中倉山・沢入山 ( 中倉山:1,530m、 沢入山:1,704m ) 2021.4.15 登山



【PHOTO & 記録 中倉山・沢入山 1】

コロナ禍によって家にいることが多くなると、どうも時間の観念がぼやけてしまい、気がついたら もう 4月である。
考えれば、この時期は、長い間のブランクを考慮して低山中心に登っている我が身にとって、暑すぎず、寒すぎずで、登山のベストシーズンということになる訳で、 もっと山へ行くべき季節なのである。
そこで、山へ行くべく、久々に ヤマレコなどを覗いて行き先をいろいろ検討したところ、足尾山地の 中倉山に俄然興味を惹かれることになった。

この中倉山は、前述のとおり栃木県日光市足尾町に位置しているのだが、足尾といえば足尾銅山を連想し、さらには銅山による公害被害、 山林荒廃を思い浮かべる方も多いことであろう。
荒廃要因としては、『銅精錬行程において発生する亜硫酸ガスの煙害』、 そして 『坑木、製錬の燃料にするための木の大量伐採・乱獲』『山火事』 などが上げられるのだが、 中倉山はまさにこの山林荒廃のまっただ中にあった山なのである。

加えて、この地域は古生代にできた地層と酸性火成岩類によって形成されていて、至る所に断層が入り乱れており、 風化が進みやすいという特徴があることから、荒廃が加速されてきたとのことである。
40数年前に栃木県小山市にいた頃、足尾の町をドライブして岩肌がむき出しになった山々にビックリしたことがある。
しかし、近年、緑化に積極的に取り組んだお陰で、徐々に足尾の緑も蘇りつつあるようで、その状況も見たいところである。

ただ、登山の観点から言えば、 この中倉山は昭文社の 『山と高原地図 日光』(2009年) に山名の記載はあるものの、 そこに至る登山道は書かれていないので (最新版の状況は不明)、少々登るのが躊躇われる。
しかし、今や中倉山のシンボルともなっている 『孤高のブナ』 を求めて多くの登山者が訪れていて登山道は明瞭のようなので、 登ってみようという気持ちが強くなったのであった。

4月15日(木)、まだ暗い中、4時半過ぎに横浜の自宅を出発する。
横浜ICから東名高速道上り線に乗り、東京IC・用賀出入口にて首都高速3号渋谷線に連結した後、大橋JCTから首都高速中央環状線に入る。
その後、江北JCTにて首都高速川口線に至り、そのまま川口JCTから東北自動車道へと進む。
久々の首都高速道で緊張したが、後は宇都宮ICまで一本道の東北自動車道に入ってホッと一息である。

しかし、ここからが長く単調である。
天気は上々、さらに途中から日光連山が見えてくるものの、あまりに距離があるので ため息が出る。
それでも何とか行程を消化し、宇都宮ICから日光宇都宮道路に入る。
篠井ICを過ぎた頃から前方に 男体山大真名子山、小真名子山女峰山が見えてきてテンションが上がる。
ただ、男体山は上方が雲に覆われているのが気になるところである。

日光宇都宮道路を終点の清滝ICで下り、そのまま国道120号線に入る。
続いて、細尾大谷橋 (ほそおだいやばし) の交差点を左折して、国道122号線へと進み、山の中へと入っていく。
緑の中を走り、日足トンネルを抜けて、細尾大谷橋の交差点から 20分程で田元の交差点に至るので、そこを右折する。
この道 (県道250号線)『 銅 (あかがね) 街道』 と呼ばれており、その名の通り、 足尾銅山でとれた銅を群馬県伊勢崎市南東部の平塚まで運んだ道である (なお、平塚からは船で利根川を下り、江戸まで運ばれたていた。)

わたらせ渓谷鐵道の高架橋を潜り、やや淋しい感じのする間藤の町並みを抜けていく。
町並みが終わると道が急に広くなり、やがて左手に 『銅親水 (あかがねしんすい) 公園』 への下り口が見えてくる。
なお、道路はそのまま先へと続いているが、すぐに一般車進入禁止となる。

