが良く、特に浅間山が真正面に見えるが、
この時間では少々霞み気味である。 | |
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ここでも休まずにそのまま双子山への登りに掛かる。
傾斜はきつくないように見えるものの、さすがに少々疲れた身体には応えるかなと思ったのだが、この登りではトレッキングポールが大活躍してくれ、
かなり楽に登ることができた。
登山道はほぼ 一直線。明るい草原の中の登りと、樹林帯の中の登りが交互に現れる。
高度が上がるに連れて展望も広がりだし、先程下ってきた前掛山の向こうに、
今まで見えなかった蓼科山の姿も見え出す。
また、振り返れば鹿島槍ヶ岳、
五竜岳を中心とした北アルプスの山並みが見えるものの、
さすがにこの時間では少々霞み気味である。 |
双子山の頂上には 12時20分に到着。
頂上は広く、木々も生えていない草原状なので気持ちが良い。
西には前掛山の向こうに蓼科山がズングリした姿を見せており、
南には やや逆光気味の中、北横岳が大きい。
頂上には、テントが 1張あり、そのテントの前で幼いお子さんとそのお父さんが食事中であった。
この双子山への登り斜面の途中に子供用の長靴が片方落ちていたのだが、そのままにしておくべきか、上に持って行くべきか迷い、
結局 そのままにしておいたのだったが、正解は上に持って来るべきであった。
何でもお子さんを背負って登った時に、片方が脱げ落ちたらしい。大河原峠に誰もいなかったことを考えると、
結論は 1つ。一寸悔しい。 | |
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双子山は、頂上から南に向かってほぼ平らな台地状の草原の尾根が続いており、とても気分を良くさせてくれる。
3分程休んで、その気持ちの良い尾根を先へと進む。
途中、大きな石がゴロゴロした場所があり、何か名前が付けられた場所なのかと思ったのだが、それを示すものは何もないようであった。
尤も、風化したベンチやかつて標識だったと思われる木材もあったので、本来は何らかの名前がある場所だったのかもしれない。
この辺に来ると、前掛山の向こうに見える蓼科山がさらに大きくなってきている。
ただ、山頂直下にみえる蓼科山頂ヒュッテが少々目立ちすぎるのが残念である。 |
気持ちの良い尾根もやがて下りに入り、
樹林帯に突入する。
足下はササ原。これが斜面全体を覆っていて結構美しい。
コメツガ、カラマツの林の中、整備された道をドンドン下る。
15分程下ると先の方に屋根が見えてきた。双子池ヒュッテである。
そして、ヒュッテの裏から前へと回り込むと、目の前に双子池の 1つである雄池が見えてきた。道とは反対方向ではあるが、
ちょっと雄池の湖畔まで足を延ばしてみる。
池は凍っており、明るい日の光の中ではあるが、周囲に誰もいないこともあってか、
少々 神秘的である。時刻は 12時49分。 | |