公園の駐車場には 7時11分に到着、既に 5台ほど車が駐まっている。


車内で朝食をとり、身支度を調えて 7時20分に出発する。

見上げれば、足尾ダム (足尾砂防堰堤) の後方にピラミッド型の山があり、そのさらに後方に岩肌がむき出しになった山が見える。

実はこの山が目指す中倉山で、 手前のピラミッド型の山は横場山というらしい (無論、この時は知らなかった)

駐車場から坂を昇って先ほどの車道のところまで戻り、車道をさらに先へと進む。

すぐにゲートが現れる。ここからは一般車両通行止めとなり、工事専用車両のみ通行が許されることになる。
時刻は 7時23分。

ゲートを越えると、すぐに道が 2つに分かれるが、先ほどのゲート脇にあった地図によれば、 右の未舗装道は阿世潟峠へと至るようであり (阿世潟峠を越えれば中禅寺湖、阿世潟峠から左に尾根を進めば 社山に至る)、中倉山へは左の舗装道を進む。

続いて、鉄板が敷かれた橋にて久蔵川の流れを渡る。

正面奥には中倉山が見えている (先述したように、この時点では 中倉山とは知らなかった)
その後方には雲一つ無い青空が広がっており、テンションが上がる。

また、正面手前の山の斜面には等高線状に木柵が設置されている。
これは山腹緑化の一方法で、山腹表面の土砂の動きを止めるとともに、木柵間に植樹を行うものである。

やがて道は河原へと下りて、松木川に架かる橋を渡るが、 その手前で道がまた 2つに分かれる。

正確には 2回分岐が現れるのだが、どちらも左の道を選べば良い。
右の道は松木川に沿って松木渓谷へと至る道である。

道路脇には その旨が書かれた標識が立っている。
但し、『直進 : 松木渓谷・皇海山』『左折 : 仁田元』 となっており、中倉山の文字は無い。

橋を渡る際、右手を見ると、松木川の流れの先に大きな山が見える。
日光の大平山かもしれない。

沢を渡った先で、中倉山への道は左にカーブするが、右手にも道があって奥には建物が見える。

実は、ここまで 2台の車に追い抜かれているのだが (1台は大型ダンプ)、 皆そちらの建物の方へ進んでいるようで、この後 車に追い抜かれることはなかったのだった。

導水管の下を潜り、林道は仁田元川に沿って進む。
足下には砂利道とコンクリート道が交互に現れる。

最初はあまり傾斜がなかった林道も少しずつ上り勾配となる。

やがて、林道の前方に山が見えてくるが、この辺の山は名前が全く分からない。



中倉山・沢入山 登山データ







登山日:2021.4.15 天候 : 快晴単独行 日帰り
登山路 : 銅親水公園駐車場−井戸沢下流ダム−中倉山登山口−尾根・巻き道分岐−岩場−三角点−中倉山−孤高のブナ−波平ピーク− 沢入山−波平ピーク−孤高のブナ−(巻き道)−岩場−尾根・巻き道分岐−中倉山登山口−井戸沢下流ダム−銅親水公園駐車場
交通往路 : 瀬谷−横浜IC−(東名高速道)−東京IC・用賀出入口−(首都高速3号渋谷線)−大橋JCT−(首都高速中央環状線)− 江北JCT−(首都高速川口線)−川口JCT−(東北自動車道)−宇都宮IC−(日光宇都宮道路)−清滝IC−(国道120号線)−細尾大谷橋−(国道122号線)−田元−(銅街道:県道250号線)− 銅親水公園駐車場 (車にて)
交通復路 : 銅親水公園駐車場−(県道250号線:銅街道)−田元−(国道122号線)−細尾大谷橋−(国道120号線)− 清滝IC−(日光宇都宮道路)−宇都宮IC−(東北自動車道)−川口JCT−(首都高川口線)−江北JCT−(首都高速中央環状線)−大橋JCT−(首都高速3号渋谷線)−東京IC・用賀出入口−(東名高速道)− 横浜IC−瀬谷 (車にて)

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